第3章 ダブル2大要素その2:コンボ
ダブルバトルでは、2匹がかりで行う「コンボ」が多く見られる。
シングルであれば「ステルスロック」→「あくび」や「みがわり」→「バトンタッチ」など、1匹で複数ターンにわたって行うコンボが主となるが、ダブルでは即効性を重視し2匹がかりで1ターンのうちに決めるものが多い。
最も手軽なのが「てだすけ」で、味方の火力を1.5倍にする。たとえ自身の火力が低くても味方の火力を上げれば、自身がわざわざ攻撃する以上のダメージを相手に与えることもできる。
主なコンボ集
これから紹介するのはほんの一部であり、未開発のコンボも沢山眠っている。
〈範囲攻撃系〉
◆2体攻撃+2体攻撃
至って単純。2体攻撃を相手に2回ぶつけるだけ。
2体攻撃は「いわなだれ」「ねっぷう」「マジカルシャイン」「ハイパーボイス」「ふぶき」「ワイドフォース」「こごえるかぜ」「エレキネット」「だくりゅう」「ふんか」「しおふき」「バークアウト」など。
異なったタイプの技2連発は受け辛く中々の恐怖。同じ技2連発でもそれなりに脅威。
◆3体攻撃+「まもる」「ワイドガード」
3体攻撃を使う場合の基本となるコンボ。自分にも当たってしまう攻撃を「まもる」や「ワイドガード」を使うことで防ぐ。
3体攻撃は「じしん」「ほうでん」「なみのり」「ヘドロウェーブ」「ふんえん」「ばくおんぱ」「だいばくはつ」「じばく」など。
「フェイント」注意!
「みがわり」でもよいが3体攻撃発動の前に壊れないように。
◆3体攻撃+その攻撃を無効化できるポケモン
具体的には「だいばくはつ」+「ゴーストタイプ」や「なみのり」+「ちょすい」「かんそうはだ」など。
無効化できるポケモンで「てだすけ」等のサポートを入れると更に強力になる。
中でも「ほうでん」+「ひらいしん」、「なみのり」+「よびみず」は隣の「とくこう」が上昇するので非常に便利。
特性「テレパシー」であればあらゆる3体攻撃と組ませることができる。
◆3体攻撃+2体攻撃
上記の応用。
3体攻撃を無効化できるポケモンが更に範囲攻撃を使うことでラッシュができあがる。
例えばガブリアスの「じしん」とリザードンの「ねっぷう」、サンダー原種の「ほうでん」とランドロスの「いわなだれ」、ランドロスの「じしん」とサーナイト(テレパシー)の「マジカルシャイン」、キングドラの「なみのり」とトリトドン(よびみず)の「こごえるかぜ」など。
◆3体攻撃+3体攻撃
更に応用。
組み合わせによっては味方も被害を受けてしまうが、1/4程度に抑えられるならそこまで支障はない。
例えばサンダー原種の「ほうでん」とランドロスの「じしん」、ルンパッパの「なみのり」とトリトドンの「なみのり」など。
◆「ねこだまし」+範囲攻撃
「ねこだまし」で片方を妨害して範囲攻撃を繰り出しやすくさせるもの。
特にダメージを貰うと威力が下がる「ふんか」や「しおふき」、「すばやさ」を下げて行動順番を遅らせる「こごえるかぜ」「エレキネット」との相性がよい。
◆「このゆびとまれ」「いかりのこな」「ファストガード」+範囲攻撃
上の「ふんか」「しおふき」に特化した版。
「このゆびとまれ」「いかりのこな」である程度の攻撃を吸い寄せるか、「ファストガード」で先制での妨害を防ぐことで、隣で安全に「ふんか」「しおふき」を撃つことができる。
初手の「ねこだまし」にくれぐれも注意。「ファストガード」とは純粋な「すばやさ」勝負になる。
◆「フェイント」+範囲攻撃
「フェイント」で「まもる」「みきり」「ワイドガード」を解除することで範囲攻撃を確実に決める。
3体攻撃の場合味方に当たらないように。
◆「ほろびのうた」+「かげふみ」
「ゆっくりしんでいってね!!!」
なお「とんぼがえり」「ボルトチェンジ」「クイックターン」「すてゼリフ」そしてゴーストタイプ(特にギルガルド)には無力のため対策を練る必要がある。
