アットウィキロゴ
チェンジ・ザ・ワールド☆
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

チェンジ・ザ・ワールド☆

華めきたり.2

最終更新:

streetpoint

- view
管理者のみ編集可
華めきたり






【話ノ一】




 宮ノ杜博はご機嫌で車を降りた。


「たっだいま~!」

「お帰りなさいませ」


 使用人に出迎えられ、学生鞄を渡す。それと反対の手には何やら小さな包みが握られている。


「そんなもので薫が喜ぶはずないじゃない。馬鹿じゃないの」


 ご機嫌の博の少し後ろを歩く雅の悪態も軽く流し、笑顔の博は玄関へ入りどんどんと階段を昇って行く。


「あっ、ねえ! 薫は部屋?」

「はい、先ほど夕食まで部屋にいると伺いました」

「分かった、ありがと」

「ちょっと、人の話聞いてないよね? 馬鹿博!」

「雅の話しなんて聞こえないよ~」


 とうとう小走りになると、博は広い廊下へと体を滑り込ませて行った。

 長い廊下を進み、左側の扉を開けると真っ直ぐに姉である薫の部屋へと向かう。


「薫っ……」


 名前を呼びながらノックをしようと手を伸ばした所で、博は一瞬動きを止めた。部屋の中から男女の楽しげな話し声が聞こえてきたのだ。

 笑顔が消え、息を殺すように姉の部屋の扉へ耳を近づける。


「いやいや、冗談じゃないですって。オレがこの目でしかと見たんですから間違いありやせんぜ」

「本当に? 喜助さんって、口が上手いから本当か冗談か分からないわ」


 聞こえてきた会話に、博はピクリと目を見開く。

 声の主は、屋敷によく出入りをしている情報屋の喜助と薫に間違いない。だが、こんなにも二人が親しげに会話をしているなど、今まで一度も見た事がなかった。

 驚きと同時に、得体の知れない不安に駆られる。


「何やってんの?」

「雅……」

「薫の部屋の前でこそこそと、いい趣味してるよね」


 侮蔑をこめた冷ややかな視線を浴びせて来る雅に、いつもなら文句の一つでも言ってやる所なのだが、今はそれどころではない。しっかりと雅の腕を掴み、自分の部屋へと引きづり込んだ。


「ちょっと! 痛いじゃない! 放してよっ!」


 無理やり部屋に連れ込まれ、解放された腕をさすりながら再び博を睨みつけると、博が真面目な顔をして言った。


「薫の部屋に、喜助がいる」

「ーーー何それ?」

「しかも何だかすっごく楽しそうに話してた」

「何、嫉妬? そう言うの、エゲレスで何て言うか知ってる? シスターコンプレクスって言うんだよ。良い歳して馬鹿みたい」

「お前は気にならないのか? 薫が今まで喜助と仲良く話しているのなんて、俺は見た事ないよ」

「……僕もないけど、仲良くなったんじゃないの」

「何で薫と喜助が仲良くなる必要があるのさ? 正や勇ならまだしも、薫だよ? 全然関係ないじゃん!」


 目くじらを立てる博をもう一度冷めた視線で睨むと、雅はくるりと博に背を向けた。


「薫か喜助のどっちかに、何か理由があるんじゃないの。もう部屋に戻るから、押し掛けて来ないでよね」


 バタン 


 と締められた自室の扉をじっと睨み、博は急いで着替えると再び薫の部屋へと向かった。


「薫、俺、博だけど」


 緊張気味にノックをすると、カチャリと扉が開き、やはりというか喜助が顔を出した。


「やあ博坊ちゃんお帰りなさい。それじゃあオレは失礼しやすね」

「ええ、またお話聞かせてくださいね。お帰りなさい、博」


 笑顔で部屋を出て行く喜助を見送ると、薫は同じ様な笑顔で博を迎え入れた。





ブラウザを閉じてお戻りくださいv
その他二次小説トップに戻る
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー