今日の渚タン!
「さて、今日はみんなお疲れ様。今日ぐらいは、みんなで楽しみましょ!」
雫の掛声から今日の物語は始まる
。
「お~い、朋也。こっちに来て一緒に飲もうぜ!といっても、飲酒は出来ないから水・お茶だけどな。」
森上は、口に手を当て中村に聞こえるように声を大きくした。
「あ~いいぞ。今行く。」
「渚、あっち行ってくるからまた後でな。」
「あ、はいっ。」
「・・・あ~それとここには酒がないみたいだからいいけどな、気をつけとけよ。」
「わかりました。」
中村は、そういうと森上のほうに向かっていった。
「渚、飲み物持ってきたわよ。飲む?」
雫は、そういうとグラスに入った透明な液体を差し出した。
「ありがとうございます、雫さん。」
渚は、そういうとグラスを受け取った。
「さあ、みんなで乾杯しましょう!」
乾杯!!
ゴクッ
「んなっ!これ、酒じゃねえか!!」
「こっちもお酒ですね。」
中村と齊藤は、飲んだ直後に酒だと気づきお茶を飲んだ者は、問題なかったが水を選んだものは例外なく酒であった。
「み、皆さんすいません!!てっきり冷蔵庫に入っていたのがお水だと思って入れちゃいました。」
朝倉は、透明な瓶に透明の液体が入っていたのでそれを取ってきてしまったが普通基地内のしかも厨房にアルコール類が入っているのは、おかしいがここは、厨房である、料理酒があっても何らおかしくない。そのため、間違えてしまった。
また、全員がまさか酒であるとは考えず、さらに飲むときは、乾杯してからということであったために誰も飲んでいなかったために同時に飲むことで気づいた。
「・・・・ちょ、待て!!」
「うおっ、中村、いきなり大声出さないでくれよ。びっくりしただろ。」
隣にいた久我は、急に大声をだした中村に驚いた。
「・・・渚・・・・・?」
雫は、隣にいる渚の様子がおかしいことに気づいた。
「・・・・・・・・ひくっ。」
「おい、源!もしかして、渚飲んだの酒か!?」
中村は、駆け足で渚に近づいた。
「え?、そうかもしれないわ。私、水だと思って渡したから。」
「・・・・・まずい。」
「なんで?」
雫は、朋也が若干うろたえていることに気づいた。さらに、その様子をみていた人物もそのやり取りに注目していた。
「渚は、酒を飲むと・・・・」
「飲むと?」
「大胆になって、絡んでくるんだ。」
「・・・・はぁ?」
周りにいた一同は、声を揃えた。
普段の渚からは、考えられないようなことを中村は言っていたので全員半信半疑であったが、この後の渚の行動ですべてを知ることとなる・・・・
「と、朋也くん!!!!」
「・・・ど、どうした?」
あの中村が動揺していることにも驚きといえば驚きなのだが今は、いきなり大声を出した渚に全員驚いていた。
「私、朋也くんのこと・・・・だ~~~~~い好きれすよ!!!!」
「へっ?そ、そうか・・・よし渚、部屋に行って休もうか。なっ?」
中村は、額に冷や汗をかいていた。
「朋也くんは、あらしのことだ~~~~~~い好きれすか?ひっく!」
「・・・・・・・」
「どうなんれすか!!」
徐々にこの状況に順応し始めた者は、
「中村~~、どうなんだよぉ~~」
こういうときに、反応が早いのはもちろん“久我”とその他数名である。主に男性陣である。
「えっ~~~とだな・・・・あ~~~渚?」
「もしかして、あらしのこと嫌いなんれすか?ひくっ!」
中村は、完全にうろたえていた。
しかも渚は、顔をあからめて目を涙で滲ませながら近寄ってきたのである。
破壊力は抜群であった。
「そ、そんなことはないぞ・・・」
「そうれすか、よかっられす!・・・雫さん!!!」
渚は、中村の返答に満足したのか標的を雫へと変更した。
「は、はい!なんでしょう!?」
雫は、渚の迫力に思わず敬語になってしまった。
「雫さんは、すきなひろ(好きな人)いるんれすか?」
「へっ!?・・・・・・・」
あの雫までをもうろたえさせた。
「え~、そ、そうね~、え~と・・・・」
「どうなんれふか?もしかしてやっぱり森k・・・・」
と、渚が言い切る前にある人物がPX内に入ってきた。
「楽しそうだな、私も混ぜてくれないかな?」
大場基地司令である。司令は、一週間に何度かはPXを訪れている。
たまに、食事をしていくこともあるが、基本的にはPXの様子を見るのと兵士との雑談などが目的らしい。
今回は、PXには訓練生しかいないがおそらく、訓練生たちと雑談でもしに来たのであろう。
「け、敬礼!!」
うろたえていた雫だったがどうにか号令をかけた。
(助かった・・・)
「楽にしてくれてかまわんよ。」
大場の言葉に一同は、楽な姿勢をとった、しかし、一人を除いてである。
「あ~、基地司令~、おつかれさまれふ~、ところで基地司令は、好きな人いm・・・うぐっ、うぐっ」
咄嗟に中村は、渚の口を手で閉じた。
「し、失礼しました!!中原訓練生は、現在調子が悪いので少し変ですが気になさらないでください!」
雫は、渚の前に立ち頭を下げそう大場指令に告げた。
「基地司令!中原訓練生は、調子が悪いので医務室に連れて行きますので失礼いたします!」
今度は、中村がそう告げると渚をお姫様だっこし全速力で医務室へとむかった、
というよりそれは、あの場を切り抜けるいいわけであり。そのまま渚の部屋へと駆けた。
その間も渚は、
朋也くん、らいふきれす~~~!!
と叫び続け、もう完全に舌は、回っていなかった。
中村は、少し真剣な顔で・・・しかし、とても優しい声で渚の耳元にこう語りかけた。
「俺も、渚のことは大好きだぞ。何が何でも守ってやるから安心して寝てろ、な?」
そういうと、渚は小さな寝息を立てて深い眠りに落ちた。
その後、渚はほぼ昨日のことは、忘れていたらしく聞いても、なんのことですか?と返されるだけだった。
そして、ここに一人渚の無茶ぶりの答えに悩んでいる人がいた。
「私の好きな人は・・・・・今は、そんなこと考えてる場合じゃないわね!!」
この切り替えの早さがある意味、隊長としては必要なことなのかもしれない
最終更新:2009年08月18日 00:46