〈天候系〉
◆天候変化特性持ち+天候の恩恵を受けるポケモン・技
例えば「あめふらし」ペリッパーと「すいすい」キングドラを同時に場に出すことによって、キングドラが超速で強力なみず技を使えるようになる。
もちろん天候を変えられるとその瞬間に弱体化するため、相手に天候変化要素がないかどうか注意すること。
◆天候変化+「すいすい」「ようりょくそ」「すなかき」「ゆきかき」
そのターン内に天候を変えることで、天候によって「すばやさ」が倍化する特性を発動させて速攻をかける。第8世代から可能になったコンボ。
主に天候変化特性持ちを交代で出すことで発動させるが、技によって天候を発動させてもよい。
〈フィールド系〉
◆フィールド変化特性持ち+フィールドの恩恵を受けるポケモン・技
例えば「サイコメイカー」イエッサンと技「ワイドフォース」「トリックルーム」を覚えたサーナイトを同時に出すことによって、「ワイドフォース」を相手2体にぶつけることができる他、先制技を防ぎつつ「トリックルーム」を使うこともできる。
フィールドは天候に比べて変えられる可能性が少ないが、上書きの可能性に注意すること。
〈トリックルーム系〉
◆「トリックルーム」+遅いポケモン
5ターンの間すばやさを逆転させ、遅いポケモンから攻撃できるようになる。
シングルでは自身もある程度攻撃する必要があるが、ダブルでは隣に任せることができる。
だが「トリックルーム」のコンボという点で言えば下記に挙げる発動に使うコンボの方が有名。なぜならトリックルームは全技の中で最も優先度が低く(-7)、発動の邪魔をされやすいから。
◆技「ねこだまし」+「トリックルーム」
発動コンボその1。相手1体を封じて隙を作る。
自分より速い「ねこだまし」持ちに弱く、かといって速いポケモンを用意しようにも今度は「トリックルーム」との相性が微妙になってしまう。
発動要員がゴーストタイプならその心配はないと思いきや、特性「きもったま」持ちの「ねこだまし」は食らってしまうので要注意。
◆技「このゆびとまれ」「いかりのこな」+「トリックルーム」
発動コンボその2。「トリックルーム」持ちが技を受けるのを防ぐ。
ただしどちらも「ねこだまし」より優先度が1低い(+2)ため、これまた「ねこだまし」に弱い。
◆技「おさきにどうぞ」+「トリックルーム」
発動コンボその3。この技を隣に使うことで、優先度を無視して隣がすぐ「トリックルーム」を使える。
だが「おさきにどうぞ」は優先度0のため、先制して使うには「すばやさ」が高くないといけない。しかしそうなると「トリックルーム」との相性がこれまた微妙になる。そして優先度0のせいで「ねこだまし」にも弱い。
◆技「ファストガード」+「トリックルーム」
発動コンボその4。ほぼニャオニクス(いたずらごころ)専用。辛うじてクロバットやファイアローも有効。相手の「ねこだまし」を確実に防ぐことができる。
範囲攻撃や「ちょうはつ」「いばる」等には弱い。
◆特性「アロマベール」「マジックミラー」+「トリックルーム」
発動コンボその5。「ちょうはつ」を完全に防げるため、「ねこだまし」さえ飛んでこなければ安全に「トリックルーム」を始動できる。「サイコフィールド」が展開されていればそれをも防げる。
◆特性「サイコメイカー」+「トリックルーム」
発動コンボその6。「サイコフィールド」を展開し、相手の「ねこだまし」を防ぐことができる。ただし発動要員が地面にいる必要がある。
この特性を持ち、かつ「このゆびとまれ」も持つイエッサン♀は発動サポート要員として第一級の性能を持つ。
そして上2つの要素を合わせたイエッサン♀(サイコメイカー)+ブリムオン(マジックミラー)の組み合わせはトリックルーム始動要員としてかなりの安定感を誇る。
だが彼女達であっても「いわなだれ」で怯まされて発動が失敗するリスクは防げない。怯め!
