八英雄の下から人々が離反した時、八英雄は、人々のかわりとなる下僕を産み出しました。

それが魔物です。

魔物たちは、八英雄の消滅に伴い、そのほとんどが消え去りましたが、強い力を持つ魔物たちは難を逃れる事に成功し、世界の闇に紛れました。

逃れた魔物たちは、いつか秘宝を人々の手から取り戻し、主たる八英雄を復活させようと様々に暗躍しましたが、その企みは小鍵の守り手によって阻止されました。

攻め手を欠いた魔物たちは、人の血肉をすすって命をながらえていましたが、やがて衰え、クロンクビスト教皇国の武装神官(オルルドなど)により、一匹また一匹とその数を減らしていきます。

そんな中、他の魔物と守り手たちとの戦いを注意深く観察している、一匹の魔物がいました。

この魔物は、「守り手は魔物以外を傷付ける事ができない」という唯一にして最大の弱点を存分に利用するため、周到な計画を練りました。

これまでの魔物の中にも、守り手の弱点を狙った者はいます。
しかし人質を取るにせよ、人間を操るにせよ、その能力が及ぶのはせいぜい十数人。
結局は守り手の異能によってねじ伏せられ、魔物は敗北していったのです。

今回、新たな魔物が目を付けたのは、「国」でした。
国を操る事ができれば、人間の確保など、どうとでもなる。
そして国を操るためには、国の長を籠絡する事だ――

魔物は、眉目秀麗な美女、占星術師ウェンディに姿をかえ、大陸最大の王国、マンダールのリカード王を誘惑します。

徳の王とまで評されたリカード王は、ウェンディの誘惑に抗する事ができず、身も心もウェンディの虜となってしまいました。

ここでウェンディは、古の時代から自分に忠誠を尽くす八匹の魔物を呼び寄せ、これを有能な戦士だとリカード王に紹介し、将軍職として取り立てさせる事に成功します。

続けてウェンディは、酒色に耽る国王のおかげでマンダールは凋落し、今や周辺諸国がマンダールの領土を狙っている、とリカード王を脅します。

この事態を打開するためには、神秘の力を持つ「八つの小鍵」を集めるより他はない、とささやきました。

これを鵜呑みにしたリカード王は、小鍵収集の全権を八将軍に付与し、また、既にウェンディと手を結んでいた宰相アクロイドに、政治の実権を譲ります。

こうして国の私物化に成功したウェンディは、小鍵の在処を大雑把に探知できるという能力を用い、マンダールという国を利用して、小鍵の収集に乗り出します。



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最終更新:2007年07月15日 01:43