遺骨





【聖線~アルベロ~教会廃墟の荒野~慈悲なる夢周辺】


生徒ダリュイセンの鎖骨

数日に渡って続けられたマークの捜索活動は、森で遺体が発見されたことで打ち切られた。それ以来というもの、空飛ぶ山羊に跨る遠来の悪魔の噂が語り継がれている。


盗賊ペルシアンの踵骨

その者の貧富に関係なく通行人に襲い掛かるペルシアンは、人々から恐れられていた。傷を負い、最後の力を振り絞ってアルベロにたどり着いたペルシアンに、人々が同情を示すことはなかった。


墓堀人ブラノンの指骨

ブラノン・ジョシュア・ミュリンズはその一生の中で、友人、家族、そして敵のため、何百もの墓の穴を堀った……しかし混沌が広がり、彼の墓の穴を掘ってくれる者はいなくなった。


布告者バロックの有頭骨

その通達が処刑であれ批判であれ、バロックは常に大声を張り上げて人々に知らせていた。しかしある時、愛する家族に下された判決文を読み上げることとなった彼の声は、日に日に力を失っていった。


船乗りアーサーの指骨

アーサーはその一生を、謎のトーテムを探すことに費やした。彼の手により、絶え間なき波によって守られた不可侵の城が海中に存在することが証明された。


聖職者テラダックスの上顎骨

ニコデムス・テラダックスはあらゆる人々を教会に迎え入れ、慈悲と礼節をもって彼らを保護していた。しかし聖具室に山積みになっていた骨が発見され、彼の本性が知れ渡ったのであった。


醸造人ジッチャーの頸椎

醸造人のジッチャーが所属する修道院は、王国で最高の麦酒を作るとして、不名誉な名声を得ていた。ある日の夜、修道院から燃え上がる炎がその伝説を天国に導いたという。


探検家エルナンデスの豆状骨

ヴィクター・エルナンデスは野蛮な部族を『文明化』するための遠征隊の隊長に選ばれたが、異端者として有罪を宣告された。クヴストディアこそ最も野蛮な街であると、彼が進言したためであった。


傀儡師セバスチアンの膝蓋骨

セバスチアン・ウォジャは傀儡に囲まれて暮らしていた。彼にとって、傀儡は家族同然であった。とある日の夜、彼はこう叫びながら燃え盛る劇場の中へと姿を消した。「動くな、動くことを禁じる!」



【終わりなき黄昏山脈~ホンド~黙する悲哀修道院~怨嗟の縦穴周辺】


鍛冶工ホッジスの中手骨

クヴストディアにおける最高の武器のいくつかは、鍛冶工ブレンダン・ホッジスの手によるものであり、聖別軍によって愛用されていた。運命の悪戯か、彼を殺したのは他ならぬ、彼本人が作った武器であった。


処刑人カルロスの肩甲骨

彼の持つ人間への憎しみは、動物への愛情と同等に強いものだった。司教に噛みついた犬の処刑を命じられた際、カルロスは初めて命令を拒んだ。彼が命令に従わなかったのはこの一度限りであった。


賭博師ジョンの椎骨

ジョン・フォン・ガメラミンズは有名な賭博師であり、その運命は天の意志による導きを受けていると多くの者が信じていた。しかしその幸運と命運はある日、突然終わりを告げたのであった。


鍛冶工リンドキストの椎骨

鐘の音がクヴストディアに鳴り響くのは、他ならぬリンドキストのお陰である。しかしリンドキストが、最高傑作である『ホンド』の完成を目の当たりにすることはなかった。


旅客リクショの中足骨

リクショの素性について知られていることは無きに等しい。しかし彼と出会ったことがある者によれば、彼は微かな声と光を放つ、奇妙な小さい皿を持ち運んでいたという。


縄職人マルティヌスの前頭骨

脆い縄を売った罪で不当に告発された職人マルティヌス・ハフニアは、その縄を使って首吊りの刑に処されることとなった。処刑の日、マルティヌスの腕の素晴らしさはその命をもって証明された。



【オリーブの枯畑~山頂墓地~焦貌の聖女修道院周辺】


悪霊憑きダニエルの尾骨

ダニエルは城の中に姿を現すと言われていた。彼は夜寝ている間、影に憑りつかれたと主張しており、また地下に潜む怪物とは性的な関係を持っていたとも主張している。


詩人ヘルザーの橈骨

詩人ジョン・クラーク・ヘルザーの作品が有名になったのは悲しくも、彼の死後のことであった。名作として知られる『赤葉の詩』は、倒れた木の下敷きになった、彼の遺体の隣で発見された。


宗教裁判官ラッセルの頭頂骨

寛容さを持っており、時には処刑をやめさせることすらあった。その心の弱さが原因となって彼は破門され、追放を命じられた。


巡礼者ウェストンの距骨

ウェストンには旅仲間がいた。ある日、その旅仲間は次の避難所で待っていると約束し、ウェストンと別れた。明くる日、その次の日も、避難所に到着したウェストンが旅仲間と再会することはなかった。


金属細工師テキーラの後頭骨

テキーラは凡俗な金属細工師ではない。彼の作品はすべて頭蓋骨を土台としており、中でも宝石で飾り付けた頭蓋骨が彼の真骨頂であった。彼の最後の望みは、至高の作品そのものになることだった。


大演者ヴィタスの胸骨

ヴィタス・ヴァルナスはクヴストディアにおいて、称賛の的と言うべき存在である。彼は利他的な行動と感動的な言葉をもって人々を鼓舞し、彼らの人生を変えたのだ。


助言者ミリアムの指骨

ミリアム・バルトは成功に必要なものを知っていたが、運命に逆らう術は知らなかった。短命でこそあったが、彼女の遺産は今でもなお、彼女を愛した者たちの中に残り続けている。