◆「ダイウォール」+「まねっこ」→「トリックルーム」
裏技的なコンボ。
「トリックルーム」を持つポケモンがダイマックスをするとこの技が「ダイウォール」になり、先制で使えるようになる。そして味方が自分に対して「まねっこ」を使うと、何と「トリックルーム」が出る。これによって先制で「トリックルーム」が使えてしまう。
なお、上記全ての発動コンボは「トリックルーム」以外に「おいかぜ」「じゅうりょく」等に流用可能。
〈場の変化系〉
◆「おいかぜ」+「すばやさ」の中途なポケモン
4ターンの間自分と味方の「すばやさ」を2倍にすることができる。
第8世代から「すばやさ」の操作が即時反映するようになったため、「おいかぜ」が決まれば隣の「すばやさ」がすぐ2倍になり、「おいかぜ」の直後に動ける可能性が高まった。
弱点は言わずもがな「トリックルーム」。
◆「じゅうりょく」+一撃必殺以外の低命中技、じめんタイプの技
5ターンの間命中率が低い技やじめんタイプの技を強引に当てることができる。
ただし、じめんタイプの技はこちらも避けることができなくなるので、たとえば味方が「じしん」を打つ場合などは注意。
また、命中率が低い技と言っても「とびげり」「とびひざげり」は「じゅうりょく」のせいで技が失敗するので、間違ってもコンボに入れないこと。
〈能力強化系〉
◆味方攻撃+「じゃくてんほけん」
第8世代注目のコンボ。
わざと味方の弱点を突くことで、味方の「じゃくてんほけん」を発動させてリミッターを解除する。「じならし」サマヨールや「なみのり」ドラパルトで味方諸共攻撃してしまうのがお手軽。
単体攻撃技でもよいが、「このゆびとまれ」「いかりのこな」で吸い寄せられないように注意。
◆味方能力強化技+攻撃技
ダイマックス技のうち「ダイジェット」「ダイナックル」「ダイアシッド」「ダイアース」「ダイスチル」、技「おたけび」「コーチング」は味方を強化する。このうち「こうげき」「とくこう」「すばやさ」が上昇する効果を持つ技は、隣にこれらの恩恵を強く受けるポケモンを並べることで効果を存分に生かすことができる。
例えばダイマックスしたウツロイドの隣にサンダー原種を置いてウツロイドが「ダイアシッド」を使うことで、ウツロイドとサンダー原種の「とくこう」が上昇し特殊技の火力が強まる。
やや毛色が異なるがカイリキーの「キョダイシンゲキ」もこれに分類され、味方が急所に当たりやすい技や使うと能力が下がる技を覚えている場合活用しやすくなる。
◆「いばる」+「キーのみ」「ラムのみ」
「いばる」で味方の「こうげき」を2段階上げ、持たせたきのみを使い回復させることによって物理火力が通常の2倍のポケモンが誕生する。
ダブルバトル草創期から続く由緒あるコンボだが、「いばる」は第8世代で習得者が大きく減少してしまい、かなり下火になった。
◆「しんぴのまもり」「ミストフィールド」+「いばる」
上記の応用。「しんぴのまもり」や「ミストフィールド」を貼ることで状態異常に強くなり、更に効果がある間は「いばる」を使いたい放題となる。
ただしこの2つを両立できるポケモンはごく僅か。
◆「いばる」→「マイペース」
こちらは特性「マイペース」持ちに「いばる」を撃ち続けて強化するもの。
「しんぴのまもり」を貼らなくていいのが利点だが「マイペース」持ちがそもそも限られるのであまりお目にかかることはない。
◆「おだてる」+上記組み合わせいずれか
「いばる」があるなら「おだてる」を基点としたコンボもあるにはあるのだが、そもそも「おだてる」所有者が少なく、能力が1段階しか上がらず爆発力に欠けてしまう。
それなら「じゃくてんほけん」で2段階まとめて上げてしまえばよいとなるため、ほとんどお目にかかれない。
◆「はらだいこ」+「じこあんじ」
通称「太鼓暗示」。
