週刊少年サンデーバトルロワイアル内検索 / 「第一放送までの本編SS(時系列順)」で検索した結果
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本編時系列順
本編SS時系列順目次 一日目 第一放送までの本編SS(時系列順) 第二放送までの本編SS(時系列順) 第三放送までの本編SS(時系列順) -
第三放送までの本編SS(時系列順)
本編SS目次(時系列順) 第一放送まで 第二放送まで 第三放送まで 第四放送まで 【日中――12 00~14 00】 NO. タイトル 作者 登場人物 【午後――14 00~16 00】 NO. タイトル 作者 登場人物 【夕方――16 00~18 00】 ... -
第一放送までの本編SS(時系列順)
本編SS目次(時系列順) 第一放送まで 第二放送まで 第三放送まで 第四放送まで 【オープニング――XX XX】 NO. タイトル 作者 登場人物 000 OP『胎動~インディケイション~』 ◆xrS1C1q/DM キース・ブラック、ボー・ブランシェ、花菱烈火、とら、金剛晄、悪矢七光、高槻涼、赤木カツミ、キース・バイオレット 【深夜――00 00~02 00】 NO. タイトル 作者 登場人物 001 物語の始まりはそう、為す術のない彼女が―――― ◆xrS1C1q/DM 秋葉流、ユーゴー・ギルバート 002 インビジブル ◆d4asqdtPw2 ギイ・クリストフ・レッシュ、朧、井上真由子 003 青雲の志 ◆.WX8NmkbZ6 キース・ブルー、ヴィンセント・バリー 006 『太陽の人形芝居』 ◆jwqtetXMG2 才賀正二、フェイスレス、ガッシュ・ベル 00... -
第二放送までの本編SS(時系列順)
本編SS目次(時系列順) 第一放送まで 第二放送まで 第三放送まで 第四放送まで 【朝――06 00~08 00】 NO. タイトル 作者 登場人物 074 鉄風鋭くなって ◆hqLsjDR84w 秋葉流、永井木蓮 075 一閃――鬼、天を斬る ◆6LcvawFfJA 鬼丸猛 076 横島忠夫、清麿と出会う(前編)横島忠夫、清麿と出会う(後編) ◆n0WqfobHTU 高嶺清麿、霧沢風子、横島忠夫、ドットーレ 077 世界最強の男、世界の広さを思い知る ◆c8fjjCyRkM ボー・ブランシェ 078 怒号――まともな奴ほど損をする ◆6LcvawFfJA おキヌ、才賀勝、朧 079 不止 ◆6LcvawFfJA 植木耕助、ユーゴー・ギルバート 081 ノイズキャンセリング ◆hqLsjDR84w 染井芳乃、ゼオン・ベル 082 会食 ◆6LcvawFfJA 伊崎剣司(憲兵... -
第一放送までの本編SS(投下順)
本編SS目次(投下順) 第一放送まで 第二放送まで 第三放送まで 第四放送まで 【オープニング】 NO. タイトル 作者 登場人物 000 OP『胎動~インディケイション~』 ◆xrS1C1q/DM キース・ブラック、ボー・ブランシェ、花菱烈火、とら、金剛晄、悪矢七光、高槻涼、赤木カツミ、キース・バイオレット 【オープニング~第一放送】 NO. タイトル 作者 登場人物 001 物語の始まりはそう、為す術のない彼女が―――― ◆xrS1C1q/DM 秋葉流、ユーゴー・ギルバート 002 インビジブル ◆d4asqdtPw2 ギイ・クリストフ・レッシュ、朧、井上真由子 003 青雲の志 ◆.WX8NmkbZ6 キース・ブルー、ヴィンセント・バリー 004 現在位置~You are here~ ◆hqLsjDR84w キース・グリーン、才賀アンジェリーナ 005 残され... -
第三放送までの本編SS(投下順)
本編SS目次(投下順) 第一放送まで 第二放送まで 第三放送まで 第四放送まで 【第二放送~第三放送】 NO. タイトル 作者 登場人物 【第第三放送】 NO. タイトル 作者 登場人物 ▲ -
本編投下順
本編SS投下順目次 一日目 第一放送までの本編SS(投下順) 第二放送までの本編SS(投下順) 第三放送までの本編SS(投下順) -
第二放送までの本編SS(投下順)
本編SS目次(投下順) 第一放送まで 第二放送まで 第三放送まで 第四放送まで 【第一放送~第二放送】 NO. タイトル 作者 登場人物 074 鉄風鋭くなって ◆hqLsjDR84w 秋葉流、永井木蓮 075 一閃――鬼、天を斬る ◆6LcvawFfJA 鬼丸猛 076 横島忠夫、清麿と出会う(前編)横島忠夫、清麿と出会う(後編) ◆n0WqfobHTU 高嶺清麿、霧沢風子、横島忠夫、ドットーレ 077 世界最強の男、世界の広さを思い知る ◆c8fjjCyRkM ボー・ブランシェ 078 怒号――まともな奴ほど損をする ◆6LcvawFfJA おキヌ、才賀勝、朧 079 不止 ◆6LcvawFfJA 植木耕助、ユーゴー・ギルバート 080 Merry-Go-Round ◆hqLsjDR84w 金剛猛(日本番長) 081 ノイズキャンセリング ◆hqLsjDR84w 染井芳... -
