マッドサイエンティスト達によって秘密裏に行われていたMLP(Making of Legend Project=伝説創造計画)の第一サンプルとして作られたトランスジェニック。外見は、薄い金の毛並みを持つ30cm程の体長で、やや小柄。外見上は完全な梟で、毛色が金である事をのぞけば何ら目立った所はない。
ただ、ヴァルミネもソワレと同じく、誕生する前から生命を弄られていた。彼の場合はソワレと逆で、梟の卵の中の命に強引に人の遺伝子を組み込んだ。その時は同時に50種ほどの生命に同じやり方を試していたのだが、誕生する事が出来たのはヴァルミネだけであった。ヴァルミネは成功に喜んだ科学者達によって【ミネルヴァ(黄昏に飛ぶ智慧)】と名付けられた。
ただ、彼がMLPの研究所に居たのは五年の間だけだった。何故なら、ヴァルミネの研究は五年で完了したからだ。
その後の彼にもう用はなく、留まるも出て行くも自由と言う選択肢が与えられた(研究者達は倫理も正義も踏みにじるが、悪人という訳ではなかった)。そこで彼は『私は何をすべきか分からない。それ故に、私は探すべきものを追って行く』と研究者達に告げて飛び去っていった。余談であるが、ソワレが誕生したのはこの時より三ヶ月後、同じ場所である。ソワレの方は自分がMLPの素体だと公言している故に彼はその事を知っているが、彼の方はあえてその事を告げていない。
夜巌との出会いは,ソワレと同時期。やはり彼も色々とあった後、夜巌を観察対象と認めて彼の側に居着いた。最初の頃はただ夜巌を見ているだけで会話なども非常に少なく、夜巌の方も半ば空気のように扱っていたのだが、やはり半年ほど後になれば互いに普通に接するようになった。なお、それまで【ミネルヴァ】と異名をそのまま本名として用いていた彼に、『後知恵カ? ソノママで芸がナイ。狂わせて、ソウデスネェ……ヴァルミネ。うん、ソノ方がイイネ』と改名させた。ヴァルミネ自身は名前など記号と思っているが、同じ記号ならば変えても構わないと,以降はヴァルミネと名乗るようになった。彼もまたソワレと同様の理由で、ミネルヴァの名の方は知られていない。
ヴァルミネの特徴は、まず人と並ぶ知識を有する事、そして人語を発する事。その他は通常の梟と何ら変わらない。夜目が効くが近くは見えない。音を立体的に感知できる驚異的な聴力、また、羽ばたきを発さない飛行などだ。主食は肉類と魚類、ただし学園に来てから自分でハンティングを行う事はなくなり、人と同じように食事している。流石にフォークやスプーンを使ったりは出来ないが、テーブルマナーに詳しく、上品な食事の仕方をするとか。
なお、ヴァルミネは不老と長寿、そして邪眼の力を有している。これは彼の遺伝子を弄っていた際に誕生した偶然の副産物である事が失われたMLPのレポートに詳細に記されていた。
その能力は比較的単純で、ヴァルミネの瞳を直視したものに起こる。起こる症状は軽度から目眩、金縛り、痙攣、失神、催眠状態への移行、重度の症状では心臓麻痺を起こす事もあるという。症状の違いは、ヴァルミネが瞳に込めた力の量と、相手の精神力の違いによって起こる。心の弱い者ならば重度の症状を引き起こし易いし、逆ならば目眩も起こさないという事だ。 つまり、ヴァルミネは先天的なサイキック能力の所有者であると言う事である。なお、彼の精神力は大分に高く、余程の精神力でもなければ彼の邪眼からは逃れられない。尤も、例え弱い心の持ち主であっても心臓麻痺にまでなる事は稀だが(ヴァルミネがあまり力を行使しない事と、単純に多少の精神防壁があれば死には至らないという二つの理由)。ただ、夜中にヴァルミネに強く睨まれれば、トップランカーでも目眩〜一時的な痙攣を起こす事はある。PTSD状態など精神が落ち着きを持っていなければ、催眠状態に容易く移行する。なお、この状態で何かの指示を(誰からでも)与えられれば、無意識のうちに動いてしまうと言う危険を孕む。余談だが、ヴァルミネが夜巌の元で生活するまでは、野鼠などを邪眼で行動不能にしてから食すと言う百発百中のハンティングを行っていた。
