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Boy meets Devil

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越前リョーマは中学生である。
彼は決して、悪魔や吸血鬼と戦ったりはしないし、願いをかなえるための冒険をしているわけでもない。
彼はただ、学校に通ってテニスをするごく普通の中学生だ。
そんな彼が今おかれているこの状況――殺し合い。
それこそ彼には全く無縁の、百八十度逆の位置に存在していると言っても過言ではない狂気の沙汰。
そんな状況下において彼は――


「……訳が分からないね。」


ひとまずは、冷静でいた。



彼のトレードマークであるキャップをやや深めに被り直すと、リョーマは今までに起きた事をゆっくりと、しかし丁寧に思い出していた。
日本テニス界のトップ選手を養成するU-17日本代表合宿に参加するために、アメリカでの武者修行から帰国の途についた所までは覚えている。
だが、そこから先の記憶が曖昧だ。
まるで靄がかかったかのように、その前後の記憶がぼんやりと思いだせない。
そのぼんやりとした記憶の領域を越えた先に合った光景は――

「…あんまり、思い出すもんじゃないよね……」

リョーマ自身、流血沙汰を見るのはテニスの試合中に起きたアクシデントで若干慣れていた部分はあったが、それでもさすがに人が死ぬ瞬間を見たのはあれが初めてだった。
胸の奥が詰まってしまうような、吐き気にも似たよく分からない感覚がリョーマを襲う。
(……夢じゃ、ないんだよね。これって)
そう、これは断じて夢や妄想ではなく現実。
脳内にリピートされるあの惨状を、頭をブンブン降ることで振り払うと、リョーマはひとまずいつの間にか持っていたデイパックの中身を確認することにした。



「…何だこれ。」
今この場で行われるのは殺し合いだと、鳩山とか言う変な男は言っていた。
当然、支給してくる物の中にはその殺し合いを促進するような武器の類が入っていてもおかしくはないとリョーマは踏んでいたのだが――

出てきたのは、携帯電話、それもスマートフォンと呼ばれるものであった。
その他に入っていたものは一切ない。
無論、地図や水の入ったペットボトル、食料といったものも入っていたがこれは恐らく全員に同じように支給されているものだろうから触れないでおく。
それにしても携帯電話一つだけポンと渡して殺しあえと言うのもずいぶん人を食った話だ。
「…110番にかけ…ても出ないんだろうなあ、きっと。」
少々いじってみたものの、案の定うんともすんとも言わない。
リョーマは小さくため息をつくが、いつまでもこの場に留まっているわけにもいかない。
支給されていた地図と周りの景色から確認するに、どうやらここはF-1に当たる場所のようだと言う事が分かった。

(…今ここに誰がいるのかは分からないんだ。人の集まりそうな施設にでも行ってみようかな……)

そう思いリョーマは少し遠くに見える教会の方角へと歩を進めた。
と、その時だった。



ヴーン、ヴーン


ポケットに入れておいたスマートフォンが、突然振動し始めたのだ。
慌ててスマートフォンを取り出すと、真っ黒で何も映し出さないでいた画面がパッと光り、さっき見た地図と同じ図を画面に映し出していた。
いや、このスマートフォンが映し出している地図には支給された地図と一つだけ違う部分があった。


「教会が……点滅してる?」

F-1のやや南東部に位置する教会で、一つの光点が点滅していた。
そして自分が教会に向かって歩くと、段々とその光点に向かうようにスマートフォンの地図も動いていた。

(――これは、もしかして。)

何かに気付いたリョーマは、教会へと進む足を速めた。




◆◆◆




その男は、黒かった。
まるで新月の夜の闇をそのまま切り取ったかのような純粋な漆黒の身体は隆々と鍛えられており、その力強さを示している。
だが、その体躯よりも特徴的なのはその顔に合った。

彼には顔が無かった。
普通ならばそこにあるべき顔がある位置に存在するのは、ぽっかりと空いた大きな穴。
目も、鼻も、口もない。
彼の名はブラックホール
サタンに魂を売り渡し、悪のために戦う悪魔超人の一人であった。
そんな悪魔超人の彼は、現在彼がおかれている状況にただ困惑していた。