第一放送までの死者
死亡者リスト 第一放送までの死者 第二放送までの死者 第三放送までの死者 第四放送までの死者 死亡者詳細 時間 死者名 殺害者 死亡作品 死因 凶器 深夜 井上真由子 ギイ・クリストフ・レッシュ インビジブル 刺殺 ジャック・オー・ランターンの鎌 黎明 才賀アンジェリーナ キース・グリーン 現在位置~You are here~ 斬殺 空間の断裂 黎明 李崩 パウルマン&アンゼルムス 夢の花 斬殺 ヴァルセーレの剣 深夜 来音寺萬尊(念仏番長) バロウ・エシャロット Re Re 射殺 H K MARK23 深夜 峰さやか さとり 少女さとり 扼殺 さとりの手 黎明 御神苗優 紅麗 人間 斬殺 ヒヒイロカネの剣 黎明 巴武士 ゼオン・ベル 虹 消滅 呪文による電撃 黎明 水鏡凍季也 金剛猛(日本番長) 悪魔~デモン~ 撲殺 打舞流叛魔 黎明 桐雨刀也(居合番長) 鬼丸猛 振... -
第三放送までの死者
死亡者リスト 第一放送までの死者 第二放送までの死者 第三放送までの死者 第四放送までの死者 死亡者詳細 時間 死者名 殺害者 死亡作品 死因 凶器 最期の言葉 死者名 セリフ 殺害数ランキング 順位 該当者 殺害人数 被害者 スタンス 生存状況 -
第二放送までの死者
死亡者リスト 第一放送までの死者 第二放送までの死者 第三放送までの死者 第四放送までの死者 死亡者詳細 時間 死者名 殺害者 死亡作品 死因 凶器 朝 永井木蓮 秋葉流 鉄風鋭くなって 爆殺 結界 朝 佐野清一郎 キース・シルバー 禁句 消滅 ブリューナクの槍 午前 白雪宮拳(剛力番長) パウルマン&アンゼルムス 『太陽の人形芝居』2(前編) 射殺 対AMスーツ用特殊ライフル 午前 暁巌 ジャン・ジャックモンド 『太陽の人形芝居』2(前編) 射殺 対AMスーツ用特殊ライフル 午前 兜光一 パウルマン&アンゼルムス 『太陽の人形芝居』2(後編) 爆殺 ハイエースの爆発 午前 パウルマン&アンゼルムス ジャン・ジャックモンド 『太陽の人形芝居』2(後編) 粉砕 獣人化したジャンの肉体 午前 才賀正二 ジャン・ジャックモンド 『太陽の人形芝居』2(後編) 絞殺 ジャンの手 午... -
第一放送(六時間経過)
第一放送(六時間経過) ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 「――六時を迎えた。先に説明した通り、放送を行う時間だ。 初回ということで一分だけ待つので、その間に聞き漏らさぬよう準備をすればいい。 なお放送内容を複数回繰り返したりはしないので、注意深く聞き耳を立てたほうがよいだろう。 まああくまで余裕があれば、だがな。放送の間も殺し合いに精を出すつもりならば、それで構わない。 さて、たっぷり六十秒待ったので始めるとしよう。 まずは……うむ、そうだな。 死者を言ってからでは聞き逃してしまうものもいるだろう。 先に、禁止エリアから発表しておこう。 午前七時より『A-6』 午前九時より『F-2』 午前十一時より『B-1』 以上三つだ。 最初に指定する三つということで、現時点で誰もいないエリアだけにしておいた。 ... -
第一放送までの死亡者
第一放送までの死亡者 【井上真由子】 【才賀アンジェリーナ】 【李崩】 【来音寺萬尊(念仏番長)】 【峰さやか】 【御神苗優】 【巴武士】 【水鏡凍季也】 【桐雨刀也(居合番長)】 【宗屋ヒデヨシ】 【とら】 __ __ / ヽ、 , -‐'' ̄⌒` `´  ̄'''/ ヽ / ... l ! / . l| ! / ... -
死亡者リスト
死亡者リスト 死亡者に関するデータです。強烈なネタバレを含んでいるので、ご注意を。 一日目 第一放送までの死者 第二放送までの死者 第三放送までの死者 -
死亡者名鑑
死亡者名鑑 ここではロワ中に死亡したキャラクターの生き様、死に様を紹介します。 一日目 第一放送までの死亡者 -
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追跡表(主催者)
NO. タイトル 作者 登場人物 【キース・ホワイト:2】 000 OP『胎動~インディケイション~』 ◆xrS1C1q/DM キース・ブラック、ボー・ブランシェ、花菱烈火、とら、金剛晄、悪矢七光、高槻涼、赤木カツミ、キース・バイオレット 073 第一放送(六時間経過) ◆hqLsjDR84w キース・ホワイト ▲ 【INDEX】 からくりサーカス ARMS 金色のガッシュ!! 金剛番長 うしおととら 烈火の炎 うえきの法則 GS美神極楽大作戦!! スプリガン YAIBA 主催者 ▲ -