「はらだいこ」で最大まで上がった「こうげき」を「じこあんじ」でコピーし、超火力を場に2体並べて暴れるもの。
1ターン無防備なのでいかに隙を作るかがカギ。
「じこあんじ」を覚えるポケモンが大きく減少してしまったため、このコンボも下火になった。
◆「ガードシェア」+「ちいさくなる」
通称「デスラッキー」と呼ばれる鬼畜コンボの肝。
デスカーンとラッキーを並べて「トリックルーム」を使い、「ガードシェア」を味方のラッキーに使うことで物理耐久を恐ろしく引き上げる。その後「ちいさくなる」で回避ゲーム。
能力を高めきったら味方に「じこあんじ」して引き継いでもらう。
ダイマックス技が必中なのが難点だが、こちらもラッキーをダイマックスさせて「ダイウォール」で凌ぐ手もある。
◆「このゆびとまれ」「いかりのこな」+能力強化技
能力強化技を安全に使うコンボ。
「このゆびとまれ」「いかりのこな」で攻撃を吸い寄せて「からをやぶる」「つるぎのまい」「わるだくみ」等を使えば次のターンから大暴れできる。
勿論「めいそう」「ちょうのまい」「ビルドアップ」「とぐろをまく」「のろい」等でもよい。場合によっては「てっぺき」「ドわすれ」も。
範囲攻撃にはすこぶる弱いので注意。
◆「リフレクター」「ひかりのかべ」「オーロラベール」+能力強化技
シングルに比べ軽減率が下がるが、安全に能力強化技を使うのであればこちらでも可。
特に「いたずらごころ」で「リフレクター」「ひかりのかべ」が発動できるオーロンゲや、キョダイマックスで「オーロラベール」が展開できるラプラスの登場で、様々な構築が考案されている。
◆「まもる」+「つぼをつく」
実は「つぼをつく」は「まもる」を貫通する。身を守っている間に望みの能力が上げられれば大きな強化を得ることができる。
◆「シンプルビーム」+能力強化技
「シンプルビーム」を貰うことで特性が「たんじゅん」になり、能力強化技の上昇率が通常の2倍となる。
例えば特性「たんじゅん」で「コスモパワー」を使えば「ぼうぎょ」「とくぼう」が一気に2段階も上がるため、瞬時に耐久が上昇し相手の攻撃を受け切ってしまう可能性が高くなる。
味方に打つ際はそのポケモンにとって有利な特性を間違って消さないように。
◆「スピードスワップ」→遅いポケモン
この技は自分と相手の「すばやさ」の値(能力ランクではない)をそっくりそのまま入れ替えてしまう技である。よって、「すばやさ」が低いポケモンに使えば、この手のポケモンが大体耐久や火力が高いことも重なり、火力・耐久・機動力の3拍子揃った化け物が誕生する。
技を使った瞬間に「すばやさ」が反映されるため、技の直後に味方が動くことができるのも利点。
〈特性系〉
◆「プラス」+「プラス」「マイナス」
◆「マイナス」+「マイナス」「プラス」
存在からダブル向けのこの特性。横に2体並べることで「とくこう」が互いに1.5倍になる。
保有者が全てじめん弱点というのが最大の欠点。
◆「ひらいしん」+でんき弱点
◆「よびみず」+みず弱点
弱点攻撃を隣のポケモンに受けて貰うことによって身を守る。たとえばギャラドス+ドサイドン、シャンデラ+トリトドンなど。
味方の対象タイプの技も吸い寄せてしまうので注意が必要。
◆「かがくへんかガス」+デメリット特性持ち
「なまけ」「よわき」「スロースタート」といったデメリット特性を発動させなくしてしまう。
相手の特性も発動しなくなるため、特性に依存した立ち回りを崩壊させることもできる。
「かがくへんかガス」を持つポケモンが2種類に限られてしまうのが難点。
◆「いえき」「スキルスワップ」「なやみのタネ」「シンプルビーム」「なかまづくり」→デメリット特性持ち
デメリット特性を技で取り除く場合はこちらになる。
ただし「なまけ」には「なやみのタネ」「シンプルビーム」「なかまづくり」が効かないので注意!
