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悪魔の予言

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だれでも歓迎! 編集
日本における超能力政策を一手に引き受けるべく設立された特務機関、
『BAse of Backing Esp. Laboratory(内務省特務機関超能力支援研究局)』。
通称『B.A.B.E.L.』。
皆本光一は、その『B.A.B.E.L.』に勤務している。

皆本光一はその来歴や仕事上の理念ゆえか、差別や偏見を嫌う。
例えば普通人(ノーマル)と超能力者(エスパー)との間に在る、差別や偏見などがそうだ。
皆本自身が幼い頃からその優秀すぎる頭脳ゆえ、周囲と溝や軋轢を作ってきた。
それゆえ、いかなる場合であっても人間関係において、理不尽な不平等や上下関係が発生するのを嫌っている。

「……総統閣下(マインヒューラー)」

しかし今の皆本は、会ったばかりの人間に恭しく跪いている。
そして自ら、その人間を主人と認めた。
そんな所以などどこにも無いのに。

「嬉しいぞ皆本光一。余の理想のため、共に戦ってくれるな?」

そんな皆本を、慈愛に満ちた眼差しで見下ろす男。
黒いマントで五体を隠し、
髑髏の徽章が付いた軍帽を被り、
鼻の下に生やした髭が特徴的な、小柄な男。
しかし男は、その小柄な体躯から圧倒的なほどの存在感を放っている。
それは歴史の上でも同様。
男こそ、20世紀の世界史上最大の独裁者。
アドルフ・ヒトラー。
ナチスが滅びたはずの今もその名を、世界に轟かす第三帝国の総統。
そして今もなお、第四帝国の総統なのだ。

「総統閣下(マインヒューラー)。あなたの理想のために、この身を捧げます……」

史上に残る覇者ヒトラーの最大の特徴として、その絶大なカリスマがある。
どんな根拠も理屈も必要なく、人を強烈に引き付けるカリスマ。
そのカリスマを以って、ヒトラーは出会ったばかりの皆本をも魅了したのだ。

ヒトラーは殺し合いが始まってすぐ、最初に出会った皆本へ話し掛けた。
当初、皆本はヒトラーを警戒をしていた。
得体の知れない瘴気を発するヒトラーを、本能的に見てはいけない存在だと感じたからだ。
しかしヒトラーは、まるで今が殺し合いの最中だと知らないかのように笑い掛ける。
そして自らが第四帝国の総統アドルフ・ヒトラーであること、総統として殺し合いに反逆する意思があること、
皆本にも、それに協力して欲しいことを訴えた。

史上に残る帝国総統を、皆本は当然のごとく知っていた。
しかしそれはドイツ帝国の『アドルフ・ヒトラー』ではなく、ドクイツ帝国の『フトルフ・フトラー』である。
そもそもその人物は、皆本の知る歴史上においては既に死んでいる。
それでも皆本は何の疑問も無くヒトラーを受け入れ、そして自ら忠誠を誓った。
魂その物を捉えられたような異常な求心力。
今のヒトラーのカリスマ性は、それほどまでに並外れていた。

「……皆本よ、お前はハトヤマやこの地に覚えはあるか?」
「いいえ、全く心当たりがありません」
「このような形の殺し合いの心当たりはどうだ?」
「いいえ……僕もまるで状況が掴めなくて、途方にくれているような状況でして……」

ヒトラー主導で情報交換が行われる。
しかし長く月で生活して、地球の状況はほとんど知らないヒトラーは元より、
その高い知能を買われて、若くして『ザ・チルドレン』の運用主任に抜擢された皆本でも、
現在の状況は把握し切れないでいる。
直接殺し合いを分析するには情報が不足、と言うより二人ともが暗中に居るような状況だった。

仕方なく、二人はお互いの情報の交換に移る。
皆本は月にナチスが未だ存在していることに驚いていたが、話その物を疑うことは無かった。
既にヒトラーへの全幅の信頼を寄せていたためだ。
そしてヒトラーは皆本が語る超能力者(エスパー)の話を興味深く聞き入る。
皆本自身は超能力を持たないが、彼の部下には強度(レベル)最高位の7にまで到達する強力な超能力者(エスパー)が存在しており、
しかもその三人の姿を、ハトヤマが殺し合いを説明する場で確認していたそうだ。