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このwikiは2ちゃんねるで行われているリレー小説『週刊少年サンデーバトルロワイアル』のまとめサイトです この企画には版権キャラの殺人、死亡等の過激な内容が含まれています。閲覧の際にはご注意ください メニュー 本編投下順 本編時系列順 現在の本スレ http //engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1359032445/l50 前スレ http //engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1342444952/l50 避難所 http //jbbs.livedoor.jp/otaku/14506/ -
造花
造花 ◆6LcvawFfJA 瓦礫の山から抜け出したシルベストリは、自分の身体に視線を這わす。 衣服がところどころ破れているが、“自動人形”のボディは破壊されていない。 四肢を軽く動かして、行動に支障は無いと結論を下す。 次に、シルベストリは纏う服を傷付けた少年の事を思い返す。 ロベルトと呼ばれていた彼は、何も所持していなかったにもかかわらず右手に武器を生み出した。 “O”の類かとも思ったが、いくらシルベストリの“造物主”とてあそこまでの質量を持つ武器を二種類も体内に内蔵させることは不可能に思える。 加えて、メカニズムの分からぬ赤いシャボン玉。 あんなものを操る者など、いまだかつて目にしたことはない。 おそらく、“自動人形”でも“O”でも“人形破壊者”でもない存在。 気を引き締めねばならないと思う一方で、シルベストリは僅かに高ぶる物を感じた。 ... -
オヤジよりさらに年上のばーさん
オヤジよりさらに年上のばーさん ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 余計な会話を交わすことなく、蒼月紫暮とルシール・ベルヌイユの二人は黙々と歩んでいる。 一見ただ目的地を目指して進んでいるだけのようだが、実際のところは違う。 五感を研ぎ澄ませ、周囲に注意を払うのを忘れてはいない。 一度死体を発見して以降は、それまで以上に意識を張り詰めている。 にもかかわらず彼らに疲労の色が見えないのは、どちらもただの人間ではないゆえであろう。 片や光覇明宗に属すベテラン法力僧、片や二百年以上生き続けている人形破壊者(しろがね)。 たかだか数時間神経を尖らせ続けたくらいで、疲労などする道理がない。 しばし歩き続けて、ようやく森林を抜け出す。 まだ太陽は姿を見せておらず、夜が明ける気配はない。 それでも、彼らは眼前に広がる住宅街を視認することができ... -
◆hqLsjDR84w
◆hqLsjDR84w 氏が執筆した作品 004 現在位置~You are here~ 007 こうしてはいられない 014 夢の花 015 Re Re 019 現在位置~Where do we come from? Where are we going?~ うしおと――/――ととら 026 人間 027 とぼけた現実も原色で塗り替えてしまえ 033 It s like a 自問自答 034 銀の意志/銀の遺志 038 レッツゴーレッカマン 040 振り放けて三日月見れば一目見し 044 ひとりじゃない 047 重い荷物の担ぎ方 049 ガキじゃいられない 050 歯車が噛み合わない 052 ワンダーランド 054 ミッドナイト・クラクション・ベイビー 056 妖語(バケモノガタリ) 057 現在位置~Fly! You can be Free Bird~ 059 ナビ 064 ぎゅ... -
OP『胎動~インディケイション~』
OP『胎動~インディケイション~』 ◆xrS1C1q/DM ――――――――全てが紫電に染まる この場にいた全ての人間は同じ光を目にし、そして覚醒した。 鉛色に光る金属に覆われた無機質な空間。用途の分からぬ機械がいくつも存在し、壁一面にパイプの走る部屋。 しかし、彼らの目を最もひいたのは部屋の中央に鎮座している"それ”だろう。 "それ”を最初に見た者たちはほぼ同じ感想を抱いた、『まるで金属でできた巨大な肉塊だ』と。 「アザゼル……」 青年が呟くつもりで発した声は、広い空間でやけに大きく響いた。 それを引き金に、話し声が場を満たし始める。 彼らは現状を把握出来ていないのだ。 気絶して気がつけばここにいた。ごく数名を除けばここに連れてこられてきた者たちの境遇は同じ。 このような状況で楽観的な考え方をできるものがどれだけいるのだ... -
二百年も待ったのだ
二百年も待ったのだ ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 蒼月紫暮とルシール・ベルヌイユの二人は、小学校に向かう道中で放送を聞くことになった。 両者ともによく知る名が読み上げられたのだが、彼らは決して歩みを止めない。 それどころか僅かに速度を緩めることすらせず、放送前と変わらぬ速度で進み続ける。 「多い、ですね」 「そうだね」 「殺し合いに乗り気なものが多い、ということでしょうか」 「だろうね」 会話はこれで切り上げられ、二人の間を静寂が広がる。 自分の知る名が呼ばれたことは、相手に悟られないようにしよう。 そんな両者の思惑は、しかし失敗に終わっていた。 そして、その事実にはどちらも気付いていなかった。 ◇ ◇ ◇ 目的地である小学校のすぐ近くまで到着し、二人は足を止める。 紫暮は法力僧の突出した視力... -
