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チェンジ・ザ・ワールド☆
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嫉妬

最終更新:

streetpoint

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 この気持ちは、絶対に、誰にも知られてはいけないーーーー

 そう、自分にしっかりと言い聞かせたはずだったのに。











嫉妬












 夏の県大会予選に破れた私たち西浦高校野球部は、新人戦に向けて合宿をする事になった。

 朝食当番の手伝いをするように言われたのだけど、それがピッチャーの三橋君と、私が好きな人、阿部君。

 なんていう幸運! でも、阿部君は私の事を何とも思っていない。ここで私が阿部君の事を好きだとバレてしまったら部の雰囲気が変になってしまう。だから、この気持ちは絶対にバレてはいけないはずだったのに……。


「ねえ、千代ちゃんって、隆也の事が好きなの?」


 まさか、こんなにあっさり知られてしまうなんて。


「えっ? どうして?」


 平静に。動揺しちゃ駄目。

 私は目の前で着替える、同じマネージャーの弥永桂ちゃんを見た。


「どうしてって事はないけど、そんな気がして……。もし千代ちゃんみたいに可愛くて良い子が隆也の彼女になってくれたら嬉しいんだけどな~って」


 そう言って笑う桂ちゃんは阿部君の幼なじみで、中学も一緒だった。同じクラスになったことはなかったし、私はソフトボール部、桂ちゃんは阿部君や栄口君と同じシニアチームで野球をしていたから、仲良くなったのは高校に入ったつい最近。

 すごく野球が上手で、美人で性格も良くって、そして阿部君の事を私よりもたくさんたくさん知っている。


「やだなー、桂ちゃんったら。変な事言わないでよ」


 上手く笑えてるかな、私。


「私、誰にも言ったりしないよ。もちろん隆也にも。いいじゃない、好きな人がいたって」


 もう、これは完全にバレているんだ。他の人にもバレたりしてるのかな。もしそうならどうしようーーー


「皆野球の事で頭一杯だもんね。なかなか恋愛してる暇なんてないかもだけど、好きって思うのは自由じゃないかな」

「桂ちゃんは?」

「え?」

「桂ちゃんはす、好きな人、いないの?」


 ここで阿部君って言われたらすごく嫌だけど、桂ちゃんは阿部君の事をそういう風に見ていないって分かってるから聞ける。私ったら嫌な女だな。


「う~ん。好きっていうのがどういうのかまだ良く分からないからなあ。今はいないって感じかな」

「阿部君と仲良しでしょ?」

「あはは。そりゃあ幼なじみだし、兄妹みたいなものかなあ。ーーー私、千代ちゃんの味方だからね」

「ありがとう。でもね、気持ちを伝えるつもりは今の所ないよ? 皆頑張ってるのに、私の所為で変な空気になったりしたら嫌だし」


 これは本当の気持ちだよ。でも、桂ちゃんに阿部君を取られちゃうのも嫌なんだ……。

 だって、阿部君は桂ちゃんの事が好きなんだもん。

 桂ちゃんは気づいてないかもしれないけど、阿部君は私に話しかける時、ほとんど毎回って言っていいくらい最初に『桂は?』って聞くんだよ。いないって分かってから私に用件を伝えるんだ。

 試合の時も、ベンチに入っているのはいつも私で、桂ちゃんはスタンドでビデオ撮ったりしてるよね。だからグラウンドからベンチに戻って来る時、阿部君は必ず一度桂ちゃんの姿を見てから帰って来るんだよ。

 羨ましいな。

 けど、それは言っちゃ駄目。態度に出しちゃ駄目。桂ちゃんが阿部君の事を好きじゃないっていう事実だけで、今は満足しなくちゃ。


「千代ちゃんすごいね、えらいよ」

「え?」


 急に褒められたけど、どうして?

 思わず目を丸くして桂ちゃんを凝視してしまった。

 桂ちゃんはふっと笑うと、すぐに真面目な顔をして


「男の子を好きって気持ちは良く分からないけど、そう簡単に押し殺す事って出来ないものでしょ? だって私は野球が大好きだから、それを隠したり誤摩化したりしろって言われても出来ないもん。それなのに千代ちゃんはチームの皆の為に我慢するなんて、すごいと思う」


 そう言った。

 私は驚いてしまった。そうか、好きって気持ちはそう簡単に隠せないんだ。


「ーーーだから桂ちゃんは阿部君の事好きって、気づいたの? もしかして態度に出てたのかな?」

「え? そんな事はないと思うよ。多分、態度には出てないと思う。私が分かったのは……どうしてかな? あれ? 何でだろう? 隆也の幼なじみだから?」


 そんなの理由になってないよ! 幼なじみに誰が好意を寄せてるかなんて、よっぽど周りの事を見てないと気づかない、よ……。


「どうしたの、千代ちゃん?」

「ううん、何でもない。桂ちゃん、これから外で球出しの手伝いでしょ? そろそろ時間だよ」

「あっ、本当だ! じゃあちょっと行って来るね!」

「うん、頑張って」


 部屋を出て行く桂ちゃんの後ろ姿を見送って、私は大きく肩を落とした。

 どうしよう、気づきたくなかったよ。

 桂ちゃんは自分で気づいていないだけで、阿部君の事好きなんだよ。だって、阿部君の事を良く見てるから、その周りの私の気持ちに気づいたって事なんだから。阿部君の事、何とも思ってないなら、きっと私の気持ちにも気づかなかったはずだよ。

 桂ちゃんが自分の気持ちを自覚しないといいな。

 これ以上、嫌な女の子になりたくないよ。



        END  2012.03.06






おおきく振りかぶって。マネの篠岡千代ちゃんでした。
最後までお付き合い下さってありがとうございます!
千代ちゃん大好きです! あんなに可愛いマネージャーがいたら、部内でモテモテに決まってるでしょう!?
私が男だったら絶対惚れてます!!
だから阿部と上手くいってほしい……。けど、三橋も可愛いんだよなー!! だから三橋とも上手くいってほしい……。
阿部の千代ちゃんに興味ないっぷりが見てて痛々しいんですけど、、原作で阿部が千代ちゃんに惚れる事はこの先あるのか?



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