―001938― In The World
世界の緊張は頂点に達しようとしていた。
30年前に登場した日本海軍の巨大戦艦「近江」。
それから派生して世界各国に降って湧いた巨大戦艦構想。
ひとつの大戦が過ぎ締結された条約を逃れる大型潜水艦。
そして、さらなる条約の無効化。
地球上に存在する海軍力は膨張し続け、パワーバランスの崩壊が近いのは、誰の目にも明らかであった………。
30年前に登場した日本海軍の巨大戦艦「近江」。
それから派生して世界各国に降って湧いた巨大戦艦構想。
ひとつの大戦が過ぎ締結された条約を逃れる大型潜水艦。
そして、さらなる条約の無効化。
地球上に存在する海軍力は膨張し続け、パワーバランスの崩壊が近いのは、誰の目にも明らかであった………。
「……で、結局ここは、元の世界では無いということでいいんでしょうか?」
「どーも、そうみたいガァね」
「異世界への転移、何回目ですっけ」
「もう覚えてないガァよ」
方やブレザー、方や白鳥のコスプレ。奇妙な二人組が、書庫を漁っている。
「伊予、周防、そろそろ図書館は閉館よ。気は済んだ?」
彼女は三輪。八八艦隊計画で建造された戦艦だ。
「貴艦達からはこの世界の者ではない"匂い"がしていたが、本当にそのようね。歴史を知らないなんて」
「いえ、その、知ってる歴史とは似てるんですけど。細かいところが違うんですよ」
そう応えるのは伊予と呼ばれたブレザーの少女。
「細かいところ、程度で済んでいるのか?本当に?」
三輪は周防と呼ばれた白鳥コスプレの女を見つめる。
「その視線はどーゆー意味ガァ?」
「いや、周防のような軍艦の存在する世界とはいかなるものか、と思ってねぇ」
「んー、この子は軍艦というか、なんというか……」
「気にすると夜しか眠れなくなるガァよ」
「それは普通ではないの?……とにかく、もう利用時間は終了。続きは明日にしてちょうだい」
「はい、ありがとうございました」
三人は図書館を出て、三輪が別れる。彼女は自室へ戻るようだ。
「ねぇスワン子。原因何だと思う?」
「アイツしか居ないガァ」
「アイツ呼ばわり?」
「うわっ急に現れないでください!!??」
虚空から銀髪ショートヘアの大きなリボンを付けた少女が突然出現する。
「やっぱりガァね」
「ですよねー……この世界に何しに?」
「観光よー観光」
「つまり私達は貴艦の観光に巻き込まれたと」
「そういうことになりますわね」
「おいコイツ沈めてやるガァ?」
「良いですねやっちゃいましょうか」
「やめなさい!貴艦達も帰れなくなるでしょ!」
「セーブデータをロードすれば大丈夫ガァよ」
「メタ発言もやめなさい」
「どーも、そうみたいガァね」
「異世界への転移、何回目ですっけ」
「もう覚えてないガァよ」
方やブレザー、方や白鳥のコスプレ。奇妙な二人組が、書庫を漁っている。
「伊予、周防、そろそろ図書館は閉館よ。気は済んだ?」
彼女は三輪。八八艦隊計画で建造された戦艦だ。
「貴艦達からはこの世界の者ではない"匂い"がしていたが、本当にそのようね。歴史を知らないなんて」
「いえ、その、知ってる歴史とは似てるんですけど。細かいところが違うんですよ」
そう応えるのは伊予と呼ばれたブレザーの少女。
「細かいところ、程度で済んでいるのか?本当に?」
三輪は周防と呼ばれた白鳥コスプレの女を見つめる。
「その視線はどーゆー意味ガァ?」
「いや、周防のような軍艦の存在する世界とはいかなるものか、と思ってねぇ」
「んー、この子は軍艦というか、なんというか……」
「気にすると夜しか眠れなくなるガァよ」
「それは普通ではないの?……とにかく、もう利用時間は終了。続きは明日にしてちょうだい」
「はい、ありがとうございました」
