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魔法戦争49

最終更新:2017年11月11日 22:13

jelly

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Chapter49「ちびっこ戦記4:猫の魔女」



 アルヴの街のはずれのほうに、雲でできた森がある。
 雲しかない殺風景な景色だったので、それに飽きたアルヴの竜人が昔作ったという話をゲルダがしていた。
 雲の森はそのままだと真っ白で味気ないからか、ちゃんとあとから色が塗られているようだが、わたしに言わせればはっきり言って色彩感覚がめちゃくちゃだ。
 なんせピンクの木があったり、紫の木があったりするのだ。そんなお菓子みたいな色の木があってたまるか。ちょっとおいしそう……とか思ってしまったけど、かじったらやっぱり雲の味がした。期待させるんじゃない、まったく。

 でもブルーの木は気に入った。わたしは青い色が大好きだ。
 大空の青、澄み渡る水の青、そして故郷ニヴルヘイムの氷の青。
 そんな青い木の下にわたしは、わたしだけの隠れ家を作ることにした。
 周囲の木や草が(もちろん雲でできているけど)全部ブルーに染められているので、ここにいると故郷を思い出してすごく落ち着く。
 そこにプラッシュからもらった人類最強の発明品、ザ・ソファを置く。そしてわたしはその上で思う存分ごろごろもふもふするのだ。いえーい、ソファ最高っ! ごろごろごろごろごろもふもふもふもふ、うにゅにゅにゅにゅにゅーん。

 しかし。

 しかし、だ。

 こんな街はずれになんか誰も来ないと思っていたのに。
 ここなら誰にも邪魔されずにごろごろもふもふできると思っていたのに、最近すぐ隣にヘンなやつが引っ越してきたのだ。

 一人は金属みたいにゴツゴツした竜だ。ヴァルトと同じぐらいでかい。
 そいつはここにいるときは一日中じっとしていて全然動かない。一言もしゃべらないし、何も食べないし、そもそも微動だにしない。なんか不気味だ。

 もう一人はたぶんニンゲンのじじいだ。銀色のツメとシッポがあるけど、鱗がなかった。それに食事をするとき、被っている仮面を取ったのを見た。あれは間違いなくニンゲンの顔だ。うまく説明できないけど竜人とは雰囲気が違うからわかる。

 じじいはぶつぶつわけのわからない独り言を言いながら、くず鉄を拾い集めてきては何かわけのわからないものを作っている。
 いるんだよなぁ。ああいうガラクタを集めてきて、これは何かを作るのに必要なものなんだとか言っちゃってさ。で、結局ごみ屋敷化しちゃうってやつ。
 それでご近所トラブルとか起こすんだ。この前もサーモス? だっけ。フレイの知り合いの蛇っぽいお姉さんがやってきて、銀色じじいとケンカしていった。
「うちの壁を勝手に持っていかないでください」とか、「落ちていたから拾った。それの何が悪い」とか、そんな感じ。わたしはああはなりたくないな。

 そんなわけで、隠れ家を移転しようと考えていたところに、プラッシュがやってきた。なんでも知り合いの魔女に会いに行くところで、そのためにわたしの力を貸して欲しいんだとか。

「プラッシュぐらいの魔女なら空ぐらい飛べるだろ? こう見えても、わたしは今忙しいんだ。ご近所トラブルとか……引越しのこととか……えっと、いろいろ!」
「それは大変なときに来ちゃったわね。でもあたしもどうしてもクエリアちゃんの力が必要なのよね、困ったわ……。あ、そうだ。それじゃあ、あたしを手伝ってくれたら、クエリアちゃんの問題を解決してあげるわよ。誰にも邪魔されない自分だけの隠れ家が欲しいのよね?」
「んむっ、それは悪くない話だな。でもそんなにわたしの力が必要なのか? もしかして強い敵がいるとか? でもプラッシュのほうがわたしより強そうだけど」
「ううん。どうしてもクエリアちゃんじゃないとダメなの。いいかしら?」

 どうしてそこまでわたしにこだわるんだろうか。でも頼りにされているというのは悪い気はしない。きっと、わたしの中に眠る何かちょーぜつすごいミラクルパワーみたいなのをプラッシュは見抜いていて、その力を必要としているに違いない。
 むふーん、そこまで言うのなら仕方ないなぁ。本当はすッごく忙しいんだけど、特別に……トクベツにだぞ? このクエリア様の力を貸してやろうではないか!