性格は落ち着きがあり,老練とも言える。行動的なソワレに対してヴァルミネは沈思黙考を常とし、行動を起こす事は少ない。遠くから何かを観察する事は多いが、その現場に近づいたり関与したりする事は滅多になく、『傍観者気取り』とはソワレの弁。昼間は不夜城のどこかで眠り、夜中になれば飛び立っていく。稀に夜巌の肩に乗って移動する事はあるが、基本的には一匹で行動する事が多い。
余談だが、ノースヤードでは『右肩にソワレ、左肩にヴァルミネを乗せている夜巌を見たら願いが叶う』という根も葉もない都市伝説じみた噂がある。これは単に彼ら三人(一人と二匹)がそれぞれ一人一党的性格である為、揃う事の珍しさを語ったものが発祥だとは思われる。なお、広めたのは当然ながら二三四の新聞である。
見た目にそぐわず(といっても実際に40年近く生きているから,ある意味当然かも知れないが)思慮深く、かなりの含蓄を持つ。理知的でもあり、やや悲観的な点と言葉が哲学的に過ぎる点が欠点ではあるが、温厚な善梟。また、誰に対しても一様に大人な対応をする事から、ソワレには『おじーちゃん』と慕われている(皮肉ではない)。夜巌に対して『人は死ぬ。早いか遅いか。それだけであり、他の事は全て余分な事。なぜ,誰が、何の為に。そのような事に意味はない』と語った事も、雨月に対して『受け入れたくなければ逆らうといい。失いたくないなら従うといい』と告げた事もある。
奇人変人狂人揃いのノースヤード不夜城に生きているが故にあまり知られていないが、中央の重蔵のように助言をくれる事もある。ただ、彼の助言はおよそ哲学的に過ぎ、理解できない事も多い。しかし、不夜城の面々をして【賢者】の異称を与えられた事から、その言葉が重く要な言葉である事に疑いはない。理解できるかどうか、その点でヴァルミネを賢者と思うか愚者と思うかの意見の違いが出て来るのだ。
ただ、夜以外は滅多に外に出ない(出れない)事、外出時は闇の中から事象を観察しているだけである事が殆どなため、ヴァルミネと接触を持つ事ができるものは少ない。
ただ、ヴァルミネもソワレと同じく、誕生する前から生命を弄られていた。彼の場合はソワレと逆で、梟の卵の中の命に強引に人の遺伝子を組み込んだ。その時は同時に50種ほどの生命に同じやり方を試していたのだが、誕生する事が出来たのはヴァルミネだけであった。ヴァルミネは成功に喜んだ科学者達によって【ミネルヴァ(黄昏に飛ぶ智慧)】と名付けられた。
ただ、彼がMLPの研究所に居たのは五年の間だけだった。何故なら、ヴァルミネの研究は五年で完了したからだ。
その後の彼にもう用はなく、留まるも出て行くも自由と言う選択肢が与えられた(研究者達は倫理も正義も踏みにじるが、悪人という訳ではなかった)。そこで彼は『私は何をすべきか分からない。それ故に、私は探すべきものを追って行く』と研究者達に告げて飛び去っていった。余談であるが、ソワレが誕生したのはこの時より三ヶ月後、同じ場所である。ソワレの方は自分がMLPの素体だと公言している故に彼はその事を知っているが、彼の方はあえてその事を告げていない。
夜巌との出会いは,ソワレと同時期。やはり彼も色々とあった後、夜巌を観察対象と認めて彼の側に居着いた。最初の頃はただ夜巌を見ているだけで会話なども非常に少なく、夜巌の方も半ば空気のように扱っていたのだが、やはり半年ほど後になれば互いに普通に接するようになった。なお、それまで【ミネルヴァ】と異名をそのまま本名として用いていた彼に、『後知恵カ? ソノママで芸がナイ。狂わせて、ソウデスネェ……ヴァルミネ。うん、ソノ方がイイネ』と改名させた。ヴァルミネ自身は名前など記号と思っているが、同じ記号ならば変えても構わないと,以降はヴァルミネと名乗るようになった。彼もまたソワレと同様の理由で、ミネルヴァの名の方は知られていない。