三人は図書館を出て、三輪が別れる。彼女は自室へ戻るようだ。
「ねぇスワン子。原因何だと思う?」
「アイツしか居ないガァ」
「アイツ呼ばわり?」
「うわっ急に現れないでください!!??」
虚空から銀髪ショートヘアの大きなリボンを付けた少女が突然出現する。
「やっぱりガァね」
「ですよねー……この世界に何しに?」
「観光よー観光」
「つまり私達は貴艦の観光に巻き込まれたと」
「そういうことになりますわね」
「おいコイツ沈めてやるガァ?」
「良いですねやっちゃいましょうか」
「やめなさい!貴艦達も帰れなくなるでしょ!」
「セーブデータをロードすれば大丈夫ガァよ」
「メタ発言もやめなさい」
お察しの通り、彼女達は本来別世界の存在だ。
"超兵器"と呼ばれる巨大兵器構想により、世界のパワーバランスが崩壊した世界。
そして、その世界では世界秩序を取り戻すために"超兵器"を狩る組織が存在した。
伊予はVE-WEBV<ブイ・ウェッブ>艦と呼ばれる兵装を自由に組み替え可能な特殊艦。
周防は"ナマモノ兵器"と呼ばれる………………あひる戦艦。
そして銀髪の少女こそ"超兵器"の頂点に君臨する"究極超兵器"。
彼女の機関から発せられるエネルギーは時空を歪め、異世界への入り口を発生させる。
そしてそれをも制御し、異世界への侵攻さえ可能な超巨大戦艦。
伊予と周防の所属していた組織は彼女を撃沈し、世界に平穏が戻ったかに見えた。
しかし彼女は過去、未来、そして平行世界から現れ幾度となく組織に立ちはだかった。
それが繰り返される中で、"究極超兵器"は時折、組織の味方につくこともあった。
ここに居る彼女は、そんな一隻だった。
"超兵器"と呼ばれる巨大兵器構想により、世界のパワーバランスが崩壊した世界。
そして、その世界では世界秩序を取り戻すために"超兵器"を狩る組織が存在した。
伊予はVE-WEBV<ブイ・ウェッブ>艦と呼ばれる兵装を自由に組み替え可能な特殊艦。
周防は"ナマモノ兵器"と呼ばれる………………あひる戦艦。
そして銀髪の少女こそ"超兵器"の頂点に君臨する"究極超兵器"。
彼女の機関から発せられるエネルギーは時空を歪め、異世界への入り口を発生させる。
そしてそれをも制御し、異世界への侵攻さえ可能な超巨大戦艦。
伊予と周防の所属していた組織は彼女を撃沈し、世界に平穏が戻ったかに見えた。
しかし彼女は過去、未来、そして平行世界から現れ幾度となく組織に立ちはだかった。
それが繰り返される中で、"究極超兵器"は時折、組織の味方につくこともあった。
ここに居る彼女は、そんな一隻だった。
「露骨に名前伏せられてますけど。ここでは何て名乗ってるんですか?」
「え、えっと……レジーナ……」
レジーナと名乗っている様子の銀髪の少女は、二人から目をそらす。
「元にかすりもしないガァね」
「こっちでは人間のフリしてんのよ」
「貴艦のような人間が居ますか?」
「居ないガァね」
「アンタにだけは言われたくないわよ!!!!」
「どうしてレジーナなんです」
「えっ、ほら。……ラテン語で女王って…意味」
「女王」
「女王だってガァ」
「まだ厨二病治ってなかったんですか」
「泣くわよ」
「はぁ、それにしても……私達を巻き込んで、元の世界はどうするんですか」
「大丈夫、貴艦達のコピーが既に建造済みよ」
「勝手にどっかの畜生全能神みたいなことしてんじゃないガァよ」
「良いじゃない、この世界を楽しみましょうよ」
「楽しむって言われましてもね……何をどうするんですか」
「この世界には私達の知らない子たちがたくさん居るわ。その子達が形作る世界を見るのよ」
「あなたはいいですけど私達日本海軍に見つかって組み込まれちゃってるんですよね」
