【対窃盗専用究極兵装型貯金箱(アーマードコア)】の異名を持つ最強の貯金箱、という謎的存在だ。
購買部で売っているキティピッグ〝blue-mountain〟のプロトタイプとして創られた初期型一号である。
量産型が汎用であったのに対し、こちらは撃退に重きを置いた兵装がなされたアルティメットウェポン(究極兵装)に位置づけられる。
足を動かしたりすることはできないが、下っ腹からのジェット噴射によって飛行が可能だ。
また、臀部にもブーストを三基搭載し、噴射によって音速を超える飛行が可能である。
兵装は、御馴染みの高圧電流を纏うスタン装甲、9mmホーミング弾頭ピストル、サーモグラフ、パッシブソナー、レーザーアイなどが装備されている。
汎用型と異なる点は、あらゆる武装が受けた際に及ぼすダメージで、下手すると死ぬということだろうか。
ただし、汎用型以上の武装過多により、内部の貯金スペースが極端に削られてしまった。
だが、持ち主のナオは、そんなことを気にした風もなく、今もソフトを買ってはインストールして青山強化に努めている。
彼女曰く、青山は良き友であるらしい。
購買部で売っているキティピッグ〝blue-mountain〟のプロトタイプとして創られた初期型一号である。
量産型が汎用であったのに対し、こちらは撃退に重きを置いた兵装がなされたアルティメットウェポン(究極兵装)に位置づけられる。
足を動かしたりすることはできないが、下っ腹からのジェット噴射によって飛行が可能だ。
また、臀部にもブーストを三基搭載し、噴射によって音速を超える飛行が可能である。
兵装は、御馴染みの高圧電流を纏うスタン装甲、9mmホーミング弾頭ピストル、サーモグラフ、パッシブソナー、レーザーアイなどが装備されている。
汎用型と異なる点は、あらゆる武装が受けた際に及ぼすダメージで、下手すると死ぬということだろうか。
ただし、汎用型以上の武装過多により、内部の貯金スペースが極端に削られてしまった。
だが、持ち主のナオは、そんなことを気にした風もなく、今もソフトを買ってはインストールして青山強化に努めている。
彼女曰く、青山は良き友であるらしい。
普段は可愛い豚の貯金箱で、「ぶうぶう」と鳴くのが愛らしいのだが、男を相手にすると急激に態度が変わり、強力なまでのハードボイルド超重低音ボイスで人生について諭す。含蓄のある言葉を語ることから、一部の人々(男限定だが)から相談を持ちかけられることも多い。
だが、普段の彼は多くを語らない。あくまで佇み、春には桜、夏には月、秋には紅葉、冬には雪、それらの四季を眺めて世界を感じ、過去を想って未来を愁う。それが青山という男、いや、豚なのだ。
そして、ひとたび相談者が現れると漢気溢れる彼は、必ずなにかしらの助言を残してくれるという。
一時期、逆襄が本科を挫折しそうなほどスランプを抱えていた頃、「俺には、〝この先〟なんてないのとちゃうやろか? ……もう、どないしたらいいかわからん」と自重気味に呟いたところ、青山さんはこう云った。
「……坊主、確かめたのか?」
「な、なにをや?」
「先のこと……確かめたのか?」
「そんなん……無理やろ?」
「ああ、そうだな。無理に違いねぇ。だからよ、今からソイツを確かめに行くんだろ?」
「え?」
「未来って……ところによ」
「アンタ……」
「生き方しだいで死に方が選べる。いい時代だぜ………明日は、晴れるかねぇ」
そう呟いた青山さんの瞳からは、逆襄の心が晴天に恵まれるようにと祈る老成した輝きが見えたという。
嘘か真か、しかし、少なくとも一時のスランプを乗り越え、逆襄が大躍進を果たしたことは、紛れもない事実である。
因みに、青山さんのハードボイルドっぷりを知る人間は、青山さんを見かけると「お疲れッス!」と腰を深く折って畏敬の念を示すという。
実は、青山という苗字の他にも、一握り(ナオが知っているかも不明)しか知らない名前があり、本名は、重たい蔵と書いて重蔵というらしい。
誰が付けたかは定かでないが、逆襄などは、青山さんのことを密かに「重蔵さん」と呼ぶ。
だが、普段の彼は多くを語らない。あくまで佇み、春には桜、夏には月、秋には紅葉、冬には雪、それらの四季を眺めて世界を感じ、過去を想って未来を愁う。それが青山という男、いや、豚なのだ。
そして、ひとたび相談者が現れると漢気溢れる彼は、必ずなにかしらの助言を残してくれるという。
一時期、逆襄が本科を挫折しそうなほどスランプを抱えていた頃、「俺には、〝この先〟なんてないのとちゃうやろか? ……もう、どないしたらいいかわからん」と自重気味に呟いたところ、青山さんはこう云った。
「……坊主、確かめたのか?」
「な、なにをや?」
「先のこと……確かめたのか?」
「そんなん……無理やろ?」
「ああ、そうだな。無理に違いねぇ。だからよ、今からソイツを確かめに行くんだろ?」
「え?」
「未来って……ところによ」
「アンタ……」
「生き方しだいで死に方が選べる。いい時代だぜ………明日は、晴れるかねぇ」
そう呟いた青山さんの瞳からは、逆襄の心が晴天に恵まれるようにと祈る老成した輝きが見えたという。
嘘か真か、しかし、少なくとも一時のスランプを乗り越え、逆襄が大躍進を果たしたことは、紛れもない事実である。
因みに、青山さんのハードボイルドっぷりを知る人間は、青山さんを見かけると「お疲れッス!」と腰を深く折って畏敬の念を示すという。
実は、青山という苗字の他にも、一握り(ナオが知っているかも不明)しか知らない名前があり、本名は、重たい蔵と書いて重蔵というらしい。
誰が付けたかは定かでないが、逆襄などは、青山さんのことを密かに「重蔵さん」と呼ぶ。
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