「なるほど……その三人と合流できれば心強いな」
「その……お言葉ですが、総統閣下のご期待に添えるかと言うと……」
「何か問題なのか?」
「大問題なんですよ!! 主に本人たちの性格が!!」

そこから皆本は、自分が所属しているチーム『ザ・チルドレン』の三人、
明石薫・野上葵・三宮紫穂の三人の部下の話を。
皆本と三人は任務以外にも、普段の生活でも同居をしている。
公私ともの付き合いをしている皆本とチルドレンたち。
その三人の我がままに、皆本がどれほど振り回されてきたかを。
皆本は先ほどまでの慇懃な態度が嘘のように、ヒトラーに対してまくし立てた。

「……あいつらは本当にワガママなクソガキで!! ……と、とにかくとても総統閣下に会わせられるような連中ではありません!
もし会わせれば、どんな無礼を働くかと思うと……」

チルドレンの三人の話になった途端、堰を切ったように声を上げて不満を語る皆本。
しかしこれが皆本の本来の姿。
本来の皆本は、誰に対しても格式ばらずに本音で当たる人間なのだ。
皆本の不満を聞き終えたヒトラーは、再び慈しみに満ちた笑みを浮かべた。

「……皆本よ、お前の部下を想う気持ちは分かった。余も興が乗った。まずその三人を捜すとしよう」
「何で今の話の流れで、そうなるんですか総統閣下!!!」

ヒトラーの言葉に、思わず何時もの調子でツッコミを入れる皆本。
皆本はずっと三人への不満を語ってきたのに、何故ヒトラーがそんな三人を捜す決断したのか?

「余は一国を統べる総統だぞ? 部下の心情くらい、汲むことができなくてどうする。
お前の話から、子供たちを如何に想っているかはよく分かる。お前ほどの男をそこまで引き付ける子らを余も見てみたい」
「……し、しかしあいつらは総統の言うことでも素直に聞くとは思えません。総統閣下の邪魔になるかも知れません」
「余を見くびるな皆本。殺し合いを打破すると決した以上、部下となる者を殺し合いの犠牲とするほど、余は無能では無い
……仮に余に叛意を持った所で、超能力に頼る程度の子供らが余の障害となり得ると思うか?」
「マ、総統閣下(マインヒューラー)……」

皆本はヒトラーに忠誠を誓ったが、ヒトラーの指摘通りチルドレンたちが殺し合いに参加していることを知って以来、
ずっとチルドレンたちのことが気掛かりだった。
彼女たちは確かに強度(レベル)7の超能力者だ。
地球上でも有数の戦力を保持している。
しかしまだ小学生の年齢の子供なのだ。
その幼さゆえに、何度も失敗を犯している。
殺し合いの中では、どんな無謀な真似をするか分からない。
しかしヒトラーに忠誠を誓った以上、その協力をすべきだと自分に言い聞かせて、
チルドレンたちを押し殺していた。
その気持ちをヒトラーは汲んでくれたのだ。
皆本は改めてヒトラーの器の大きさに平伏する。

それと同時に感じたのはヒトラーへの恐怖。
ヒトラーはチルドレンが障害とならないと言った。
それはヒトラーにチルドレンが敵対した場合でも、容易に叩き潰せると言う自負の表れ。
おそらくヒトラーは敵となればチルドレンであろうと皆本であろうと、容赦なく徹底的に叩き潰すだろう。
それだけの瘴気と覇気をヒトラーは放っていた。
崇拝するヒトラーとチルドレンがぶつかればどうなるか?
皆本はそれを想像するだけで恐怖を覚える。

「では子供たちを迎えに行くぞ皆本…………あやつの相手をしてからな」

ヒトラーが居るのは、民家の並ぶ市街地。
その一角。民家の物陰に鋭い視線を向けるヒトラー。
しかし皆本は、何故そこに視線を向けるのかが分からない。

「さあ、出て来るが良い」

ヒトラーの勧告。
それを受けて、民家の物陰から人の姿が現れる。
人の姿ではあるが、それはあくまでシルエットの話だ。
その姿は白銀に輝く鎧が五体を覆っていた。
しかし白銀に輝く五体から放たれる闘気、覇気は尋常ではない。
それは武人の闘気にして、王者の覇気。
ヒトラーの時と同じく、超能力を持たない皆本にも、
それが人ならぬ存在であることが、見て取れた。

「……よく気づいたな」
「それだけ凶々しい覇気を隠しきれる物では無いぞ」
「フフフ、良い度胸だ。褒美に悪魔超人が将であるこのわたし……悪魔将軍と戦う栄誉を与えよう」

