―1946年某月某日 太平洋
「……敵ミサイル潜水艦オーディンについてですが、浮上後にミサイルの発射にはそこそこの準備がかかると考えられます。ですから、その時間を突いて…」
無線の主は掃海母艦の澄海。母港で状況整理と指示を行っている。
「浮いて来るの待ちなワケ?」
彼は氷塊。雨氷型駆逐艦の16番艦だ。
「っていうか氷塊お兄ちゃんなんで居るの!?」
彼女は雨雪。同じく雨氷型駆逐艦の45番艦。
「そうですわ。艤装がもうダメになってたはずですのに」
こちらは53番艦の白魔。
「そうよそうよ、一体どうしたって言うの?」
そして一番背の高い彼女は10番艦の雨香。
今回はこのチームで……というか、本来は三隻の予定だったのだが。
「ん?コレ?工廠でウサちゃんが持ってけって」
「ウサちゃん……って、因幡さんが?またあの人もよくわからないところがあるわね……」
「動くから大丈夫っしょ」
「ホントに大丈夫ですの?」
「まぁここまで来れたんですから大丈夫だと思いますよ!」
「雨雪は楽観的ね……でも、それで助かってることもあるわ」
「あーあのー、応答無いんですけど聞こえてます?」
「あーごめんなさい、えっと、浮上時しか攻撃しちゃだめなんですか?」
「いえ、そんなことはありません。ですが、敵潜の静音性は非常に高いという情報がありますので、潜水中の探知は難しいかと……」
「できらぁ」
「氷塊お兄様かっこいいー!」
「……東海は回せませんでしたが、白菊は飛ばしているので、逐次連携を取っていきます。増援も都合がつけば検討中ですから、よろしくお願いしますね。ではまた」
「とりあえず二人一組で分散、捜索を行いましょう。良いわね、皆」
「おっす」
「了解!」
「承知しましたわ!」
四人の対潜哨戒が始まった。
無線の主は掃海母艦の澄海。母港で状況整理と指示を行っている。
「浮いて来るの待ちなワケ?」
彼は氷塊。雨氷型駆逐艦の16番艦だ。
「っていうか氷塊お兄ちゃんなんで居るの!?」
彼女は雨雪。同じく雨氷型駆逐艦の45番艦。
「そうですわ。艤装がもうダメになってたはずですのに」
こちらは53番艦の白魔。
「そうよそうよ、一体どうしたって言うの?」
そして一番背の高い彼女は10番艦の雨香。
今回はこのチームで……というか、本来は三隻の予定だったのだが。
「ん?コレ?工廠でウサちゃんが持ってけって」
「ウサちゃん……って、因幡さんが?またあの人もよくわからないところがあるわね……」
「動くから大丈夫っしょ」
「ホントに大丈夫ですの?」
「まぁここまで来れたんですから大丈夫だと思いますよ!」
「雨雪は楽観的ね……でも、それで助かってることもあるわ」
「あーあのー、応答無いんですけど聞こえてます?」
「あーごめんなさい、えっと、浮上時しか攻撃しちゃだめなんですか?」
「いえ、そんなことはありません。ですが、敵潜の静音性は非常に高いという情報がありますので、潜水中の探知は難しいかと……」
「できらぁ」
「氷塊お兄様かっこいいー!」
「……東海は回せませんでしたが、白菊は飛ばしているので、逐次連携を取っていきます。増援も都合がつけば検討中ですから、よろしくお願いしますね。ではまた」
「とりあえず二人一組で分散、捜索を行いましょう。良いわね、皆」
「おっす」
「了解!」
「承知しましたわ!」
四人の対潜哨戒が始まった。
「対潜作戦は退屈ですの~……苦手ですの~……」
「そんなこと言わないの。ほら、音探に集中して」
「聞こえますか。そちらの白菊より報告が」
「待ってましたわ!!探知座標を教えて下さいまし!」
「えーっと―――――です、5分前の情報ですが」
「充分ですわ!感謝感激ですわ澄海様!」
「あー、えっと……お願いします……」
白魔は携える通信機と光学式目標指示装置を構える。
