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ストーリーを教えてもらうスレ暫定Wiki@二代目

逆転裁判3

最終更新:2024年06月28日 14:44

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

逆転裁判3
>>10-149~160,>>16-410~415・449~450、>>17-10~15


149逆転裁判3sage04/11/1319:50:52ID:/KvqWpRI
では、逆転裁判3の1話目、『思い出の逆転』を書かせていただきます。
かなり長くなっていますが、ご容赦ください。

エピソード1 『思い出の逆転』

場面は成歩堂龍一の回想から始まる。
降りしきる小雨の中に立つ、二人の男。切れ切れの会話。
言い争いは、成歩堂龍一が一方的に突っぱねて終わったかに見えた。だが……。
「ぼ、ぼくじゃないぞ!」
呆然と立ち尽くす成歩堂龍一の足元には、先ほどまで会話していた男の遺体が横たわっている。

<4月11日 午前9時40分>
時を遡ること5年前。
地方裁判所・被告人第3控え室では、新米弁護士・綾里千尋が、師匠の星影宇宙之助とともに、緊張しながら開廷を待っていた。
彼女が弁護席に立つのは、これで2回目である。
今回の依頼人は、勇盟大学芸術部在籍の学生、成歩堂龍一。風邪を引いているらしく、しょっちゅう咳をしている。彼は現在、同大学に在籍していた呑田菊三殺害容疑をかけられている。

<同日 午前10時 地方裁判所・第2法廷 開廷>
事件があったのは、私立・勇盟大学のキャンパス。
殺害されたのは、同大学薬学部4回生・呑田菊三。死因は感電によるショック死。
事件は発生直後、学生によって発見、通報。現場には被害者の死体と、逃げ遅れた被告人・成歩堂龍一がいた。
殺害の動機は、被告人と被害者、被告人の恋人・美柳ちなみによる恋愛関係のもつれと見られている。

一人目の証人は、被告人である成歩堂龍一。
彼は「自分は死体を発見しただけで、被害者のことは知らない。あんなキザなイギリスかぶれと話したこともないですよ!」と主張。
しかし、千尋はこう考える。
「それならなぜ……あなたは知っているのですか?被害者が『イギリスかぶれ』だったコトを!」
追求された成歩堂は、さらに証言を重ねる。
「シャツの背中に描かれていたんです。バカでかいユニオン・ジャックが」
だが、法廷記録をチェックしてみると……手元の現場写真・1に写っている被害者は、革のジャケットを着ているため、背中に描かれたユニオン・ジャックを見ることは出来ない。
通りすがりに死体を発見したのならば、被害者がこのジャケットの下に何を着ていたか知ることは出来ない!

「異議あり!」
千尋に追及され、無言になる成歩堂。
「なるほどさん、あなた……この私に、ウソをついたのねっ!わ……私……信じていたのに!なるほどさんのコト……」
弁護側は、被告人が単なる通りすがりではないことを立証してしまったのだ。

150逆転裁判3sage04/11/1319:52:34ID:/KvqWpRI
ここで、ふと検察側・亜内武文検事が話題を変えた。
「カゼをひいておるようだが……薬は飲まれないのかな?」
成歩堂の話によると、市販の風邪薬『カゼゴロシ・Z』を愛飲しているのだが、どこかに落としてしまったという。
亜内検事が、新しい証拠品として現場写真・2を提出する。
そこには、被害者の手に握られた、『カゼゴロシ・Z』が写されていた。しかも、成歩堂の指紋つきで……。
検察側は『これは、殺意を感じた被害者が、被告人を告発するために拾ったのだ』と主張し、現場写真・2とともに、『カゼゴロシ・Z』の薬ビンを提出する。
ちなみに、被害者はこのとき腕時計をしていて、現場写真・2にも写っているのだが、感電の際に故障した様子で止まってしまっている。

最悪の事態にがく然とする千尋。
しかし、成歩堂への追求が終わったわけではない。証言は続く。
被害者から、成歩堂の恋人・美柳ちなみについて話があるので、2時45分に薬学部の校舎裏に来るよう呼び出しを受けたこと。
話をして、3時ごろには別れたこと。
あとで戻ってみたら、被害者がすでに倒れていたこと。
『カゼゴロシ・Z』は、この2、3日ずっと飲んでいたが、事件当日のお昼ご飯のときからなくしてしまっていたこと。
ここで、被害者の在籍していた薬学部の話題が出る。
薬学部では、高圧電流を使った実験機械を使っているのだという。企画より高い電力を使うので、専用の高圧電線を引いているとのこと。電線は、校舎に沿って頭の上を走っている。

裁判長は、『被告人が被害者の死亡時刻に会っていること』と、『立ち去ったはずの被告人が、なぜか現場に戻っていること』を挙げ、「被告人の証言は信用できない」と断言する。
ただひとつ、問題として挙げられるのは『殺害方法』。その凶器についてはまだ提出されていないのだ。
その方法を立証することが出来れば、このピンチを切り抜けることが出来るかもしれない……!

「……裁判長!これまでの証言を統合すれば……答えを出すことが出来るはずです!どうして被害者は死んだのか……?」
千尋は法廷記録の中から、現場写真・1を取り出し、切れた送電線を指摘する。
「この現場写真に、しっかり写ってるじゃないですか!
この送電線こそが、被害者の死因。そう考えるのが自然です!」
ところが、亜内検事が新事実をもって切り返してくる。
被害者の革ジャケットの胸部分には、被告人の指紋が残されていた。そんな部分に指紋がつくケースは、殺意を持って切れた送電線に突き飛ばしたとき以外にはありえない、と。

151逆転裁判3sage04/11/1319:53:50ID:/KvqWpRI
星影が「……オシマイ、ぢゃな」とつぶやく。
しかし、千尋はなおも食い下がる。
「これでいいの?なるほどくん!あなたはまだ、本当のことを……真実を話していない。それなのに……今、判決が下ろうとしているのよ!」
成歩堂は、本当のことを言ったら、きっと信じてくれないから……とためらうが、千尋の「あなたがどんな証言をしようと信じる、最後まであなたを弁護する」という言葉に心を動かされ、真実を告白する。

「ボクが……ボクが、つきとばしたんです!アイツを……呑田菊三を!」

内心、動揺を隠せない千尋。まさか、ホントに突き飛ばしていたなんて……。
そして、そのときの状況について、成歩堂の証言が始まる。
恋人を悪く言われたため、かっとなってつきとばしたこと。
そのときに、なにか大きな音がしたような気がすること。
立ち去ってから少しして、心配になったので戻ってみると、被害者がすでに死んでいたこと。

この尋問で、成歩堂の処遇が決まってしまう。気合を入れ直す千尋。
「なにか大きな音がしたような気がする」という部分に着目し、詳しく話を聞いてみると、「突き飛ばしたときに、被害者が持っていた傘を落とし、その上に倒れたのを見た」と。
手元の現場写真・1を見てみる。
確かに壊れた傘は現場に残されているが……それは、被害者の身体の下にではなく、死体から遠く離れた電柱のところにある。
すなわちこれは、『被告人が立ち去った後、被害者はその場から移動した。つまり、被告人と会った時点では、被害者はまだ死んでいなかった』ことを意味する!

「異議あり!」
検察側は、風で飛ばされただけだと主張するが、弁護側は被害者の身体の下にある傘が飛ばされるはずがないと反撃。疑問が残る限り、判決を下すことは出来ないと裁判長も判断する。
ところが……検察側の亜内検事の口元には、ほがらかな笑いが浮かんでいた。
どうやら、次の証人が待機しているようだ。
その証人の名は、美柳ちなみ。被告人・成歩堂龍一の恋人である。彼女は、殺人現場にて、決定的瞬間を目撃しているらしいのだ。
しかし、対する弁護側・綾里千尋の口元にも、不敵な笑みが浮かんでいた。
「私は……この瞬間を、待っていたのです」

ここで20分の休憩が提言される。

152逆転裁判304/11/13 22:28:06 ID:/KvqWpRI
<同日 午前11時52分 地方裁判所 被告人第3控え室>
次の証人が自分の恋人だと聞き、成歩堂はほっとしている様子だが、千尋は慎重な姿勢を崩してはいない。彼女は成歩堂に、美柳ちなみとの馴れ初め話を聞く。
成歩堂がちなみと会ったのは、半年前。この地方裁判所の地下資料室で、弁護士になるための勉強していたところに、彼女がやってきたのだという。
その時に、恋人の証として彼女が首からさげていたペンダントをプレゼントされた。
ハート型の中央に、小さなボトルをデザインしたペンダント。成歩堂は嬉しさのあまり、会う人みんなに見せびらかしているのだという。
しかし、ちなみはなぜか、会うたびにペンダントを返して欲しがるのだそうだ。

話を聞き終えたところで、千尋はおもむろに小さな新聞記事を取り出す。
「あなたが美柳ちなみさんと出会った、半年前の8月27日……この裁判所では、こんな事件があったのよ」
それは、裁判所のカフェテリアで起きた、殺人事件であった。
1年前の裁判から、弁護席に立たなくなってしまっていた千尋が、なぜ直前になってこの事件を担当すると言い出したのか……星影はその理由を察し、地下の資料室でこの事件についての情報を探り出すと進言してくれる。

<同日 午後12時13分 審理再開>
二人目の証人、美柳ちなみの登場。
可憐で清楚、美しい証人に、裁判長と検察側は目を奪われ、千尋は開廷早々、いきなり孤立する。
彼女は、勇盟大学・文学部3回生。川柳について勉強しているのだという。
そして……千尋とは面識があるようなのだ。
「よろしくおねがいしますね。……おばさま」

ちなみは『被害者が勝手によろけて倒れた。被告人は何もしていない』と証言する。
しかしそれは、被告人自身の告白により、『被告人は被害者を突き飛ばした』という事実が明らかになっているため、矛盾している。
それを追求すると、ちなみは『突き飛ばした瞬間は見ていない。争っているように見えなかったし、何の物音もしませんでしたから』と訂正する。
だが、この証言も被告人・成歩堂龍一の証言と異なるのだ。
なぜなら突き飛ばした瞬間、被害者は傘の上に倒れた。その際に鋭く大きな音がしたことを、彼は覚えているのだから。
「近くにいたあなたが、なぜ……この音を聞いていないのかしら?」

