檻の中のケモノ
森と草原の境を一匹のケモノが歩いている。
その紫の鬼神の中で、三輪防人はいらつきを隠せずにいた。
「電源ケーブルだと!何と、使い勝手の悪い……」
エヴァ初号機―――おそらく『アタリ』に入るであろうこの機体。
だが、初期位置の悪さにより……三輪は完全に閉じ込められていた。
(今は、まだいい……こちらに近づいてくる者を皆殺しにすればいい)
……しかし、禁止エリアとやらに、ここが指定されれば?
先程の男のように、この機体の移動範囲外に逃げられたら?
「それに・・・その方法だと、ワシが楽しくないからな……」
三輪はそう呟くと、ハイウェイにむけて移動を開始した。
……より、多くの死を撒き散らすために。
【三輪防人 搭乗機体:エヴァンゲリオン初号機
パイロット状況:健康、いらついている
機体状況:良好
現在位置:F-6からE-6へ移動中
第一行動方針:電源を探す
最終行動方針:皆殺し】
【初日 14:20】
最終更新:2008年05月29日 03:56