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capter2 「悪夢」 SIDE A 前編

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 この物語はどのような物語だと言えるのだろうか?


 一人の男の戦いの物語。
 是。
 これは苦難に満ちた男の戦いの物語である。

 一人の男の復讐の物語。
 是。
 これは復讐以外の何物でも無い物語である。

 一人の男の後悔の物語。
 是。
 これは後悔に満ちた物語である。


 だが、そのどれもがこの物語の全てを抱くにたる言葉では無い。
 もし、この物語がどのような物語かというならば、こう称するのが一番だと言えるだろう。

 この物語は自分が間違っているのだと知った上で、それでもその歩みを止める事が出来なかった男の物語なのである。


 だから、この物語は王道では無い、王道とは正しき道を行く物語であるのだから…。
 それでは皆様、CRの第二幕「悪夢」の始まりでございます。
 また、長い時の間、皆さまにお付き合い願う事になりますが、何卒、ご容赦願えると幸いです。






 CR ―code revegion―   第二章「悪夢」  SIDE A   







「っ―――。」
 白い天井。 
 それが秋常譲二が目蓋を開いて見た最初の光景だった。
 それは知らない天井。
 譲二がいつも目にしている灰色の天井ではなく白い天井。
 譲二は自分の体を見渡す。
 一つのベッドに寝ている自分の体には医療用の管が刺されている。
 譲二は少しずつ覚醒していく意識の中で、自分がいま何処にいるのかを理解し始めた。
 つまりは自分は助かったという事だ。
 あの戦いの中、勝手な妄念に囚われ独断先行し、結果、足を引っ張り、それでも生き残った。
 天狼との戦いの後、薄れた意識の中でもシャーリー・時峰の断末魔は耳に残っていた。
おそらくは、あの戦いで仲間が死んだのだ。
 シャーリー・時峰は秋常譲二が知る限り冷静沈着な人間だ。
 とある一例を除けばどんな逆境に置かれても、冷静かつ適格な判断をする。
 その人間が唯一取り乱す瞬間は仲間が死んだ時に他ならない。
 何故、他の仲間が死んで自分が生き残っているのだろう。
 まだ、モヤのかかった意識の中で、秋常譲二は自らを悔い責めた。
 彼らは自分のようなどうしようもない欠陥者と違って、その数万倍も素晴らしい人間であったのというのに…。
 一体、何人あの後、生き残ったのだろうか…。
 そんな、後悔の念に譲二が囚われていた時、声が聞こえた。

