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現在位置~Where do we come from? Where are we going?~ - (2011/03/28 (月) 23:21:17) の1つ前との変更点
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◇ ◇ ◇
「悪いな、待たせてしまった。
と言ったものの、これでも予定よりはだいぶ早いんだけどね。
細かい説明を求めようともせず、シルバーはやるべきことを理解してくれた。
……さてバイオレット、次は君だ。すでにその資料には目を通し終えたかな?」
「ええ。もう済ませてあるわ、ブラック兄さん。
けれど、まず最初に一つだけ訊かせてもらうわ。
この状況は、いったいどういうことなのかしら?」
「ふふ、質問に答えてあげたいのはやまやまなんだけどね。
すでにプログラムは始まりつつある。とにかく時間がないのさ」
「プログラム……」
「そう、渡しておいた資料に記しておいた『プログラム・バトルロワイアル』。
『プログラム・ジャバウォック』をも覆う巨大な砂時計が、ようやく動き出そうとしている」
「兄さん! 兄さんはなにをしようとしているの!? なにを隠しているの!?
オリジナルARMSや私たちキースシリーズだけでなく、『異なる世界』とやらにまで手を伸ばして、なにを――!?」
「先ほども言ったが、プログラム・バトルロワイアルには時間がないのだ。
……いや、プログラムだけじゃない。この、キース・ブラック自身にも……か。
私が私である間に、殻が破れてしまわぬうちに、始めねばならないのだからな。
話す前によく理解をしてほしい、バイオレット。
いまから告げるのが、キースシリーズの長兄であるキース・ブラックから、我が妹のキース・バイオレットへの言葉だということを」
「兄、さん……?」
「では、プログラムにてお前がするべきことを命じよう。
――――『三月兎(マーチ・ヘア)』のキース・バイオレットとして行動してくれ」
「それは、どういう……」
「話は以上だ。これにて準備はすべて完了し、プログラム・ロワイアルが開幕する」
◇ ◇ ◇
『われわれはどこから来て、どこへ行くのか』
◇ ◇ ◇
「来たか、新宮隼人」
「はっ、そりゃあ来るぜ。
この喫茶店に灯りが点いてなくても、こんなにガンガン共振波出してやがったらな。
いつかアンタ『共振反応なんていくらでも隠せる』っつってたよな、バイオレットさんよ。だったらなんでやらねえんだ」
「そちらの『騎士(ナイト)』も同じだろう。
あのときと違って、現在のあなたたちならば共振波など抑えてしまえるはずよ」
「俺は、出さなきゃいけねえ理由があんだよ。
てめーの兄貴があんなことしちまったからな。もしものときは、俺がアイツを止めるって話になってんだ」
「…………」
「でも、アンタはちげーだろ。
なにが目的なのかなんて知らねえが、俺の目的とまったく一緒ってことはねえだろう。
だったら、なんでそんなに自分がここにいると主張してやがったのか……
たぶんだけどARMSを移植された誰かを待ってたんじゃねーのか。ティーカップまで用意してるしよ」
「かも、しれないな」
「つっても、今回ばっかりはアンタのマッド・ティーパーティに付き合う気はねえぜ。
何より優先しなくちゃなんねえのは、高槻のヤローがどうなってるか知ることだからな。
ただそれでも、アンタに会ったからには訊かなきゃならねえよな。この殺し合いについてよォ」
「…………分からない」
「ふざけんじゃねえ!!
見てたんだぜッ! 俺たちがここに飛ばされるとき、アンタ一人だけ問題なく立ってやがったのをよ!
なにか……! 全部は知らなくても、なにかは知ってるんじゃねえのかッ! それだけでいいから言ってくれ!」
「本当に、なにも知らないわ。
私が伝えられたのは、あなたたちがブラック兄さんに説明された内容と同じ。
他には参加者の情報と、この殺し合いがプログラム・ロワイアルという名だということくらい」
「本当……ッ、なのか?」
「私一人アリスの間に残されるというのも、知らなかった。
残しておいてブラック兄さんは私の質問にほとんど答えず、ここに移動させたわ。
それどころか赤木カツミを殺害するという話でさえ……私はまったく聞かされていなかった」
「ブラックのヤロー、なに考えてやがる……ッ。
招待状なんか渡して来たと思ったら、自分から呼び出してよ!