(……ここは…どこだ?あの鳩山とか言う男…何者なんだ?あのテリーマンをあっさり殺して見せるとは……奴もまた悪魔超人なのか?しかしあんな弱そうな奴が悪魔超人なはずがないし……むう……)

ブラックホールの脳内で繰り返される、つい先ほどの惨状。
宿敵である正義超人の一角、テリーマンがあっさりと死んだあの情景。
あの場にいたキン肉マンロビンマスク
そして名も知らぬ大勢の有象無象。
だがその中にブラックホールは確かに仲間である悪魔超人の存在を察知していた。
その悪魔超人が誰なのかまでは確認できなかったものの、確かにそこに悪魔超人はいたことは間違いない。
(あの場にいたのは誰だ?バッファローマンか?スプリングマンか?それともアトランティス……?クソ、名簿は白紙か……)
いつの間にか手に持っていたデイパックの中に入っていた名簿には何も書かれてはいない。
会場を動き回って仲間を探そうかとも思ったが、この広い会場でうっかりキン肉マンやロビンマスクといった正義超人と鉢合わせするかも分からない。
どんな相手にも負ける気はさらさらないが、ここがどんな場であるか分からないのに無駄な体力を消耗するのも考えものだ。
それにあの場からは、超人の存在と同時に奇妙な感覚も味わっていた。
まだ戦った事のない、未知の超人――もしくはそれに値する何かの存在。
奴らの存在はブラックホールを慎重にさせる。
(チッ、あの鳩山とか言う奴め……悪魔を舐めるなよ……)
ぐ、と右手を握り締め鳩山に対して怒りを滾らせていたその時だった。

誰かがこの教会に近づいてくる。
ブラックホールはその気配を察知すると、大きな扉の影に入ると――その影の中に溶け込むかのように消えた。



◆◆◆



「…思ったより、遠かったな……」
近くに寄ってみると、教会は思った以上に大きく、立派であった。
(……この中に、誰かがいるんだよな……)
門に手をかけたその時、リョーマの脳内に嫌な予感がよぎった。
まるで真正面から突っ込んでくるトラックの影が見えたような、背筋に氷を入れられたような嫌な感覚。
(…!なんだ?今の……)
ドアにかけていた手を引っ込めると、じんわりと汗がにじむ。
心臓が早鐘を打ち、本能が警鐘を鳴らす。
ここにいてはいけない、早く逃げろと。
だがそう思えば思うほどに両足が動かなくなる。
まるで鉛を括りつけられたかのような拘束感をリョーマは感じていた。
(一体……この教会には、どんな奴がいるんだ?)
いつまでもドアに手をかけたまま固まっているわけにもいかない。リョーマはぐっと気合を入れ直すとその重い扉を開こうとした。
その瞬間だった。



「ほう、どんな奴が来たかと思えばこんなチビの小僧だとはな。」

誰もいなかったはずの背後から、男の声が聞こえた。
とっさに振り替えると、そこに立っていたのは顔面に大きな穴のあいた屈強な大男。
その不気味な様相に、リョーマは何も言う事が出来なかった。

「フン、丁度いい。お前には色々聞きたい事がある。ついて来い!」

顔のない大男の右腕がリョーマの小さい身体を抱えると、あいている左腕で教会の大きな扉を造作もなく開けた。
その間、リョーマは何もする事が出来ないでいた。

大きく開かれたドアは閉ざされ、また静寂が周囲に鎮座する。
だがこれから顔のない悪魔は何をするのか、悪魔と出会った少年がどうなるのかは、まだ誰も分からない。





【F-1/教会/一日目-朝】

【越前リョーマ@新テニスの王子様】
[参戦時期]:アメリカ武者修行から帰国してくる道中
[状態]:健康、恐怖(微)
[装備]:スマートフォン型参加者探知機@現実
[道具]:基本支給品*1
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
1:なんだこの人…いや、人なのかな?

【ブラックホール@キン肉マン】
[参戦時期]:不明
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品*1、不明支給品(1~3)
[スタンス]:とりあえず静観
[思考]
基本:現状を把握してから考える
1:小僧(リョーマ)から情報を得る。
2:悪魔超人と合流したい。
3:積極的に動くことは今は避ける。




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