まるで何でもないことのように宣戦布告をする悪魔将軍。
皆本は悪魔超人も悪魔将軍も知らないが、その佇まいから虚仮ではないことは窺い知れた。
悪魔将軍はヒトラーのカリスマさえ歯牙にもかけず近付いてくる。
皆本は慌てて臨戦態勢を取ろうとするが、手元に武器が無いのでそれもままならない。

「下がれ皆本」
「し、しかし総統閣下お一人を……」
「議論は無用だ」

ヒトラーも只ならぬ殺気で皆本を黙らせる。
その殺気はヒトラーのみならず、皆本にも向けられていたからだ。
部下の心を掴んで離さない温和さと、例え誰であろうと自分の意には絶対に逆らわせない苛烈さ。
その両方を平然と併せ持つことこそ、ヒトラーを20世紀最大の独裁者として君臨させる所以であった。
独裁者は自らのみを頼みに、悪魔将軍へ向かって行った。

「ほう、このわたしを恐れず一人で立ち向かうつもりか。最早良い度胸とは言えんな……ただの無謀だ!」

悪魔将軍の踏み込み。
その重装からは信じ難い速さで、ヒトラーへ蹴りを放つ。
人間の身では反応を許さぬ速さ。
しかしヒトラーは跳躍してそれを回避した。

(何だあのジャンプは!!? 総統閣下も超能力を使えるのか!?)

一瞬で悪魔将軍を飛び越えるヒトラー。
人間では絶対にありえない跳躍力に、皆本は驚愕する。
しかし更なる驚きがその後、待っていた。
背後を取ったヒトラーは悪魔将軍へ向けて、手刀を打ち出したのだ。

「ベ ル リ ン の 赤 い 雨!!!」
「なにっ!?」

悪魔将軍の白銀の鎧を、真一文字に切り裂くヒトラーの手刀。
更に衝撃によって悪魔将軍を後ろへ飛び退かせた。

(あれは……超能力ではない!!)

普通の人間を超越した、しかし皆本の知る超能力とは明らかに異質なヒトラーの能力。
それは純粋な身体能力が、人間の域を超えて発達した結果に見えた。

「……なるほど。おまえも超人だったのか」
「超人か。ニーチェの言葉通り……いやそれ以上に素晴らしい力だ」
「超人!? 総統閣下がその超人なのか?」

悪魔超人が指摘した通り、今のヒトラーは超人である。
しかし元から超人であった訳ではない。
ヒトラーを超人へと変貌させた所以、それは被っている軍帽にあった。
ヒトラーに支給された、髑髏の徽章が付いた軍帽。
それこそ名門ブロッケン一族に伝わる軍帽。
本来は人間であるブロッケン一族は、髑髏の徽章を身に付けることにより超人へと変貌することができた。
ヒトラーもまた徽章の効果によって、その身を超人の物へと変貌させていた。

ニーチェの言っていたのはこのことだったのかと、ヒトラーは感嘆する。
ちなみに、今ヒトラーが使った技『ベルリンの赤い雨』は、軍帽の本来の持ち主であるブロッケンJrの技である。
同じ技を使ったのが、はたして偶然か否かは定かでは無い。

「同じ超人となった故か、今の手合わせでよく分かったぞ。
お前を生かしては置けん。お前はまさに、生かして置けば災厄を生む悪魔だ」

悪魔将軍は悪魔の統括者である。
ヒトラーは僅かな太刀合わせで、その悪魔将軍が持つ悪意に気付くことができた。
恐らく殺し合いの参加者全てに向けられた、底知れぬ悪意に。
悪魔将軍は悪意のままに笑い声を上げる。

「……ククク、お前も人のことを言えた義理ではあるまい?」
「笑止千万! 余が下らぬ殺し合いに乗る云われなど微塵も無いわ!」
「どうかな? ククク……いずれにしろ、わたしもおまえを既に見切った。……ここでは殺す必要も無い」
「殺さないだと? 笑止! それだけの殺気を放つ、悪魔の言葉を誰が信じる」
「勘違いするな、殺す必要が無いのはおまえだけだ」