「わかった。手伝う。で、誰を殺せばいいんだ? その知り合いの魔女?」
「まあまあ、焦らないで。道中説明するから。シャノを連れてくるから、あとでグリンブルスティのところで落ち合いましょ」

 それからプラッシュはあの黒猫を呼びにいった。
 あいつも一緒か……。あいつは騒がしいのでちょっと苦手だ。テレパシーを使えるから勝手に心の中とか読んでくるし。猫のくせになまいきだ。

 ニンゲンはよく犬とか猫を飼ってかわいがっている。何が面白いのかわたしにはよくわからないが、たぶん自分よりも弱い存在を支配して喜んでいるんだろう。まったく器の小さいやつらめ。

 でもちょっと楽しそうに見えたので、わたしも以前それをちょっと真似してみたことがある。犬は従順でわたしの命令に従ってくれるので、たしかにあれはやってて楽しいな、と思った。
 だけど猫は違う。あいつらはいくら命令しても知らん顔してくる。それにすぐにひっかいたり噛み付いたりして反抗的な態度を取る。シャノの印象のせいもあってか、わたしは猫はあまり好きじゃないと思っている。

 もちろんもふもふしたものは大好きだ。でもどうせまみれるなら、猫まみれより犬まみれのほうがまだいいかなぁ。なんてわたしは考えていた。
 しかしこの後、実際にわたしはまみれることになる。もふもふのそれに。ただしどっちかというと苦手なほうのそれに。




 プラッシュに案内されて向かった知り合いの魔女ティエラの家は猫屋敷だった。

 以前プラッシュが住んでいた浮島バウムヴァル。そこから大樹を背にしばらく飛んだ先に浮島アインカッツェはあった。
 バウムヴァルはピンクの家にカボチャ畑と色とりどりのお花畑でメルヘンちっくな場所だった。カラフルなくせにブルーがないのが惜しかったのをよく覚えてる。

 対してティエラの家はシックで地味な木造の建物だった。アインカッツェもバウムヴァルに似て小さな島だったが、その大部分はうっそうと覆い茂った森になっている。森の奥にある泉の隣に、ひっそりと隠れるようにその木の家が建っている。
 昼間でも薄暗い森の中を、小さなランプがほのかに照らしている。ランプの光が泉に反射してきらめく様子はちょっぴり幻想的だ。

 ニンゲンの家は小さくてわたしには入れないので、わたしはまずクルスに教えてもらった魔法でニンゲンの少女に姿を変えた。
 それから木の扉をノックすると「どうぞ」と返事がかえってきたので、そのまま扉を開けて中に入る。と、視界に飛び込んできたのは……毛玉だった。

 扉を開けるとあふれるように大量の猫の雪崩がわたしを襲った。

「にゃッ!? ふぎゃっ! ふみゅぅっ!!」

 毛玉ともふもふと肉球の奔流が容赦なくわたしを襲い、嵐のようにわたしの身体の上を通過していった。いや、まさに今のは猫の嵐。ニャーストリームだった。
 ちなみに叫び声を上げていたのは猫ではなくて、あれはわたしの悲鳴だ。

「な、なんだったんだ今のは……。侵入者を阻むトラップ?」
「ああ、言い忘れていたけどティエラちゃんは猫の魔女と呼ばれているの」
「猫の魔女の家は、扉を開けるなり猫があふれ出してくるものなのか……」

 蜘蛛の魔女とかじゃなくて本当によかった。
 そういえばプラッシュの家も扉を開けるなり、一面のぬいぐるみが視界に飛び込んできた。さすがにあふれて出しては来なかったけど、魔女の家とはそういうものなのかもしれない。
 納得したところで、気を取り直して家の中に上がらせてもらうと、木でできた質素な家は中も同様にシンプルだった。

 木のベッド。木の本棚にタンス。それからあれは……木のキャットタワー?
 何よりいやでも目につくのがそこら中にところ狭しと転がっている猫、猫、猫。
 天井のほうを見上げれば、たしかキャットウォークと言うんだっけ。木の板を打ち付けたようなでっぱりの上を猫が歩き回っている。それから柱と柱の間にはいくつかハンモックが吊るされていて、その上にも猫がどっさり乗っている。
 そのまま視線を下ろせば、柱はどれもツメのとぎ跡だらけでボロボロだ。