しかし、敵もさるもの。ちなみはにこやかに反論してくる。
「音を聞いていなかった理由は……ヘッドフォンで、お歌を聴いていたんですの」
聞けば、あの時は雨はやみかけていたものの、まだ雷が鳴っていたのだという。
それが怖くてヘッドフォンをしていたため、両耳がふさがっていて音は聞こえなかった、と。
ここで千尋は、事件の流れをひっくり返すような重大ポイントを発見する。
事件当時、現場では雷が鳴っていたこと。
被害者の死因は、感電によるショック死。ということは……『落雷による死亡』という可能性が出てくる!
「『呑田菊三が殺害された』……そもそも、その定義が間違っていた!」

153逆転裁判304/11/13 22:30:07 ID:/KvqWpRI

だが、検察側の調査は、もう一段上を行っていた。
気象報告によれば、事件当日、現場付近に落雷は確認されていない。
それに、この送電線が事件に関係していることを裏付ける証拠が存在するのだという。
それは、事件当時、薬学部の研究室で実験をしていた学生たちの証言書。当日午後3時頃、いきなりすべての実験機器が停止してしまったのだという。
送電線が切れた時刻と、被害者の死亡時刻はぴったり一致している。つまり、切れた送電線と事件は関連している、ということだ。
この送電線は相当に古くなっており、少しでもショックを与えれば、いつでも切れる状態にあったらしい。近く改修工事が入る予定だったことも、学生たちの証言から明らかになっている。

ここでひとつ、疑問点が浮上する。
『少しでもショックを与えれば、いつでも切れる状態にあった』ということは、裏を返せば『ショックを与えなければ送電線が切れることはなかった』ということになる。
千尋はそのショックの原因として、成歩堂龍一の証言を例に挙げる。
被害者を突き飛ばしたとき、被告人が大きな鋭い音を聞いたこと。
それは、午後3時ごろだったこと。
実験機器が停止した時刻が2時55分であるから、証言とも一致する。
ゆえに、送電線を切ったのは被告人の一撃であったことに間違いはない、と。

すかさず亜内検事は、「その被告人の一撃で、被害者は感電死した」と主張するが、千尋は即刻意義を唱える。
被告人の一撃で送電線が切れたのだとすると、被告人が被害者を突き飛ばした『場所』は、傘が落ちている付近。奥にある電柱のあたりになる。
となると……手前にぶらさがった送電線で、被害者が感電することはありえなくなる。すなわち、
「被害者を感電死させたのは、別の人物ということになるのです!」

154逆転裁判304/11/13 22:32:48 ID:/KvqWpRI
千尋の分析に、口を差し挟んできた者がいた。美柳ちなみである。
千尋の説明と自分の目撃情報が食い違っているので、証言したいというのだ。
一見、恋人である成歩堂をかばうように見せかけつつ、みえみえのウソを証言してきているちなみ。千尋はいよいよ本腰を入れる。
「リュウちゃんは……2回、おつきとばしになったのです。1回目、電柱にぶつけられて……送電線が、お切れになりました。
それで、ノンちゃんは必死にお逃げになろうとしたのですが……リュウちゃんは、すぐに追いかけて、背中からそっと体当たりを。
送電線が切れてから、お感電まで、1分もたっておりませんでしたわ」

送電線が切れてから、感電までの時間……?
手元の資料を見てみると、学生たちの証言では、送電線は2時55分に切れたということになっている。
現場写真・2を見ると、被害者の腕時計は、感電した3時5分で止まっている。
すると、この10分間の空白の時間は、いったい何を意味するのか?
被告人は、被害者をつきとばした後立ち去り、被害者が死亡した後、現場に戻ってきている。
この空白の時間に事件現場に存在し、被害者を殺害することが出来たのは、ただ一人!

「弁護側は主張します。被害者を死に追いやった真犯人は、他にいたのです!美柳ちなみさん。……もちろん、あなたしかいない!」
目に見えて動揺するちなみ。
「送電線が切れてから、被害者が感電するまでの空白の10分間……その間、あなたはなにをしていたのですか?
助けも呼ばず、ヘッドフォンでお歌を聴きながら……「どちらもファイト!」と応援していたのかしらね!」
その瞬間、法廷に「待った!」の声が響き渡った。
証人席に、被告人・成歩堂龍一が乱入してきたのだ。
「弁護側は……今の発言を、全面的に取り消しますっ!」
今までの審理すべてを覆す、とんでもない発言に、千尋は狼狽する。
成歩堂は係官に連れられて被告席に戻ったが、法廷内の動揺は収まらない。

と、ちょうどその時。
地下資料室に行っていた星影が戻ってきた。
半年前の8月27日に、この裁判所で起きた事件。その参考となる警察資料を探し当ててきてくれたのだ。
それは、カフェテリアでとある人物と面会していた弁護士が、コーヒーに毒を盛られた、というものだった。
その事件の被害者の名は、神乃木荘龍弁護士。……千尋の、恋人だった人物である。

155逆転裁判304/11/13 22:35:36 ID:/KvqWpRI
ここで、再びちなみが千尋に向けて発言する。
『私がノンちゃんを殺し、その罪をリュウちゃんにかぶせようとした動機は何だ』と。
千尋は、半年前の事件と今回の事件との関連性を探るため、ちなみに証言を要求する。被告人・成歩堂龍一との出会いについて。
成歩堂龍一とは、今から半年前に、この裁判所の地下にある資料室で出会った。
成歩堂は弁護士の勉強のため、彼女自身は大学のレポート資料を探すために訪れたのだという。
当時、ちなみは今回の被害者・呑田菊三とつきあっていたが、そちらとはきれいに別れて成歩堂と付き合い始めたのだという。検察側の調査でも、この際のトラブルは一切見当たらず、それどころか呑田本人もちなみと別れることを望んでいたらしい。
 
しかし、当時の事件資料によると、ちなみは別の事件の調査目的で、神乃木弁護士に呼び出され、面会していたらしい。
その直後、毒入りコーヒーの事件が起こった。そしてちなみは、その毒を入れたとされる最有力候補として、記録に残されていたのだ。
そこを指摘すると、ちなみは半年前の事件と自分は無関係である、という証言を始める。
被害者である弁護士とカフェテリアで会って話をしたこと。
自分が席をはずしたときに事件が起こったこと。
毒薬は液体で、致死量の10ミリリットルが検出されたと聞いたこと。しかもその毒薬は、とても検出が難しい特殊なもので、警察によると高度な科学的処理で精製されたものであるという。
ちなみには、そんな毒薬を手に入れる手段はない。それが、彼女の主張であった。

……だが。
当時、彼女は薬学部在籍の呑田菊三と恋人関係だった。
研究室には、化学実験に使用する最新設備がある。逆に言えば、これだけ特殊な毒薬を手に入れるルートは、それしかありえない。
となれば、『毒薬を彼女が入手できなかった』という論理は崩れ去る。
あとは、被害者のスキを見て毒薬を流し込めばいい。
それが出来たのは、同じテーブルに同席していたちなみだけなのだ。

だが、瀬戸際のちなみも粘り強く食い下がる。
コーヒーに入れられた毒は、10ミリリットル。目薬びん3分の2くらいの量だ。
それだけの量の液体を運ぶには、容器が必要になる。
だが事件直後、すぐに受けた身体検査では、そのようなものは見つからなかった。
裁判所内も徹底的に捜査されたが、発見できなかったと公式資料にも記載されている。
「わたしが『おクスリのいれものを始末した』とおっしゃるなら、お証拠品をお見せになってくださいっ!」

千尋は反撃に対し、『この事件で身体検査をされるはずのない人物』を提示する。
それは、地下資料室で弁護士の勉強をしていた学生・成歩堂龍一。
彼女は、毒入りボトルのついたペンダントを、プレゼントという形で成歩堂に渡してしまっていたのだ。決定的な証拠を、隠してしまうために。
これを検証するため、千尋はボトルの中身について、薬学部で分析してみるべきだと提言する。必ず、その痕跡が見つかるはずだ、と。

156逆転裁判304/11/13 22:36:30 ID:/KvqWpRI
そこに、またしても証人席に被告人・成歩堂龍一が乱入してくる。
あくまでもちなみを守り、かばおうとする成歩堂に、千尋は諭し始める。
「なるほどくん……あなたは考えたことがあるかしら?美柳ちなみが、『なぜ』あなたとつきあっているか?」
千尋はそこで、ちなみの『本当の目的』を明らかにする。
彼女の狙いは、成歩堂龍一に預けたペンダントだけだったのだ、と。
その根拠は、控え室で成歩堂が話した内容だった。
一度プレゼントしたはずの品物を、執拗に返して欲しがる理由。それは、そのペンダントが、彼女にとって致命的な証拠品であり、どうしても回収したかったからなのだ。
だが、成歩堂はそれを返さないどころか、会う人にいちいち見せびらかしていた。
「だから、彼女は……」

結論を言いかけた千尋の言葉をさえぎって、成歩堂は法廷を飛び出した。
法廷内は騒然とし、係官が被告人を連れ戻しにかかる。
脱走した成歩堂が程なくつかまり、ほっとしたのもつかの間、千尋はとんでもないことに気がついた。
さっき、成歩堂が千尋にぶつかってきたとき……彼はどさくさにまぎれて、証拠品であるペンダントを持っていってしまったのだ。
係官に連れ戻され、成歩堂は再び法廷へ戻ってきた。
だがここで、彼は衝撃の事実を告白する。
なんと彼は、証拠品のペンダントを……噛み砕いて、食べてしまっていたのだ。