高槻の前でカツミを殺して、プログラム・ジャバウォックとやらを無理矢理一気に進めちまおうってのか……!」
「…………違うわ。
以前あなたたちの前で言った通り、プログラム・ジャバウォックを発動させるには高槻涼がアリスの近くにいなくてはならない。
だというのに、ブラック兄さんは彼を他の参加者と一緒に移動させた。これだけで、プログラム・ジャバウォックからは大きくズレてしまっているもの……」
「ちッ、どうなってんだ」
「それに、グリーンになにも知らせていないのも奇妙ね。
私とシルバー兄さんだけに話をして、どうしてグリーンだけを省いたのか。
『希望』が託されたグリーンだけを省いて、赤木カツミが死に行く様を見せたのか……」
「ふん、アイツならいまごろ喜んで殺して回ってんじゃねえのか」
「……っ、あなたはなにも知らないから…………っ!」
「ん?」
「……いや、構わない。
私にとっては家族で愛しているが、あなたたちにとってそうではないのは分かっていたことだからな」
「そうかい。んじゃまあ、高槻のヤツを探しに行かせてもらうぜ」
「私に、なにもしないのか」
「んだよ、もともと俺は積極的に女子どもに手ぇ出すタイプじゃねえんだよ。
それに、最後に会ったとき『次は敵同士』つってたが、いまは戦う気ねえんだろ」
「…………ああ。
かつてのプログラムに対して取る行動はすでに決めていたが、このプログラム・ロワイアルにおいてはまだ結論を出せていない……」
「ならよかったぜ。極力、アンタとは戦いたくなかったからな。
……けど珍しいもんだな、俺が離れてアンタが残るってのも。いつも、アンタが小さくなってくのを見てたってのによ」
「たしかに……そう、だな」
◇ ◇ ◇
(おい騎士、お前まだ高槻の場所わかんねーのか!)
『……奇妙なことが起こっている』
(あァ? 言い訳なんか聞きたくねーぜ?)
『マーチ・ヘアの共振が、すでにほとんど感じられなくなっているのだ』
(てっめえ、寝ぼけてんのか!? まだ大して離れてねえだろうが!)
『そもそも、おかしいとは思っていたのだ。
先ほどもだいぶ接近してようやく共振を捉えたが、あれほどの共振波ならばもっと前に勘付いているはずだった』
(なるほど、言われてみりゃそうだな。どうなってやがる)
『分からぬ』
(はっ、ずいぶんあっさり言いやがる)
【D-5 南西路上/一日目 深夜】
【新宮隼人】
[時間軸]:15巻NO.8『要塞~フォートレス~』にて招待状を受け取って以降、同話にてカリヨンタワーに乗り込む前。
[状態]:健康、共振波を放出中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、支給品1~3(未確認)
[基本方針]:仲間たちと合流してブラックのプログラムを叩き斬る――が、その前にまず高槻を探す。
※ある程度近づかなければ、ARMSの共振を感知できないようです。完全体となった場合は不明。
◇ ◇ ◇
「私が止まっている、か。新宮隼人め、言ってくれるな。
でも……やはり分からない。
ブラック兄さん、あなたは私になにを望んでいるの?
『キース・バイオレットとして』とはどういうことなの……?
私はいったい――――っ! 共振……っ。これは、ジャバウォック……!」
【E-5 喫茶店/一日目 深夜】
【キース・バイオレット】
[時間軸]:15巻NO.8『要塞~フォートレス~』にてオリジナルARMSたちがカリヨンタワーに乗り込む直前。
[状態]:健康、共振波を放出中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、支給品1~3(未確認)
[基本方針]:キース・バイオレットとして行動する……? ひとまず喫茶店に留まり、入ってきた参加者に対応。
※参加者の情報をブラックから聞かされています。
※ある程度近づかなければ、ARMSの共振を感知できないようです。完全体となった場合は不明。
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