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不完全燃焼、恋愛模様.13

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streetpoint

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不完全燃焼、恋愛模様











「汐屋~!」

「忍足君」


忍足は広い運動公園の遊歩道を歩いてやって来る汐屋の姿を見つけ、大きく手を振った。

それに気付いた汐屋がこちらへやって来る。


「久しぶりやな、汐屋」

「メールしてるじゃない」

「会うんはあの日以来や」

「ああ、そうか」


楽しそうなその様子を見て、忍足と一緒にいた二人組のうちの眼鏡をはめた坊主頭が声を荒げる。


「ちょっと謙也! その女誰っ!?」


裏声を駆使した声音と奇妙な動きに、汐屋は一瞬怯む。


「おい待て、浮気か?」


坊主頭の肩を掴んで、二人組の片割れが凄む。


「ウルサいわね、今それどころや無いねんっ!? ちょっと謙也!」

「それが浮気や言うてんねん、死なすど!」


何故か痴話喧嘩のような状況に陥る二人に、忍足が面倒くさそうに頭を抑える。


「あーもうやかましな。すまんな、汐屋。こいつら俺のチームメートの金色小春と一氏ユウジ。見ての通り、ちょっと……いや、かなり頭おかしいねん」

「誰の頭がおかしいのよっ! この泥棒猫っ! あたしの謙也にちょっかい出すんじゃないわよっ!?」

「ーーー出してないけど……」

「小春、お前ちょっと黙っとれ。汐屋、俺達次試合やねん。応援したってや?」

「うん、頑張ってね。えっと、金色君と一氏君も頑張ってね」

「あ、あら。いい子じゃない……でも謙也は渡さないわよっ!?」

「せやから浮気は許さん言うてるやろ!?」


ぎゃーぎゃー騒ぎながら小春と一氏がコートの中に入って行った。

汐屋がそれを眺めながら苦笑する。


「賑やかな友達だね」

「せやろ? あいつら中学ん時から一緒やねん」

「そうなんだ。じゃあ千歳君と白石君も知ってるんだ」


そう言ってまだ何やらふざけている小春と一氏から忍足に視線を戻した汐屋に、忍足はほんわかとした気持ちになる。


「ああ……なんや自分、ほんまにええ子やなあ」

「へ?」

「あ、いや、なんでもない。それじゃあ頑張って勝ってくるか。俺のあまりのかっこよさにびっくりすんなや?」

「ふふふ、分かった」


忍足が腕を回しながらコートに入って行くと、あちこちから声援が飛んで来た。

千歳と白石の学校での人気もすごいが、忍足も負けないくらい黄色い声援を受けている。


「小春とユウジ、相変わらず息ピッタリやな」

「あ、白石君」


フェンス越しに変なカツラを被った小春達の不気味なダンスを見ていると、汐屋の後ろに白石がやって来た。

今日汐屋が試合を見に来る事は知っていたので、忍足と一緒だろうと思い様子を見に来たのだ。


「白石君達の試合は?」

「この試合で勝った方とや」

「そうなんだ。じゃあ忍足君達が勝ったら面白そうだから気合い入れて応援しようっと」


そう言って笑う汐屋を横目で見て、白石がジャージのポケットに手を入れる。


「ーーーそういえば、この間の手紙やけど」

「ああ、読んでくれた?」

「そらあな……なんや、もしかして貰った手紙読まんと捨てたりする男に見えるん?」

「ううん。見えない」

「はは、良かった。で、返事やねんけど……」

「千里! こっちこっち!」


白石の言葉を遮るように、反対側のフェンスから大きな声が響いてきた。

見るとそこへ千歳と可愛らしい少女が現れた。


「あ、千歳君……」

「ほんまやーーーあいつ、今千里って呼ばれよったな」

「あ、そうか、千歳君の名前って千里だったね。隣にいる子、一組の子だったかな……もしかして、彼女かな?」

「ーーーさあ、知らんわ」

「この泥棒猫~~~~!!!! あたしの蔵ノ介にまで手ぇ出しとんのかっ!? 離れろっ! 蔵の半径10メートル以内に入るんやないっ!!」

「小春っ! お前謙也だけやなくて白石とも浮気しとるんかっ!? 死なすどっ!」


白石と並んで話している汐屋に気付いた小春が、鬼の形相で二人の目の前のフェンスにしがみついた。

あまりに突然で、汐屋は驚き損ねてしまった。

それを後ろから来た一氏が引きはがそうと引っ張る。


「ーーーだから違うって、ただ話してただけだよ」

「どこが違うっちゅーねん! そんなにくっつきよって! ぺっぺ!」

「汚っ。小春、お前試合中やで? ええ加減にせんと……」

「……ひいっ! ごめん部長っ!」


静かな低い声で嗜められ、小春達は急に青い顔になると大人しくベンチに戻って行った。


「やっぱり離れえっ!」

「小春っ!」


ベンチに戻りながらも汐屋に向かってきいっと歯を剥き出す小春に、汐屋は苦笑した。


「あーびっくりした。金色君って、いつもあんな感じなの?」

「あれは計算。キャラ作ってるだけや。あいつらああやってアホな事やっとるけど、めちゃくちゃ頭脳プレーが得意やねん」

「へえ」

「敵に回すと厄介やで」

「ーーーじゃあ仲良くしとかないと」

「せやな」

「さっき白石君が凄んだ時、ごめん部長って言ってたね」

「中学ん時のが抜けてないんやろ。アホやな、やっぱり」

「ふふ。あ、そうだ。さっき話しの途中だったよね。で、手紙の返事……」









                             続く…








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