ペンダントには、猛毒が入っていたはず。
千尋は急いで閉廷を申し出るが、そこに亜内検事が異議を申し立てる。
被告人は、『あのペンダントには毒など入っていなかった』ことを、身をもって証明してくれた、と。
千尋は、『薬品の毒性がすでに消えてしまっていたからだ』と主張するが、亜内検事は意に返さない。
「弁護人が、どんな場面においても被告人を信頼しているように、私も証人・美柳ちなみさんをイノチをかけて信頼している!
あなたのスイリは、間違っていたのですよ!」

157逆転裁判304/11/13 22:37:24 ID:/KvqWpRI
ここで無情にも、裁判長の小槌がこだまする。
残念ながら、千尋の主張は認められない。法廷では、証拠品がすべてだからだ、と。
絶句する千尋。
「ここまできて……逃げられてしまうの?」
落ち込む千尋をよそに、状況下では『美柳ちなみの容疑は晴れた』と解釈され、再び審理に立ち戻っていく……かに見えた。

「待った!」

その時、声がかかった。
証人席にいる、成歩堂からだった。
どんな状況においても、必ず自分を信じてくれる千尋の信念に、頑なだった彼の心もついに突き動かされたのだ。
そして成歩堂は、ずっと言っていなかった事実について、語り始める。
彼が呑田菊三と交わした、会話の内容について。
呑田菊三は、ちなみについてこう語っていた。
「彼女とは、もう会わないほうがいい。きっと、よくないことが起こる。
あの女はなあ、ゆうべ、オレたちの実験室から、毒薬を盗みやがったんだ!
……半年前にも、薬品のサンプルがなくなったことがあった。あのときも、実験室にアイツが来ていた。盗んだの……アイツしか、考えられないんだよ!」

「……ホントにそう言ったのね?呑田菊三さんは……」
確認する千尋の声だけが、しんと静まり返る法廷に響く。
成歩堂はさらに、もうひとつの事実を告白する。
自分が被害者を突き飛ばし、その後にもう一度現場に立ち戻ったとき……そこには、倒れた被害者のそばにしゃがみこむ、美柳ちなみがいたこと。そして、彼女自身から、そのことを証言しないように口を封じられていたことも。
「千尋さん!教えてよ!ちいちゃんは……ちがうよね!ハンニンなんかじゃ……」
千尋は、冷静に考え込んでいた。
半年前にも盗まれていた毒薬、たった今明らかになった新事実……今まで明らかになってきた事実を統合させると、導き出される答えは、たった一つしかありえない。
成歩堂の証言によれば、ちなみは被害者が殺害される前の晩に、毒薬を盗んでいることになる。その目的は……『誰かを殺害するため』。
その誰かとは……。

「それは、あなたよ!……成歩堂龍一ッ!」

「そ、そんな……ムチャクチャですぞ!第一、亡くなったのは呑田菊三くんでしょうがっ!」
検察側・亜内検事から異議が申し立てられるが、千尋は意に介さない。
なぜなら、被害者の死因は感電。盗まれた毒薬は関係ない。
誰かを殺す意図があって毒薬を盗み出したのならば、被害者の死因は毒殺でなければならないのに、そうではなかった。つまり、呑田菊三の死は結果論であって、ちなみの意図は、他の人物にあったとしか思えないのだ。
ちなみが最も取り戻したかったものは、半年前の事件で使われた、殺人の証拠品であるボトルつきのペンダント。しかし、そのペンダントはある人物が所持していて、回収もままならない。さらにその人物は、決定的証拠品であるそれを、ことあるごとに他人に見せびらかしている。
彼女が毒を盛ることで殺害をもくろんだ人物は、彼女にとってもっとも邪魔な人物……成歩堂龍一を置いて、他ならない!

158逆転裁判304/11/13 22:38:37 ID:/KvqWpRI
「ちょっと、ジャマよ。どきなさいな……リュウちゃん」
その時、証人席にいる成歩堂を、押しのける者があった。……美柳ちなみだった。
「あれほど、私のことは黙っておけ、って言ったのに……クズがっ!」
口調も物腰も、雰囲気までもが豹変したちなみに、裁判長も検察側も言葉を失う。
彼女をまっすぐに見据えるのは、弁護側にいる千尋のみ。
ちなみは髪をかき上げつつ、悠々と語る。
「どうあっても、このわたしを殺人犯にしたいようね。でも、証拠はどこにあるの?あのペンダントは、泣き虫ボウヤのおやつになっちゃったのよ?」
言葉に詰まる千尋。彼女の言うとおり、唯一の証拠品は、もう手元には残っていない……。
「証拠もなく、善意の証人を殺人鬼扱い……お話になりませんわ。わたし、帰らせてもらいますね」

ここで逃してはなるまい、と制止する千尋。だがそれを、星影が引き止める。
ちなみの犯行を立証する決定的証拠を提示することが出来ない以上、ちなみを引き止めることは出来ない。もしそれを強行すれば、千尋はその罰として、二度と弁護士として法廷に立てなくなるという、最悪の処分を受けなくてはならないのだ。
しかし、千尋は被告人を信じて守る、弁護士なのだ。処分を恐れて被告人を放棄し逃げるくらいなら、弁護士バッジなど捨てたほうがましだ!
正直なところ、今の時点で決定的証拠といえるものはない。
だが、今までの過程を踏まえて考えてみれば、おのずと分かってくるだろう。
ちなみが確実に成歩堂を殺害するために、盗んだ毒薬を入れようと考えるものといえば、たった一つしかない!

千尋は証拠品の中から、最後の証拠品・『カゼゴロシ・Z』のビンを突きつける。
この風邪薬は、元々成歩堂が所持していたもの。しかし、事件のあったお昼ごはんのときから、どこかになくしてしまっていた。
昼食は、いつもちなみと二人きりで食べているのだという。『カゼゴロシ・Z』は、事件当日の昼食時に、ちなみが盗んだと考えられるだろう。猛毒を仕込み、成歩堂を殺すために。
だが、亜内検事も負けじと食い下がる。そのビンを実際に持っていたのは、被告人ではなく、被害者である呑田菊三ではないか、と。
千尋はここで、不敵に微笑んだ。
「みなさん。……半年前の事件を思い出してください。美柳ちなみが、どこに証拠品を隠したか……?」

成歩堂を毒殺する目的で、ちなみは彼に会いに行くつもりだった。
だがそこで、彼女は被害者・呑田菊三と話している成歩堂を見つけ、その話の内容をすべて聞いてしまった。
呑田菊三は、ちなみが思っていた以上のことを理解し、知ってしまっている。このままでは、うまく成歩堂を毒殺できたとしても、彼経由でちなみに容疑がかかってくるのは明白だ。
状況を汲んだ彼女が、とっさに思いついたこと。
それが、『送電線を使って呑田菊三の口をふさぐこと』だったのだ。
だがここで、ちなみの思わぬ方向に事態が動いた。
立ち去ったはずの成歩堂が、現場に戻ってきてしまったのだ。さらに悪いことに、実験機械が止まったため、薬学部の学生たちまで現れてしまった。
呑田菊三の死体を前に、彼女は焦り、すばやく考えた。この状況で、もし身体検査などをされたら、毒薬を持っていることがバレてしまう。そうなれば、追及の手はどこまでも伸び、身の破滅になりかねない!
そこで彼女は、半年前と同じ方法で、毒薬を処分することにしたのだ。他人の手に、自らの犯行の証拠品を押し付ける方法で。

159逆転裁判304/11/13 22:39:36 ID:/KvqWpRI
……法廷は、しんと静まり返った。千尋の説得力に、圧倒されて。
だがそこに、逆なでするように誰かの含み笑いが漏れた。
「どうしたのかしら?みなさん。だまりこんじゃって。こんなの、バカなオンナの妄想に決まってるじゃない」
鼻で笑うちなみに向かって、千尋は『カゼゴロシ・Z』のビンを突きつける。
「この薬……あなた、飲めるかしら?」
言葉をなくすちなみ。千尋は、さらに言及する。
「なるほどくんは、あのペンダントを食べたわ。あなたも試してみる?運がよければ……助かるかもね。
もし、あなたが無実だと主張するのならば……たった今、それを証明しなさい!この薬を、飲み下して!」

……グウウ、とうめき声が響いた。
優雅な日傘の下、千尋を睨みつけるちなみ。それは、まさに恐ろしい鬼のような形相だった。
「……コレデワタシニ勝ッタツモリ?」
悪鬼のような形相から、一瞬で可憐な乙女の表情に戻って微笑むと、彼女は警察に出頭するために、法廷を立ち去って行った。「わたし、このままでは終わりませんわよ。またいつか、お会いするわ……必ず」という、謎の言葉を残して。

被告人・成歩堂龍一の無実は証明された。千尋の弁護は、成功したのだ。
だが、亜内検事は負けた事実をなかなか認めない。
弁護人の主張は、なんら根拠がないとしてしつこく言い募る。こんな新米弁護士に、この亜内が負けることなど、あってはならないことなのだ、と。
千尋はそこで、静かにたたみかけた。
「この薬……飲めますか?」
うろたえ、冷や汗を流す亜内検事に、千尋は人差し指を突きつけ、言及した。
「あなたはさっき、私にこう言いましたね。証人である美柳ちなみさんを、イノチをかけて信頼していると。
……さあ、センパイ。この新米に、証明してください。
どの程度の覚悟を持って、証人を『信頼』していたのか!あなたが『かけていた』というイノチが、どれほどのものなのか!」
……反論できないまま打ちひしがれた亜内検事から、髪の毛と魂が抜け落ちていった……。

160逆転裁判304/11/13 22:40:40 ID:/KvqWpRI
<午後3時16分 地方裁判所 被告人第3控え室>
千尋の1年ぶりの弁護にして、初の勝訴判決。隣で成り行きを見守っていた星影の表情も明るい。
だが、成歩堂の表情は暗く、落ち込んでいる。大好きだった恋人に裏切られたショックが大きいのだろう、無理もない……と思いきや。
「今日のちいちゃん、本当にホンモノだったんでしょうか!」
自分の知っているちなみは、あんなひどいことを言う子ではないという。もしかしたら、よくできたニセモノではないか、と……。
半分脱力、半分呆れながらも、千尋はこう諭した。
「彼女のことは忘れなさい。……それが、一番いいわ」