「へぇ、狙ったわけでは無かったんだけれど、これは本当に運命的な出会いなのかもね、ちょっと楽しみであえて『見』なかったのは正解だったかな。」

 ソプラノ調の高い声。少なくとも秋常譲二の記憶の中には無い声。 
 譲二はその声が発せられた方へ顔を向ける。
「眠りの王子さまはお姫様のキスを受けて眠りから目を覚ます、確かこんな物語があったよね。シンデレラだったかな。」
 笑いを含みつつ、そう例える黒いスーツ姿の女がそこにいた。
「いや、違うと思います、確か眠りのお姫様が王子のキスで目を覚ますという話ですね。あとシンデレラではなくそれは眠れる森の美女では無いと思います…シンデレラはガラスの靴の話です。」
 譲二は全身の気だるさと自分の唇が濡れているのに違和感を感じながら、そう応対する。
 自分がなぜ『ここ』いるのか、大体の予想は付いている。
 おそらく自分は責任追及を待つ身なのだろう。命令違反を犯した自分には当然の処置だと思える。
 だが、何故、『ここ』にこの女がいるのか、譲二にはわからなかった。
「ああ、そうだったっけ?童話はあまり詳しくないからなぁ、ふーむ、やはりこういう例えは人前で恥かくだけだから言うべきじゃないかなぁ。」
 くすりと女は笑う。
 直接的な面識があったわけではないがこうやって見ると、外見通り10代後半という年齢相応の女性に見えるなと譲二は思った。
 だが、譲二には彼女がいわゆる普通の女性とは違う領域にいる人間だという事を知っている。
 だから、譲二はこう尋ねる事にした。
「それにしても何故、あなたが『ここ』にいるのですか?」
そう尋ねた譲二に少し驚いたような顔をし、少し溜息をついた後スーツ姿の女性は答えた。
「ふむ、どう見ても君より年下の私に対して敬語を使っている辺り、私の正体はばれてしまっているのかなぁ、ちょっと残念、男装して付け髭でも付けてこればよかったか…。」
 譲二はゆっくりとベッドから上半身を上げる、その際に脇腹に痛みが走った。
 その痛みは譲二が今、どのような状況にあるかを強く認識させる。
「いや、流石にそれはどうかと思います、それに貴女ほどの有名人を知らない人なんてこの世界には数える程ですよ、第六機関の統括者セレーネ・リア・ファルシル代表。」
 スーツ姿の女性セレーネは頭に手を当てて溜息をついたあと、
「ここでは、セリアと呼んでくれ、一応、レイン・フィードのお付きという名目でお忍びで来ているから敬語も禁止だ。」
 とスーツのポケットから黒いサングラスを出して譲二に見せる。
「初見の人には敬語で話すものですよ、それに、俺にばれてるようじゃ、ここの人間に全てにバレてしまっているんじゃないですか?」
「ふふ、そうでも無いよ、例えばね――」
 セレーネは首の後ろを指で叩く。
「こうすると意外と見間違いだと認識しない?」
 そのセレーネの口から放たれた声は先ほどのものより太くなっており、男性の声のように聞き取れる。
「それもあなたの機関の開発品ですか?」
譲二は少し呆れたようにして言った。
「そう、簡易ボイスチェンジャー、体内のナノマシンで声帯から出る音波にちょっとだけ干渉すると、こういった風に声を変えたりする事が出来るわけ、ウチの機関のナノマシン研究で作られた玩具だね。
 自分の喉からいつもと違う声が出るから使うと違和感が凄いんだけれど…。」
 第六機関の統治領域は工業が盛んな地区である。
 元々豊富な資源を元に様々な機械を開発し輸出していたが、とある時から頼りにしていた資源が枯渇するという問題に直面する事になった。
 それを一人で立て直したのがこの若干、24歳の女性、セレーネ・リア・ファルシルなのである。
 彼女の行った事はジャンク集めである、とにかく各機関からとにかくスクラップを買い漁ったのだ。
 つまりはスクラップ品の再加工する事で統治地区を立て直そうとしたのである。
 だが、かつてのように大型の機械を大量に生産するにたる程のものは集まらなかった。
 そこで彼女はそれらを丁寧にクレンジングを行い、超小型の機械の開発へと転用する、つまりはナノマシンである。
 元より開発力は高い機関であったが、それまで主軸であった大型機械から技術の転用が出来る部分も少なく、もはやナノマシン開発を軸にするという方針転換は大博打という程のものであったが、彼女はそれをたった3年で終わらせてしまった。
 それも他の機関を追随を許さない程、高品質なモノを作り上げて、今や、世界に出回っている医療用ナノマシン等のナノマシンは全て第六機関のものなのである。
 その改革を立案した大学を出たての彼女は当時は轟々たる非難の中に晒されたが、彼女は謎の資金源を使い反対意見の口を強引に封じ、推し進め、そして結果を残した。
 そしてその大業を成し得た、年端もいかぬ女は『鉄の処女』と呼んだ。そうして絶大な支持を得て、今や彼女は第六機関の代表となっている。
 さて、そんな世界的な常識は置いておいて問題なのはここからだ。
 そんな世界政府中枢レベルの要人が自分のような人間に一体何の用だというのだろうか…。
「なんかとんでもない変装グッズですね、その内、貴方の機関のウリがさらなる成長を遂げると完全な別人に変身する事も可能になる気がします。」
「それも面白いんだけど、あんまり身体に干渉するモノ作っちゃうと大御所様の法に触れちゃうから、まあ、この程度が限界という感じかな。」
 セレーネは幸せそうな顔で譲二の顔を見つめる。譲二にはそれが非常に気持ち悪く感じた。
「ところで――なんであなたはここにいるんですか?」
 譲二は先ほどからずっと思っていた言葉を吐きだす。
 所詮、今の自分はイーグルに所属する鋼機乗りでしか無い。それも、他の常軌を逸した能力を持つ鋼機乗り達と違い欠陥品だのといった評価されているような代物をシャーリー・時峰に拾ってもらったに過ぎないのだ。
そんな男に一体何のようだというのだろうか…。
「ああ、そうか本題だね、君、今は鋼機の操縦やってるらしいけれど、その前は鋼機の開発やってたんだろう?」
「ええ、正確には鋼機の操縦者で軍に入って訓練受けてたんですが、適正無しって事で放りだされて、その後、恩人の誘いもあって鋼機の開発に携わる事になりました。まあ、それから色々あって鋼機の操縦者になったんですが――」
「ああ、大丈夫、君の経歴は熟知している。君があのディールダイン式の考案者である事もね。」
 それを聞いて譲二は彼女が何を目的に自分の所に来たのか得心がいった。
「なるほど、アレ目当てで自分に接触してきたという事ですか、確かに考えたのは俺ですが俺は所詮アイディアを出したに過ぎずあれの本当の功労者は琴峰礼夢(ことみね れむ)ですよ。」
「ああ、例の琴峰研究所の出身者の事か、でも彼女は確か、S-21の完成間近に…。」
「ええ、ディールダインの暴走事故で死にました…。」
 ふむ、とセレーネは頷く。
「確かに惜しい人を亡くしたんだろうね、でもね、秋常譲二、もし私が君を訪ねたのがディールダインに対する知識が欲しいからだと考えているのなら、それは見当違いというものだと思う、私はね、秋常譲二、君の全てが目的でやってきているんだよ。」
 あまりにも漠然とした答えに譲二は一瞬、何を指して言っているのか理解する事が出来なかった。
「ああ、ちょっとわかりにくいか、君の鋼機開発者としての能力、君の鋼機操縦者としての能力、君という人間の持つ血、君の成した成果、それら全てが私、
正確に言うと私たちなんだけれど、その目的の為に必要なんだ、つまりはね、秋常譲二、君、英雄になってみる気はない?」




