(・・・な・・・何してるの・・・由里・・・)
わたしは由里の部屋の前で固まっていた。
真っ暗な廊下。父も母も下の階で眠っている。
夜中のトイレの帰りに、寝ているはずの由里の部屋から声が聞こえるような気がして・・・
(こ・・・これって・・・アレ・・・だよね・・・)
私も高校生、そのくらいの知識はある。
でも、自分でしたことはないし、まさか小学生の由里がそんなことをしてるなんて。
小さく漏れているだけの声が、やけに響いて聞こえる。
(ど、どうしよう・・・)
このまま立ち去ったほうがいい、という声が頭の中で聞こえる。
でも。
それ以上に、もっと、由里のこの声を近くで聞きたい、と思ってしまった。
(ほんの、ほんの少しだけ・・・だから・・・ゴメンね、由里)
気付かれないようにそろりそろりドアノブに手をかける。
キイッとドアがきしむ音がわたしをビクリとさせた。
「・・・!!」
わたしは息を呑んだ。
薄暗い明かりの中、由里の身体が白く淡く輝いて見えた。
ベッドに寄りかかり、スカートを脱いでシャツを捲り上げ、足をだらしなく開いている。
今まで見たことの無い由里の姿に、わたしは胸が高鳴るのを感じた。
左手は自分の胸に、そしてもう片方の手はパンツを上から触っている。
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
由里は小さい胸の先端に当てた指をくねくねと動かし、辛そうに息をつく。
同時にパンツを円を描くように撫でている。
パンツが、じっとりとぬれて、由里の形が外からでもはっきりわかってしまう。
「ん・・・くぅ・・・ぅぁ・・・」
指に唾液をつけて胸を弄る。
横にずらしたパンツから見える小さな割れ目に、人差し指がつぷっと浅く入った。
「あぁぁ・・・」
指を押し込んだり引き抜いたりするうち、ぴちゃぴちゃと水音が混じる。
由里はそのひとつひとつの刺激に敏感に応えていた。
(ス・・・スゴイ)
わたしは息をするのも忘れてその光景に見入っていた。
「・・・ちゃん」
え?
「・・・おねえ・・・ちゃん・・・おねえちゃん・・・」
おねえちゃん・・・て・・・わたしのこと?由里がわたしを呼びながら・・・
頭がくらくらした。
立っていられなくなって、ぺたんとその場に座り込む。
部屋の中の由里の行為はまだ続いていた。半開きになった口から涎を垂らしながら、たどたどしい口調でわたしを呼ぶ。
「おねえちゃん・・・す・・好きだよお・・・・・・」
その甘い声を聞いて、私自身の頭も痺れたようになっていく。
私の中で、なんだか変な気持ちが渦巻く。
恐る恐る自分のパンツに手を伸ばす。
わかってはいたけれど、そこはもうぬるぬるに濡れていた。
くちゅっと指でなぞってみる。
「ひっ・・・」
思わず声を漏らしてしまった。
「!!」
ビクッと由里の動きが止まった。
服を着なおして、ドアに近づいてくる。
ここで慌ただしく逃げてもバレバレだ。
どうする、どうする。
考えるまもなくドアが開かれた。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・」
由里が私を見下ろしている。
逆光で表情は窺い知れない。
一方私のほうは、泣きそうな表情をしているだろう。
「おねえちゃん、そこで、なにしてるの?」
声の調子は、あわててもいず、責めてもいなくて、それがかえって恐かった。
「あの・・・あの・・・」
「見てたの?」
何を?とは今更いえる雰囲気ではなかった。
「あの・・・・ごめん・・・わざとじゃ・・・」
「見てたんだ」
ふーん、という感じで由里が私の傍に座る。
「ねえ、びっくりした?」
「その・・・ちょっとは驚いたけど・・女の子も・・・そういうことするって・・授業で・・・だから・・・」
わたしは由里の堂々とした態度に戸惑いながら答えた。
「そうじゃないよ」
「え・・・?」
「由里がお姉ちゃんのこと考えながら、・・・オナニーしてたこと」
「・・・・・・・」
あまりにあっけらかんと際どい言葉を口にする妹に、自暴自棄に似たものを感じて背筋が冷えた。
「軽蔑する?嫌いになった?」
「そ、そんなことないよ」
私は目をそらしてしまった。あまりに突然のことで、どう扱っていいかわからなかった。
由里がすっと立ち上がった。くるっと背を向けて言った。
「普通、変に思うよね。お姉ちゃんのこと好きなんて」
声は平静を装っているが、足が少し震えているのがわかった。
(そっか・・・由里・・・・・わたしのこと好きだったんだ・・・)
以下未完(?)
最終更新:2009年08月14日 20:53