【冒涜の貯水路周辺】


看護師マクミトンの上腕骨

看護師マクミトンは無類のネコ好きで、人間に限らず多くの命を救ってきた。しかし命を粗末にする者たちを救うことに耐えきれず、彼は自ら命を絶った。


乞食セネキスの舌骨

セネキスは苦痛から逃れることだけを求めていたが、逃げれば逃げるほどその魂は苦痛に苛まれていった。苦痛は人生の一部なのだと受け入れた時、彼は苦痛の意味を見出した。


病人フィアースの舟状骨

家族、村、そしてほかのハンセン病患者からも拒絶されたフィアースは、冒涜の貯水路に独り逃げ込んだ。貯水路にこだまする彼自身の声こそ、彼が安堵を得られる唯一のものであった。


殺人者カーニホーの舟状骨

カーニホーは不器用でこそあったが、その明るく朗らかな振る舞いを利用し、商人や聖職者を騙して殺し、彼らの所有物を盗んで暮らしていた。



【静寂の中庭~万母の母周辺】


仕立屋ルカの三角骨

彼の夢は、貴族のために美しい衣服を仕立てることであった。しかし晩年の彼が作ることを許されたのは、ほかならぬ囚人服のみであった。


森林官リスプの腓骨

リスプ・スクリムショウは無謀にも毎晩、森へと散歩に行くことで有名であった。彼によれば森の木々は、天の意志を『超越』した考えを授けてくれるのだという。


絞首刑執行人ジェレマイアの大菱形骨

ジェレマイア・シュヴァイガーは数十年もの間、神聖なる仕事と信じて何千人もの囚人を葬ってきた。やがて疑いに飲まれた彼は、良心の呵責から正気を失ってしまった。


賞金稼ぎカルポウの大腿骨

カルポウはクヴストディアの司教に仕える賞金稼ぎであり、『大胆不敵』の二つ名で恐れられていた。カルポウは「すべてを捨て去れば、失うものなど一つも無くなる」という信条を大切にしていた。


売春婦ジューンの寛骨

聖職者の間において人気であったジューン・セイヤーズは、その美貌をもって多くの司祭を誑かし、純潔の誓いを破らせた。しかし、大地に灰が降り注いだその日、彼女の特権は終わりを迎えた。


宝石商イェーガーの小菱形骨

暴君イェーガーが愛した家族は、宗教裁判官アシュガンによって不当にも火刑を宣告され灰と化した。復讐に支配された彼がその灰から作り出した指輪は、呪いの指輪として今なお残っている。



【禁書の図書館~眠れる画廊周辺】


黒魔術師の仙骨

『禁書の図書館』の創設者であるこの司祭は、『暗黒の者』というあだ名で広く知られていた。妖術を実践していたところを捕まった彼は、異教の書に囲まれていたという。


神秘主義者アルサーリの脛骨

クヴストディア聖座の権威をまったく信じていないアルサーリは、自身の力で天の意志に接触したことがあると主張している。「熱情を抱け、それこそが秘訣だ」


文書保管人アラルカリムの指骨

アラルカリムは『禁書の図書館』にて文書保管人をしていた。クヴストディアの書物、特に歪んだ者が現れる以前の書物に対して行き過ぎた興味を示した彼は、その罪から追放処分とされた。


芸術家チャールズの鼻骨

彼が生み出す作品はあまりにも美しく、教会では激しい議論が巻き起こった。最終的に、命そのものに勝る芸術はないという結論が下された。こうしてドライデンの作品は押収され、彼という芸術家は忘れ去られた。



【大聖堂屋上~聖禁の壁周辺】


解体者ケイヤの月状骨

彼の二つ名である『解体者』は彼の職業を指すものではなく、彼の戦士としての獰猛な強さにちなんだものである。彼の倒錯した人格は、堕落しても変化することはなかった。


守護者サブノックの肋骨

歪んだ者の印章を所持するサブノックは、聖別軍において守護者という階級を得ていた。混沌が世の中に広がった後も、彼は街の門扉を懸命に守り続けたという。


懐疑論者ウィリアムの指骨

ウィリアム・グラフは、宗教家が働く詐欺を暴露することにその人生を捧げた。クヴストディア教会の聖職者ですら、彼にとっては疑いの的であった。彼の異端的思想が許されることはなかった。


盗賊ジョエルの側頭骨

ジョエルが盗みを働くのは、民衆を助けるためであった。しかしある日、教皇の宝石を盗んでいるところを捕まってしまった彼は、クヴストディア史上最悪の拷問を受けたという。


模倣者ヴケリッヒの有鉤骨

ヴケリッヒは、難解な知識を記した禁書を盗用した罪で捕まってしまった。彼の手がその日以降、二度と筆を握ることはなかったという。


吟遊詩人コクの尺骨

宗教裁判官にとって、高揚感を生み出す音楽は軽蔑の対象であった。コクは公の場で、聖職者への風刺を込めた音楽を演奏していた。やがて彼の処刑が引き金となり、音楽は全面禁止となったのであった。


囚人ゼスの指骨

罪人ゼス・コルシカに下された判決は、独房での終身刑であった。ゼスは頭の中から聞こえるという声について、四六時中ブツブツと呟き続けていた。彼を自殺に追いやったのは、その声だったのだろうか?


宗教裁判官アシュガンの顎骨

アシュガンは教義における答えを、拷問を通して探し求めていた。司祭にすら有罪を宣告することもあった彼に残ったのは、強い後悔の念のみであった。









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最終更新:2023年01月15日 16:26