成歩堂は今、弁護士を目指して勉強しているという。
自分にはどうしても助けたいと思っている友達がいて、今から勉強を頑張って弁護士になれば、救うことが出来るかもしれないから、と。
「ぼく、勉強します。必ず弁護士になるから……だから、またいつか法廷で会おうね!」
成歩堂との再会を約束し、千尋にとって2回目の裁判は、幕を閉じた……。

そして、5年後。
無罪判決を受けた成歩堂は、約束どおり、弁護士になった。
助けたかった友達も、何とか救い出すことが出来た。
しかし……綾里千尋は、すでにこの世を去った。
だが、彼の胸には、千尋の言葉がいつでも息づいている。
「なるほどくん。何があっても、依頼人を信じるの。法廷で最後に必要になるのは……そのチカラよ」
成歩堂自身にとって、この事件はつらい思い出でもあり、そして大切な思い出でもある。
二度と振り返ることはないと思っていた記憶。この時のことを、もう一度かみ締める日が来るのだが……それはまた、少し先のことになる。

『思い出の逆転』  終

以上になります。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

 
410逆転裁判3sage2005/07/03(日)00:15:29 ID:nTpYAXSd
一ヶ月ほど間が開いてしまいましたが、「逆転裁判3」まずは第一話と第二話を投下します。
例によって、過去作品「逆転裁判」「逆転裁判2」の内容に言及する必要があるときは
  〔2-3〕(←逆転裁判2の第3話)
のように表記していますので、気になる方はまとめサイトから当該ストーリーを確認してください。

411逆転裁判3 第一話sage2005/07/03(日) 00:17:21ID:nTpYAXSd
【第一話 失われた逆転】
事件発生日時:4月9日午後3時頃(目撃証言と検死による)
現場:勇盟大学 薬学部校舎裏庭
被害者:呑田 菊三(ノンダキクゾウ)22歳、薬学部4回生。被告人の彼女とかつて恋愛関係にあった。
死因:感電死。薬学部の実験のために特に引かれていた高圧線によるものと思われる。
容疑者:成歩堂龍一(ナルホドウリュウイチ)21歳。芸術学部3回生。現在、たちの悪い風邪を引いている。

事件は、メインストーリーから5年前、主人公の成歩堂が大学生のときに起こった。
星影法律事務所の新人、綾里 千尋(アヤサトチヒロ)の、弁護士になってから「2回目」の審理。
被告人である成歩堂は、恋敵である呑田を殺した容疑に問われている。
検察側に立つのは、当時、新人キラーとして知られていた亜内 武文(アウチタケフミ)検事。
彼はさっそく、最初の証人として被告人である成歩堂自身を指名。千尋が自らの依頼人を尋問するよう仕向ける。
案の定、矛盾だらけの証言を炸裂させて墓穴を掘る成歩堂だが、千尋はその矛盾を暴きつつも
依頼人を信じる態度だけは崩さない。その姿に成歩堂も思うところがあったらしく
「あいつと会い、口論になって突き飛ばしたんです。その時大きな音がしました。あいつの傘が折れた音だと思います」
と、真実を話した。その音こそ被害者の感電した音だと攻める亜内検事に、千尋は不適な笑みを向ける。
「現場写真に折れた傘が写っています。…被害者の死体から離れた場所に!つまり被害者は
 突き飛ばされた後に移動した。突き飛ばされたときは死んでいなかったのです!」
見事に検察側のロジックを突き崩した千尋だが、亜内検事は次の証人をすでに用意しているらしい。
それを知って「この時を待っていたんです」とつぶやく千尋。なにやらいわく有りげだが…?

休憩の後、証人として現れたのは、成歩堂の恋人である美柳(ミヤナギ)ちなみ。
成歩堂いわく「ちいちゃん」「リュウちゃん」と呼び合う仲だそうだが、彼女の様子はどうもおかしい。
一見、成歩堂を庇うと見せて、成歩堂が呑田を感電死させるのを見たという方向へ話を持っていくのだ。
だが、千尋はその矛盾を暴き、さらにちなみ本人を真犯人として告発する。
根拠となるデータは、被害者の呑田が、学部から毒薬を盗んだ犯人としてちなみを疑っていたという証言、
そして、この事件から半年前、この裁判所のカフェテリアで起きたある事件。
「ちなみさん、あなたは半年前、ある弁護士に呼び出されてこの裁判所を訪れている。
 その弁護士が毒を盛られて倒れた際、あなたは徹底した身体検査を受けたが、毒物は発見されなかった。
 …なぜなら、あなたはとっさにそれを他人に預けていたから!」
半年前、まさに事件の当日にちなみと出会い、記念に香水瓶付きのペンダントを貰ったと惚気ていた成歩堂。
だがそれは、現場から毒の入っていた瓶を隠すためのトリックだったのだ。
ところがここで思わぬハプニング。何としてもちなみを疑いたくない成歩堂が、証拠品のペンダントを食べてしまった。
ペンダントを直接調べられなくなった上、ペンダントを飲み込んだ成歩堂が平気な様子では今の推理も説得力を欠く。
証拠不足で千尋の主張は退けられる……かと思いきや、千尋はまだあきらめない。
(呑田が成歩堂に、ちなみのことを警告しようとしたのは、毒薬が『また』盗まれたからだった。
 ちなみは、誰をどうやって毒殺しようとした?)
「彼女の殺人目標は、呑田ではなく被告人のなるほどくんだったのです!証拠隠滅すべきペンダントを
 記念品として温存する彼に業を煮やした彼女は、彼の愛飲する風邪薬に毒を盛ったんです!」
成歩堂を毒殺しようとして果たせず、真相に気付きつつあった呑田の口を封じるために予定外の殺しを行った…
そう断じた千尋は、現場で見つかった風邪薬を取り「これが飲めるか」とちなみに突きつける。
優雅な微笑から一転、鬼のような形相となったちひろは「これで勝ったつもり?」と捨て台詞を残した後
あくまで悠然と退廷。新人弁護士に敗れた亜内検事は、自慢のリーゼントも抜け果て、燃え尽きてしまった。

事件は解決したが、成歩堂は「今日のちいちゃん、本物だったんでしょうか」とまだ信じられない様子。
千尋は「彼女のことは忘れなさい」と、成歩堂に諭すのだった。
この頃、ある理由から法学への進路変更を考えていた成歩堂は、やがて弁護士となって千尋の部下になり
〔1-2〕の事件を経て自らの事務所を持つに至る。そして舞台は現代へ…

412逆転裁判3 第二話 1/2sage2005/07/03(日)00:18:34 ID:nTpYAXSd
【第二話 盗まれた逆転】
事件発生日時:9月12日午前1時(防犯カメラの撮影時刻により断定)
現場:高菱屋デパート 地下倉庫
被害者:綾里真宵(アヤサトマヨイ)19歳。倉院流霊媒術次期家元。成歩堂法律事務所に入り浸っている。
被害状況:盗難。高菱屋で開催されていた「倉院の里秘宝展」に展示する予定の「倉院の壷」を同店倉庫から盗まれた。
容疑者:怪人☆仮面マスク 年齢不詳。最近町を騒がせている怪盗。高価な美術品のみを標的にしているはずだが…?

高菱屋デパートで「倉院の里秘宝展」が開催されることになり、真宵は大はしゃぎ。いとこの春美(ハルミ)を引きつれ
会場を見学する。企画担当者は、かつての事件〔2-4〕で成歩堂と関わった華宮霧緒(カミヤキリオ)女史。
高価なお宝も展示されるとあって、警備もなかなかのものだが、翌日、目玉のお宝「倉院の壷」が盗まれたとの報せ。
最近、噂になっている怪盗「怪人☆仮面マスク」の犯行によるものらしい。
真宵に押し切られて事件捜査に乗り出した成歩堂だが、直後に「仮面マスクが警察に自首してきた」との連絡が入る。
留置所で成歩堂たちの前に現れたのは、およそ犯罪とは縁のなさそうな細面の青年、天杉優作(アマスギユウサク)。
自分こそ仮面マスクと名乗っているが、肝心の倉院の壷は無くしたなどと、どうも証言がはっきりしない。
彼の奥さんである希華(マレカ)は、優作は怪人マニアが高じて自分が怪人だと思い込んでしまった、と言うのだが…。
一方、現場の倉庫に現れたのは、名探偵を自称する怪しげな男、星威岳哀牙(ホシイダケアイガ)。
仮面マスクのライバルを自称するこの男、事件当夜にも倉庫の警備を担当していたと言うが
成歩堂が問いただした所によると、どうやら仮面マスクに不意打ちを喰らって、相手の顔も見ていない様子。
さらに捜査を進める成歩堂の前には、悪友の矢張政志(ヤハリマサシ)〔1-1・1-4〕までが姿を現す。
事件当夜、バイト先の警備会社で優作青年の財布を拾って届けにきたという矢張の証言は手がかりになるのか…?

9月13日、第一回法廷。話題の怪人☆仮面マスクの裁判ということでいつもより人出が多い。
検察の席に立つのは、仮面をつけた謎の男、ゴドー検事。無敗の男…なのも道理で、今回が検事としての初法廷。
だが、そのふてぶてしい落ち着きようは、とても新人とも思えないのだが。
例によって糸鋸圭介(イトノコギリケイスケ)刑事の状況説明の後、哀牙探偵が証言台に立つ。
事件当夜の様子を証言するはずだが、どういうわけかその証言にはやたらと矛盾が目立つ。
問いただしていくうち、成歩堂はある可能性をひらめいた。
「哀牙さん、あなたが仮面マスクなんだ!怪盗と探偵、一人で二役を演じて状況を操っていたんでしょう!」
とんだ展開になってしまったが、独自に捜査をしていた希華が、哀牙の探偵事務所で見つけたという「倉院の壷」を
法廷に持ち込んだことが決め手になり、なぜか嬉しそうに高笑いする哀牙は窃盗犯として逮捕されていった。
事件はあっさり解決…と思いきや、なぜか優作は自分が仮面マスクだと言い張って譲らない。
成歩堂は、矢張が事件当夜に警備会社で拾った財布を突きつけ「あなたはあの時、警備会社にいたんでしょう」と宣言。
優作もこれに反論できず、結局、優作は仮面マスクではない、ということで無罪判決に落ち着く。
皆が無罪を喜ぶ中、なぜか憂い顔の優作。そこへ、ゴドー検事が姿を現した。
「KB警備会社の社長室で、社長が殺されて金庫に押し込まれていたのが発見された。…こいつは改めて
 殺人の容疑者として拘留させてもらうぜ」
新たな事件の登場!しかもどうやら、優作はこれを知っていたらしい。果たして、優作は本当に殺人犯なのか!?