「まさに猫屋敷……。いや、もはや猫に占拠された屋敷だな。それで魔女のティエラはどこにいるんだ?」

 それほど広い家じゃない。部屋はひとつしかないので、さっとこの家のすべてを見回すことができる。しかしどこを見ても目に入るのは猫ばかりだ。

『ユーの目は節穴かい? 彼女ならさっきからそこにいるじゃないか!』

 するとシャノワールがすっと前に出て一匹の猫の隣に座った。
 その猫は木の椅子の上に行儀良く座っている。三毛猫だ。
 そういえば、この三毛猫だけは帽子を被っている。いかにもよく魔女が被っていそうな黒いとんがり帽子。プラッシュのピンクの帽子とは色違いだ。
 黒いとんがり帽子には赤いリボンが巻いてあって、大きな鈴がアクセサリーとしてつけられている。

「えっ、それじゃあその三毛猫が!?」

 三毛猫は二本足で立ち上がると、すっと礼をした。
 つられるように礼を返すと、三毛猫は顔を上げて言葉をしゃべった。

「よく来たね。あたいがティエラさ。猫が魔女なんてびっくりしたかい?」
「しゃべった……! シャノでさえテレパシーじゃないと話せないのに」
「ああ、そっちかい。ま、あたいはこいつとは格が違うのさ。格が、ね」

 三毛猫が二本足で立って、しかも腕を組んで胸を張って見せている。
 そりゃシャノワールを見ているから、魔法が使える猫がいてもおかしくないだろうな、とは思う。それでもシャノワールは黙っていればただの黒猫だ。テレパシー以外の方法でしゃべったりはしないし、二本足で立ったりはしない。

「まさか魔物!? はっ。もしかしてプラッシュがわたしの力が必要だと言ったのは、この魔物を倒すために!? やい魔物! 本物のティエラをどこへやった!」
「クエリアちゃん、一旦落ち着きましょう? 彼女がティエラよ」
「でも猫が立ってしゃべってるんだぞ! 化け猫だ!」
「彼女は魔女、あれは魔法よ。つまり今のクエリアちゃんと同じってことよ」

 わたしは水竜だけど、今は魔法でニンゲンの姿になっている。それと同じだとプラッシュは説明した。
 つまり、ティエラは魔女だけど、今は魔法で猫の姿になっているのだ。

「なんだいプラッシュ。もうばらしちまったのかい。面白くないねぇ」
「じゃあ、おまえが魔女なのか」
「そう言ってるだろう? あたいが猫の魔女ティエラさ!」
「本当はニンゲンだけど猫になっているのか」
「あたいは猫が好きだからね。こいつらは決してあたいを裏切らないんだ。人間とは違ってね。あたいは猫こそが最高の生物だと思っているよ」
「ふぅん……。竜よりも?」
「竜よりもさ! 人間よりも竜よりも、猫が好き。あたいの旦那も猫だよ」
「旦那さんも魔法で猫になっているのか」
「いいや。旦那は元から猫さ。うちの子は三匹で上から白と茶トラと黒で……」
「えっ? ちょっと待て。それは本気で言ってるのか。つまりおまえは本当はニンゲンなのに、わざわざ猫になって猫の子どもを産んだってことなのか!?」
「そうだよ。あたいは猫が好きだからね。何かおかしいかい?」

 いくら猫が好きだからって、そこまではまだわかるけど、だからといって猫の子どもを産むところまで行くのかフツー?
 つまり何。この魔女は雄猫相手に恋愛感情を持ったというわけで、雄猫相手に欲情したというわけで、それってつまりえっと、猫相手に……うわぁ。冗談でしょ?

 同意を求めてプラッシュのほうを振り返ると、プラッシュは平然とした顔でにっこりと笑顔を返してきた。
 そうか、そういえば魔女ってそういうやつらだったんだっけ。プラッシュはプラッシュで、生きたニンゲンや竜をぬいぐるみに変えて愛でるような変人だった。
 魔女というのはみんなどこかおかしいんだ。魔女とは変態だ。

「知ってるかい? 雄猫の生殖器にはトゲがあってちょっと痛――」
「うわぁぁぁあああぁっ! 聞きたくない! そんな情報いらないッ!」
「お譲ちゃんにはまだ早かったかな。まあ大人になればいつかわかるよ」
「わかってたまるかっ!!」

 わたしはそんな気持ち悪いことなんて絶対にしないぞ。わたしは誇り高き水竜なんだ。だからわたしの未来のお婿さんは竜族だって絶対決めてるんだ。
 獣(ねこ)が旦那さん? 絶対ありえん。

「ねぇ、クエリアちゃん。ごめんなさい。あたし、まさかクエリアちゃんがこんなに驚くなんて思ってなくて、その……」
「プラッシュ……」
「もしこれが原因で猫嫌いになっちゃかわいそうよね。だからせめてものケアとして、あなたを猫のぬいぐるみに変えるわね。猫に慣れれば万事オッケーよ」