「あらそれはごめんなさい……ま、帰る時は一緒よ一緒」
「イマイチ信用できないガァねぇ」
「私が頼りにならないことがあった?究極超兵器のこの私が」
「いっぱいありますね」
「…………………ぐす」
「泣かないでください」
「ともかく…そう、必要があれば貴艦達のところに現れるから、好きに過ごすと良いわ」
「一番好きに過ごしてるのはあなたでしょうが」
「はい…………………」
「まぁいいです、原因がはっきりして、いつでも来てくれるというのなら、安心しました。ね、スワン子」
「一発シバくガァ」
「シバくってまさか貴艦波動砲を撃―」
バシッ。周防はレジーナを羽根でシバいた。
「いっ……たた…」
「シンプルに暴力」
「これで当面勘弁しとくガァね」
「酷いわ……」
「痛いといえばそうですよ、私、この世界に来た時に気付いたんですよ」
「何に?」
「身体があるんですよ……」
「そういえば貴艦幽体だったわね……」
「壁にぶつかるわ扉を開け閉めしないといけないわで面倒なんですよ!」
「それくらい慣れなさい」
「これ帰ったら戻るんですか?」
「たぶん……」
「そういうとこガァよ」
「ごめんなさい」
「やれやれですね……」
この世界に実にやかましい戦艦3隻が降り立ち、邂逅を果たした。
これがこの世界にどのような影響を与えるかはまだ、わからない。
(おわり)
「え、えっと……レジーナ……」
レジーナと名乗っている様子の銀髪の少女は、二人から目をそらす。
「元にかすりもしないガァね」
「こっちでは人間のフリしてんのよ」
「貴艦のような人間が居ますか?」
「居ないガァね」
「アンタにだけは言われたくないわよ!!!!」
「どうしてレジーナなんです」
「えっ、ほら。……ラテン語で女王って…意味」
「女王」
「女王だってガァ」
「まだ厨二病治ってなかったんですか」
「泣くわよ」
「はぁ、それにしても……私達を巻き込んで、元の世界はどうするんですか」
「大丈夫、貴艦達のコピーが既に建造済みよ」
「勝手にどっかの畜生全能神みたいなことしてんじゃないガァよ」
「良いじゃない、この世界を楽しみましょうよ」
「楽しむって言われましてもね……何をどうするんですか」
「この世界には私達の知らない子たちがたくさん居るわ。その子達が形作る世界を見るのよ」
「あなたはいいですけど私達日本海軍に見つかって組み込まれちゃってるんですよね」
「あらそれはごめんなさい……ま、帰る時は一緒よ一緒」
「イマイチ信用できないガァねぇ」
「私が頼りにならないことがあった?究極超兵器のこの私が」
「いっぱいありますね」
「…………………ぐす」
「泣かないでください」
「ともかく…そう、必要があれば貴艦達のところに現れるから、好きに過ごすと良いわ」
「一番好きに過ごしてるのはあなたでしょうが」
「はい…………………」
「まぁいいです、原因がはっきりして、いつでも来てくれるというのなら、安心しました。ね、スワン子」
「一発シバくガァ」
「シバくってまさか貴艦波動砲を撃―」
バシッ。周防はレジーナを羽根でシバいた。
「いっ……たた…」
「シンプルに暴力」
「これで当面勘弁しとくガァね」
「酷いわ……」
「痛いといえばそうですよ、私、この世界に来た時に気付いたんですよ」
「何に?」
「身体があるんですよ……」
「そういえば貴艦幽体だったわね……」
「壁にぶつかるわ扉を開け閉めしないといけないわで面倒なんですよ!」
「それくらい慣れなさい」
「これ帰ったら戻るんですか?」
「たぶん……」
「そういうとこガァよ」
「ごめんなさい」
「やれやれですね……」
この世界に実にやかましい戦艦3隻が降り立ち、邂逅を果たした。
これがこの世界にどのような影響を与えるかはまだ、わからない。
(おわり)