そう言って悪魔将軍は自分の胸の傷を即座に消し去る。
そしてヒトラーへ背を向ける。
悪魔将軍が向いた先には、皆本が居た。

「愚か者が!! 余に背を向けて、只で済むと思ったか!」

戦場において背を向けた敵に容赦する必要など無い。
ましてや相手は部下に手を出そうとしている悪魔。
ヒトラーは躊躇無く、悪魔将軍の背に『ベルリンの赤い雨』を打ち出した。

「愚かなのは……おまえだ!!」

その悪魔将軍の背中が消えた。
空を切る『ベルリンの赤い雨』。
驚くヒトラーが、背後から捕まれる。
一瞬の内にヒトラーの背後に回った、悪魔将軍に。

「サンシャインのパワーにザ・ニンジャのテクニック、そしてプラネットマンの宇宙的レスリングを駆使する、
この悪魔将軍に、超人になりたての青二才が敵うと思ったか!」

悪魔将軍はそのままジャーマンスープレックスの要領でヒトラーを投げ落とした。
凄まじい膂力と速度、そして力の収束によって頭から地面に叩きつけられ、
超人と化したヒトラーの脳も激しく揺れる。
一見単純な技も、悪魔将軍の手に掛かれば至高の打撃技となる。
立ち上がろうとしても、足が追い付かない。

「マ、総統閣下(マインヒューラー)!!!」

皆本の叫び声が響く。
ヒトラーが頭から血を流し、倒れ付している。
主の危機に皆本は、思わず駆け出した。
その頭を悪魔将軍に捕まれる。
悪魔将軍は、皆本の気づかぬ内に横に居た。

「さっきは面白い話を聞かせて貰ったぞ。超能力者の子供たちが、さぞかし心配らしいな?」

悪魔将軍はチルドレンの話を聞いていた。
それを知った皆本の顔色が変わる。
皆本をかつてない悪寒が襲う。
大事なチルドレンが悪魔に目を付けられたのだ。

「お前!! あの子たちに何をするつもりだ!!?」
「会わせてやるのさ。子供たちとおまえを」

次の瞬間、皆本の頭が首から落ちる。
首が切り落とされたのだ。
悪魔将軍の腕から伸びた剣に。
鞠のごとく転がる皆本の頭を、悪魔将軍は自分のバッグに詰め込んだ。

「悪魔将軍……」

立ち上がれないはずのヒトラーが立ち上がる。
先ほどよりはるかに強い覇気を放ちながら。

「会ったばかりとは言え、皆本は余の配下であることに違いは無い。余の配下に手を出した罪は……重いぞ!!」

轟、と音を立ててヒトラーは悪魔将軍に掛かって行く。
その頭を、片手で容易く掴み取る悪魔将軍。
それだけでヒトラーの動きは完全に封じられた。
悪魔将軍の放つ『魔のショーグン・クロー』は、超人強度1000万パワーを誇るバッファローマンをも制圧する威力を有している。

「言ったはずだ、超人へなりたての青二才に後れを取るわたしでは無い!」

悪魔将軍の指摘通り、ヒトラーは超人へと変貌して間もない。
かつてジェロニモと呼ばれる人間が超人へと転生した際も、すぐに自分の超人の力を使いこなすことはできなかった。
人間を遥かに超える超人の力は、ヒトラーと言えど即座に使いこなせる物ではないのだ。

「地獄の九所封じが一つ、ダブル・ニー・クラッシャー!!」

ヒトラーは悪魔将軍の片手に持ち上げられ、両膝を悪魔将軍の両膝で打ち付けられる。
それだけでヒトラーの両脚は動かなくなった。
肉体に存在する九箇所の急所を封じる悪魔将軍の技『地獄の九所封じ』。
その内の一つダブル・ニー・クラッシャーの効果によって、ヒトラーの両脚の動きは封じられたのだ。

「安心しろ、手加減はしておいた。その脚は直に動くようになる」

悪魔将軍は再びヒトラーに背を向けて、悠然と歩き始めた。
その背を止める手段はヒトラーに無い。
また戦いを続けることができても、今のヒトラーでは悪魔将軍には敵わないだろう。
それほどの力量を悪魔将軍に見せ付けられた。

「……何ゆえ、余を生かして置く? 余を生かして置けば、必ずやお前に仇なすであろう」

それでもヒトラーの闘志は萎えない。
悪魔将軍を射抜くような眼光で睨み付ける。
その覇気を涼風のごとく受け流しながら、悪魔将軍は答える。

「……まともに殺し合いをすれば、悪魔の将たるこのわたしが勝ち残ることは簡単だ。
しかしそれでは面白くない。わたしが参加するからには、この殺し合いをより面白くしてやろうと思ってな」