 イーグル総司令、秋常貞夫はイーグル本部の離れにある鋼機格納庫の中にいた。ここ連日司令部に入り浸りぱなしだった貞夫はやっとの事で狭苦しい司令部から抜け出せたが、無数の鋼機が格納されているここは今度は広すぎて落ち着かない。
 気分が落ち着かない時はとにかく煙草を吸うのが、秋常貞夫の常であったが、そろそろ禁煙を始めなくてはという突発的衝動に駆られ煙草を吸うのを止めた。
 それを聞いた、副官である琴峰雫(ことみね しずく)には「また、始めるんですか?どうせ3日も持たないと思いますが、まあ、応援してますよ。」等と呆れ顔に皮肉を言われ、そんな事を言った琴峰雫をギャフンと言わせてやろうと今度こそは止めると奮起しているのだ。
 その呼吸がいけなかったと貞夫は思う。
 その一挙一動が余りにも煙草の吸って吐くという挙動と似てしまったのだ。
 体と心が煙草を思い出し、煙草を欲し始めている。
 ああ、30分前の最後の一服が忘れられない。
 今度こそこれで終わりにするとして煙草との今生の別れを先ほどしてきたばかりなのだ。
 あれは美味かった。
 幾度も繰り返し吸った煙草だったが、この52年の人生の中であれほど美味しい煙草は 無かったかもしれない。
 あの煙草をもう一度吸ってみたいと思う。
「あ、あの―――――」
 しかし、自分は先ほど琴峰雫にあれほど大見得切って、煙草を止めると言ったのでは無かっただろうか?
 ああ、そうだ、ここで必要なのは鋼鉄の精神だ。
 この目の前に直立している、蒼白色の鋼機のように感情を完全に殺してしまわなければならない。
「秋常司令、聞こえているのでしょうか?」
 ああ、しかし、吸いたい。
 一体、何時から煙草は害悪とみなされるようになったのか…。
 世界が世界政府の名のもとに統一される前から既に、嫌煙活動は行われていたのだという。
 だが、煙草が害だと見なされていなかった時代もあった筈なのだ。それはダンディズムを現すハードボイルドの必須アイテムであったとも聞く。
 それが今では煙草を吸っているというだけで、周りからは白い目で見られ軽蔑され、社会の害虫のような扱いを受ける。
「秋常司令、あのお話したい事が――」
 間違っているのは煙草を吸う愛煙家では無く、社会では無いだろうか?
 煙草を悪と見定める社会、これこそがまず全ての間違いなのだ。
「――どうしました?」
「いや、秋常司令が先ほどから――」
 そうだ、かつて黒峰玄武がイーグル創設時に唱えた聖句もそれを謳っている。
―我らは気高き鷹なり―
 つまりは我らは例え、社会からどんなに弾圧されようとも煙草を吸い続けるものは気高 きものだと黒峰氏は応援している。
―あらゆる厄災から弱者を守る聖者の爪を持つものなり―
 ふむ、深い話だ、愛煙家という社会的弱者を守るためにそれを持つ爪を持たなければならないと黒峰氏は心得を―――
「ああ、なるほど、それならば、こうしてやればいいんですよ。」
 その瞬間、貞夫の顎に強烈なアッパーが叩きこまれた。
 秋常貞夫と名称される個体はその体はまるで砲から発射されたロケット弾のように飛翔し、10mほどの高さまで飛びあがってから、地面に向けて頭から落下した。
「あ、あの大丈夫なんでしょうか…今、グシャッ!ってグロテスクな音がなりましたよ!どう考えてもあれ死んでますよ!!」
 白衣を着た男が、地面に向けて頭から突っ込んで、そのまま体をピクピクと痙攣させている秋常譲二を見て、その原因となったアッパーを入れた女に問う。
「大丈夫ですよ、ウチの司令のニックネームはリビングデットなんてとんでもない名前なんですから、あれぐらいじゃ死にません。」
 ニコリと白衣を着た男に笑顔を見せ、アッパーかました本人、秋常貞夫の直属の部下である琴峰雫は答える。
「ところで、司令に何の話だったんですか?フォード博士。」
 白衣を着た男、レイン・フォード博士は少し目の前で行われた光景に怯えながらも答えた。
「え、ええ、一応こちらの方は調査が済んだので、ブラックファントムの方を見せてもらえないかと思ったのですが――」
「了解しました、確認しますが中身の方のみになりますがよろしいですか?」
「はい、それで構いません。私の専門はナノマシンですからね、鋼機の事はそちらの機関の方々のが詳し―――ひぃっ!」