ナビ
ナビ ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 「だいぶ今さらやけど、温泉ちゅーのは身体洗うだけのもんちゃうねん」 佐野清一郎が笑みを浮かべながら語っているが、すぐ横のコロンビーヌは返答しない。 目蓋を半分だけ開けて、呆れたような視線を向けるだけだ。 というのも、佐野という少年はこれまでひたすら一人で喋り続けていたのだ。 歩きだしてからずっとである。 話題は変わらず、温泉トークばかり。 同行して以来、口を開けば温泉。さながら温泉特集である。 興味があるものならばともかく、大して知りも知らないことをこうも語られても、なんていうか、困る。 コロンビーヌでなくとも、そう思うだろう。 「ロボットやから分からんかもしれんけど、体調よくするのに役立つのもあるんやで。 だいぶむかしから医療に使われたとかなんとか。 肩こりだの、腰痛だの、そ... -
一閃――鬼、天を斬る
一閃――鬼、天を斬る ◆6LcvawFfJA やかましく首輪から響くアナウンスを無視し、鬼丸猛は北上する。 首輪が鳴ってから五歩ほど進んでから、ようやくその足を止めた。 目を眇めて、前方に広がる地平線を注意深く眺める。 一見何も無いようだが、しかし確かに何かが眼前に立ちはだかっている。 納刀したままの魔王剣を前に出してみると、やはり目視出来ぬ壁に阻まれた。 (結界か) 胸中でひとりごちる鬼丸に、驚愕の念は無い。 魔王鬼丸に殺し合いを強制しているのだ。 この程度の備えがあるのは必然。むしろ、していなくては愚鈍に過ぎる。 先刻の放送によれば、キース・ブラックは死者だけでなく参加者の所在地まで把握している。 つまるところ、自らに危機の及ばぬ外部より観覧を決め込んでいるのだろう。 「しかし地上に壁を作ることは出来ても……」 不可視の壁より視線を逸... -
会食
会食 ◆6LcvawFfJA 「悪くないね」 満足気に言ったのは、憲兵番町こと伊崎剣司。 そして伊崎が称賛したのは、彼の眼前にあるファミリーレストラン。 個人経営らしき小規模な店ばかりが立ち並ぶ商店街の中で、一際大きく華やかだ。 「あまり詳しく知っている訳ではないが、この手の食堂はメニューの大半が冷凍食品だと言う。 生憎、小生は剣術だけに心血を注いだ身である故、料理の心得を持ち合わせてないものでね。 解凍するだけで食事が取れるのならば、こんなに有難い事は無い。 とても上等とは言い難い店だが、ここでも構わないかな?」 同行者の方を振り返って尋ねる伊崎。 そもそも食事を必要としないので、シルベストリは無言を貫く。 したがって三名で行動している以上、当然ながらもう一人のギイ・クリストフ・レッシュが返答する羽目になる。 自分の目的の為に組んでこそいるが、ギ... -
高鳴り
高鳴り ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 魔神・アシュタロスは瞳を閉じ、自身の回復具合を読み取っていた。 回復自体は間違いなく進んでいるのだが、その速度は納得がいくものではない。 アシュタロスにとって『目で見える速度で傷が治る』ようでは、遅すぎるのだ 本来ならば、多少能力を犠牲にすることで一瞬のうちに全快することとて可能である。 犠牲にした能力だって、一時間足らずのうちに平常時にまで戻せる。 だが――できない。 どうやら、アシュタロスにとってはあまりに緩慢な速度での治癒を続けるしかないようだ。 これは、明らかにおかしい。 最上位魔族であるアシュタロスは、自ら命を絶つどころか力を制御することさえできない。 にもかかわらず、この場ではたしかに治癒力が下がってしまっている。 理由や方法は分からないが、間違いなくアシュタロス... -
神をも恐れぬ父
神をも恐れぬ父 ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ ――ぎちぃゃり。 そんな軋むような音を鳴らしたのは、キース・ブルーが腰掛けている車椅子である。 学校の備品だけあって、彼が常日頃愛用している全自動車椅子とは比べ物にならないほど粗末な代物だ。 ボタン操作で操縦することなどできないし、素材が安物なために座り心地もよろしくない。 だが、ブルーは心の底から歓喜していた。 車輪を自らの手で回転させねばならないとはいえ、己の意思通りに進むことが可能となる。 それは、ブルーがこれまでできなかったことだ。 むかしからずっと願っていて、けれどどうしても叶わなかった。 そんな、長らく夢見ていた幻想だったのだ。 車椅子の具合を確かめるべく部屋をぐるりと一周してから、ブルーは備え付けられた時計を見上げた。 あと、ほんの僅かで六時を迎える。 ... -
鉄風鋭くなって
