チェンジ・ザ・ワールド☆
きみは〜.7
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きみはペテン師
まさか、俺達が負けるなんてーーーー
全国大会決勝、仁王達立海大は負けてしまった。優勝を逃したのだ。
夏空の下、優勝旗を手にしたのは青春学園。コートに並んだ学生達の眼差しは、青学に注がれていた。
仁王は後ろの方で、ぼんやりとどこか人ごとのようにその様子を眺めていた。
負けてしまったのは仕方が無い。それは自分がまだそこまで本気になれなかったからだ。相手は強かったし、それなりに楽しめた。だが、これは自分一人だけの問題ではない。
帰りの道中言葉少ななメンバー達を最後尾から見つめながら、仁王は今までやってきたテニスの事を思い返していた。
「仁王君」
名前を呼ばれ、仁王は足を止める。
「汐屋……」
そこにいたのは汐屋だった。ふと先を歩く柳生に視線を送り、困ったように笑う。
「柳生なら、先に行ったぜよ」
「うん、知ってるよ」
「ほうか」
「決勝戦、残念だったね」
「ほうじゃの」
汐屋の言葉もどこか遠くに聞こえる。
「仁王君は、いつになったら本気になれるのかな?」
「え?」
驚いた。まさか、また見透かされるなんて。どうしてこう、汐屋は自分の心の奥が読めるのだろう。
意識を目の前の少女に集中させ、じっと次の言葉を待つ。
「この間、囲碁の大会に来てくれた時に私言ってたでしょ? 私たちが勝てたのは、皆が同じ目標を持って積み重ねてきた結果だって……」
「ちょっと待って、おまん……」
自分が柳生に変装していたことに気づいていた事を知り、言葉を失った仁王を気にも止めず、汐屋は続ける。
「仁王君は、テニスが好きなのに好きじゃないフリしたり、興味がある事にもないフリしたり、どうして自分をそんなふうに偽るの? 柳生君の格好したって、すぐに分かるよ」
「ーーーーまさか、気づかんうちに何か失敗しとったんか?」
「ううん、違うよ」
クスっと笑うと、汐屋は突然仁王の背中を叩いた。
パシン!!
「痛っ!」
「それでも詐欺師? 私と柳生君を罠にはめようとしてたみたいだけど、まだまだ甘いよ。私はずっと仁王君の事を見てたんだから……前に聞いてたでしょ? 私、好きな人がいるって前田君に言ったの。好きな人の事をずっと見てたらね、どんなに姿形を変えたって分かるんだよ」
そんな……
「ーーー早くテニスが本当はとっても大好きで、熱くなりたいって気持ちを誤摩化さずに出せるようになるといいね。じゃあね」
それだけ言うと、汐屋は仁王の横を走り去ってしまった。
呆然とする仁王。
「……まさか……?」
まだ動けずにいる仁王のずっと先で、汐屋は追いついた柳生と何やら話しはじめた。一度柳生がこちらを振り返ったように見えたが、すぐに汐屋に向き直って肩に手を置いている。
ツキン、と胸の奥が痛む。
何と言う事か、
「ーーーククっ……まさかペテンにかけてたつもりのこの俺が、ペテンにかけられるとはのぅ」
苦手だと思わせていたのも、話し掛け辛いような雰囲気を出していたのも、読書感想文の手伝いをしてくれたのも、仁王が見ていると知っていて前田の告白を断ったのも、全部汐屋の手の上だったという事なのか。
これではもう、本当に汐屋以外に興味を持てなくなってしまった。
きみはペテン師。俺の心を見事に騙して捕らえてしまった。
2012.02.02 END
あとがき
終わりました~! 仁王で、お題は「詐欺」でしたっ!
もう、このお題見た瞬間、絶対に仁王しかいない。と思ったのは何年前?(笑)
ノートパソコンに途中まで書いてて、数年放置しておりました。(こんなんばっかw)
日の目を見させる事が出来て、本当に、本っっっっっ当に!!良かったです!!
まあ、皆さんきっと最初のほうでペテン師がどっちかお気づきだったと思いますけど、女だっていつも仁王に騙されてばっかりじゃないぜ!という事で、書かせて頂きました。
ちなみに、私は父の囲碁の邪魔をして碁石をぶちまけていました。記憶はないけどねw
それでは、最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございましたっ!!
もう、このお題見た瞬間、絶対に仁王しかいない。と思ったのは何年前?(笑)
ノートパソコンに途中まで書いてて、数年放置しておりました。(こんなんばっかw)
日の目を見させる事が出来て、本当に、本っっっっっ当に!!良かったです!!
まあ、皆さんきっと最初のほうでペテン師がどっちかお気づきだったと思いますけど、女だっていつも仁王に騙されてばっかりじゃないぜ!という事で、書かせて頂きました。
ちなみに、私は父の囲碁の邪魔をして碁石をぶちまけていました。記憶はないけどねw
それでは、最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございましたっ!!
お帰りの際は、窓を閉じてくださいv
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