「あのあたりですわね!陸戦隊の皆様、準備はよろしくって?」
通信機の向こうからは歓声が聞こえてくる。
「対潜水艦ですから、信管は着水後の作動で調定お願いしますわね。それではTP弾、発射ですの!」
白魔はトリガーを引く。引き続ける。
これは火器ではなくあくまで目標指示装置。
数分待つと、空を切り裂く轟音が響き、一瞬空が真っ白になる。
次の瞬間、直径3kmはあろう巨大な水柱が上がった。
「やりましたわ!」
「白魔、落ち着きなさい……?」
「はっ、そうでしたわ。撃破確認をしませんと……」
二人は海面が落ち着いてから捜索をするが、それらしい残骸は見当たらない。
「……やっちまいましたわね」
「もしもし、こちら澄海です!TP弾要請確認しましたけど、ちゃんと撃破できたんですか?」
「えっと…その……ごめんなさい」
「もーっ、あれ高いんですよ!今日はもう使用許可出しませんからね!」
「申し訳有りませんわ……」
「……地道にやりましょ、白魔」
そこへ再び無線が入ってくる。
「今のパなかった。スゲェ。初めて見た」
「……用事はそれだけですの?」
「そ。じゃあまた」
「…………」
「どこまでもマイペースね……」
「そんなこと言わないの。ほら、音探に集中して」
「聞こえますか。そちらの白菊より報告が」
「待ってましたわ!!探知座標を教えて下さいまし!」
「えーっと―――――です、5分前の情報ですが」
「充分ですわ!感謝感激ですわ澄海様!」
「あー、えっと……お願いします……」
白魔は携える通信機と光学式目標指示装置を構える。
「あのあたりですわね!陸戦隊の皆様、準備はよろしくって?」
通信機の向こうからは歓声が聞こえてくる。
「対潜水艦ですから、信管は着水後の作動で調定お願いしますわね。それではTP弾、発射ですの!」
白魔はトリガーを引く。引き続ける。
これは火器ではなくあくまで目標指示装置。
数分待つと、空を切り裂く轟音が響き、一瞬空が真っ白になる。
次の瞬間、直径3kmはあろう巨大な水柱が上がった。
「やりましたわ!」
「白魔、落ち着きなさい……?」
「はっ、そうでしたわ。撃破確認をしませんと……」
二人は海面が落ち着いてから捜索をするが、それらしい残骸は見当たらない。
「……やっちまいましたわね」
「もしもし、こちら澄海です!TP弾要請確認しましたけど、ちゃんと撃破できたんですか?」
「えっと…その……ごめんなさい」
「もーっ、あれ高いんですよ!今日はもう使用許可出しませんからね!」
「申し訳有りませんわ……」
「……地道にやりましょ、白魔」
そこへ再び無線が入ってくる。
「今のパなかった。スゲェ。初めて見た」
「……用事はそれだけですの?」
「そ。じゃあまた」
「…………」
「どこまでもマイペースね……」
「氷塊お兄ちゃん、あんまりしょーもないことで無線送っちゃダメですよー」
「しょーもなくないし!あんなん見たら伝えるっしょ」
「そ、そう、ですね……それにしても……」
雨雪は氷塊の艤装をジロジロと見る。
「なんか、予備の部品を集めたみたいな…しっちゃかめっちゃかな艤装ですね」
「良いじゃんね?」
「まぁでも、今回は役立ちそうな中身だと思います!」
「でしょでしょ。ウサちゃんチョイスだかんね」
「因幡さんへの信頼が凄い」
「もしもーし、こちら澄海ですよー。そちらの方の白菊から浮上した目標を発見との報告がありました。座標を伝えますので急行してください」
「おまかせください!氷塊お兄ちゃん、行きますよ!」
「よしきた」
二人は増速し、現場へ向かう。
「見えました!あれですね!」
水面に見える影。
氷塊は双眼鏡を取り出し覗く。
「ん、間違い無いね」
「気づかれる前に魚雷を放っておきましょう!相手は大きいので当たるかも」
「ヨッシャ任せた」