鉄風鋭くなって ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 定時放送が始まる数分前から、永井木蓮は食事を一時中断して耳をすましていた。 放送がもたらす二つの情報は、最後の一人になるまで生き延びるつもりの木蓮にとってかなり有益なものだ。 死者の数は以降どう動くかの目安になるし、禁止エリアに至っては知らなければ呆気なく死にかねない。 ゆえに注意深く聞き耳を立てていたのだが、にもかかわらず半ばから先を聞き損なってしまった。 自分自身の哄笑に遮られて、放送の終盤が耳に入ってこなかったのである。 まずいとは思っていたものの、とめどなく溢れてくる歓喜の念を抑えることはできずに終わった。 勝手に口元は大きく歪んでしまうし、笑い声は手で押さえた程度で止められるほど穏やかなものではなかった。 神様の力を使うなどとぬかしていたワケの分からんガキに敗戦を喫したことなど、い... -
境遇――孤独だった三人
境遇――孤独だった三人 ◆6LcvawFfJA 生まれてすぐから、保護するべく隔離されていた“人形破壊者”。 親から捨てられ、幼少時代を孤児院で過ごした“元麗、現火影”。 持って生まれた異能の所為で、周囲から虐げられてきた“天界人”。 それぞれ似た過去を持ちながら、前二人と最後の一人の間には大きな差がある。 弱い為に孤立した二人と異なり、天界人ロベルト・ハイドンは強いが故に孤独だったのだ。 よって弱者を守ろうとする前の二人、才賀エレオノールと小金井薫に対して、ロベルトは疑問を抱く。 彼は、誰にも守ってもらえなかった強者なのだから。 ○ 「ところでしろがねさん、彼には探し人について尋ねたの?」 ホテルに到着したロベルトの言葉を受け、エレオノールの白銀の瞳孔が拡大する。 迅速に再会せねばならない人間の存在を、すっかり失念していた。 救... -
Dash! to truth
Dash! to truth ◆5ddd1Yaifw とあるホテルの一室。 そこにモヒカン頭の大男――石島土門は立っていた。 「チッ……んだよ此処は」 明かりが点いていない故にホテルの窓から差し込む月明かりだけがほんのりと土門の巨体を照らす。 その様は鬼神とでも言うのだろうか、気の弱い人が見たら卒倒するくらいに威圧感を醸し出している。 (おいおい、これからSODOMへ殴りこみかけようって時に殺し合いだぁ? ざけんな! んなくだんねーことやってる場合じゃねーんだよ!) ガシガシと頭をかきながら、イラついた精神を抑える為に近くにあったキングベッドを軽く蹴る。 土門としては軽く蹴っただけなのだがドンと大きな音を立てながら宙に浮き、そのまま空中で一回転、床にドスンと落ちた。 余計なことしてしまったと溜息を吐き、乱雑に戻す。とりあえず、落ちつこうと少し定... -
ゲェムを作る側から見た場合
ゲェムを作る側から見た場合 ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 『――次の放送は正午に行われるので、覚えておくんだな』 その宣言をもって、辺りに静けさが戻る。 足を止めて放送に耳を傾けていたフェイスレスは、ふうと大きく息を吐く。 「いやあ、二人とも無事みたいでよかったよ。 ようやく掴みかけた夢を、こんな形で手放せないからね」 言葉の内容に反して、口調に安堵の色はない。 当たり前のことである。 フェイスレスの記憶を持つ才賀勝は強いし、エレオノールも人形破壊者(しろがね)として修羅場をくぐっている。 彼らに限って、こうも早い段階で命を落としたりはしないだろう。 このように分かり切っていた事実を知らされたにすぎないのだから、いちいち胸を撫で下ろすはずもない。 軽薄な笑みを浮かべて、フェイスレスは頬に手を伸ばす。 そのま... -
レッツゴーレッカマン
レッツゴーレッカマン ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 「宣戦布告じゃっ!!」 ◇ ◇ ◇ 商店街の一角に、小さな小さなおもちゃ屋さんがありました。 しかしながら、いまはお月さまが空に浮かんでいるような時間です。 おもちゃで遊ぶような子どもは、もう夢のなかに遊び場を移しています。 ならば、おもちゃ屋さんが営業なんてしているはずもありません。 店員は一人もおらず、お店の照明も落としてしまっています。 ですが、だというのに、真っ暗なおもちゃ屋さんのなかに一人の少年がいました。 ツンツンと立てた黒い髪。 黒いTシャツにジーンズ。 左の頬っぺたには絆創膏。 そして右手に銀色の籠手。 腕に刻まれた七つの漢字。 実は彼はただの少年ではなく、なにがあってもお姫さまを守る忍者なの... -
リング
