ヴァンキッシュ - TRIBE NINE WIKI | トラナイウィキ

ヴァンキッシュ

＞暖かい…久しぶり…安心して朝を迎えるなんて

一体いつ以来だろうか
こんなに深く眠って迎えた朝は

レアリティ：☆☆☆

効果詳細

効果発動テンションフェーズEx
効果対象：条件を満たしたキャラクターのみ

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Lv.1、増幅段階（凸）1時点
プライマリ攻撃、またはセカンダリ攻撃がヒットしたとき、それらのダメージ倍率を7.2％増加する。
【再構成】のスタック数に応じて、さらにプライマリ攻撃およびセカンダリ攻撃ダメージ倍率を0.28％増加する。

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Lv.50、増幅段階（凸）5時点
プライマリ攻撃、またはセカンダリ攻撃がヒットしたとき、それらのダメージ倍率を40％増加する。
【再構成】のスタック数に応じて、さらにプライマリ攻撃およびセカンダリ攻撃ダメージ倍率を1.6％増加する。

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【再構成】
最大50スタック。
スタック数に応じて、自身のクリティカルダメージ倍率を0.1％増加する。
5秒間スタックが増加しなかったとき、スタックはすべて失われる。

ストーリー

柔らかな朝陽に抱かれて

レースカーテンを透かす柔らかな朝日に目を細めながらミウは思う。
こんなによく眠れた夜は久しぶり。
心地がいい。気持ちが穏やかだ。
仲間たちと過ごしている日々が、自分に安息を与えていることを実感する。
脳裏には、昨晩の余韻が残っていた。

「女子会…ああいうものだったのね…」

ツキとえのきに誘われて、女子だけの集まりに参加した。
部屋でお菓子を食べながら、他愛のない会話をする。
劇的なことは起こらない。殺伐としたこともない。
ただ、安穏で平和で、のんびりした空気に浸るだけ。
それなのに、楽しかった。
初めてそんなものに参加したし、友達のように誘われたのも初めてだった。
あたたかい気持ちになった。

過酷な日々だが、なんでもない時間が充実しているから、こんなにも安らぎを覚えられるのかもしれない…そう思った瞬間、胸の奥が大きく鼓動した。

素早く顎を引いて、右手で喉の下辺りを押さえる。
喉を鳴らしながら、大きく唾を飲み込んだ。

「今はダメ…」

ミウの体の中には、制御できない意思があった。
他人が棲みついているような、自分でコントロールできない感覚…常に奥底に潜む『何か』。
それを彼女は「終わらない殺意」と呼んできた。
キタシティにいた頃、特殊な仕事を生業にするため、内に宿された忌まわしいもの。

ゆっくりと息を吸い、そして吐き出す。
こんな柔らかい朝陽を浴びながら、昔の血生臭い記憶を思い出したくない。
何度目かの呼吸でようやく落ち着き顔を上げると、ベッドの脇に落ちていた紫のリボンが目に入った。
――つけてみー、ぜったい似合うから～！

そう言ってえのきが貸してくれた物だ。
リボンなんて、変装のためにしか付けたことがない。
恥ずかしいし、勿体ないからと断ったが、それでもと渡された。
部屋のテーブルの上には鏡がある。合わせてみようかと思ったが…やめた。

「私には、似合わないわ…」

似合う自分になれる日は来るのか…今はわからない。
それでも、ミウはそれを大切にそっとその手に握った。

「もし…いつかそんな日が来たのなら、それはきっと幸せなことね…」

部屋は朝日ですっかり暖まっていた。
楽しい時間が残した日だまりのような夢を胸に、ミウはひとときの柔らかな暖かさに浸っていた。