「氷塊お兄ちゃんの魚雷よく見たら分捕り品ですね?」
「そうなん?まぁ大丈夫っしょ」
「「てっ!」」
72cm魚雷が4射線、53.3cm魚雷が5射線、目標に向かって放たれた。
「しょーもなくないし!あんなん見たら伝えるっしょ」
「そ、そう、ですね……それにしても……」
雨雪は氷塊の艤装をジロジロと見る。
「なんか、予備の部品を集めたみたいな…しっちゃかめっちゃかな艤装ですね」
「良いじゃんね?」
「まぁでも、今回は役立ちそうな中身だと思います!」
「でしょでしょ。ウサちゃんチョイスだかんね」
「因幡さんへの信頼が凄い」
「もしもーし、こちら澄海ですよー。そちらの方の白菊から浮上した目標を発見との報告がありました。座標を伝えますので急行してください」
「おまかせください!氷塊お兄ちゃん、行きますよ!」
「よしきた」
二人は増速し、現場へ向かう。
「見えました!あれですね!」
水面に見える影。
氷塊は双眼鏡を取り出し覗く。
「ん、間違い無いね」
「気づかれる前に魚雷を放っておきましょう!相手は大きいので当たるかも」
「ヨッシャ任せた」
「氷塊お兄ちゃんの魚雷よく見たら分捕り品ですね?」
「そうなん?まぁ大丈夫っしょ」
「「てっ!」」
72cm魚雷が4射線、53.3cm魚雷が5射線、目標に向かって放たれた。
「……うん?マーク14の騒音がするぞ。どういうことだ?」
ミサイル発射準備を行っていた米ミサイル潜水艦オーディン。
彼女はドイツからの亡命者であった。独海軍の頃から持っているカタパルトからV-1、改めJB-2を発射する準備に入っていたのだが。
「ソナーを見る限りは更に巨大な影が高速で接近中、これは噂のタイプゼロか。発射準備を中止、迎撃する」
彼女は小型の爆雷を多数放出、直後に水柱が立つ。
「誰かに見つかってるようだな。場所を変えようか」
ミサイル発射準備を行っていた米ミサイル潜水艦オーディン。
彼女はドイツからの亡命者であった。独海軍の頃から持っているカタパルトからV-1、改めJB-2を発射する準備に入っていたのだが。
「ソナーを見る限りは更に巨大な影が高速で接近中、これは噂のタイプゼロか。発射準備を中止、迎撃する」
彼女は小型の爆雷を多数放出、直後に水柱が立つ。
「誰かに見つかってるようだな。場所を変えようか」
「迎撃された!?」
「ヤベェなアイツ。早く息の根止めてやんないと」
「あの爆発のせいでしばらくソナーは使えませんよ……」
「それも込みってワケね、ふーん」
「ヤベェなアイツ。早く息の根止めてやんないと」
「あの爆発のせいでしばらくソナーは使えませんよ……」
「それも込みってワケね、ふーん」
一度発見して以降、敵潜捜索は難航していた。
四人は一度合流。
「白菊、そろそろ燃料が不安なので帰投させます……ですが代わりに、そろそろそちらに合流する者が」
「やっほー!おまたせしちゃったかな?」
「あら、空蝉様ですわ!」
「そう!ボクですよ!緊急ですけど、対潜作戦と聞いてちゃんと用意してきました」
空蝉は元商船の航空母艦だ。新造空母ほどの性能は持たなかったものの、対潜作戦には充分な航空機運用能力を持つ。
「それいけっ!」
対潜爆弾とKMX磁気探知機を装備した彗星が発艦される。
「きっと白菊より良い仕事してくれるよ」
「それじゃ、探知までは空蝉さんを中心に横隊を展開、虱潰しで行きましょう。空蝉さんの両サイドは私と氷塊、その外側に白魔、雨雪、よろしくね」
四人は一度合流。
「白菊、そろそろ燃料が不安なので帰投させます……ですが代わりに、そろそろそちらに合流する者が」
「やっほー!おまたせしちゃったかな?」
「あら、空蝉様ですわ!」
「そう!ボクですよ!緊急ですけど、対潜作戦と聞いてちゃんと用意してきました」