リング ◆xrS1C1q/DM 自動人形と人形破壊者が出会ってしまった。 戦いの切欠はそれだけで十分だろう。 老人が鞘となっている右腕から手首が柄となった剣を取り出せば。青年は体より刃を出し、公園の回転遊具のような球を作り出す。 人形破壊者である青年の武器が回転を始める、それが開戦の合図となった。 「ただの人形破壊者ではなく、機械人間の方であったか」 呟きと共に老人が縦一文字の斬撃を浴びせる。 それは青年の珠に空いた隙間へと吸い込まれるように伸び、彼の太ももを切り裂いた。 黒い服が破れ、血が噴き出るものの、彼はさして動揺する様子もなく距離を取る。 「なるほど、おまえのスピードについていくのには足りないというわけだな」 青年の声と同時に、珠の回転速度が増した。 大気を切り裂く音の変化がその事実をハッキリと伝えてくれる。 それは彼がこの殺し合... -
不止
不止 ◆6LcvawFfJA 『次の放送は正午に行われるので、覚えておくんだな――』 六時間おきに流れる放送、その初回はこんな言葉で切り上げられた。 もはや重要な情報を聞き逃す恐れはないので、沈黙を続ける必要など無い。 それくらい理解していたが、ユーゴー・ギルバートは口を開く事が出来なかった。 単純に拡声器のような機械を使っただけでは、会場全域に声を響かすなど到底不可能。 かといってテレパシーによって思考に直接呼びかけられたのではないことくらい、テレパシストのユーゴーには明白。 だとすればいかなる手を用いて、キース・ブラックは放送を行ったのか。 その答えは不明。選択肢を絞るどころか、選択肢さえ見えてこない。推理に足る材料が存在しない。 また放送の主は、声こそブラックのそれであったが、口調が大いに異なっているように思えた。 普段のように思わせぶ... -
溢れた感情は単純に
溢れた感情は単純に ◆c8fjjCyRkM 加藤鳴海は、考え込んでいた。 トイレにいた少しの時間を狙い澄ましたかのように、丁度高槻涼が起きたのだ。 遠からず起きるだろうと思ってはいたが、まさかまさかのタイミング。 聞かければならないことは沢山あったはずなのに、あまりに突然すぎて考えが纏まらない。 大体、鳴海はもともと頭を動かすのが得意なタイプではない。 なので、第一声を高槻に譲ることになった。 「ええと……。あの……、あなたが俺をここまで動かしてくれたのか? あと服も用意してくれたり……」 そう言われて、鳴海は気付く。 高槻は、今、全裸なのだ。 暴れ出さないかばかり考えていたので、目前にしながら全く気にかけていなかった。 目が覚めたと思ったら全裸で、いきなり見知らぬ男に体をじっくりと眺められている。 ……余計な誤解をされかねなかった。 「あ、... -
ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリング ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ バチン、と。 そんな擬音が聞こえそうなほどの勢いで、ゼオン・ベルは閉じていた目蓋を開いた。 すぐさま、傍らに置いておいた時計に視線を飛ばす。 時刻は、六時三分前。 定期的に流れるという放送が始まるまで、あと僅かである。 現在ゼオンが身を潜めている倉庫のなかにまで、放送が届くとも限らない。 そう判断するやいなや、ゼオンは立ち上がった。 いまのいままで熟睡していたというのに、まったく寝ぼけている様子はない。 きびきびとした動作で扉を開くと、ゼオンは紫色の瞳を細くする。 「寝ているうちに、日が昇っていたか」 これは、ただ思ったことを吐き出しただけである。 つまるところ単なる独り言であり、ゼオンは返答など求めてはいなかったのだが―― 思いがけず、肯定するような声が... -
問答
問答 ◆6LcvawFfJA 地上の遥か上空で、とある参加者が浮遊していた。 アシュタロスに生み出されし蛍の化身、ルシオラである。 立腹した様子を隠そうともせず、自分のいる高度よりさらに上を睨み付けている。 「こんのぉ……!」 怒気を含んだ声とともに、ルシオラの掌に光が集っていく。 ルシオラは、アシュタロスの直属部隊として作られた。 故に当然ながら内包する魔力は、標準的な魔族とは比べ物にならぬ程膨大。 「喰らいなさいッ!」 躊躇も、手加減も、微塵もしていない。 桁外れの魔力を絞り出し、ルシオラは全力の光線を放つ。 上級魔族や一流ゴーストスイーパーでなければ、一発で蒸発してしまう。 それほどの威力が籠められていたのだが、光線は何かに阻まれて霧散する。 渋い表情になるルシオラ。 地図を配られた時点で、違和感自体はあった。 切り取られた... -
怒号――まともな奴ほど損をする
怒号――まともな奴ほど損をする ◆6LcvawFfJA 氣法師、朧の感覚はいつ何時であろうと研ぎ澄まされている。 いちいち集中を要さずに、絶え間なく周囲の変化を把握しているのだ。 視覚により、景色を。 聴覚により、物音を。 嗅覚により、香気を。 味覚により、空気の“味”を。 触覚により、大気と大地の“流れ”を。 四六時中、朧の全身はそれらを読み取っている。 仮に目を閉じて英気を養っていたとしても視覚以外が、仮に鼓膜が破られてしまったとしても聴覚以外が、代わりを為す。 功夫を積み重ねてきたからこそ、到達し得る領域。仙人と人間の狭間。 朧という男は、そこに到達している。 故に、朧は今回も勘付いた。 目撃せず、聞かず、香らず、味わえずとも、触覚が捉えた。 殺し合いの舞台に来て以来、乱れる筈のない朧の五感が微かに乱されている。 妨げと... -