413逆転裁判3 第二話 2/2sage2005/07/03(日)00:19:40 ID:nTpYAXSd
(事件情報のテンプレートがまた出てきましたが、間違いではありません、悪しからずw)
事件発生日時:9月12日午前1時(検死により推定)
現場:KB警備会社 社長室
被害者:毒島黒兵衛(ブスジマクロベエ)48歳。KB警備会社々長。金に目が無く、あくどい商売もするとの噂。
死因:頭部殴打による内出血。死体は社長室金庫に押し込まれていたため、死体発見までの間が開いた。
容疑者:天杉優作23歳。かつてKB警備会社の社員だったが、1年前に解雇されている。

9月13日午後。今度は殺人容疑を掛けられた優作を見捨てることもできず、成歩堂は捜査を進める。
だが明らかになる情報は不利なものばかり。優作はKB警備の社員だったが、一年前にクビになっている。
そして事件当夜、脅迫状で呼び出されて社長室を訪れ、毒島社長の死体と鉢合わせした。
優作は「あの夜、部屋にはもう一人誰かが居て、僕を殴り倒して逃げた」と主張するが、それを裏付ける証拠はない。
さらに優作から話を聞くうち、気になる発言が。彼が仮面マスクとして犯行を重ねていたのは本当だが
彼を実行犯として使い、戦利品を取り上げていた脅迫者がいると言う。
一方、取り戻した倉院の壷に、ピンク色のペンキがこびりついているのを不審に思った成歩堂は
高菱屋で華宮を問いただし、その理由を聞き出した。華宮は、一度うっかり壷をペンキの上に落としてしまい
慌てて修復したものの、ペンキの染みを取ることができず放置してしまったのだ。
幾つかの手がかりの中で、成歩堂は違和感を抱く。事件の陰にはまだ何者かが潜んでいる。

9月14日。第二回法廷。ゴドー検事が指名した証人は、被告人、天杉優作。被告人を弁護士が尋問するという
変則的状況だが、かつて自分の裁判で千尋が同じ条件を呑んだこともあり、成歩堂は挑戦を受ける。
「脅迫状は、仮面マスクに関わることだと思ったので、わざわざ仮面マスクの衣装で社長室に行った」
という優作の発言にずっこける一同。だが、尋問を続けるうちに成歩堂は発言の糸口を掴む。
「事件当夜、社長室の非常ブザーが鳴った記録があります。しかし、このブザーには誰の指紋も付いていない。
 つまりブザーを押したのは毒島社長ではないし、もちろん被告人でもありえない。第三者が押したのです!」
社長殺しを優作になすりつけようとする真犯人…成歩堂が指摘したその名は「星威岳哀牙」!
己の弁護士生命と被告人の運命を掛けた大博打。成歩堂は隣の法廷の審理を止め、哀牙を召喚する。
自分は窃盗犯、怪人に扮して壷を盗んだ写真もあるという哀牙の主張を砕く成歩堂。
「この写真は、事件以前に用意された偽物です。なぜなら、事件当夜まで壷の実物を見ていないという貴方が
 事件から10日前に出した予告状の中で 壷が倉庫に搬入された後に付いたペンキの染みに言及している!」
さらに成歩堂は、哀牙が毒島社長を殺す動機に迫る。哀牙こそ優作を操っていた「脅迫者」。
怪人を操り、名探偵としての名声と盗品売買の利益を得ていた哀牙だが、毒島社長は怪人関連の警備を通じて
そのからくりを見抜き、哀牙を脅迫してきた。そこで彼は策を労し、殺人の罪を優作になすり付けたのだ。
だがゴドーはその推理をさえぎる。
「探偵が事件当夜、倉庫にいなかったのは立証された…だが、KB警備に居たかは立証されてないぜ」
確かに、その証拠はない。このままでは哀牙は窃盗事件の法廷に戻り
窃盗で有罪の判決を受けてしまう。そうなれば、その判決を否定する殺人容疑を問うことはできない…。
「被告人の罪は明白です」と発言して法廷を去ろうとする哀牙を止めたのは、真宵の霊媒で現れた千尋。
「証人は今、新たな発言をしました。弁護側はこの発言に対して尋問を要求します!」
なぜかゴドーはこの屁理屈に異議を唱えず、尋問が開始された。滔々と「天杉優作有罪の証拠」を述べる哀牙。
だが成歩堂は「ブザーに指紋がないのは、怪人の衣装と手袋をつけた優作が押したから」という証言に食い付く。
「被告人が怪人の衣装を着ていたというのは、ついさっきこの法廷で判明した新事実です。
 ずっと隣の法廷で裁判を受けていたあなたがそれを知っている理由は『事件当夜に見たから』以外ありえない!」
この指摘に、ついに哀牙は屈し、己の殺人容疑を認めたのだった。

事件は解決。昨日「窃盗容疑は無罪」の判決を受けていた優作は、怪人としても無罪になって釈放されてしまう。
自分の犯罪歴が、一本気な妻にバレることを恐れていた優作だが「予告状を出してから盗む怪盗」は
彼女的にアリらしく、夫婦仲も円満に収まった。
だが、ゴドー検事が成歩堂に対して垣間見せる怒りの正体はいったい…?
 
414名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/07/03(日)12:29:39 ID:W0uAIrgo
あれ?
逆転裁判の人、その話すでに投下されてないですか?
なんか読んだことある内容ですが。
デジャブかな。

415逆転裁判3担当sage2005/07/03(日) 14:42:56ID:nTpYAXSd
>>414
第一話のみ、詳細なストーリーがすでに投下されていましたが
その後、ずっと投下が無かったため、引継ぎに当たって第一話も自分の書式でリライトしました。
説明が不十分で申し訳ありません。
 
449逆転裁判3 第三話 1/2sage2005/07/05(火)23:35:15 ID:ggAXrNI4
>>413より続き。
【第三話 逆転のレシピ】
事件発生日時:12月3日午後2時頃(目撃証言により断定)
現場:フレンチレストラン「吐麗美庵(とれびあん)」
被害者:岡 高夫(オカタカオ)28歳、プログラマー。プログラミング技術は非常に優秀だったようだが…。
死因:毒殺。レストランで口にしたコーヒーに青酸カリが盛られていたことが確認されている。
容疑者:須々木(スズキ)マコ 23歳。吐麗美庵ウェイトレス。〔2-1〕の事件の後、警官を辞めて再就職していた。

1月6日、正月明けの成歩堂法律事務所にイトノコ刑事が怒鳴り込んできた。
元部下の須々木マコが、成歩堂の弁護失敗によって有罪判決を受けたと言う。だがそんな事件を扱った記憶はない。
あの後警察を辞め、レストランのウェイトレスを勤めていた彼女は、客を毒殺したことにされている。
彼女は「被害者を毒殺したのは同席していた男だ」と主張したが、他の誰も「男」など見ていないとの証言。
裁判では「成歩堂弁護士」を名乗る男が出廷、あまりに杜撰な弁護で有罪判決を取られたという。
成歩堂の偽者が出たというのか?放っておくこともできず、成歩堂は事件の再調査を始めた。
レストラン「吐麗美庵」のオーナーシェフ、本土坊薫(ホンドボウカオル)は、マコを気遣いながらも
状況的に、コーヒーに毒を盛れた者が彼女しか居ないこと、彼女の言う「男」を見ていないことを話す。
だが、本土坊の背景には怪しい点が多い。イトノコ刑事によれば、彼は多額の借金を抱えているらしい。
そして、レストランの常連客、五十嵐将兵(イガラシショウヘイ)は、本土坊に窃盗の前科があると語る。
被害者は、事件直前に5000万の宝くじを当てていた。大金が動くとなると、本土坊が怪しく思えてくる。
だが本土坊は、成歩堂に追求され、間違って外れた方のくじを盗んでしまったと明かした。
どうにも謎の多いこの事件、はたして一度出てしまった有罪判決を覆せるのか?

