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信長「これくれ ちょっと一揆衆滅ぼしてくる」

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「…答えい。そちは、どこの誰ぞ」

暗闇の中、相対する男女が二人。
男は銃を構え、女を楽しげに睨み付ける。
女は状況を理解出来ずに、ただうろたえる。

状況を楽しむ男と状況を理解出来ぬ女。

両者の邂逅は数分前に遡る――――。





「友愛ってなんだろ…」

「放課後ティータイム」のリードギター担当、平沢唯が友愛の舞台に降り立ってから初めて呟いたのは、そんな間の抜けた一言だった。

元総理であると言ったあの宇宙人みたいな怪生物は、演説中しきりに友愛と唱えていたが、一体どういう意味なのだろうか。あれ程しつこく繰り返すのだから、きっと深い意味があるのだろう。何としてもその意味を探らなくては!!

目下、唯の頭を埋めているのはそれだけである。肝心の殺し合いについての情報はすっかり失念していた。
それは単にハトヤマの演説が下手なだけではなく、唯自身の夢中になると回りが見えなくなるという性格のせいでもあるのだが。

「んー、you,I…な訳ないかそもそもアレって地球の生き物なのかな?元総理大臣だなんて言ってたけど絶対嘘だよ〜」
「おい」
「実は金星からやって来た宇宙人でしたー、なんて…」
「おい」
「少なくとも人間じゃないね、うん」
「おい!!」
「へ?」

突如響き渡った(実際には何度か呼び掛けられていたのだが)野太い怒鳴り声に、唯は顔を上げる。

目の前に仁王立ちしていたのは、着物に袴という出で立ちで右目に眼帯を着けた五十前後の男であった。
男は不満気に頭を掻き毟り、やれやれと溜め息を吐きながら言った。

「なんじゃい、やっと気付いたか。…お前、そこで何しとる」

それに対する唯の返答。

「あ、おじさん“友愛”ってどういう意味か知ってる?」
「ハァ!?……フン、友愛なんざこの第六天魔王には必要無いわ!ハーッハッハッハ!!」

いきなり高笑いを始める男を前に、変な人だなぁ、と唯は首を傾げた。
やがて笑い止んだ男は、再び唯に問いかける。

「…で、お前は何をしとる。此処は戦場ぞ。撫で斬りにされとうなかったら、さっさと戦う用意をせんかい」
「ほぇ?」

間抜けな声を上げた唯に男は再び溜め息を吐き、更に続けた。

「うつけかお前は。先程あの化け物が殺し合いをせいと言っていたではないか。荷物を持っとるからには、お前も殺し合いに巻き込まれたんだろうがよ」

物騒なことを平然と言い放つ男を前に唯はふと黙り込み、自らの背に手を遣る。
そこにはいつの間にか背負わされたデイバッグ。
それを無言のまま背から下ろし、中身を地面にぶちまけた。
そこから水の入ったペットボトルを拾い上げると、やはり無言のままそれを口に含む。
冷たい。
その感覚と共に、つい先程まできれいさっぱり忘れていた宇宙生物の言葉を思い出す。

(1人が決定するまで、殺し合いをして頂きます)

殺し合い。つまり、命の奪い合い。

「え?え?ええええええええ!!!!」

ようやく直面した非情な現実に、唯は絶叫した。





「ううう…あずにゃん…律ちゃん…助けてぇ…」
「うわー、いきなり泣き出したぞコイツ。何これ。俺が悪いの?」

男はさめざめと泣き出した唯を見下ろしながら、茶化すように告げる。

「お前もしかしてアレか。馬鹿か。それともよっぽどの能天気…ん?」

そこで男は地面に転がった荷物に目を留めた。
全長1メートル程度の鉄の塊。

「おい…」
「死にたくないよぉ…」
「おい!泣くな!…コレはお前の荷物か?」
「え?…えーと、たぶんそうだと思うけど…」

男が掲げていたのは大型のライフル銃。正式名をSG550というのだが、二人には知る由も無い。

「これは何か分かるか」
「えー…鉄砲かな?良く分かんないけど」
「ほう…」

男は笑みを浮かべながら銃の各部をいじくり回す。
傍から見ればどうみても変態である。

「あのー、おじさん?」

若干引き気味の声に男は振り返ると、間髪を入れずに言った。

「これくれ」
「え?」

予期せぬ一言に困惑する唯に向かって、男は熱の籠もった口調で更に続ける。

「タダでよこせとは言わん……お前、死にたくないと言っておったな。俺に着いてくれば多少は守ってやる。だからこれくれ」
「…うん、別にいいよ。私じゃ使い方分かんないし」

