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チェンジ・ザ・ワールド☆
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チェンジ・ザ・ワールド☆

追憶.7

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streetpoint

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追憶












 「お前何でどこにもいなかったの!? 俺もう、本気で死ぬかと思ったんだぞぉっ!? 聞いてる!? ねえ、聞いてる! 操ちゃん!!!」


 久しぶりの万事屋の台所で、操は夕飯の支度の為に野菜を切っていた。そして横で手伝いながらわめく銀時をずと無視している。

 体が回復して家に戻ったものの、銀時はかなり重傷だったらしく家はもぬけの殻だった。どうやらお妙が面倒を見てくれていたらしいのだが、そこで何度も死にかけたというのだ。

 お妙の料理の下手さは周知の事実だが、何よりお妙のストーカーの近藤と銀時のストーカーのさっちゃんが毎日のように道場に忍び込んでは大騒ぎになり、巻き添えを食って殺されかけた事は一度や二度ではなかった。頼みの綱の操は相変わらず行方不明で、お妙に簀巻きにされた近藤から怪我をして真選組屯所で療養していると聞いてやっと安堵したらしい。


「俺もう、絶対嫌だからな! あんなメスゴリラの家で看病なんてされたら命がいくつあってもたりゃしねえ!! お前以外に看病なんて絶対! 金輪際されないからなァ!!」


 ガチャン!!! 


 と鍋をコンロに叩き付ける銀時はよほど恐ろしい目に遭ったのだろう。先ほどからこれの繰り返しで、なかなか料理が進まない。


「もう、ごめんって。私も晋助に捕まって逃げられなかったのよ。春雨の船から飛び降りたけど怪我しちゃったし」

「だーかーらっ! お前はなんでそう、考えなしに行動するんだよ、このバカっ!! 俺とヅラはパラシュートがあったから良かったけど、お前生身だろ!? 普通死ぬぞ、あの高さから落ちたら!」

「何よ、自分だって考えなしのくせに……ふうっ。だから謝ってるじゃないの」

「お前はこの間俺に黙って勝手にどっか行くなっつって約束したばっかじゃねーかっ! なのに自分は勝手にホイホイ高杉のヤローなんかに着いて行きやがって!」

「だからごめんって言ってるでしょ! 私だって好きで行った訳じゃないのよ!? 色々事情があって逃げられなかったんだからっ! 関係無い町の人が私の所為で怪我しちゃうし、診療所の皆だって怪我して、晋助には襲われそうになるし、大変だったんだからっ!」


 とうとう銀時の文句に我慢出来なくなった操が捲し立てると、銀時が絶句した。


「ーーーお、おい、操? お前今、何て言った?」

「なに?」

「高杉のヤローに襲われたって言わなかったか?」


 がしっ! と操の両肩を掴むと、しごく真剣な顔で操を睨む。


「ちっ、違うわよっ! 襲われそうになっただけ!」

「何された!? 触られたのかっ!? そうなのかぁっ!? あのヤロー! 許さねえっ!! 俺だって我慢してんのに何俺の許可無く勝手に触ってんのおぉぉ!? いでっ!?」


 興奮する銀時の頭をポカリと叩き、操は切った野菜を鍋に入れた。


「もうっ、だから何もされてないわよ。本当に悪かったって思ってるから、もう許して?」


 これ以上言い争っても埒があかないと判断した操は、冷静に声を静めてそう請うた。銀時も怒りを少しずつ静めてきたらしく、しばし操を見つめて口を開く。


「ーーー本当に悪かったと思ってんのか?」

「思ってる。ごめんなさい」

「許してやってもいいぜ」

「本当?」

「ああ。ただし、一つ条件がある」

「なに?」

「ち……」

「ち?」

「ち……チューをしろ」

「ーーーは?」


 ぽかんとする操には、真っ赤な顔で恥ずかしそうにする銀時が映っていた。その様子があまりにも可愛らしく、つい吹き出してしまった。


「ぷっ! なあに、それ? いいわよ、じゃあ目、閉じて」

「えっ!? マジっ!?」

「何? 許してくれるんでしょ?」

「いや、うん、許すっ、許すよっ! 銀さん約束は守るもん! ーーーうん、よっ、よ~し、いいぞっ! ほらこいっ!!」


 ぎゅっと目をつぶって唇を突き出す銀時に、操はくすりと笑う。振り向くと、神楽と新八がニヤニヤしながら事の成り行きを見守っている。2人に向かってニッコリ微笑むと、操は言った。


「じゃあいくよ?」

「おぉうっ!」


 今にも心臓が飛び出しそうな銀時。

 と、次の瞬間。


 ガプッ…………


「ーーーいってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」


 目を開けた銀時は、真っ暗闇の中にいた。取りあえずとてつもなく痛くて生臭い。


「何だっ!? どうしたっ!? どうなってんだ! これえぇぇぇーーーー!!!!」


 頭を触るともふもふとした手触りに、漸く事態を飲み込む。


「てめっ、このやろ! 定春じゃねえかっ!?」


 すぐに定春の口から逃れると、何事も無かったように料理を続ける操に詰め寄る。


「操! お前俺に許して欲しいんじゃなかったのかっ! 本気で怒るぞっ!」

「だって、定春が銀時にキスしたいって言うから」

「言ってねえっ!! っ!?」


 チュッ


 怒鳴る銀時の頬に、操は軽くキスをした。


「はいはい、ごめんなさい。それじゃあお肉切るからお鍋見ててね」

「ーーーおおおおおう。よよよし、任せろ」


 今、自分がされた事がよく分かっていない銀時だったが、とにかく驚き過ぎて今まで何故怒っていたのかも忘れてしまった。それを見ていた神楽達は、互いの顔を見合わせていやらしい笑みを浮かべていた。



 皆無事で本当に良かった。

 それぞれの歩む道は違えども、今、この瞬間を大切に生きようとしている。その進む先がどこかで交わってくれればいいのにと、操は心から思った。




  2012.04.20   了







あとがき
最後までお付き合い下さいまして、本当にありがとうございました!!
いやあ、書き始めてから随分経って、もう無理なんじゃないかな~。とか何度も思いつつ、やっと書き終える事が出来ました。書き終えたの去年ですけど…
実は、操さんは吉田先生の養女という裏設定を随分前に密かに作っていましてw それで紅桜編で高杉と絡ませたいなーと思って書きました。もっと書き込みたかったんですけど、本気で長編になりそうだったので諦めたら薄っぺらくなってしまった…
高杉はですねえ、可哀想な人だなー。と思います。性格がひん曲がっちゃってるんで、今更修正出来ないんですよ。だからいつか銀時に一度ボッコボコにやられて泣けばいいと思いますw そんでちょっと会心すればいいじゃない。
原作では色々やらかしているみたいですけど、出版分全部読んでないのでその辺との兼ね合いは考えて書いていないので適当に流してください(笑)
そして紅桜編って映画にもなってたんですねー。いやあ、世事に疎い事疎い事!
本当に、もういい加減銀さんはお嫁をもらってほしいと思っている操さんでした。
おしまい。



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