ヴァルミネの特徴は、まず人と並ぶ知識を有する事、そして人語を発する事。その他は通常の梟と何ら変わらない。夜目が効くが近くは見えない。音を立体的に感知できる驚異的な聴力、また、羽ばたきを発さない飛行などだ。主食は肉類と魚類、ただし学園に来てから自分でハンティングを行う事はなくなり、人と同じように食事している。流石にフォークやスプーンを使ったりは出来ないが、テーブルマナーに詳しく、上品な食事の仕方をするとか。
なお、ヴァルミネは不老と長寿、そして邪眼の力を有している。これは彼の遺伝子を弄っていた際に誕生した偶然の副産物である事が失われたMLPのレポートに詳細に記されていた。
その能力は比較的単純で、ヴァルミネの瞳を直視したものに起こる。起こる症状は軽度から目眩、金縛り、痙攣、失神、催眠状態への移行、重度の症状では心臓麻痺を起こす事もあるという。症状の違いは、ヴァルミネが瞳に込めた力の量と、相手の精神力の違いによって起こる。心の弱い者ならば重度の症状を引き起こし易いし、逆ならば目眩も起こさないという事だ。 つまり、ヴァルミネは先天的なサイキック能力の所有者であると言う事である。なお、彼の精神力は大分に高く、余程の精神力でもなければ彼の邪眼からは逃れられない。尤も、例え弱い心の持ち主であっても心臓麻痺にまでなる事は稀だが(ヴァルミネがあまり力を行使しない事と、単純に多少の精神防壁があれば死には至らないという二つの理由)。ただ、夜中にヴァルミネに強く睨まれれば、トップランカーでも目眩〜一時的な痙攣を起こす事はある。PTSD状態など精神が落ち着きを持っていなければ、催眠状態に容易く移行する。なお、この状態で何かの指示を(誰からでも)与えられれば、無意識のうちに動いてしまうと言う危険を孕む。余談だが、ヴァルミネが夜巌の元で生活するまでは、野鼠などを邪眼で行動不能にしてから食すと言う百発百中のハンティングを行っていた。
性格は落ち着きがあり,老練とも言える。行動的なソワレに対してヴァルミネは沈思黙考を常とし、行動を起こす事は少ない。遠くから何かを観察する事は多いが、その現場に近づいたり関与したりする事は滅多になく、『傍観者気取り』とはソワレの弁。昼間は不夜城のどこかで眠り、夜中になれば飛び立っていく。稀に夜巌の肩に乗って移動する事はあるが、基本的には一匹で行動する事が多い。
余談だが、ノースヤードでは『右肩にソワレ、左肩にヴァルミネを乗せている夜巌を見たら願いが叶う』という根も葉もない都市伝説じみた噂がある。これは単に彼ら三人(一人と二匹)がそれぞれ一人一党的性格である為、揃う事の珍しさを語ったものが発祥だとは思われる。なお、広めたのは当然ながら二三四の新聞である。
見た目にそぐわず(といっても実際に40年近く生きているから,ある意味当然かも知れないが)思慮深く、かなりの含蓄を持つ。理知的でもあり、やや悲観的な点と言葉が哲学的に過ぎる点が欠点ではあるが、温厚な善梟。また、誰に対しても一様に大人な対応をする事から、ソワレには『おじーちゃん』と慕われている(皮肉ではない)。夜巌に対して『人は死ぬ。早いか遅いか。それだけであり、他の事は全て余分な事。なぜ,誰が、何の為に。そのような事に意味はない』と語った事も、雨月に対して『受け入れたくなければ逆らうといい。失いたくないなら従うといい』と告げた事もある。
奇人変人狂人揃いのノースヤード不夜城に生きているが故にあまり知られていないが、中央の重蔵のように助言をくれる事もある。ただ、彼の助言はおよそ哲学的に過ぎ、理解できない事も多い。しかし、不夜城の面々をして【賢者】の異称を与えられた事から、その言葉が重く要な言葉である事に疑いはない。理解できるかどうか、その点でヴァルミネを賢者と思うか愚者と思うかの意見の違いが出て来るのだ。
ただ、夜以外は滅多に外に出ない(出れない)事、外出時は闇の中から事象を観察しているだけである事が殆どなため、ヴァルミネと接触を持つ事ができるものは少ない。

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