空蝉は元商船の航空母艦だ。新造空母ほどの性能は持たなかったものの、対潜作戦には充分な航空機運用能力を持つ。
「それいけっ!」
対潜爆弾とKMX磁気探知機を装備した彗星が発艦される。
「きっと白菊より良い仕事してくれるよ」
「それじゃ、探知までは空蝉さんを中心に横隊を展開、虱潰しで行きましょう。空蝉さんの両サイドは私と氷塊、その外側に白魔、雨雪、よろしくね」
「クソが、いつまでもチョロチョロと……オマケに空母まで出てきやがる」
オーディンは苛ついていた。マスカーをずっと作動させて誤魔化していたが、そのマスカーもそろそろ浮上しなければ空気が切れる。
彼女の任務であるJB-2の発射自体は日本へ対する示威行為に過ぎない。本気で叩くなら空爆や艦砲射撃など、いくらでもより効果的な方法はあった。
見えない敵に本土を攻撃させるという、心理作戦の一環。成果は重視されていなかった。
「作戦は中止する、しかしこのままでは脱出も厳しい。対潜兵器で一方的にやられるのは御免蒙る。一戦交える必要がある……」
彼女は決意を固め、深海から浮上を開始した。
オーディンは苛ついていた。マスカーをずっと作動させて誤魔化していたが、そのマスカーもそろそろ浮上しなければ空気が切れる。
彼女の任務であるJB-2の発射自体は日本へ対する示威行為に過ぎない。本気で叩くなら空爆や艦砲射撃など、いくらでもより効果的な方法はあった。
見えない敵に本土を攻撃させるという、心理作戦の一環。成果は重視されていなかった。
「作戦は中止する、しかしこのままでは脱出も厳しい。対潜兵器で一方的にやられるのは御免蒙る。一戦交える必要がある……」
彼女は決意を固め、深海から浮上を開始した。
「フンフンフーンフンフンフーン……」
氷塊は鼻歌を歌っている。
しかしそれでいてしっかり水中の音に集中していた。
彼の耳は敵潜の魚雷発射管注水音を聞き逃さなかった。
「そーこーかーぁ!」
氷塊は雑に据え付けられた短20cm砲に手をかけ、対潜弾を装填。すかさず発射した。
「やっぱり聞こえたわよね!空蝉さん、回避、回避!」
「は、はい!」
蛇行を初める空蝉。その脇をサーッと雷跡が2本抜けていく。
「危なかった!増速して横隊を離脱するので攻撃をお願いします!ボクは機体を呼び戻しますので!」
「おけ、任せて」
「氷塊、それどこで使い方覚えたの……?」
「ウサちゃんが教えてくれたけど?」
「因幡さん」
氷塊は短20cm砲を艤装から取り外し、さながらガンプレイのように次々装填と発射を繰り返す。
「氷塊お兄ちゃんかっこいいー!!ヒューヒュー!」
「当たり前じゃん?」
そこへついに敵潜が浮上した。刹那、氷塊の持っていた短20cm砲が弾き飛ばされる。
「うおっ!?」
「どいつもこいつも巫山戯た真似ばかり。ああ、ウザったい」
オーディンはカンプピストルを空へ向け、一発放つ。発煙弾だ。
「時間制限付きだが、いいだろう、迎えが来るまでの暇つぶしさ」
「お黙りくださいまし!」
「5対1なのに余裕ぶってますよこの人!やっちゃえ!」
白魔、雨雪の両艦はロケットランチャーから対潜ロケットを放つ。
まっすぐ吸い込まれていくに見えたが、空中で全弾が爆発した。
「嘘でしょ!?」
「何が起こりましたの……」
「無駄だ。そんなものの迎撃は簡単なんだよね。まだ普通の爆雷のほうが厄介って話さ」
オーディンの30mm機関砲の砲口から白煙が薄く立ち上る。
雨香はこの間、主砲を彼女に向け続けていた。
「あなたのその装備……ドイツのものよね、どうしたの、それ」
「あぁこれかい。祖国からアメリカへのおみやげさ?」
「祖国……まさかあなた、ドイツを裏切って亡命を」
「勝ち馬に乗るのがそんなに悪いことかい?事実、負けたじゃないか」
「っ!…理解できないわ。軍艦として生まれておきながら、そんなことを……。理解する必要も無いでしょうけど」