1月7日、「前回の法廷は偽者による弁護士不在の裁判だった」との主張が通り、マコの再審が始まった。
マコに気があるらしいイトノコ刑事は、弁護側への協力を約束してくれるが、いざ審理が始まると
ゴドー検事に言われるまま、次々と有罪の証拠を提示する羽目に。さすがに一度有罪判決の出た事件だけ
あって、証拠の数は半端ではない。
現場で気絶していたマコの服から、毒薬の小瓶と、くだんの5000万当たりくじが発見されたとの事実が明かされ
マコの立場は絶望的であるかに見えた。
だが、続いて証人席に立った五十嵐の「当日、事件を目撃した」証言に、成歩堂は鋭く切り込む。
五十嵐がウェイトレスの制服フェチであることを知っていた成歩堂は
「証言は服装のことばかりです。証人は制服に目を奪われて、ウェイトレスの顔も確認してないのでは」と指摘。
怒った五十嵐は、さらに当日の状況を詳しく述べるが、なぜかその証言は、先に出たたくさんの証拠と矛盾しまくる。
「彼の証言はめちゃくちゃです!証拠能力はまったくありません!」
相次ぐ矛盾に、裁判長も成歩堂の意見を認め、五十嵐は泣きながら退廷させられた。
唯一の証人が論破されたことで、被告人の容疑は薄まり、審理の延長と再調査が決定する。

450逆転裁判3 第三話 2/2sage2005/07/05(火)23:36:56 ID:ggAXrNI4
1月7日午後、成歩堂は事件捜査を再開。本土坊の身辺調査から成歩堂がたどり着いたのは、闇金融「カリヨーゼ」。
髪型だけは成歩堂そっくりの巨漢、芝九蔵虎ノ助(シバクゾウトラノスケ)通称「ナニワのゼニトラ」が経営する悪徳金融だ。
名前どおり凶暴なゼニトラは、恫喝するばかりでまともに話を聞いてくれないが
「うらみちゃん」と呼んでいる、秘書の女の子にはなぜか低姿勢である。
一方、被害者の岡にについて、彼の勤め先であるソフトメーカー「バグダス」を訪れた成歩堂は
岡がギャンブル狂であること、そのためにカリヨーゼから借金をしていたと知る。
彼は膨れ上がった借金の返済として、新種のコンピュータウイルスを売る予定だったらしい。
全ての鍵はカリヨーゼにある。調査を進めた成歩堂は、うらみちゃんのフルネームが「鹿羽(シカバネ)うらみ」、
暴力団「鹿羽組」組長の孫娘であると知った。
ゼニトラは去年、うらみの車と衝突事故を起こし、その時にうらみは大怪我をした。
鹿羽組はこの事件の落とし前として、ゼニトラに1億円もの治療費を要求していたことが明らかになる。
このときに、ゼニトラに一目惚れしたうらみはカリヨーゼの押しかけ秘書を勤めていたのだが
ゼニトラの方は実のところ、うらみをうっとうしい女としか見ていない。
二人のいびつな関係を成歩堂に看破されたうらみは、彼女自身の事故にまつわる診断書を成歩堂に渡してくれた。
危険な証拠が成歩堂の手に渡ったと知ったゼニトラは、借金を盾に本土坊を操り、診断書の奪回を図るが
イトノコ刑事の援護によって、診断書は守り抜かれた。明日の法廷が決戦場になると成歩堂は確信する。

1月8日、第二回法廷。証人席に立つのは本土坊。ゼニトラの息が掛かっているのは間違いない。
案の定「当日、店内には大きな鏡が置かれていた」との証言。五十嵐は鏡越しに被害者を見たのだ、と
前日の証言の矛盾を取り繕う。だが成歩堂はこれを論破。本土坊が事件に直接関わっていること
そして、その黒幕が彼に金を貸しているゼニトラであると告発する。
「事件は“2度”起こった!真犯人は被害者を毒殺した後、自らが被害者に扮して
 事件後に入店した五十嵐さんの前で『ウェイトレスに毒殺された被害者』を演じた。
 だから、証拠品と五十嵐さんの証言に微妙な食い違いがいくつも存在したのです!」
この唐突な告白にゴドー検事は「30分でゼニトラを連行してくる」と宣言。一時休廷となった。
休憩中、成歩堂はイトノコ刑事に、吐麗美庵キッチンで見つけた小瓶を託す。
なぜかキッチンで見つかった、被害者の使っていた薬瓶。その指紋鑑定がまだ終わっていなかったのだ。
30分後、、本当にゼニトラが連行されてきた。重要な商談に行くところを無理やり連行されたと怒り狂うゼニトラは
事件も被害者も知らぬと語るが、成歩堂はゼニトラが当日、吐麗美庵を訪れたこと、そして彼の動機を解き明かす。
「あなたは鹿羽組とのトラブルで、1億円が必要だった。だから、借金のカタに、被害者にウイルスを作らせ
 それを闇ルートで高く売るつもりだった。だが、直前で被害者が宝くじを当ててしまい、現金返済が可能になった。
 しかしそれでは目標金額に足りない。ウイルスソフトを奪うため、貴方は被害者を毒殺したんだ!」
……だが、ここで成歩堂の追求が止まる。「ゼニトラが被害者に毒を持った」それを立証する証拠品が無いのだ。
裁判長は、マコに罪をなすり付けるため、偽弁護士として法廷に立ったゼニトラの顔を覚えていたが
「あやふやな記憶だけを頼りに罪を問うことはできない」と宣言。追い詰められていたゼニトラは立ち直ってしまう。
絶体絶命のピンチに、イトノコが駆けつけた。先ほど託した薬瓶から、ゼニトラの指紋が検出されたとの報告。
しかし、ゼニトラが被害者とあったと認めている以上、これも殺人の証拠にはならない。だが、成歩堂はひらめいた。
(偽の弁護士、偽の事件……ニセモノづくしの事件の幕引きには、偽の証拠品がふさわしい!)
「証人、この瓶は青酸カリの入っていた瓶です。この瓶からあなたの指紋が見つかりました!」
「ガハハ、見え見えの嘘つくなや!毒が入ってた瓶は茶色いガラス瓶やでぇ!」
瞬間、法廷が凍りつく。「証人…無関係のあなたがなぜそれを知ってるんですか?」
ゼニトラは罠に見事はまった。彼が知るはずの無い事件の情報を自ら口にしてしまったのだ。
無念の咆哮をあげてゼニトラは気絶。マコは晴れて無罪判決を受けた。
「結局、イトノコ先輩は役に立たなかった」と憤慨するマコだが、彼がずっとマコの身を案じていたことを知り
イトノコの差し入れてくれた山盛りウインナー弁当を嬉し泣きしながら頬張ったのであった。
 
10逆転裁判3 第四話sage2005/07/17(日) 09:43:42ID:/a/wo2VQ
【第四話 始まりの逆転】
事件発生日時:2月14日午後4時~5時(検死等により推定)
現場:吾童川上流 吊り橋「おぼろ橋」
被害者:美柳勇希(ミヤナギ゙ユウキ)警察の巡査部長。5年前の事件で、尾並田容疑者を逮捕した。
死因:刺殺。背中をナイフで刺されたことによる失血死。
容疑者:尾並田美散(オナミダミチル)25歳。5年前に誘拐殺人の罪で有罪となった死刑囚。

入院中の成歩堂が、ある事件のデータファイルを読むところから話は始まる…。

6年前、新人弁護士綾里千尋の最初の法廷。依頼人は、脱獄と殺人の罪に問われている死刑囚、尾並田。
かつて営利誘拐で人質を殺し、今回は脱獄して、以前の事件で自分を逮捕した婦人警官を殺したとされている。
あまりに不利な被告の状況、そして検察側が、噂の天才新人検事、御剣怜侍
(まだ新人なので、スタイルが師・狩魔豪〔1-4〕のパクリである)とあって、ベテランは誰も引き受けなかった弁護だ。
千尋のサポートに付くのは、彼女を「コネコちゃん」と呼ぶ皮肉屋の先輩、神乃木荘龍(カミノギソウリュウ)。
イトノコ刑事(これまた刑事課に配属されたばかりの新人)の説明の後、証人として出てきたのは
女子大生、無久井里子(ムクイサトコ)。(どう見ても〔3-1〕の美柳ちなみなのだが、それはプレイヤーにしか分らない)。
偶然現場に居合わせ、事件の写真を撮ったという無久井だが、その証言はどうも不自然だ。
証言の矛盾を突いていくうち、千尋は証人が偶然の目撃者でなく、事件に深く関わっていると確信する。

一時休憩の間に、千尋は尾並田から昔の誘拐事件についての詳細を聞いた。
千尋の弁護に感服した尾並田は、秘密にしていた事件の真相を打ち明ける。「あの事件は狂言誘拐だった」と。
尾並田と勇希、そして人質役で勇希の義妹・ちなみの三人で、美柳家からの身代金を山分けするはずだった。
だが、勇希の裏切りで計画は頓挫し、ちなみはおぼろ橋から川に落ちて行方不明。尾並田は勇希の偽証によって
誘拐殺人犯にされた。…勇希の突然の裏切りは何故だったのか。それを知りたくて尾並田は脱獄したのだという。
尾並田の話と証拠品を組み合わせ、ある確信を得た千尋は、再開された審理でそれを無久井に突きつける。
「あなたの本名は美柳ちなみ!行方不明と見せかけて生きていた、昔の事件の被害者です!」
大逆転!……と思いきや、御剣検事はあっさりそれを認め、証人保護のためにあえて偽名を認めたと発言。
予想以上に狡猾な御剣の弁論に舌を巻く千尋だが、ここで退くこともできない。千尋はさらに攻める。
「過去の誘拐事件は尾並田の犯罪ではなく彼女によるものです!彼女は身代金代わりのダイヤを持ったまま
 川に転落して死んだ風を装い、罪を尾並田に被せて身代金の独占を図った!
 しかし今回、尾並田が勇希に接近し、罪の意識に耐えかねた勇希が真相を暴露しようと考えていると知って
 彼女は義姉を殺し、その罪を尾並田に被せて二人の口を同時に封じようと企んだのです!」
千尋、怒涛の反撃だが、証拠品は無くその論拠は乏しい。ここで千尋は、尾並田自身の証言を希望する。
千尋の推理によるなら、ちなみは尾並田と待ち合わせていた勇希を殺し、自分が勇希になりすまして
尾並田と対面したはず。尾並田が会った女がちなみだとの証言が得られれば弁護側に有利となる。
だが、証言台に立った尾並田は、かすかに微笑んだ後、突然血を吐いて倒れた。
…尾並田は優しすぎたのだ。恋人だったちなみをあくまで信じようとした尾並田は、それが難しいと気付いたとき
ちなみから託されていた毒を自らあおり、自らの口を封じたのである。
法廷が騒然となる中、ちなみは微笑んで、法廷から去っていった。
自分の弁護が尾並田を死に追い込んでしまったと泣く千尋を、神乃木は初めて「コネコちゃん」ではなく名前で呼ぶ。
「泣くな、千尋。オトコが泣いていいのは…全てを終えたときだけ、だぜ」
そう呟く神乃木の拳は、握りつぶしたマグカップの破片で流血しているのに気付かぬほど硬く握られていた…。

この事件から半年後、美柳ちなみを追い詰めた神乃木は、ちなみに毒を盛られて倒れる。
そしてその半年後、〔3-1〕の事件で、千尋はちなみを有罪判決に追い込み、悲願を果たした。
…だが、5年前に決着したはずの事件がまだ終わっていないことを、間もなく成歩堂は知ることになる…。

11逆転裁判3 第五話 1/4sage2005/07/17(日)09:44:43 ID:/a/wo2VQ
【第五話 華麗なる逆転】
事件発生日時:2月7日午後11時頃(検死・目撃証言により推定)
現場:霊場「葉桜院」境内
被害者:天流斎(テンリュウサイ)エリス 年齢不詳。癒し系の作風で知られる絵本作家。デビュー前の経歴が一切不明。
死因:刺殺。背後から胴を貫通するほど深く刺されている。死後、3mほどの高さから落ちたらしき打撲傷あり。
容疑者:あやめ 25歳。葉桜院を住職と二人で切り盛りする尼僧。なぜか成歩堂を知っているらしいが…?