◆「スキルスワップ」
特性を入れ替えてしまうこの技は、それだけで様々なコンボができる。
例えばクレセリアがヒードランに対して使えば、ヒードランの4倍弱点が消え、かつクレセリアはほのお無効になる。
「りんぷん」を味方に渡せれば「ねこだまし」等で一切ひるまなくなる上にダイマックス技以外の追加効果も封じ込められる。
今誰が何の特性を持っているか混乱しがちなので注意が必要。
◆「なりきり」
相手の特性をコピーする技だが、当然味方にも使える。
例えばフーディンとフライゴンで、フーディンが「なりきり」を隣に使いフライゴンの「ふゆう」になりきると、フライゴンは「じしん」を味方に当てることなく使うことができる。
このコンボはこの他にも「ちくでん」で「ほうでん」を持つサンダース、ランターン、「よびみず」で「なみのり」を持つトリトドン等で可能。
◆「なかまづくり」
相手を自分と同じ特性にする技。
使いどころが限られるが、「ようりょくそ」「プラス」「マイナス」「きもったま」「かたやぶり」などを味方に渡すことで火力増強ないし立ち回りの補助が可能になる。
なお、ブロスターがルカリオにこの技を使うと、ルカリオが真の波導の勇者になれる。
◆「ふくろだたき」+「せいぎのこころ」
自分を含めた味方の数だけ連続攻撃を行う「ふくろだたき」を使い、「せいぎのこころ」を能動的に発動させて一気に「こうげき」を上昇させる。
ダブルは大体の場合4体戦であるため、最大で4段階上昇させることができる。
なお「そうしょく」の場合技を無効化してしまうため、1回の技で1段階までしか上げられない。また「まけんき」「かちき」は味方からの能力低下では発動しない。
◆必ず急所に当たる技+「いかりのつぼ」
わざと味方に急所攻撃をぶつけて、「いかりのつぼ」を能動的に発動させる。現在の「じゃくてんほけん」コンボの前身と言えるだろうか。
始動方法は「こおりのいぶき」「やまあらし」を使う、「きょううん」+「ピントレンズ」+「急所に当たりやすい技」の3つが揃えて攻撃するなど。
たとえばケンホロウのとワルビアルを並べてケンホロウの「つじぎり」をワルビアルに使うことで発動させることができる。
〈技系〉
◆「てだすけ」+攻撃技
お手軽簡単。味方の放つ技の威力が1.5倍になる。
場合によっては普通に2回攻撃する方が強いので、「てだすけ」を行うのは火力の低い(一時的に低くなっている)ポケモンないしサポート専門のポケモンが望ましいだろうか。
味方が攻撃する前に「てだすけ」使用者が倒されても効果は有効なので、死に際「てだすけ」も有用。
間違っても「てだすけ」+「まもる」などをしないように。
◆低い「HP」ポケモンの「がむしゃら」+攻撃技
相手の耐久に関係なく確実に1体倒すことができる。
「がむしゃら」持ちが大幅に少なくなった上にランクバトルはレベル50に統一されるようになったため、成立はしづらくなった。
◆能力低下技+攻撃技
相手の能力を下げる技は、例えば「いやなおと」「うそなき」「しっぽをふる」等の技が挙げられる。また、ダイマックス技のうち「ダイアタック」「ダイホロウ」「ダイアーク」「ダイワーム」「ダイドラグーン」「キョダイホウマツ」は相手の能力を低下させる。これらのうち防御系能力を下降させる技を用いることで、味方の火力を擬似的に上昇させることができる。