「ああ、理解できなくったって結構。理解したとして、それでキミはボクの仲間になったりするのかい?」
「するわけ無いじゃない。理解と共感は違うのよ」
「ふん、それならいいんだ。もとより、理解されるつもりは無いしね!」
言い終わらないうちにオーディンは12.8cm砲を発砲し、雨香の髪を掠めていく。
「あぁ、外しちゃった、つまんないの。次は当ててやる………ん、何だ!」
オーディンは対空電探の反応に気付き、とっさに回避をする。立ち上る水柱。
白魔の無線機に通信が入る。
「やっほー白魔ー、ねえ私にはそっち見えてないけど当たった?」
「雨止お姉様!いいえ、残念なのですけれど外れてしまいましたわ~」
「あそっかぁ。残念だったね。今日もうTP弾使えないんだって?私のテ号ちゃんで満足できるか知らないけど、ま撃つから誘導してやってよ」
「ああん雨止お姉様ぁ~~~♡♡♡大好きですわ♡♡♡おまかせくださいまし♡♡♡」
白魔は再び目標指示装置に手をかけた。
氷塊は鼻歌を歌っている。
しかしそれでいてしっかり水中の音に集中していた。
彼の耳は敵潜の魚雷発射管注水音を聞き逃さなかった。
「そーこーかーぁ!」
氷塊は雑に据え付けられた短20cm砲に手をかけ、対潜弾を装填。すかさず発射した。
「やっぱり聞こえたわよね!空蝉さん、回避、回避!」
「は、はい!」
蛇行を初める空蝉。その脇をサーッと雷跡が2本抜けていく。
「危なかった!増速して横隊を離脱するので攻撃をお願いします!ボクは機体を呼び戻しますので!」
「おけ、任せて」
「氷塊、それどこで使い方覚えたの……?」
「ウサちゃんが教えてくれたけど?」
「因幡さん」
氷塊は短20cm砲を艤装から取り外し、さながらガンプレイのように次々装填と発射を繰り返す。
「氷塊お兄ちゃんかっこいいー!!ヒューヒュー!」
「当たり前じゃん?」
そこへついに敵潜が浮上した。刹那、氷塊の持っていた短20cm砲が弾き飛ばされる。
「うおっ!?」
「どいつもこいつも巫山戯た真似ばかり。ああ、ウザったい」
オーディンはカンプピストルを空へ向け、一発放つ。発煙弾だ。
「時間制限付きだが、いいだろう、迎えが来るまでの暇つぶしさ」
「お黙りくださいまし!」
「5対1なのに余裕ぶってますよこの人!やっちゃえ!」
白魔、雨雪の両艦はロケットランチャーから対潜ロケットを放つ。
まっすぐ吸い込まれていくに見えたが、空中で全弾が爆発した。
「嘘でしょ!?」
「何が起こりましたの……」
「無駄だ。そんなものの迎撃は簡単なんだよね。まだ普通の爆雷のほうが厄介って話さ」
オーディンの30mm機関砲の砲口から白煙が薄く立ち上る。
雨香はこの間、主砲を彼女に向け続けていた。
「あなたのその装備……ドイツのものよね、どうしたの、それ」
「あぁこれかい。祖国からアメリカへのおみやげさ?」
「祖国……まさかあなた、ドイツを裏切って亡命を」
「勝ち馬に乗るのがそんなに悪いことかい?事実、負けたじゃないか」
「っ!…理解できないわ。軍艦として生まれておきながら、そんなことを……。理解する必要も無いでしょうけど」
「ああ、理解できなくったって結構。理解したとして、それでキミはボクの仲間になったりするのかい?」
「するわけ無いじゃない。理解と共感は違うのよ」
「ふん、それならいいんだ。もとより、理解されるつもりは無いしね!」
言い終わらないうちにオーディンは12.8cm砲を発砲し、雨香の髪を掠めていく。
「あぁ、外しちゃった、つまんないの。次は当ててやる………ん、何だ!」
オーディンは対空電探の反応に気付き、とっさに回避をする。立ち上る水柱。
白魔の無線機に通信が入る。
「やっほー白魔ー、ねえ私にはそっち見えてないけど当たった?」
「雨止お姉様!いいえ、残念なのですけれど外れてしまいましたわ~」