男の気迫に押された唯が折れる形で一方的な交渉は成立した。
目的の物を手にした男はさぞかし嬉しそうに構えたり眺めたりして遊んでいる。

「やっぱ鉄砲はええのぅ。見たこともない造りじゃが、コイツはええわい。鉄砲一丁で百人力じゃ」

そう言いながら男は唯の前にどっかと腰を下ろした。

「さァーて…」

男はそのままごく自然に、まるでそれが挨拶だとでも言うかのように。
本当に自然な動きで――――唯の眉間へと銃口を向けた。

「二、三質問がある。…まず、そちは“どこ”の“誰”ぞ」

その声、立ち振舞い。その男の動作の全てが、先程まで銃をいじくり回してニヤついていた者と同一人物とは思えない程に殺気立っている。
目の前の銃口よりも生命の危険を感じさせるその殺気は、只の人間である唯を萎縮させるには充分であった。

「…答えい。そちは、どこの誰ぞ」

答えない唯に男は再び詰問する。
もはや選択肢など無い。唯に出来るのは、ただ男の質問に答えることだけ。

「…えっと、平沢…唯、です。軽音楽部でギターやってる女子高生…かな?」
「あぁん?けいおんがく?ぎたー?…さっぱり分からん」

額に汗を浮かべながら唯の言葉を反芻する男。依然として銃口は唯へ向けられたままだが、その身体からは先程までの殺気が嘘のように消え失せていた。

「あの…出来ればおじさんの名前も教えて欲しいなーなんて…」

唯の遠慮がちな質問に、男は銃口を下げると、不敵な笑みを浮かべながら言った。

「俺の名前…か。俺は――――」

そこでわざとらしく言葉を切る。

「俺は、信長。織田前右府信長である」
「え?信長?」

織田信長。安土桃山時代に活躍した戦国武将であり、1582年に本能寺で暗殺された人物。恐らく日本史上でも一、二を争う有名人。

「嘘ぉぉぉぉぉ!?本能寺の変で死んだはずじゃ…いやいや、それ以前に400年も前の人なのに…」

唯の興奮とも戸惑いともつかぬ叫びを鼻で笑うと、信長は言った。

「なんじゃ、お前は400年後からかい。…何となーく与一の気持ちが分かる気がするわ。
それにしても、お前もあの馬鹿と同じような事を抜かすんじゃのぅ。えぇわい、何度でも言うてやる。俺があんなハゲに殺られてたまるか。俺は本能寺じゃー死んでねぇ」
「ほ、ほぇ〜。本当に本物の織田信長なんだ…」

目の前の男が本物かどうか確証は取れないが、身に纏う雰囲気が不思議と彼はあの“織田信長”なのだと感じさせる。
少なくとも唯には、この男が嘘を吐いているようには思えなかった。

「…まぁ、寺から逃げたと思ったらおかしな場所へすっ飛ばされてのぅ。そこでおかしな連中と国獲りしとったはずなんじゃが……面倒なもんに巻き込まれたわい」

そう言いながら信長は高笑いする。

「ところで、信長さんはどうするつもりなの?…その、殺し合いをするとかしないとか…」
「あん?何を抜かしとる。殺し合いだろうが何だろうが、俺のやることは一つじゃい」
「え?」

信長は銃を肩に担ぐと、唯を真っ直ぐに見据えて言った。

「“国獲り”よ。俺達があの化けモンから国をぶん取りゃあ全ては元通り…唯、お前も死にたくねぇなら第六天魔王様の国獲り合戦に手を貸せい」
「国獲りって、あの変な生き物から国を獲るってこと?そんな…」
「手を貸すかと聞いておる」
「………………」

“信長”は自分に戦え、と言っている。唯は抜き身の刀のように凶悪な光を放つ信長の瞳に見つめられながら、そう直感した。

正直に言えば自分は何もしたくない。このまま助けが来るのを待っていたい。
でも、この男が国を獲れば全てが元通りになる――――根拠は無いが、そう感じた。
だから。

「…うん。じゃあ一緒に着いて行きます」

この不敵な男を、織田信長を、信じてみることにした。

「よぅし!そうと決まりゃあ先ずは――――」

信長は銃を構え、引き金を引く。タァンと小気味良い音を響かせて発射された弾丸は、唯の頭上にある木の葉を正確に撃ち抜いていた。

「400年後の世の話でも聞かせて貰うか」



【D-2/森/一日目-朝】


【チーム:放火後ティータイム】

【織田信長@ドリフターズ】
[参戦時期]:オルテの城館を陥落させた直後
[状態]:健康
[装備]:SIG SG550(29/30)@GUNSLINGER GIRL
[道具]:基本支給品*1、不明支給品(1〜3)
[スタンス]:国獲り
[思考]
基本:あの化けモンを滅ぼして国をぶん取る。
1:唯から400年後の世について話を聞く。


【平沢唯@けいおん!】
[参戦時期]:不明
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品*1、不明支給品(0〜2)
[スタンス]:国獲り?
[思考]
基本:信長に着いて行く。
1:とりあえずは信長さんとお話かな?



《支給品解説》
【SIG SG550@GUNSLINGER GIRL】
エルザの愛銃であるスイス製突撃銃。
命中精度と耐久性に優れており、特に命中精度は突撃銃でありながら狙撃銃にも比肩する程。
5.56ミリ弾を使用し、装弾数30。



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