夢の花
夢の花 ◆hqLsjDR84w 河原で、二人の男が見合っていた。 どちらも纏うのは、黒い中華服。 短髪のほうは腰を低く落としているのに対し、長髪のほうは立ち尽くしている。 すぐ横の川は絶えず流れ、足元の草は風に揺られているというのに、彼らは十メートルほど距離を取ったまま一向に動かない。 (隙がない、ある……っ) 李崩が腰を落とした姿勢を保ちつつ、胸中で呟く。 視線の先にいる朧と名乗った男は、素人目にはただ立っているように見えるだろう。 しかし中国拳法の道を突き進んできた李崩は、そうでないことを見抜く。 一見無防備なようで、そうではない。 李崩のいる前方だけでなく、背後。それどころか上下や川のなか。 どこから攻められたとしても反応するべく、あえて自然な状態を維持しているのだ。 何せ、行われているのは試合なので... -
たった一つの卑怯なやり方
たった一つの卑怯なやり方 ◆c8fjjCyRkM メキラはあくまで紅煉から逃げただけであり、キース・バイオレットの元に向かおうという意思はそもそも持ってなかった。 別段目的地など定めていない為、秋山優が投擲するヒョウによっていとも容易く進行方向を誘導される。 結果として、駅を出た時点では喫茶店へと直進する形であったメキラは、現在は喫茶店とは全く異なる方向へと進んでいた。 「すげえよ優兄ちゃん! こんな方法、俺には全然浮かばなかった!」 「まあ僕も、キース・ブラックと繋がりがありそうなキース・バイオレットには用があるからね」 投げたヒョウを残さず回収しながら、秋山は隣を行く蒼月潮に言葉を返す。 2人の真上で浮いている紅煉は、順調さが気に入らないらしく険しい表情だ。 「ああ……、キース・ブラックか……。確かに関係あるって言ってたな……。でも、バイオ... -
察知――君の現在位置
察知――君の現在位置 ◆6LcvawFfJA 放送で呼ばれたのは、合計十六名。 全体の五分の一が、夜明けを待たず脱落した事になる。 さらに言えば、その内の一人はオリジナルARMS“ホワイトラビット”の適正者、巴武士。 停滞状態に陥っていた彼がいかなる状態でプログラムに参加させられたのは、もはや下手人くらいしか知らぬ事実と思われるが、もし行動可能な状態だったとすればその力は凄まじい。 オリジナルARMS最速のスピードに加えて、“ジャバウォック”や“ナイト”と同じくARMS殺しまで有している筈だ。 そんなホワイトラビットをも含む十六名が、早々に命を落とした。 しかしその事実と直面しても、キース・グリーンはただ参加者の脱落具合が想像より早いと思うだけであった。 元より、強者が集っているとは思っていたのだから。 理解していながら、一つの椅子を求める決意をした... -
思考する機械、あるいは――
思考する機械、あるいは―― ◆PbH8Onsw.o その自動人形は泣いていた。 地面に膝をつき、身も世もなく。 黒い帽子が広げる大きな鍔が、月光を切り取るようにその体に影を落としている。 西洋風の大きなひだ襟が乱れるのも構わずに、彼は中空に向かって高く高く腕を伸ばす。 決して掴めない光を掴まんとするかのように。 「ドットーレの本心ではないのです。フランシーヌ様……」 その頬に光る液体は無い、しかし彼は確かに泣いていた。 握りしめた作り物のこぶしを月へと突き上げ、堅牢な素材でできた作り物の歯を軋らせて、嗚咽を漏らし。 彼のすぐそばには、大きな黒い建物が腰を据えていた。 建物は広い庭のような砂地を擁し、ただ静かにむせび泣く彼を見下ろしている。 その砂地のほぼ中央に、彼はいた。 ゆるい夜風が乾い... -
強がりを一つ聞いてくれ
強がりを一つ聞いてくれ ◆GmTqfb9yfU 小さな机が立ち並ぶ夜の教室に月明かりが差し込む。 昼間なら子供たちで溢れかえっているであろう小学校も、こう静まり返っていてはどことなく不気味な雰囲気を醸し出す。 それが殺し合いを強いられて飛ばされた場所ならなおさらだ。 そんな場所にサル顔の少年は立っていた。 この少年、一見サル顔のなんの変哲もない少年に見えるが実は只者ではないのだ。 彼の名は宗谷ヒデヨシ。 知力を絞り戦で手柄を立て出世していった武将と同じ名を持つ彼は、神を決める戦いにおいて数々の能力者達を己の知力体力を駆使し、退けたというその名に恥じぬ実績を持っていた。 それは最悪で最強と言われる能力者ロべルト・ハイドンに忠誠を使う、能力者の中でも特に優れた戦闘能力を誇るロベルト十団ですら、二度と戦いたくないと言わしめる程の実力を持つ。 与えられた... -
檻のなかの獣