「あそっかぁ。残念だったね。今日もうTP弾使えないんだって?私のテ号ちゃんで満足できるか知らないけど、ま撃つから誘導してやってよ」
「ああん雨止お姉様ぁ~~~♡♡♡大好きですわ♡♡♡おまかせくださいまし♡♡♡」
白魔は再び目標指示装置に手をかけた。
白魔の射線を逃れようと半潜航状態となり離脱を図るオーディン。追跡する四隻。
「ああ、なんて厄介なやつ!あいつから沈めてやろうかな」
白魔に向かって複数の魚雷が放たれる。
あわや命中、というところで白魔の目の前を彗星艦爆が横切り、対潜爆弾を投下、魚雷が爆発した。
「ひゃぁっ!」
「危なかった!やっと戻ってきた。敵潜を追え!」
オーディンに襲いかかる彗星、応戦する対空砲。
数機が撃墜されていく。何機かが対潜爆弾を投下したが、対空砲火に妨害されているためか命中しない。
しかし追いすがる駆逐艦4隻の射撃も止まらない。
降り注ぐ対潜爆弾、砲弾、更に誘導弾。オーディンは絶体絶命に見えた。が、しかし。
「白魔聞こえるー?」
「は、はい何でございましょう?」
「なんか敵機がこっち来たから私帰るね、ごめんねー」
「敵機!?あ、はい、大丈夫ですわお気になさらず!気をつけてお帰りくださいまし!」
「とかなんとか言ってたらコッチにも敵機が来たぜ?」
「本当だわ!」
米軍の艦戦・艦爆・艦攻の姿が上空に現れ、彗星をバタバタと落としていく。
「不味いわ!追撃を中止、空蝉さんを中心に輪形陣を組んで防空体制に入りましょう!」
「悔しいけどしゃーないね」
氷塊は慣れない防空装備を手に取る。
「氷塊、それは?」
「あっぷろけっと?とか言うの?ウサちゃんも使い方知らないんだって」
「そんなものどうするんですの!?」
「どうにかなるっしょ」
「どうにかしましょう!」
「ああ、なんて厄介なやつ!あいつから沈めてやろうかな」
白魔に向かって複数の魚雷が放たれる。
あわや命中、というところで白魔の目の前を彗星艦爆が横切り、対潜爆弾を投下、魚雷が爆発した。
「ひゃぁっ!」
「危なかった!やっと戻ってきた。敵潜を追え!」
オーディンに襲いかかる彗星、応戦する対空砲。
数機が撃墜されていく。何機かが対潜爆弾を投下したが、対空砲火に妨害されているためか命中しない。
しかし追いすがる駆逐艦4隻の射撃も止まらない。
降り注ぐ対潜爆弾、砲弾、更に誘導弾。オーディンは絶体絶命に見えた。が、しかし。
「白魔聞こえるー?」
「は、はい何でございましょう?」
「なんか敵機がこっち来たから私帰るね、ごめんねー」
「敵機!?あ、はい、大丈夫ですわお気になさらず!気をつけてお帰りくださいまし!」
「とかなんとか言ってたらコッチにも敵機が来たぜ?」
「本当だわ!」
米軍の艦戦・艦爆・艦攻の姿が上空に現れ、彗星をバタバタと落としていく。
「不味いわ!追撃を中止、空蝉さんを中心に輪形陣を組んで防空体制に入りましょう!」
「悔しいけどしゃーないね」
氷塊は慣れない防空装備を手に取る。
「氷塊、それは?」
「あっぷろけっと?とか言うの?ウサちゃんも使い方知らないんだって」
「そんなものどうするんですの!?」
「どうにかなるっしょ」
「どうにかしましょう!」
「はん、遅かったじゃないの」
「私、高速空母じゃ、ないし」
「マァいいさ、間に合ったんだから許してあげるよ」
「………」
「どうせ私のことも好きじゃないんだろ?いいさ、仕事さえしてくれればね」
ボロボロの潜水艦と軽空母。二人の背を、夕陽が照らしていた。
(おわり)
「私、高速空母じゃ、ないし」
「マァいいさ、間に合ったんだから許してあげるよ」
「………」
「どうせ私のことも好きじゃないんだろ?いいさ、仕事さえしてくれればね」
ボロボロの潜水艦と軽空母。二人の背を、夕陽が照らしていた。
(おわり)