 やめろ。全然オッケーじゃない。トラウマ増えるぞ、それ。

「それじゃダメだって。あたいが本物の猫に変えてやるよ。ここで猫たちとしばらく過ごせば、猫の良さがきっと身に染みてくるからさ」

 そんなトラウマが身に染みそうなことは勘弁してください。

『ニヒヒヒ! 猫はいいぞぉ。気楽だし自由だしごはんがおいしいし』

 クソ猫、おまえは黙ってろ。




 類は友を呼ぶ(と、こういう場合には言うらしい。クルスから聞いた)
 ぬいぐるみの魔女の知り合いは、やはりとんでもない魔女だった。
 これ以上、変態が仲間に増えるのはわたしとしては望まなかったが、プラッシュにはもふもふソファをもらったという恩がある。だから、わたしには彼女の頼みを断るという選択肢はなかったのである。それにわたし専用の隠れ家を用意してもらうという約束も、もうしてしまった。

 ぐぬぬぅ、おのれニンゲンめ。甘いえさで釣っておいて、あとでこうやって首を絞めてくるというのか。あれは罠だったというのか。
 計算ずくだったとしたのなら、なんてずる賢い。それが貴様らのやり方か。

 けれどわたしだって誇り高き竜なのだ。そしてニヴルの第二王女アクエリアス様なのだ。その名に恥じるような行いはできない。なんたって、わたしはレディーなのだから。

「まあ仕方ない。約束は約束だ。えーっと、それじゃあティエラ。実はわたしたちはお願いがあってここへ来たんだ」

 アインカッツェに来る道中、プラッシュは今回の目的をわたしに話した。
 猫の魔女ティエラは今でこそ猫にかまけているが、かつては魔女界に名を馳せる大魔女の一人で、プラッシュの次ぐらいにすごかったのだそうだ。
 いや、いきなり魔女界とか言われても知らんけど。

 それで、そんなすごい実力を隠し持っているティエラを仲間にすれば、きっとフレイの助けになるだろうということで、彼女を勧誘しにやってきたのだ。
 それを手伝うことがわたしとプラッシュとの約束。真のレディーは約束をやぶったりはしないのだ。それに約束を守らないと、わたしの隣人問題を解決してもらえない。それは困る。

 事情を一通りティエラに説明してまずは納得してもらった。
 するとどうやらティエラはある程度の理解は示してくれた。

「なるほどね。そのトロウってやつに世界が支配されたら、猫たちの居場所もなくなってしまう。それはあたいとしても困った話だ」
「そうだろう? だから、どうかわたしたちに力を貸して欲しい」
「わかったよ。引退したような身だけど、あたいの力が役立つなら使ってくれ」

 思ったより素直な反応だった。あれ、もしかして今回は楽勝なんじゃないの?
 この調子なら、すぐに帰ってプラッシュにわたしだけの隠れ家をもらって、存分にソファのもふもふを堪能することができそうだ。
 そう思ったのも束の間、

「けどトロウを倒すって言ったって相当強いんでしょ、そいつ? 倒さなきゃって意見には賛成だけど、あたいは無謀は戦いはしない主義でね。だから、あたいを仲間に加えたいなら、まずはそちらの実力を示してもらわないとね!」

 ティエラが手をかざすと、どこからともなく杖が飛んできてその手に収まった。
 そして蜘蛛の子を散らすように、あちこちに落ちていた猫たちがさっと姿を消すと、ティエラの杖の先からは赤く燃え盛る炎の球が浮かび上がる。
 深く被った魔女帽子からは、炎のように赤く輝く眼と、不敵な笑みを浮かべる口元が見えた。

「さあ、あんたの実力をあたいに見せてみなよ! もしあたいを倒せたのなら仲間になってやる。まさか覚悟もなしに魔女の家にのこのこやってきたわけじゃないんだろう!?」

 えっ、と思ってプラッシュのほうを振り返った。
 相変わらずぬいぐるみの魔女は平然と笑顔を返してくる。

(わたしの力が必要だというから来てみたら、こういうことか――!!)

 何か騙されたような気もするけど、今さら何を言っても仕方がない。
 やるというからには、わたしだって全力でやる。だってレディーだもん。

「なるほど。いいだろう。わたしはかの大国ニヴルヘイムの第二王女、アクエリアス様だぞ! ニンゲンの魔女ごときに遅れを取るほどニヴルの竜はやわじゃないってことを教えてやる! おまえこそ覚悟しろっ!」


Chapter49 END

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