今日の雫タン!

今日の雫タン!


これは、綾華がゴキブリにより基地内を走り回っていた時のもう一つの物語である。

少し離れた部屋の掃除を行っていた森上と雫は、隣から聞こえた悲鳴に驚き悲鳴が聞こえた方へと向かった。
そして、森上は悲鳴が聞こえたトイレのドアノブに手をかけた瞬間・・・

ガコンッ!

「痛って~~!」

「ちょ、大丈夫!?」

雫が倒れた森上に近づいた。

「お~い、大丈夫か?」

悲鳴に気づいた坂上は、倒れている森上に声をかけた。

「坂上か、綾華の奴が急に飛び出てきてさ、いきなり開いたドアに顔ぶつけちまったよ。痛って~。」

森上は、顔のぶつけた部分をさすりながら立ち上がった。

「全く、綾華もゴキブリぐらいであんなにならなくてもいいのに・・・」

「まあ、仕方ないだろ。誰でも苦手なものは、一つぐらいあるだろう? というわけで俺は、掃除に戻るからな。」

坂上は、そう言い残すと自らの掃除をする場所へと引き上げた。

ブーン!

「ちょっ!ゴキブリの野郎!逃げんじゃねぇよ!!」

勝名は、未だデッキブラシを片手に構え戦術機のような3次元機動をするゴキブリと格闘戦を繰り広げていた。

「くそっ!これならどうだ!」

勝名は、デッキブラシを横に薙いだが・・・

ブーン!

「逃げるなぁ~~~」

ゴキブリは、勝名の攻撃を避けると一つしかない出入り口へと噴射地表面滑走し・・・

ピトッ

「「あ・・・」」

森上と勝名は、“雫の鼻に着地した”ゴキブリを見て声にならない声を漏らした。

バタッ!

「おい、雫大丈夫か!?」

雫は、気絶し気絶させた張本人は、また飛び立った。

「森上!雫のことは、頼んだ。こっちは、あいつを何としても仕留めて来るからな!」

そう言い残すと勝名は、デッキブラシ片手に走り去った。

「ちょっ、おい!どうすりゃいいんだよ・・・」

森上の腕には、気絶した雫が抱かれていた。





「ふぅ~、まあ取りあえずこれでいいだろう。」

森上は、どうしたらいいか悩んだがここにいても仕方ないので医務室に連れて行こうかと考えたが直ぐに意識が戻るだろうと考えA分隊の寝所に運んだ。
(本当は、医務室に行くと掃除をサボったのだと思われ、後々面倒ことになるというのが本音だ。)
ちなみに、雫を腕に抱え運んだがやはり彼女は、非常に軽くていい匂いがした・・・

(まて・・・このままだと危ない人だぞ、俺。)

「それにしても、こうやって雫の顔眺めるのは、いつ以来だったかな。」

「本当に姫みたいに成長したな・・・(胸は、おいといて)」

そうして、雫の顔を見ているとだんだん変な気分になって来るのを感じる。

「危ないぞ、俺・・・」

森上も年若き思春期の男の子である。そういうのに興味がないわけがない。
なんだかんだ、一番スケベなのは、森上かもしれない。
そんなことを一人問答していると・・・

「ん・・・あれ、私・・・」

「気づいたか、お前気絶したんだぞ。」

「そっか、確か黒いのが鼻の頭に・・・私も綾華のこと言えないね。ごめんね、悠希、また迷惑掛けちゃった。」

「気にすんなよ。こっちも好きでやってるんだからな。」

そう森上が言うと雫は、一言“いつもありがとう“というとベットの端に手を掛けて起き上がろうとしたが・・・

キャッ!

ドスン!



コンコン

「入るぞ~」
「入りますね~」

中村と中原は、4人(森上、源、勝名、斉藤)が掃除の途中でいなくなっていることにそこを通り掛かった時に気づいた。
途中で齊藤が走り去ったのは、目撃したが何かを急いでいたようであった・・・
しかし、このままではそろそろ掃除が終了したか確認しに来る氷室教官に連帯責任ということで嬲り殺されると思い二人で掃除を開始し始めた。
そこに坂上、佐橋、朝倉、中岡が通りかかり各々、身に危険を感じたため全員で掃除を行った。
何ともチームワークの良いA・B分隊の面々である。
人数もいたので掃除自体は、直ぐに終わり中村ら6人は、いなくなった4人を探しに行った。
そして・・・

「いたいt・・・」
「掃除サボらないでk・・・」

「待て、これは違うぞ。」

雫がベットの端に手をかけるとそのまま手が滑り森上に向かってダイブし森上の上に雫が覆いかぶさるようにして転げた。
そして、森上の両手の中には、雫の胸があった。

「失礼しましたっ!!」
「失礼しますっ!!」

バタンッ!

扉は、勢いよく閉められた。

「なあ、渚?俺たちは、何も見てないよな?」
「朋也くん、何言ってるんですか?私は、何も見てないですよっ!」



「スマン雫、今退くからな!」

森上が退こうとし雫の下でもぞもぞと動くと・・・

「んっ・・・んふっ・・・」

森上が動くと雫は、艶やかな声を出した。

(ちょっっっと待て~~~~!この状況まずいぞ・・・・久我と同じだ。殺される・・・)

森上は、身の危険を感じすぐさま雫の下から抜け出した。
当の雫は、顔を赤らめ目をうるうるさせている。

(終わった・・・地獄を見るのか。)

「・・・悠希、二人の誤解を解きに行こう。」

「へっ?あ、ああ行くか。」

雫は、森上を避けるようにそそくさと二人を追いかけに行ってしまった。

「なんだよ・・・」

森上の身には、結局何も起こらず、一人で舞い上がっていたことを一人で恥じると雫の後を追いかけに行った。



二人は、すぐさま中村と中原に追いついた。
そして、どうにか二人の誤解を解くと掃除の件を話しカバーしてくれた中村と中原に礼を言い他の4人にもお礼を言いに行った。


そして、勝名は、未だにゴキブリと格闘していた。

「くそっ、やるな!お前がゴキブリなのが惜しいぜ!」

(フンっ、貴様もなかなかやるな!しかし、まだまだぁ~~byゴキブリ)

「これで、終わりだ!くらえぇ~~!」

ここは、ちょうどT字路になっていて勝名は、T字路の下のほうから右に曲がろうとしたゴキブリに思い切りデッキブラシを振った。

バコン!

「ほう、勝名。教官に向かってデッキブラシを振るとは、いい度胸してるな?」

そこには、ゴキブリと入れ違いに氷室教官が姿を現した。
氷室は、振り下ろされたデッキブラシを途轍もない反射神経を駆使し片手で受け止めた。

「ひっ、これには、訳が・・・」

このあと、勝名は世にも恐ろしい罰を受けた。

「ぐすっ。誰か助けてくれ~」

「ほう?まだ、喋る余裕があるのか?」

「す、すいません!」

終わり・・・
最終更新:2009年08月11日 21:45
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