信頼関係

>もう壊す必要はない。味わって飲むがいい
自販機で飲み物を買えること
それは当たり前の幸せではない
それは当たり前の幸せではない
レアリティ:☆☆☆
効果詳細
効果発動テンションフェーズ1
効果対象:条件を満たしたキャラクターのみ
効果対象:条件を満たしたキャラクターのみ
Lv.1、増幅段階(凸)1時点
操作キャラクターのHPが25%以下になったとき、HP上限の18%分回復する。
フィールド上に【混沌】が30以上存在する場合、再度発動可能になり、効果発動後、全員の【混沌】が失われる。
操作キャラクターのHPが25%以下になったとき、HP上限の18%分回復する。
フィールド上に【混沌】が30以上存在する場合、再度発動可能になり、効果発動後、全員の【混沌】が失われる。
Lv.50、増幅段階(凸)5時点
操作キャラクターのHPが25%以下になったとき、HP上限の100%分回復する。
フィールド上に【混沌】が30以上存在する場合、再度発動可能になり、効果発動後、全員の【混沌】が失われる。
操作キャラクターのHPが25%以下になったとき、HP上限の100%分回復する。
フィールド上に【混沌】が30以上存在する場合、再度発動可能になり、効果発動後、全員の【混沌】が失われる。
【混沌】
最大50スタック。
パーティーメンバーの場合、スタック数に応じて、自身のクリティカル率を0.5%増加する。
エネミーの場合、スタック数に応じて、自身の攻撃力を1%増加する。
【混沌】状態で、パーティーメンバーがダメージを受ける、ジャスト回避に成功する、カウンターに成功することのいずれかで全員に1スタック付与する。
15秒間スタックが増加しなかったとき、スタックはすべて失われる。
最大50スタック。
パーティーメンバーの場合、スタック数に応じて、自身のクリティカル率を0.5%増加する。
エネミーの場合、スタック数に応じて、自身の攻撃力を1%増加する。
【混沌】状態で、パーティーメンバーがダメージを受ける、ジャスト回避に成功する、カウンターに成功することのいずれかで全員に1スタック付与する。
15秒間スタックが増加しなかったとき、スタックはすべて失われる。
ストーリー
買い出しついでの至福
その日、西郷とえのきは物資調達のために街に繰り出していた。
えのきが道端の自販機にかぶりついて離れなくなったのは、目的のスーパーに着く直前のタイミングだった。
えのきが道端の自販機にかぶりついて離れなくなったのは、目的のスーパーに着く直前のタイミングだった。
「わー、おしるこぉー! あっまそ~」
自販機に並ぶ汁粉の缶を見ると、ボタンを連打しながらよだれを垂らす。
無駄な道草などしたくない西郷は、腕を引いて動くよう促す。
無駄な道草などしたくない西郷は、腕を引いて動くよう促す。
「…行くぞ」
「えー、やーだー! 飲むまで動くたくなーい」
「えー、やーだー! 飲むまで動くたくなーい」
えのきは抵抗して、西郷の手に嚙みつこうとする始末。
「…全く、相変わらずだな」
えのきが空腹を訴えたら、何か食べさせるまで落ち着かないのはいつものことだ。
西郷は自販機のドア部分のカギを確認した。鉄パイプか何かで叩けば、壊して開くことができそうだ。辺りに使えそうなものが落ちていないか視線を走らせたところで…ふと我に返った。
そっとポケットに手を入れると、指先に小銭の感触が伝わってくる。
オオタにいた頃は、自販機の中身が欲しければ壊して手に入れるのが当たり前だった。
だが、今は…。
西郷は自販機のドア部分のカギを確認した。鉄パイプか何かで叩けば、壊して開くことができそうだ。辺りに使えそうなものが落ちていないか視線を走らせたところで…ふと我に返った。
そっとポケットに手を入れると、指先に小銭の感触が伝わってくる。
オオタにいた頃は、自販機の中身が欲しければ壊して手に入れるのが当たり前だった。
だが、今は…。
「間違っても強盗なんかしないように。そのためのお金なんだから」
物資調達のためのお金を渡される時、カズキから冗談半分でそう言われたことを思い出した。
――染みついた癖は抜けないものだな…。
自嘲しながら小銭を取り出すと、コイン投入口に入れた。ボタンを押すと、軽快に転がる音を立てて、汁粉が取り出し口に落ちてきた。自分の缶コーヒーもついでに買う。
汁粉を手渡すと、えのきはそれを高々と持ち上げて飛び上がった。
汁粉を手渡すと、えのきはそれを高々と持ち上げて飛び上がった。
「おしるこゲット、いえーい! あんこ、どばばば~ん!」
そんなに汁粉がほしかったのか…?
そう思いながら、缶コーヒーの蓋に指先をかけたとき、
そう思いながら、缶コーヒーの蓋に指先をかけたとき、
「壊さないで買ったの、初めて~。記念のおっしるこ~♪」
えのきの言葉に西郷はハッとした。
お金で自販機の物を買うのは確かに新鮮な体験だ。奪うのではなく、買う生活の中に自分たちはいる…。
お金で自販機の物を買うのは確かに新鮮な体験だ。奪うのではなく、買う生活の中に自分たちはいる…。
えのきはさっそく汁粉を飲んでいた。その顔は、やさしく微笑んでいる。
甘さに舌鼓を打っているようにも、今に至福を感じているようにも見えた。
甘さに舌鼓を打っているようにも、今に至福を感じているようにも見えた。
「なるほど…これが人並みの生活というものか」
ゼロに支配された混迷を極めた世界ではあるが、いつ飢えて死ぬかわからなかったオオタに比べたら、その点に関しては幾分か恵まれているのかもしれない。
対して確認せずに買ったコーヒーは、微糖だった。そっと口に含む。
対して確認せずに買ったコーヒーは、微糖だった。そっと口に含む。
…旨いな。
思わずそんな言葉が漏れるやわらかい甘さが、口の中に広がった。
添付ファイル