わたくし、雨氷型駆逐艦53番艦、白魔と申しますわ。
……へっ、その珍妙な口調はなんだ、ですって?
……仕方有りませんわ。わたくしがこうなるまでのお話をして差し上げますの。
わたくし、進水直後はほんっっっっっとーうに!信じられないほど!地味な!駆逐艦でしたの!
特別綺麗でもないくすんだ黒髪に、真っ黒でもないちょっと薄いグレーの瞳、そして158cmという身長の割に……その……ええ、申し上げますわ、貧相なスタイル!
お慕い申し上げている雨止お姉様はもちろん、直近の姉である紫陽花お姉様も……羨ましい限りの素晴らしいスタイルですのに、わたくしときたら……。
就役までの間、ずっとコンプレックスでしたの。おかげで、わたくしすっかり引っ込み思案になってしまって。
もっと自分に自信を持ちたい……そう思って、課外授業先として、人間のお嬢様学校へ通わせていただきましたの。
わたくし自身はちっともお嬢様じゃないのですけれど、それでも皆様暖かく迎えてくれましたのよ。
そして、振る舞い、身嗜みを身に着けて……ええ、家庭科の時間がどうしても、海軍の教練と被ってしまって、それだけは一度も通えなかったのですけれど。
でも、そのおかげで今わたくしはこうして自信を持って提督と接することができていましてよ!
…はい、その髪色と瞳の色はどうしているか、ですの?
もちろん染めているに決まっていますわ。髪質のせいか、少し発色が良くないのが残念なのですけれど……。
瞳は、こちらはカラーコンタクト、ですわ。取ってみせますわ。んっ……ほら、ね?
…ならお前は今スタイルがよく見えるがどうしたのか、ですの?
…………盛ってますのよ。言わせないでくださいまし。胸も、お尻も、補正下着にパッドを入れておりますわ……。
これがなければ、わたくし、もやしみたいなただ細いだけで……。
……ええ、そうですわ。お風呂ではわたくしだって気づく人はほとんどおりませんのよ。
わたくしのすっぴん顔自体きっと、雨香お姉様くらいしかはっきりとはご存知無いと思いますの。
雨香お姉様に、毎朝この髪をセットしていただいて、その間にお化粧もしていますの。
あ、お風呂といえば、そう、この間、瑞雪とご一緒しましたのよ。お風呂。
ええ、2番下の妹ですわ。……妹ですのに、わたくしより背が高くて、でも、わたくしよりよほど!ご立派なものをお持ちですの……。
でも、あのお顔はまるで端正な顔立ちの殿方のようで、普段の振る舞いだって、かっこいい男の子そのもので……。
わたくしへの振る舞いだって、それはもう………ああ、妹ですのに、女の子ですのに、瑞雪にこのような感情を抱いてはいけませんのに。
困ったものですわ………。
……コホン、長々と失礼いたしましたわ、提督。改めて、白魔は今日からあなたの指揮下に入りますから、よろしくお願い申し上げますわね。
……はい?髪の根元が黒くなってる?マジですの!?提督、そういうことはもっと早く言ってくださいまし!!
(おわり)
……へっ、その珍妙な口調はなんだ、ですって?
……仕方有りませんわ。わたくしがこうなるまでのお話をして差し上げますの。
わたくし、進水直後はほんっっっっっとーうに!信じられないほど!地味な!駆逐艦でしたの!
特別綺麗でもないくすんだ黒髪に、真っ黒でもないちょっと薄いグレーの瞳、そして158cmという身長の割に……その……ええ、申し上げますわ、貧相なスタイル!
お慕い申し上げている雨止お姉様はもちろん、直近の姉である紫陽花お姉様も……羨ましい限りの素晴らしいスタイルですのに、わたくしときたら……。
就役までの間、ずっとコンプレックスでしたの。おかげで、わたくしすっかり引っ込み思案になってしまって。
もっと自分に自信を持ちたい……そう思って、課外授業先として、人間のお嬢様学校へ通わせていただきましたの。
わたくし自身はちっともお嬢様じゃないのですけれど、それでも皆様暖かく迎えてくれましたのよ。
そして、振る舞い、身嗜みを身に着けて……ええ、家庭科の時間がどうしても、海軍の教練と被ってしまって、それだけは一度も通えなかったのですけれど。
でも、そのおかげで今わたくしはこうして自信を持って提督と接することができていましてよ!
…はい、その髪色と瞳の色はどうしているか、ですの?
もちろん染めているに決まっていますわ。髪質のせいか、少し発色が良くないのが残念なのですけれど……。
瞳は、こちらはカラーコンタクト、ですわ。取ってみせますわ。んっ……ほら、ね?
…ならお前は今スタイルがよく見えるがどうしたのか、ですの?
…………盛ってますのよ。言わせないでくださいまし。胸も、お尻も、補正下着にパッドを入れておりますわ……。
これがなければ、わたくし、もやしみたいなただ細いだけで……。
……ええ、そうですわ。お風呂ではわたくしだって気づく人はほとんどおりませんのよ。
わたくしのすっぴん顔自体きっと、雨香お姉様くらいしかはっきりとはご存知無いと思いますの。
雨香お姉様に、毎朝この髪をセットしていただいて、その間にお化粧もしていますの。
あ、お風呂といえば、そう、この間、瑞雪とご一緒しましたのよ。お風呂。
ええ、2番下の妹ですわ。……妹ですのに、わたくしより背が高くて、でも、わたくしよりよほど!ご立派なものをお持ちですの……。
でも、あのお顔はまるで端正な顔立ちの殿方のようで、普段の振る舞いだって、かっこいい男の子そのもので……。
わたくしへの振る舞いだって、それはもう………ああ、妹ですのに、女の子ですのに、瑞雪にこのような感情を抱いてはいけませんのに。
困ったものですわ………。
……コホン、長々と失礼いたしましたわ、提督。改めて、白魔は今日からあなたの指揮下に入りますから、よろしくお願い申し上げますわね。
……はい?髪の根元が黒くなってる?マジですの!?提督、そういうことはもっと早く言ってくださいまし!!
(おわり)