チェンジ・ザ・ワールド☆
曇り時々晴れ
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曇り時々晴れ
「おい隆志! お前仕入れの伝票の整理しとけって言っただろ!?」
「ごめん! これからやるから!」
「早く済ませて仕込み始めるぞ!!」
「はい!」
河村隆志は中学卒業後、高校に通いながら実家の寿司屋を継ぐ為に修行を始めた。
その高校も漸くこの春に卒業を迎え、来月からは以前河村の家で臨時の板前として働いていた、北海道の源の店で修行をすることも決まった。
父親に少しでも早く追いつきたくて、必死で修行に励んだ3年間。
毎日毎日、遅くまで一人調理場に立ち寿司を握った。そしてまだ夜が明けないうちから父親と魚市場へ出かけ目利きも磨いた。
自分なりに努力をしてきたつもりだし、多少なりとも成果が出ていると思う。
最近漸く父親が仕込みで出し巻き卵を焼かせてくれるようになったのだ。
2階で帳簿を開いて急いで仕入れ伝票を書き写す河村は、ふとその手を止めた。
机の上には一枚の写真。
河村と、一人の女性が映っている。
「はあ……」
体だけは丈夫な河村も、心の病気だけは鍛えて治す事が出来ない。
中高と一緒だった同級生の女の子で、河村がずっと一途に思い続けたその人は、高校卒業と同時に進学の為京都へ行ってしまった。
思いを告げられなかった事への後悔。
それ以来、河村の心はずっと曇りだった。
「おい隆志! 早くしねえか!」
再び父親の怒鳴り声が階下から聞こえてきて、河村は急いで残りの伝票を書き写して帳簿を閉じた。
「今行くよ!」
立ち上がる時にもう一度写真を見る。
その写真は高校の修学旅行の時、不二が気を利かせて同じクラスだった彼女と友達に声を掛けてくれて一緒に観光をした時に撮ってくれた一枚だ。
緊張した自分の顔と、柔らかな笑顔の彼女。
目をつぶれば今でも当時の情景を思い出せる。
それを思い出す時、ほんの少し河村の心の曇りに晴れ間が差す。
元気でやっているだろうか?
ふうとため息を吐き、河村は部屋を出た。
北海道に出発する日、河村は簡単な荷物だけを持って自室を出た。
あまり荷物が多くなると大変だし、少なくとも2年は北海道で修行をするつもりなので、必要な物は向こうで買う事にしたのだ。
それに源さんと奥さんが色々と気を遣って既に準備をしてくれているようだった。
これから尊敬する源さんの所で修行をするのだと思うと期待で胸が一杯のはずなのに、やはり河村の心は晴れない。
「どうした、隆志」
「え? いや、なんでもないよ」
車に乗り込むと、運転席の父親が心配そうに河村の顔を伺う。もちろん河村はなんでもないと答える。
そんなに暗い表情をしていたのだろうか?
これではいけないとブンブンと頭を振る。
「緊張してんのか? 大丈夫だって! お前は俺の息子なんだ! しっかりやれば立派な寿司屋になれる!」
父親の励ましにうんと頷く。
今は修行の事だけを考えなければ。
そして車は走り出した。
空港に着いて搭乗手続きを済ませると、向こうの方からテニス部の友人達が走って来るのが見えた。
「おうい、タカさーん!!」
河村は驚いた。
「皆、どうしたの!?」
「見送りに決まってるじゃないですか!」
桃城が笑う。
「わざわざありがとう」
「水臭いぞ、河村」
「そうだよタカさん」
「河村先輩、向こうに行っても体鍛えるのさぼらないでくださいよ」
乾と不二が笑い、海堂は念を押す。
「はは、海堂はトレーニングしすぎるなよ」
「先輩、今度は皆で北海道まで寿司食べに行くっす!」
「美味しいお寿司、また食べさせてください!」
「楽しみにしてます!」
堀尾とカツオと勝郎が涙目で言う。
「うん、美味しい寿司を食べさせてやるよ」
「河村先輩、頑張ってください!」
荒井達もいる。
「うん」
「手塚や越前もそれぞれ頑張っている。俺達も負けないように頑張ろうな、タカさん!」
「ああ、頑張るよ大石」
皆それぞれの道を歩き始めた。
少しだけ皆より早めに歩き出した河村だが、こうやって今でも仲間だと思ってくれていることが本当に嬉しかった。
「ありがとう……本当にありがとう」
ひとしきり挨拶を済ませ、時間が迫ってきたので別れを惜しみつつ搭乗口へと進んだ。
エスカレーターを降りてとぼとぼと歩いていると、
「河村君っ!」
突然名前を呼ばれ、河村は驚いて振り向いた。
ドクンッ!
胸が躍る。
そこにはあの子。河村が想いを告げられなかった子が立っていた。
「あ・・・・・・君はーーーどうして?」
驚きで上手く言葉が出ない。
「北海道に行くって不二君から聞いて……それで、どうしても会いたくて」
ドクッドクッドクッ……
どんどん早くなる鼓動。
河村は驚きと嬉しさでごちゃ混ぜになった胸の中を、必死で整理しようとしていた。
彼女は京都に行ったはずではなかったのか。
それなのに、どうして今自分の目の前にいるのか。
それよりも自分に会いたかったと今言った様な気がしたが、それはーーー
「私……」
口を開いた彼女に、河村は体を強ばらせる。
どうやら微かに緊張で震えているらしい。
「ずっと、応援してるから……だから、こっちに戻ってきたら、私を一番最初のお客さんにしてくれる?」
願ってもいない申し出に、河村は大きく頷いた。
「も、もちろん!」
「本当に? ーーー良かった。ありがとう」
俯いた彼女に、河村は自分の拳にギュッと力を込めた。
言うしか無い。
今、自分の気持ちを伝えなければ、また後悔することになる。
また、惨めな思いをしつづけることになる。
ゴクリ
唾を呑み込む。
「お、俺っ……!」
顔を上げた彼女の顔が、見る見る真っ赤に染まって行った。
曇り時々晴れは、いつも晴れに変わりました。
END
※あとがき※
バーーニーーーーーーンッ!!!!!
燃えました! 男河村燃えましたよっ!!!
どうですか。もう私河村にはぜひとも幸せになって頂きたい! 年下の彼女とかもいいなーと思いつつ、
前に結構頑張って書いたのを、おばかだから間違って消してまっしろになっちゃったので・・・・・・(号泣)今回、ショートで書いちゃいました!
はあ。満足。勢いがありました。これ書いてる時、楽しかったっす。
ヒロインの名前は出てきませんが、想いが溢れてたと思います。本当はお互い両思いだったのに、伝えられなかったんですねえ。
そして彼女が何故東京にいたかというと、河村にどうしても会いたかったから帰ってきてた。っつーつもりです。。
それでは、またお会いしましょう!!
燃えました! 男河村燃えましたよっ!!!
どうですか。もう私河村にはぜひとも幸せになって頂きたい! 年下の彼女とかもいいなーと思いつつ、
前に結構頑張って書いたのを、おばかだから間違って消してまっしろになっちゃったので・・・・・・(号泣)今回、ショートで書いちゃいました!
はあ。満足。勢いがありました。これ書いてる時、楽しかったっす。
ヒロインの名前は出てきませんが、想いが溢れてたと思います。本当はお互い両思いだったのに、伝えられなかったんですねえ。
そして彼女が何故東京にいたかというと、河村にどうしても会いたかったから帰ってきてた。っつーつもりです。。
それでは、またお会いしましょう!!
お帰りの際は、窓を閉じてくださいv
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