たとえば「うそなき」を使った後に味方が特殊技をぶつければ、通常の2倍のダメージを相手に与えることができる。
シングルだと追加効果が活かしづらい物理「ダイアーク」や特殊「ダイホロウ」も、味方にそれぞれ特殊主体・物理主体のポケモンを並べることで大いに活かすことができる。かの一撃ウーラオスすらキョダイマックスではなくダイマックスを採用して味方の特殊主体ポケモンと組ませることがあるほど。
ただし「クリアボディ」に無力な他、「まけんき」「かちき」持ちにぶつけて倒しきれないと大変なことになる。
◆「いかりのまえば」「しぜんのいかり」+高火力技
「いかりのまえば」または「しぜんのいかり」で相手の「HP」を一気に半分にすることで、追撃で倒せる確率が上がる。
「いかりのまえば」「しぜんのいかり」共に命中率90なので、もう片方の技はできれば命中率100が望ましい。
◆使うと能力が下がる技+「くろいきり」
例えば「りゅうせいぐん」+「くろいきり」で次のターンも前のターンと同じ威力の「りゅうせいぐん」を使うことができる。このほか「ばかぢから」「インファイト」と組ませてもよい。
「くろいきり」は「クリアボディ」「しろいけむり」、状態「みがわり」の影響を受けないため、相手の能力強化やダイマックス技に対しても有効。
特性「きみょうなくすり」はこれの特性版かつ味方限定で発動するのだが、残念ながら技を使う前に発動してしまうためこのコンボには組み込めない。
◆「ふういん」→「まもる」「トリックルーム」など
「ふういん」で「まもる」や「トリックルーム」を使えなくして相手の行動の自由を奪う。「トリックルーム」対策に用いられることがある。無論「ふういん」持ちはなるべく倒されにくいポケモンがよい。
「まもる」の方はダイマックス環境において「ダイウォール」を使われ放題であるため、安定しなくなっている。
なお、「まもる」以外の「まもる」系統の技(「みきり」など)を「ふういん」できるポケモンは限られている。このため、「みきり」を覚えられるポケモンは「ふういん」対策のため「まもる」ではなく「みきり」にした方がよいと言われている。
◆「みやぶる」「かぎわける」+ノーマル技
ゴーストタイプにノーマル技・かくとう技を当てることができる。味方のノーマル・かくとう技持ちのサポートとして有用。
◆「アンコール」+「かなしばり」
直前に使った技を何度も出させると同時に、直前に使った技を封じる。これを同時に食らった相手は出せる技がなくなり、次のターン「わるあがき」しかできなくなる。
交代すれば元に戻るが、交代できない場合(例えば「アンコール」使用者が「かげふみ」ソーナンスだった場合)はどうすることもできない。
が、ダイマックスで全部台無しにさせられるので、相手がダイマックスを消化したタイミングで使うのがベスト。
◆「みずびたし」「まほうのこな」+みず・エスパーの弱点を突ける技、「どくどく」、「おにび」等
相手を強制的にみずタイプまたはエスパータイプにしてしまうことで、弱点を変更し味方で突破しやすくするほか、従来効かなかったものを無理矢理効くようにすることができる。
例えばこの技を使うと相手がナットレイであろうが「どく」状態になり、相手がシャンデラであろうが「やけど」状態になる。
ただしギルガルドは「キングシールド」でタイプを元に戻してくるので要注意!