檻のなかの獣 ◆hqLsjDR84w ◇ ◇ ◇ 動物園の入場口は閉ざされていた。 本来は受付で購入したチケットを係員に見せることで入園を許されるようだが、どうやらこの場に係員はいないらしい。 顎に手を当てて考え込むジョージ・ラローシュの前で、コウ・カルナギは入場口に大振りな蹴りを放つ。 ARMS適正者の意識をも奪う蹴りに耐え切れるはずもなく、やかましい音を立てて入場口が吹き飛んでいく。 「道が開いたぜ」 不敵な笑みを浮かべてふんぞり返るカルナギに、ジョージは肩をすくめる。 「やれやれ。いい加減に私の話を聞いてくれてもいいと思うがな、カルナギ。 さっきの自動ドアのときも言ったが、そういうゲートには通る手順というものがあるのだ。 その手順を踏まないにしても、お前の身体能力ならばわざわざ破壊せずとも容易に跳び越え――」 ... -
エクストリーム自殺 アシュ様編
エクストリーム自殺 アシュ様編 ◆xrS1C1q/DM 怒りに任せて拳を壁にぶつけた。 それだけで民家は崩れ落ち、跡には瓦礫の山が残る。 「やってくれるな……キース・ブラック!」 砕けかねないほどの力で歯を食いしばり、血がにじむほどの強さで拳を握る。 その躰は激情に震え、血走った双眸は景色とは別のものを見据えた。 何もかもが上手くいかない現状。なす事全てが失敗に終わる無念。 運命の歯車が狂いだしたのは何時からだったのだろうか。 宇宙の意志が彼に敵対した時か。 美神令子が復活した時か。 南極での敗戦か。 ゴーストスイーパーが立ちはだかってきた時か。 エネルギー結晶の発見が遅れた事か。 1000年前、メフィストの裏切りにあったことか。 魔族がカードの表になることを許されない現実を悟った時か。 消えることすら許されぬ強大な力を持ってしまったこと... -
世界最強の男、世界の広さを思い知る
世界最強の男、世界の広さを思い知る ◆c8fjjCyRkM ボー・ブランシェは走っていた。 脇目も振らず、ただひたすらに。 共に闘った仲間が、その命を賭けて逃亡の機会を作り出した。何としても鬼丸から遠ざからねばならない。 足を止める暇はおろか、たとえ山道でも速度を緩める余裕すらない。 傾斜であろうと関係なく、全速力で山を下っていく。 草土のせいで足場は安定しないし、枝が肌に突き刺さるが、無視を決め込む。 多少足を取られた程度で転ぶほど、戦場に慣れていないはずがない。 多少枝が刺さったくらいで痛みを感じてしまうほど、ヤワな鍛え方はしていない。 溢れていた涙も、大分前に拭い取った。視界はもはや明瞭だ。 人間の限界をはみ出しつつあるボーの全速力ゆえ、山を下り切るのに大した時間はかからなかった。 平地に到達しても、ボーは減速しない。 「ボウズは……、テッドはまだ戦... -
意義
意義 ◆6LcvawFfJA マシン番長は南へと戻らず、東に進んでいる。 先刻、子猿番長と命名した少年の攻撃を受けて移動している際、道中に人影は発見できなかった。 番長抹殺プログラムを最優先している以上、誰もいない場所に向かってもメリットはない。 子猿番長がいた地点まで帰還したところで、悠長に待っている可能性は限りなく無いに等しい。 その為にマシン番長は、人間が潜むのに最適と思われるマンションが立ち並ぶ東へと足を運んだ。 マンションに辿り着くなり、いちいち階段を上ってマンション内を隈なく歩いて回る。 レーダーにエラーが生じており、さらにどの程度の範囲ならば反応するのかは不明。 そのような状況では、抹殺するべき番長を捜索するのにまどろっこしい方法を取るしかなかった。 番長がいようといなかろうと全ての建造物を片っ端から破壊すれば、最終的... -
風と煩悩と謎の玉
風と煩悩と謎の玉 ◆CFbjQX2oDg 高校一年生、霧沢風子。 火影魔道具の一つ『風神』の使い手。 彼女は紅麗の館、裏武闘殺陣、天堂地獄争奪戦と数多くの死闘に身を投じてきた。 先の戦闘で火影最凶の魔道具『天堂地獄』を手に入れた森光蘭の手により“治癒の少女”佐古下柳は攫われた。 友人である佐古下柳を取り戻す為 長きに渡る火影の因縁に終止符を打つ為 要塞都市SODOMに乗り込――――んだはずだった。 気付いたらあの大広間にいた。 キース・ブラックと名乗る男に殺しあえと言われた。 それに逆らった我紗喰を連想させるような大男が一瞬で消された。 烈火が外国人と一緒に立ち向かった。金色の獣も襲い掛かった。 その時の私は――震えていた。 ――アザゼル 意識を取り戻した私は、誰かが呟いたその言葉を最初に耳にした。 その言葉が指し示す繭にも似た物体を見た... -
残される者
残される者 ◆imaTwclStk 己の生き様を貫いた者が居た。 信念に従い、理想に殉ずる覚悟で生きていた筈の男は 最後には己の命を賭して数多の人命を救う為の 一助を担ってこの世を去った。 ……筈だった。 「ぬぅおおおおおおおおおおっ!?」 一人の金髪の筋肉質の男が叫び声を上げている。 それもその筈である。 この男がいきなり放り出された場所は空中。 意味も分からぬまま、 碌に体勢を整える事すら出来ずに男は落下していく。 「ウゲッ! グホォッ! ゲハッ! ウグハァッ!?」 生い茂る樹木の幹や枝に激しく身体をぶつけながら地面に落下していく。 「ビタァン!!」っと気持ちの良い程の激しい音を立てて 地面に到達したその男の姿を他の人物が見ていたのなら 間違い無く、この男は死んだものと思うだろう。 だが、 ... - @wiki全体から「第一放送までの本編SS(時系列順)」で調べる