今日の綾華タン!
「あ~、なんであたしたちがトイレの掃除しなくちゃなんねぇんだよ。」
勝名は、そう言いながらも雑巾片手に洗面所の鏡を拭く。
「仕方ないですよ。私たち当番なんですから。」
斉藤も勝名と同様デッキブラシを片手に丹念に床を磨いている。
カサっ!
「うぉっ!んだよ、ゴキブリかよ。綾華、デッキブラシ貸してくれよ。仕留めるから。」
勝名は、そういうと斉藤の方を向きデッキブラシを受け取るために手を出した。
「……ぃゃ。」
「はっ?なんだって?」
勝名が斉藤の顔を覗き込むとその顔がみるみる青白くなっていく。
ブーン!
ゴキブリが宙に舞った。
「いっ!!いや~~~~~~~~~~~~~!!!!」
ドンっ!
「痛っつ~~~。何すんだよ綾華!っていないし。」
斉藤は、叫びながらトイレの出口へと駆ける。
「どうした!?」
森上と雫は、隣から聞こえた悲鳴に驚き森上がトイレのドアノブに手をかけた瞬間・・・
ガコンッ!
「痛って~~!」
「ちょ、大丈夫!?」
雫が倒れた森上に近づいた。
「お~い、大丈夫か?」
悲鳴に気づいた坂上は、倒れている森上に声をかけた。
「坂上か、綾華の奴が急に飛び出てきてさ、いきなり開いたドアに顔ぶつけちまったよ。痛って~。」
森上は、顔のぶつけた部分をさすりながら立ち上がった。
そのころの綾華は……
「あいつがぁ~~!!!あいつがぁ~~~!!!」
相変わらず叫んでいた。しかも、基地内の廊下を走り回っていた。
「綾華さ~ん、そんなに急いでどうしたんですかぁ~」
朝倉と佐橋は、廊下を走っている斉藤に声を掛けたが……
「あら、あんなに急いで綾華どうしたのかしら?」
「きっと、おトイレですよ。」
「そうかもしれないわね。」
「朋也くん、今日は何食べましょうか?」
「そうだな~、渚と同じものたべるかな~。」
そのように、またいちゃついているとも見えなくもない二人の隣を……
「もういやぁ~~~~~!!」
「綾華さんどうしたんですか?」
「そんなに急いで何やってんだ~」
―――
「いっちゃいましたね。」
「そうだな。」
「さて、掃除も終わったことだしPXで飯でも食いに行こうじゃないかい葵ちゃん?」
「いいですよ~、行きましょう。」
久我と松浦の二人は、そういうと廊下にででPXへと向かっていた。
「あれ?何か叫び声が聞こえませんか?」
「そうだね。なんなんだろうね?」
その悲鳴は、少しづつ近づいてくる。
そして、曲がり角……
ドンっ!
「うわっ!」
「きゃっ!」
「痛って~。なんなんだよぉ?んっ、なんだこの柔らかいの?」
「あ、あの~久我さん……。」
「へっ?……」
齊藤と久我は、ぶつかった際にちょうど斉藤が久我に覆いかぶさるようになっており久我は、齊藤の胸を掴んでいた。
「……え~、今回は無罪だと思いますが綾華ちゃんは、どう思いますか?」
今度は、久我の顔が青白くなっていく。
普段の彼であれば満足げな顔色を浮かべていたはずであったが……
「いやぁ~~~~!!」
ごふっ!
齊藤は、久我の顔を殴り久我はそのまま気絶してしまった。
「あ、あの~綾華さん?」
バタンッ!
「あ、綾華さん!だ、大丈夫ですか!?」
齊藤は、そのまま気絶し次に目覚めたのは医務室のベットの上であり巻き込まれた久我は、その後気が付いた齊藤から謝罪を受けた。
最終更新:2010年02月10日 13:11