味方に使う場合、例えばヌケニンに「みずびたし」を使うと……
◆「もりののろい」「ハロウィン」+くさ・ゴーストの弱点を突ける技等
上記とはやや種類が異なり、これら2つの技はタイプを追加する技である。このため元からタイプが2つあるポケモンはタイプが3つになる。
相手に使ってもよいが、味方に使うことでたとえばポリゴン2の弱点をかくとうからあくに変更させることができる。
◆「りんしょう」+「りんしょう」
1発目の「りんしょう」を使った時に隣が「りんしょう」を覚えていると直後に発動でき、かつ2発目は威力が2倍となる。
「フェアリースキン」等のスキン系特性のポケモンを2発目に据えておくと物凄い火力になる。
◆3種の「ちかい」
草+炎で「相手のフィールドが火の海となり、ほのおタイプ以外スリップダメージ」、炎+水で「味方ポケモンの追加効果発動率上昇」、水+草で「相手の『すばやさ』低下」。
1発目が決まると直後に2発目が発動し、2発目の威力は150となる。
◆「おさきにどうぞ」+「きあいパンチ」「ふんか」「しおふき」
先制で出すと強力な攻撃技を「おさきにどうぞ」で自分の次の番に繰り出させることができる。ただし「おさきにどうぞ」は優先度が0のため、「すばやさ」が高いポケモンで行う必要がある。
「きあいパンチ」の方は元が優先度-3であり、技を受けると失敗するため、このコンボでのサポートがほぼ必須。ただし単体攻撃なのでもう片方はフリーになるのが難点。
「ふんか」「しおふき」は「HP」が満タンの状態で最大威力になり、かつ2体攻撃であるため決まれば非常に強力。かつてこれをコータスとドレディアで行ったことで話題になった。
コンボの究極系:モルフパ
コンボをパーティ全体で行い、かつ全国のポケモントレーナーに衝撃を与えたのが『ダイヤモンド・パール』時代に登場した通称「モルフパ」である。
全国制覇を成し遂げた当時の構築をここに紹介する。
ドーブル(レベル1) ねこだまし このゆびとまれ ダークホール がむしゃら 持ち物:きあいのタスキ
ドータクン トリックルーム さいみんじゅつ ジャイロボール だいばくはつ 持ち物:カゴのみ
カビゴン おんがえし ほのおのパンチ みがわり はらだいこ 持ち物:オボンのみ
メタグロス バレットパンチ じしん いわなだれ じこあんじ 持ち物:ラムのみ
(この当時のルールによりパーティメンバーは4匹まで、はがねタイプは当時ゴーストとあくを半減し、フェアリータイプは存在していなかった。またレベルは49未満の場合そのまま反映されていた)
このパーティは「このゆびとまれ」or「ねこだまし」+「トリックルーム」、低レベルの「がむしゃら」+隣の追撃、「はらだいこ」+「じこあんじ」という3つの強力なコンボを1つのパーティに集約させ、さらに「ダークホール」や「さいみんじゅつ」で相手の動きを止める手段も完備した、非常に完成度の高いパーティである。
これは第4世代で組まれたものであり現在そのままでは通用しないが、ここまで作り込まれたコンボ主体のパーティはそれ自体切り崩すのが大変に難しい。
(現に優勝した当時、地区予選、全国決勝リーグを通じて10戦以上も行っているが負けたのは僅かに1回のみだったという。当時はオンライン大会がなかったことを考慮しても恐るべき勝率である)
ここまでがっちりと組めれば理想的ではあるが、そうでなくても天候や「てだすけ」「じゃくてんほけん」は手軽かつ強力な戦術になりえるので、是非採用しておきたい。
まとめ
以上で見てきたように「コンボは多岐に渡り、その大半が1ターンに一気に決めることを目的とする」。
奇襲からパーティの中心的な役割を担うものまで様々あり、この点でも「味方とのコンビネーション」が試される。
ただ何となく戦うより少しでもコンボを取り込んでいくと、よりダブルらしく戦えるだろう。
最終更新:2023年08月06日 13:59