 フォード博士は琴峰雫の背後に現れたそれを見て心底怯えた声を出した。
「こ~と~み~ね~く~ん~。」
 その怨霊が人を祟るような声を発した頭から血を流した50前半の男性は琴峰雫の背後から肩に手をかけていた。
 この瞬間をフィルムに抑えたならば心霊写真として投稿しても問題無く受け入れられただろう。
 雫はくるりと背後に体を回して、怨霊と化した秋常貞夫と向き合い、ニコっと笑う。
 その光景を目の当たりにしてフォード博士は体を震わせて怯える。
「どうしました、司令、ちょっとは頭から煙草の二文字が消えましたか?良い薬になったでしょう?」
「あ~の~な~だからといって、上司にアッパーカットかます部下がどこにいるか!」
「ここにいます。」
「さらりと言うな!!」
「事実ですので、さらりとあっさりと言わせて貰いました。お望みでしたら今度はそのテンプル目がけてコークスクリューをお見舞いします、きっと視界が光に包まれて、その先で川が見える所までいけると思いますよ。
そこには舟があると思うのでそれに乗るときっと煙草の事など永遠に忘れられる楽園に――」
「それ三途の川ですよね?暗に殺すぞ、コラッ!て上司脅してますよね?」
 そう、狼狽気味に問い返す貞夫の肩に手を置いて雫は優しく微笑んで言った。
「じゃあ、どうして欲しいんですか?このボケ司令が!!私が煙草止めるって聞いたのほんの1時間前だった筈なのですが…なのになんでそんな雑念にもう囚われてるんしょうねぇ、ふふふ…。」
 本来、女性が発するようなものでは無い脅迫的な威圧感ある声と仏のような笑顔で雫は自分の上司の否を責める。
 この空間がもし、大気を震わせる事によって音を伝える事が出来ない特別な場所であったならば、この光景は人の目にはさぞかし微笑ましい光景に映っただろう。
 だが、発せられた言葉と声質とその光景が本来、指し示すべき矛盾は決してこの世にあらざる世界をそこに作り上げていた。
あくまで笑顔で優しくドスの効いた声で罵詈雑言を上司に向けて投げかける副官。
 その光景を間近で見ていたフォード博士があやうく失禁しかけそうになるほどの恐怖に満ちた世界がそこにあった。
 貞夫は部下の怒りの恐怖に足をガタガタと震わせて、
「いや、本当にすいません、自分が間違っていました。琴峰くんが正しい、うん、間違いない。はーはっはっ。」
と明後日の方向を向いて笑い始める始末だ。
 そうして少したった後、雫はため息を付く。
「九条さんからあたしの留守の間、司令の面倒を見ろと任されている身ですので、これ以上なにかイーグル総司令として相応しくない行動をおとりになると
 『九条式よくわかる秋常貞夫のボコり方』を参考に少々手荒な手法を用いてその捻くれまくった性根を矯正させて頂きますので、ご容赦ください。」
 雫はスーツから1つのメモ帳を取り出し貞夫に見せた。
「――少々、てか何故にそこまで限定してるんだ、それ?」
「九条さんからこれがあれば貞夫の坊やなんて楽勝!と親指立てて渡されました、それにこれでもまだ手加減している方なのですよ、本当にこの書に従うのならば火あぶりにでも――」
「あーあーあー、わかった、わかったそれ以上言わないでくれ、想像するだけでも恐ろしい…。」
 琴峰雫ならば本当にやりかねないと思わせる凄身がそこにはあった。
「と、ところでフォード博士、私に何か用事があったようだが何んだったのかね?」
 とにかく、貞夫は話題を逸らそうと必死にフォード博士に話題を振る。
 フォード博士としてもこのような鬼の巣から逃げ出したいだろうし何より本題なので乗ってくると貞夫は考えたのだ。
「…………。」
 フォード博士は沈黙していた。
それも白目むいて、口から泡吹いた状態で…。
「え、えっと、フォード博士?」
「僭越ながら秋常司令、フォード博士は恐怖にあてられてショックで泡吹いて心停止しているのだと思われます。」
 冷静に状況判断する雫。
「救護班ーー!!!!!」
 イーグル総司令の秋常貞夫の普段は聞けないような心底、慌てた声がそこに響いた。

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