悪魔将軍の狙いが、ヒトラーには見当が付いた。
悪魔将軍はただ殺し合いを勝ち残りたいだけではない。
その中で人心を乱し、命を弄んで、殺し合いの地獄をより残酷な物にするつもりなのだ。

「余は殺し合いそのものを打破する心積もりだ。それがお前の望む面白さに繋がるのか?」

だからこそヒトラーは自分が生かされる理由が分からない。
ヒトラーの目的は殺し合い自体の打破にある。
それは悪魔将軍の目的に反するはずだ。

「繋がるさ。おまえがどんなつもりだろうが、おまえが殺し合いを壊そうとすれば、それは更なる混乱と犠牲を生む」

一切の迷いを見せない悪魔将軍の返答。
さすがのヒトラーも怪訝な表情を見せる。

「余が殺し合いに混乱をもたらすほど、愚かだと言いたいのか?」
「おまえの賢愚は関係ない。おまえはそう言う存在だ。悪魔の勘が、そう言っている」

確かにヒトラーはヨーロッパに戦禍と災厄を呼んだ存在として、現在も悪名を轟かせている。
しかし殺し合いの中でまで、不明を犯すつもりは無い。

「ならば覆して見せよう。悪魔の予言を」
「ククク、せいぜい心しておけ。悪魔の予言は当たる」

悪魔将軍はヒトラーを置いて今度こそ立ち去ろうとする。
しかしヒトラーにはまだ聞きたいことがあった。

「……皆本の首をどうするつもりだ?」
「言っただろう。会いたがっているであろう子供と、“対面”させてやるのだ」
「悪魔を増やす腹か……」
「ククク。鬼が出るか蛇が出るか、楽しみにしているのだな」

そう言い残し、悪魔将軍は姿を消して行った。
ヒトラーはそれを、ただ見送ることしかできなかった。



「すまぬ皆本、お前の首を悪魔から取り戻せなかった」

悪魔将軍の言葉通り、ヒトラーの脚はすぐに動くようになった。
ヒトラーは皆本の遺体を見て黙祷する。
会ったばかりでもヒトラーにとって、配下には違いの無い人物を弔うのに抵抗は無い。
そして皆本の遺体を放置してそのまま出発した。
ヒトラーには成すべき野望がある。配下の埋葬に取られる時間は無い。
ヒトラーは部下を心から追悼できるが、ヒトラーにとって部下はどこまで行っても自分の野望を果たすための物でしかない。
絶対の上下関係を当然の物として考えるゆえに、ヒトラーは独裁者なのだ。
何れにしろ悪魔将軍のような存在が居る以上、そして皆本が心残りにしていたチルドレンが居る以上、
ヒトラーは一刻も早く、殺し合いを破壊すべく動き出さなくてはならない。

「皆本よ、お前の意思は無駄にはせん。チルドレンは余が必ず捜し出そう。第四帝国総統としてな」

例えそこが第四帝国でなくとも、総統としての矜持に変わりは無い。
自らの野望を果たすためには、殺し合いであろうと何者であろうと叩き潰す。
ヒトラーは総統として、殺し合いへの戦いに臨み歩き始めた。

【皆本光一@絶対可憐チルドレン 死亡】

【C-6/市街地/一日目-朝】

【アドルフ・ヒトラー@ムダヅモ無き改革】
[参戦時期]:不明
[状態]:ダメージ(小)、超人化
[装備]:ブロッケンJrの軍帽@キン肉マン
[道具]:基本支給品*2、不明支給品(1~5)
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:第四帝国総統として殺し合いを打破する。
1:皆本の言っていたチルドレンに会いに行く。

【ブロッケンJrの軍帽@キン肉マン】
ヒトラーに支給。
ブロッケンJrが愛用していた軍帽。
そこに付いた徽章を身に付けることによって超人となることができる。

【C-5/山中/一日目-朝】

【悪魔将軍@キン肉マン】
[参戦時期]:不明
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品*1、不明支給品(1~3)、皆本光一の生首
[スタンス]:マーダー
[思考]
基本:殺し合いをより面白い物にして優勝する。
1:チルドレンと皆本光一を“対面”させる。




これは親友ですか?いいえ、その孫です。 投下順 牌コミュニケーション
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