ダブルバトル指南の書 > 第1章 ダブルバトルとは何ぞや?

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執筆時期:2011年2月初稿→2023年8月改訂 著:高宮 毅彦
一部参考:「Hiro's Game Game Town(http://www.geocities.co.jp/Playtown/4342、現在閉鎖)」内「ダブルバトルを極める(投稿日:2006年6月27日、作:モルフ〔https://twitter.com/Master_of_Eifie〕)」


第1章 ダブルバトルとは何ぞや?

 シングルバトルとの違いで一番大きいのが、「互いの場に2体出ていること」である。
「そんなの分かり切っている」と思うかもしれない。だが、これがバトルに大きな影響を及ぼす。


 まず、「場の2体で相性補完や欠点の補完が可能である」ことが挙げられる。
たとえばウオノラゴンはみず・ドラゴンのタイプを持ち、両タイプの強力な技を揃えられるが、みずタイプへの対抗策がやや乏しい。また、ウオノラゴンが覚える技「エラがみ」は先手を取らないと威力が増加しないが、「すばやさ」で上回られるケースも多い。
シングルバトルであれば控えにみずタイプへの対抗となるポケモンを用意したり、あらかじめ「でんじは」などをかけたりすることが求められる。だがダブルバトルの場合、味方のポケモンで上記の問題を解決させることができる。
具体的には、ウオノラゴンの隣にサンダー原種やレジエレキなどを隣に置くことで、みずタイプに対抗できるだけでなく、「でんじは」「エレキネット」「ダイジェット」などを使ってすばやさを操作でき、ウオノラゴンが先手を取って「エラがみ」を繰り出しやすくなる。
このように、場の2体で補完関係を作り出すことで、安定した戦いが実現できるようになる。


 次に「1ターンのうちに自分のポケモンができることがシングルに比べて多い」ことが挙げられる。
たとえばダブルバトルでは攻撃技を最大で2回使うことができる。よって、攻撃技を相手の1体に集中させて(これを「集中攻撃」という)大ダメージを与えることもできる。多少耐久が高い程度であれば集中攻撃で倒せてしまう。
また、片方が攻撃、片方がそのサポートというように役割を分担させて、2体がかりで1ターンのうちにコンボを成立させることができる。
シングルではできない「味方の特性の操作」「味方の技威力や能力の強化」「天候・フィールド変化と攻撃の同時展開」など、様々なコンボの展開が可能となる。
以下はその一例である。
  • 特性「かがくへんかガス」のガラルマタドガスをレジギガスの隣に置いて、「スロースタート」を発動させなくする。
  • サマヨールの「じならし」を味方のドサイドンにぶつけて、ドサイドンの「じゃくてんほけん」を発動させる。
  • エルフーンが「にほんばれ」を使い、天候を「晴れ」にした状態で特性「サンパワー」を持つリザードンが攻撃する。
このように、シングルバトルに比べたときに大胆・大味とも言えるほどの戦術展開が可能である。


 最後に、「シングルバトルとは仕様が異なる技・特性がある」ことが挙げられる。
例えば「てだすけ」「サイドチェンジ」「このゆびとまれ」等はダブルバトル専用の技であり、シングルバトルでは「はねる」に等しい。
これ以外にも、「ねっぷう」は相手2体にダメージを与え、「なみのり」は味方を含めた3体にダメージを与える。ただし、ダメージはシングルバトルのときの3/4倍に落ちてしまう。
「リフレクター」「ひかりのかべ」「オーロラベール」は味方2体が受ける技の威力を軽減する。ただし、こちらも軽減率が1/2ではなく2/3になる。
特性「いかく」は相手2体の「こうげき」を1段階下げ、特性「おみとおし」は相手2体の「もちもの」を識別する。
このように、技・特性の効果がどのように及ぶかが1つずつ決められており、シングルバトルと同じ感覚で使うことができない。


 以上の3点が主に表れてくる大きな違いだろう。
そして、以上の3点から更に派生して、

隣同士の相性が重要になり、同時に相手も2体いることで『行動できる順番』が勝負を左右する」こと、
「集中攻撃や、2体以上に当たる技の存在によってシングルに比べポケモンが倒されやすくなっている」こと、
事実上ダブル(トリプル)専用の技がいくつもあり、これらをもとにしたコンボが非常に多くある」こと、

などが現れ出てくる。
以下の項では、「行動できる順番」や「味方との相性」の問題として「行動順と縛り」
また、「戦術の幅の広さ」や「ダブルならではの要素」として「コンボ」
この2つを「ダブルの2大要素」として詳しく解説することにしよう。
最終更新:2021年02月17日 21:19