第Ⅵ章「虚無の力」
(執筆:パラD)
出港準備の際、オットーが突如不穏な噂を耳にした。なんでも国間の戦争による属性環境のバランスが崩れ、近海に幽霊船のようなものがあるというのだ。
その船はまるで海賊船のように民間船や軍艦を問わず沈め続けているらしい・・・。
その船はまるで海賊船のように民間船や軍艦を問わず沈め続けているらしい・・・。
「急ぎの旅ではありますが夜間の出港は視界が非常に狭まります、もう夕暮れですし明朝の出発が望ましいかと・・・」
オットーの助言は確かに的を射ている、噂を目の当たりにすれば・・・だが
「なんじゃ?そんなものこちらから打って出ればよかろう、さあゆくぞ」
頑固な土竜に逆らうすべもなく夕暮れの出港を余儀なくされた・・・「ぼくより小さいガキがまぁ・・・」と愚痴をこぼすが誰にも聞こえていない
オットーの助言は確かに的を射ている、噂を目の当たりにすれば・・・だが
「なんじゃ?そんなものこちらから打って出ればよかろう、さあゆくぞ」
頑固な土竜に逆らうすべもなく夕暮れの出港を余儀なくされた・・・「ぼくより小さいガキがまぁ・・・」と愚痴をこぼすが誰にも聞こえていない
出港して小一時間経つことなく日が沈んだ
「霧が出てきましたね・・・光も乱反射しますし、より視界がわるくなります」オットーの心配はより一層増した、もちろんクルスはおねむの時間だ。
そして程なく魔導船は大きく揺れ始めた。天気は良いのに波が荒い、「これはあのときの洪水の魔法と同じ気を感じる・・・」フレイは確信はない程度だがそれを感じ取っていた
しばらくすると魔導船は大きな音を立てて何かにぶつかった、二回りも大きな黒船だがあちこちが痛んで機能を果たしていない。
「船尾に何者かがこちらを見ております」オットーには誰かが、いや何かが見えたようだ、フレイにはそれが”生き物”ではないことがわかった。
その影はどんどん数が増えているのだ、まるで粘土が積み重なって形成されるような、そんな”生き物”がいるはずもない。
「霧が出てきましたね・・・光も乱反射しますし、より視界がわるくなります」オットーの心配はより一層増した、もちろんクルスはおねむの時間だ。
そして程なく魔導船は大きく揺れ始めた。天気は良いのに波が荒い、「これはあのときの洪水の魔法と同じ気を感じる・・・」フレイは確信はない程度だがそれを感じ取っていた
しばらくすると魔導船は大きな音を立てて何かにぶつかった、二回りも大きな黒船だがあちこちが痛んで機能を果たしていない。
「船尾に何者かがこちらを見ております」オットーには誰かが、いや何かが見えたようだ、フレイにはそれが”生き物”ではないことがわかった。
その影はどんどん数が増えているのだ、まるで粘土が積み重なって形成されるような、そんな”生き物”がいるはずもない。
次の瞬間、3つの物体が黒船から魔導船に飛び込んできた。そう、その姿は魂のない存在であるゴーレム。
「へぇ、土竜様の術よりガサツだけどもよくできてるっスなぁ」
「私の風魔法はあまり効果的ではないが、こいつら程度なら・・・」
2人は精一杯の魔法を放ったが効果はいまひとつだった。しかしフレイの情けない打撃で簡単に崩れ去った、意外とそのゴーレムはもろかった。
「一つ一つにそれほどの魔法は込められていない・・・?」しかしフレイの崩したゴーレムは数秒でもとの形に戻った。
フレイ自身も同属性の加護があるという理由がもっともらしい理屈であろう、術者よりも強力な使役魔法が使えれば打ち破れるのだが・・・。
無駄とわかりつつも3人はゴーレムを破壊し続けていた。中には紫色の奇妙な顔と形をしたものがいたが、なぜかそれだけ集中的に殴り続けられて
しかも中から酸性の液体が飛び散った。
「私の風魔法はあまり効果的ではないが、こいつら程度なら・・・」
2人は精一杯の魔法を放ったが効果はいまひとつだった。しかしフレイの情けない打撃で簡単に崩れ去った、意外とそのゴーレムはもろかった。
「一つ一つにそれほどの魔法は込められていない・・・?」しかしフレイの崩したゴーレムは数秒でもとの形に戻った。
フレイ自身も同属性の加護があるという理由がもっともらしい理屈であろう、術者よりも強力な使役魔法が使えれば打ち破れるのだが・・・。
無駄とわかりつつも3人はゴーレムを破壊し続けていた。中には紫色の奇妙な顔と形をしたものがいたが、なぜかそれだけ集中的に殴り続けられて
しかも中から酸性の液体が飛び散った。
そのとき、目の前のゴーレムがすべて崩れ去った。3人は唐突の出来事に唖然とするばかり
「ふぁぁ・・・ひとつひとつの個体にきちんと心を注いで形を成さぬものは、いつかは崩れ去るのじゃ。それも世の理なり・・・じゃな」
ゴーレムも土竜様にとってどうやらおもちゃ程度の存在であったようだ。
「そうじゃろう?そこの者」
クルスの視線の先を見つめる三人、そこにはトロウの姿があった。
「ふぁぁ・・・ひとつひとつの個体にきちんと心を注いで形を成さぬものは、いつかは崩れ去るのじゃ。それも世の理なり・・・じゃな」
ゴーレムも土竜様にとってどうやらおもちゃ程度の存在であったようだ。
「そうじゃろう?そこの者」
クルスの視線の先を見つめる三人、そこにはトロウの姿があった。
「ホホウ、ワレニキガツクトハナカナカヤリマスネ・・・」
三人には聞き覚えのある声と魔力だった・・・しかし城にいたトロウより魔力が劣化しているようにも感じる
「おかしい・・・今の姿を隠す魔法は闇魔法・・・加えてゴーレムを使役する力は土魔法・・・やつは水魔法の使役者ではなかったのか・・・!?」
「オマエタチガカッテニソウキメテイタコトダ、ソレニワタシハトロウサマデハナイ」
本人ではないと言っているが確かに同じ気を感じる・・・
三人には聞き覚えのある声と魔力だった・・・しかし城にいたトロウより魔力が劣化しているようにも感じる
「おかしい・・・今の姿を隠す魔法は闇魔法・・・加えてゴーレムを使役する力は土魔法・・・やつは水魔法の使役者ではなかったのか・・・!?」
「オマエタチガカッテニソウキメテイタコトダ、ソレニワタシハトロウサマデハナイ」
本人ではないと言っているが確かに同じ気を感じる・・・
「ワガナハファントムトロウ!トロウサマノブンシンナリ!キサマラヲコノウミニトウズ!」