2月7日、成歩堂は真宵、春美と共に山奥の霊場「葉桜院」へ修行ツアーでやって来た。
霊力修行に付き合う気など無かった成歩堂だが、ある事情で動向を承諾する。春美が持ってきたオカルト雑誌、
霊場を紹介する記事の写真には霊場の管理者として、美柳ちなみそっくりの尼僧が写っていたのだ。
葉桜院で一行を待っていたのは、院の住職、毘忌尼(ビキニ)、そして宿泊客の作家、天流斎エリスと
その弟子、天流斎マシスこと矢張政志(〔3-2〕の後も失恋を重ね、生き方を変えるべくエリスに弟子入りしたらしい)。
写真に写っていた尼僧あやめは、本堂から離れた「奥の院」にいるらしい。吊り橋を渡って
(つり橋の名はおぼろ橋。勘のいい人は気付くが、〔3-4〕の現場だ!)奥の院であやめと対面。
あやめは成歩堂を見てうろたえるが、彼女と成歩堂の接点については口をつぐんで語らない。
やがて夜になり、真宵は奥の院の修行へ。成歩堂たちは本堂に残る。
そして11時、突然の悲鳴を聞きつけた成歩堂が見たのは、境内の黄金像が持つ七支刀に貫かれる形で
地面に横たわるエリスの死体だった。
本堂には電話が無いため、つり橋のたもとの公衆電話に向かった成歩堂が見たものは
落雷で火がつき、燃え落ちたおぼろ橋の姿。真宵の身を案じて、無理に向こう岸へ渡ろうとした成歩堂は
転落して、吾童川へと落ちていった…。

ここで視点が切り替わる。矢張から緊急の電話を受けて、外国に居た御剣怜侍は緊急帰国する。
そこで待っていた成歩堂が御剣に手渡したのは、成歩堂の弁護士バッジ。
葉桜院の事件で、あやめがエリス殺害犯として逮捕された。成歩堂は彼女が犯人ではないと考えているが
川に落ちて風邪を引いた彼は、とても出廷できない。代わりに御剣に弁護を頼むということらしい。
無茶もいいところだが、親友の頼みを無碍にもできない。御剣は身分を偽り、捜査を開始する。
御剣に心酔するイトノコ刑事の協力で捜査は進展するが、出てくるのは不利な証拠ばかり。
毘忌尼の目撃証言、そして現場の凶器にあやめの指紋が残っていた事実。
だが、御剣はあやめの証言と他の人の証言の食い違いから、そこに手がかりを見出す。
あやめは事件当夜、謎の脅迫状を送り付けられ、おびえて本堂の自室から出なかったらしい。
脅迫状の送り主が矢張だと見抜き、御剣はおぼろ橋近くの山小屋に隠れていた矢張を問いただす。
矢張いわく「脅迫状じゃねえ!あれはラブレターだ!」とのこと、この男、まだ懲りていないらしい。
さらに詰問しているうち、事件当夜もここにいた矢張が何か目撃したらしいことが分るが
彼はそれを話そうとしない。御剣は、矢張を法廷に引き出して尋問することを決意する。
もうひとつ気になるのは、おぼろ橋の焼失によって外界と切り離されてしまった奥の院。
吊り橋の修理は明日まで掛かり、それまでは向こう岸に居るはずの真宵の安否は確認できない。
さらに、春美も行方不明であるとの報告が入る。あの夜、奥の院に入って取り残されたか、それとも…?

12逆転裁判3 第五話 2/4sage2005/07/17(日)09:45:10 ID:/a/wo2VQ
2月9日、あやめの第一回法廷。担当裁判官は、いつもの裁判長とは違う、御剣との面識が少ない裁判官。
そして、なぜか行方不明のゴドー検事に代わって検察側に立つのは、御剣の要請に応えた狩魔冥検事〔3-2・3・4〕。
期せずして狩魔門下のふたりの、ありえないドリームマッチが始まる。もちろん冥は御剣を知らぬ振りはしても
犯罪の立証それ自体には手を抜かない。
証言台に立った毘忌尼は「事件当夜、あやめが被害者を七支刀で刺すところを見た」との証言。
あやめの母親代わりである毘忌尼が、あえてあやめの犯行を証言したことで、法廷は有罪に傾く。
しかし御剣はその証言を切り崩しに掛かる。反論する冥とのすさまじい舌戦。勝負を制したのは御剣だった。
凶器は別に有りとの主張で目撃証言自体を無効化する御剣。だがここで、毘忌尼が新たな証言を始めた。
「あの夜、誰かが山門前のスノーモービルを動かした跡があった。犯人は凶器を外へ持ち出したんじゃ?」
昨夜、スノーモービルを運転できたのはあやめだけ。またもあやめに不利な証言だが
御剣は山門前の写真から、スノーモービルが事件前に山門を離れ、事件後に戻ってきたことを証明する。
では、誰が何のためにスノーモービルを動かしたのか…ここで御剣は切り札、矢張を証人として召喚する。
事件当夜、ラブレターであやめを外へ呼び出していた矢張は、そこで何かを見たらしい。
彼が事件直後に描いたスケッチが法廷に提出されたとたん、異様な空気が立ち込めた。
スケッチには、落雷で燃える橋の上を、踊るように飛ぶ人影が描かれていたのである。
矢張いわく、飛んでいたのはあやめだったとのこと。彼は証拠として橋のたもとに落ちていた飾り水晶を取り出すが
御剣は、それがあやめのものではなく、被害者エリスのものだと看破し、新たな推理を展開する。
「本当の殺人現場はおぼろ橋だったと主張しよう。犯人は被害者を刺し殺した後、スノーモービルで
 その死体を葉桜院まで持ち帰り、境内で殺されたように偽装したのだ」
御剣の推理を崩す証拠は検察側に無かった。事件現場が特定できていないという弁護側の主張を容れて
裁判官は審理延長を宣言する。冥は勝ちきれなかったことを本気で悔しがるが、御剣は笑顔を浮かべる。
「成歩堂の復帰まで審理を長引かせる」という目的は達成されたのだ。

2月9日午後、成歩堂は無理を押して捜査現場に顔を出す。おぼろ橋の修理が済み、奥の院へ渡れるようになった。
そこには、真宵を心配して奥の院に入ったまま閉じ込められていた春美が居た。だが真宵の姿は無い。
現場に忽然と姿を現したゴドーは「手遅れだぜ。お前があの子を見殺しにしたんだ」と成歩堂を責める。
調査の結果、奥の院地下の修験堂に人が居る可能性があると分かり、堂の入り口に掛けられた
「からくり錠」を唯一解くことのできるあやめが急遽護送されてきた。
一方、周辺を捜査していたイトノコ刑事が、奥の院中庭で奇妙なものを見つける。
中庭の雪はまるごと取り除けられ、そして庭の石灯籠には血文字で「マヨイ」と書かれていた。
どうやら、ここが真の殺人現場らしい。調査を進めるうち、成歩堂はそこに落ちていた奇妙な護符を拾う。
その護符には、綾里家の紋が付いていた。ある推理をひらめいた成歩堂は、毘忌尼を問い詰める。
「天流斎エリスの正体は、綾里舞子…真宵ちゃんの母親じゃないんですか?」
隠し切れなくなった毘忌尼は、その事実を認める。密かに娘を見守っていた舞子は
娘を狙う陰謀を知って、それを阻止するためにこの葉桜院に姿を現したのだ。
さらに話をするうち、毘忌尼のくちから驚くべき事実が飛び出す。あやめは、春美の母、綾里キミ子〔2-2〕の実子で
しかも彼女には、双子の姉がいたという。父方に引き取られていったその姉の名は聞くまでも無かった。
美柳ちなみ。…そう、全ての事件が倉院流霊媒術のもとに帰結する。
だが御剣はちなみがこの事件に関わっている可能性を否定する。なぜなら、半月前に彼女の死刑が執行され
彼女はもうこの世の人ではないから。
しかし、成歩堂は知っている。倉院流絡みの事件である以上、死者は生者以上に危険な存在だ。
事件の闇は深い。真宵はどこへ行ったのか。奥の院で綾里舞子を殺したのは誰なのか。
そして、橋が燃え落ちた事件の夜、矢張が目撃した空飛ぶ人影の正体とは?


13逆転裁判3 第五話 3/4sage2005/07/17(日)09:46:35 ID:/a/wo2VQ
2月10日、第二回法廷。奥の院で修験堂の開錠作業をしていたあやめが審理のために戻ってきた。
だが、なぜか彼女は検察側に向かい、ゴドー検事を通して「真相を証言する」と主張し証言台に立つ。
その内容は驚くべきものだった。事件の夜、被害者、天流斎エリスが奥の院にいた真宵を襲い
真宵は必死に反撃して被害者を刺し殺してしまったというのである。
しかし成歩堂はその証言を否定する。エリスの正体は真宵の母、舞子なのだ。二人が殺し合う理由が無い。
真宵は正当防衛だと言いつつ、エリス殺害の犯人が真宵だという事実は譲らないあやめを尋問するうち
奇妙な矛盾が浮かび上がる。あやめは、何故かおぼろ橋が落雷で焼け落ちたことを知らず
「死体を引きずって橋を渡った」と証言したのだ。
あやめが橋を渡れたはずは無い。だが、死体が橋の向こう、葉桜院で発見されたのは事実である。
この矛盾を解くべく、成歩堂は「谷川を越えた死体」のトリックに挑む。
「矢張のスケッチを逆転するんです。あいつは、山小屋でうたた寝していたときにこの光景を見たと言っていた。
 つまり、このスケッチは風景を逆さに見たもの。そう、死体は空を飛んだのではなく、橋の下をくぐったのです。
 橋を支えていたワイヤーに死体を結び、振り子のように死体を向こう岸に送る!これが『空飛ぶ人影』の正体!
 死体の全身の打撲傷も、橋のたもとで見つかった被害者の水晶も、すべてこれで説明が付きます!」
「ちょっとまて、このトリックだと向こう岸に共犯者が必要だぜ。共犯者が誰か、指摘できるのか?」
「共犯者は…もちろん、あやめさんです。毘忌尼さんが目撃したのは彼女の現場工作だったんです」
成歩堂は確信していた。奥の院で犯行の瞬間を見たと言っている証言台の女性はあやめではない。
奇妙な記憶の欠落、そして擁護するふりをして罪をなすりつける手口。自分はこの女性を知っている…!
「この名を呼ぶことは二度とないと思っていました…美柳 ちなみさん」

名を呼ばれた彼女は、一転して邪悪な笑みを浮かべる。やはり彼女は霊媒で現世に現れた「ちなみ」だった。
修験堂に潜んでいた彼女は、昨日のうちに堂に現れた本物のあやめと入れ替わっていたのだ。
あっさりと自分の正体を認めた彼女は、自分の企みを語る。分家から倉院流を牛耳るべく
キミ子は真宵暗殺を計画した。死刑になった自分の長女・ちなみを、春美に霊媒させて実行犯にする計画だ。
倉院流の権力争いに振り回され、エゴイスティックな性格に育ったちなみがこの計画に乗ったのは
自分を死刑に追い込んだ千尋の妹を殺すことで、千尋の魂に苦痛を与えるため。
あまりに残忍な計画に法廷中がちなみに怒りを向けるが、彼女は意に介さない。
「あなたたちに私は裁けない。私は既に死者なのだから」
そしてちなみは、復讐の完成を宣言する。真宵が見つからないのは、彼女が自殺したからだ、と。
あの夜、何も知らない春美が、キミ子の指示通りちなみを霊媒するのを避けるため、舞子は自らちなみを霊媒した。
現世に舞い戻ったちなみは、そのまま舞子の体を介して真宵暗殺を実行しようとした。
だが、ちなみは真宵を殺そうとしたとき、何者かに刺されて一度だけ意識を失ったという。
「殺されそうになった真宵が反撃して舞子を殺してしまい、後になって相手が自分の母親だったと知って
 己を恥じて吾童川に身を投げた。そんなところじゃないかしら?だから、私の復讐は達成されたの」
真宵を守れなかった…机に伏して慟哭する成歩堂。だが、ゴドー検事が異議を唱える。「それはありえない」と。
その言葉に、成歩堂は入院中に見たかこの事件のファイル〔3-4〕を思い出す。
「奥の院がある吾童川東岸は岩場になっている。飛び降り自殺したなら死体は川に落ちずにすぐ見つかるはずだ!」
そう、答えはすぐそこにあった。舞子が死に、春美は確保されている。とすれば、今ちなみを霊媒しているのは?
「ちなみさん、今あなたを霊媒しているのが真宵ちゃんです。あなたは標的が自分の手中にあるのを知らなかったんです!」
愕然とするちなみの前に、春美に霊媒された千尋が現れた。あの夜、真宵はいち早く千尋を霊媒して
「自分に敵対する霊を呼ぶはずが無い」という心理的盲点に隠れるこの策を伝授されたのだ。
「これで分ったでしょう、ちなみさん。あなたは私に一生…いえ、死んでも私に勝てないのよ!」
…死者を裁く法は無い。だが、その魂に敗者の烙印を押され、ちなみの霊は絶望の悲鳴と共に消えていった。
すべて終わりかと思いきや、ゴドー検事がさらなる異議を唱える。
「綾里舞子殺害の真犯人は立証されていない。検察は最後の証人として綾里真宵を召喚する!」

14逆転裁判3 第五話 4/4sage2005/07/17(日)09:47:14 ID:/a/wo2VQ
検察側の要請で、真宵が証言台に立つ。だが、その証言には違和感があった。
舞子を殺した「犯人」は、真宵に嫌疑が及ばぬよう気を遣い、そして真宵もその犯人をなぜか庇う節が見られる。
だが、真実こそが全てに優先するという信念に従い、成歩堂はその矛盾を暴く。導かれた答えは意外なものだった。
「真犯人は…ゴドー検事、あなたです。あなたは奥の院に居たから昨日の法廷に出ることができなかった。
 中庭の不自然な工作もあなたが行ったのなら納得がいく。あなたは視力補助のためにその仮面をつけているが
 それでも特定の色が…『白地に赤』が見えないんだ。だから、現場の雪に散った返り血を取り除くために
 中庭の雪全てを掻き出さねばならなかったし、白い石灯籠に書かれた血文字を見逃すというミスを犯した!」
そして成歩堂は、なぜゴドー検事が真宵を庇ったのか、その理由も解き明かす。ゴドー検事の真の名は
神乃木荘龍。死んだと思われていた、千尋の元恋人にして先輩弁護士。
ゴドー検事はその事実を否定せず、己の境遇を語り始める。5年前の事件で、彼はちなみに毒を盛られて
死にこそしなかったが、昏睡状態のまま5年間眠り続けた。1年前、彼が目覚めたとき
彼は毒の副作用で視力を失い、また恋人・千尋も復讐対象・ちなみも失っていた。
全てを失った彼が見出した目標は二つ。千尋を守ることができなかったにもかかわらず千尋の後継者と呼ばれている
成歩堂の打倒。そして、千尋の最愛の妹、真宵を倉院流をめぐる陰謀から守ること。
検事となった彼は、その権力を使ってキミ子の動向を監視し、行方不明だった舞子を探し出して協力を取り付け
あの夜、舞子、あやめと共に真宵殺害計画を防ぐべく、ひとり奥の院に待機していた…
そこまで語って、ゴドー=神乃木は口をつぐむ。最後の一点「彼が舞子を殺したのか」は自力で立証せよというわけだ。
(ここでBGMに流れるのは、逆転裁判3のクライマックス曲ではなく、懐かしい逆転裁判1のクライマックス曲!
 『3年実経験を積めば一流になる』と千尋が評した、成歩堂の真価が今、問われる!)
ポイントは刀傷。真宵の証言から「真犯人」は真宵を襲おうとした「ちなみ」と争いになり、刀傷を受けたことが分っている。
だが昨日、事件当時のまま奥の院に隠れていたはずのゴドー検事の体に、そんな傷は見当たらなかったのだが…?
「その仮面です!あなたは『ちなみ』ともみ合った際、仮面を弾き飛ばされて顔面に傷を負った!
 そして今も、その仮面の下に刀傷を隠している!!」
成歩堂の渾身のツッコミに大きくのけぞったゴドーは、最早言い逃れようともせず、己の心境を語り始める。
…あの夜、自分は本当に、真宵を守るために戦ったのだろうか。
真宵を守るなら、なぜ真宵の保護者である成歩堂に話をしなかったのか。あの夜、刀を振りかざしたとき
それが本物のちなみでなく、ちなみを霊媒した他人の体だと承知の上で刀を振り下ろしたのはなぜなのか。
あの戦いが無私の義侠心によるものか、それとも自分の虚栄心を満たす自己満足の暴力だったのか
もはや彼自身にも分らない…。
「あたしは信じてます。神乃木さんはあたしを守るため戦ってくれたんです!」
その言葉に応えるように、ゴドーの頬を一筋の血が伝う。…やはり彼は、仮面の下に傷を負っていた。
「俺の世界に『赤』は存在しない。…これは、俺の涙だ。男が泣いていいのは、全てを終えたときだけ、だぜ」

事件は解決した。あやめは事件への関与を認めたが、殺人については無罪となる。
最後に言いたいことはあるかと聞かれたあやめは、成歩堂にある秘密を明かした。
それは「成歩堂とちなみお姉様は、あの裁判の日までに2回しか会っていない」という驚くべきものだった。
「今まであなたをだましていました。ごめんなさい…リュウちゃん」
その呼びかけで成歩堂は全てを察した。警察にマークされていたちなみの影武者として、成歩堂と交際していたのは
彼女、あやめだった。しかし、あやめは本気で成歩堂を好きになってしまい、彼女を疑いだしたちなみは
自分の手で証拠品を滅却しようとして〔3-1〕の事件を起こしたのだった。
「ひとつだけ、言わせてください。…あなたはやはり、僕の思った通りの人でした。それだけはずっと信じていました」
一方、一連の事件の黒幕が自分の母だったと知って、春美は真宵の元を去ろうとするが
真宵はそんな春美を引き止め、自分は今とても幸せだと語る。
「みんながあたしを守ろうとしてくれて、そして今あたしがここにいる。だからあたしは幸せなんだよ」
成歩堂も真宵も、大きな試練を乗り越えた。庇護者の元を離れ、一人で立つときがやって来たのだ。
~逆転裁判3 END~

15逆転裁判3担当sage2005/07/17(日) 09:51:33ID:/a/wo2VQ
逆転裁判3、これにて全編の終わり。同時に、逆転裁判三部作の完結でもあります。
逆転裁判シリーズは、1を飛ばして2や3から始めても構わない造りになっていますが
新人時代の千尋や「御剣弁護士」VS狩魔冥といった、逆裁ファン向けのくすぐりの多い本作は
やはり1・2をプレイしてから遊んでみてほしいというのが個人的な意見ですね。

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