皆小説
雨が降る中、武士（たけし）は家の中であることに没頭していた…。
「くそっ、揃わないじゃないか。どうやったら20秒以内にそろえられるんだよ…くそっ。」
そう、彼はルービックキューブをやっていたのだ。しかし、そろえることが出来ないので、ぶつぶつと文句を言っているのだ。
今朝は快い晴天。リョウはいつもの景色を見ていた
14階建てのマンションの後ろに光る朝日と
母があくびをしながら朝食をつくる姿・・・
そして机の上に光るルービックキューブ・・・
「今日は何秒がでるかな～」と思いながら
キューブを手に取る。
そしてゆっくりと右手の人差し指を
キューブにかけた・・・
実は、武士とリョウは同じマンションで隣同士の部屋だった、そして、ルービックキューブという同じ趣味でした。
武士はまだルービックキューブ…しかし、リョウはスピードキューブまで行っていた。
そして毎日武士の家に行き、やり方を教えてあげる
のがリョウの日課だった。
のがリョウの日課だった。
そしてさらにまた武士の家に行き、やり方を教えてあげる
のがリョウの日課だった。
そう、リョウは毎日２回だけ行って教えてあげるのです。
そう、リョウは毎日２回だけ行って教えてあげるのです。
しかし、頭の悪い武士は覚えられず、何時間もキューブと格闘していたのです。
ちなみに、リョウはSS1、それに比べて武士は一度もそろえたことがない。
ここで、遅れたが2人の自己紹介を。
武士:中学2年生・頭は悪い…しかし、運動神経はいい。リョウとは部屋が隣で、同じクラス。
リョウ:中学2年生・頭は武士と違っていい…しかも、運動神経もいい、あること以外はパーフェクト人間なのだ。武士とは部屋が隣で、同じクラス。
とある日の朝、武士は、キューブを分解し、二重底のバックの中に入れ、上に適当な小説を詰め込んだ、そう、学校に行く準備だ。
もちろんこれは、キューブをばれないようにするためだ。
パズルでも、さすがに学校でもばれると取り上げられるため…。
そして休み時間になると武士はすかさずトイレに駆け込んだ。
もちろんキューブをするためだ。しばらくやっていると「ガチャ」という音がした。
「まずい誰か入ってきた・・・」そこにたっていたのはキューブを持ったリョウだった・・・
「リョウ！お前トイレで何しているんだよ。」
武士はビックリしながら言った。
「な、何ってお前だって何やっているんだよ。」
…二人の間に沈黙が流れた。
ガチャ。二人は別々の個室のトイレに入り、キューブを回し始めた。
ガチャガチャ（こう書くとあのガチャガチャを思い出す）ガチャガチャ…
「出来た！」と勢いよくリョウは声を上げた。
「武士、お前はどうだ？」と嫌味っぽく聞いてきた。
「ふん、俺なんかこの短時間で10回はそろえたもんね。」と明らかにうそを言った瞬間、トイレのドアが叩かれた。
「お前ら何やってるんだよ。用を足したんなら、早く開けてくれよぉ～」と弱弱しい声が聞こえた。
この声は太一（たいち）の声だ。ちなみにこいつは、同じクラスで幼馴染。
さすがに部屋が隣同士ということはないが、よく遊びに来る。
ちなみに、この学校のトイレはほかの場所にもあるがめちゃくちゃ遠く、小部屋は2つしかない。
つまり武士とリョウで独占していることになる。
「早く開けてくれぇ～。」…やばい、そろそろ本当にどかないと大変なことになってしまう。
武士はトイレの鍵を開けようとした。すると…開かない。さっき太一が叩いたせいで、壊れてしまったようだ。
「リョウ、こっちのトイレ鍵が壊れているから、そっち開けてやれよ。」
そして返ってきた返事が、
「こっちも。」
先ほどは2人の間だけに沈黙が流れたが、今度は3人の間に沈黙が流れた…。
「くそっ、こうなったらあれをやるしかない。」とリョウは言うなり、どこからかシリコンスプレーと取り出し、
鍵のところにかけ始めた。
そして、鍵を開けようとした。
「…ガチャ。」と音がなり、見事に鍵を開けることが出来た。
「うう…早くどいて。」と太一は唸りながらなんとか、個室の中に入っていった。
「それにしても、よく思いついたな。シリコンスプレーで滑りやすくして、鍵を開けるなんて。
ところでお前、いつもそれ持ち歩いているのか？」と武士は恐る恐る尋ねた。
「もちろんだね。スピードキュービストの必需品だからね。」と自慢げに、リョウは言った。
「でも、お前それどこから出したんだ？ポケットには入んないし。
それに、先生にばれると誤解されるぞ。」
「ふん！」そういったリョウは教室のほうに戻っていった。
「はい、それでは授業を始めます。」
武士たちはぎりぎり授業に間に合った…しかし太一は大きいほうだったみたいなので、当然間に合わなく…。
－授業が始まってから15分後ー
「先生！すみません。」と勢いよく教室に入っていった。
「あれ？太一くんいたの？てっきり休みかと思いました。」と先生は嫌らしく言い、そのまますぐに授業が再開された。
授業が終わったあと先生は、遅れた太一だけに難しい宿題を出した。
そして放課後、太一は｢くそ、あいつらのせいだ…。」と、ぶつぶついいながら
帰っていった。
この日、家につくと、リョウはまた武士にキューブを教えに行くのだった。
｢今日は太一に悪い事しちゃったな。」とリョウ。
｢別にいいじゃん。そんなことより、ここはどうやるの？」と武士。
｢ここは昨日も教えただろ。早く覚えてくれよ。」
｢しょうがないだろ。いいから教えてよ。」
ここでリョウが時計を見ると、すでに６時半を回っていた。
｢もうこんな時間だ。じゃあ、今日はここまで。続きはまた明日。」
そしてリョウはうちに帰った。
｢そういえば今日宿題あったっけ。」
リョウは最近数学がニガテになっていた。
小学校の頃はトクイなほうだったけど
中学校に入ってから授業が難しく進むのが早いので
わからなくなってきている
数学の比例の問題を見つめていた。
5分･･･10分･･･
どうすればよいのか全くわからない
そんなことをしているうちにリョウはキューブを始めていた
‐翌日‐
「やっベー、宿題やってねー！」
昨日は結局宿題が手につかなかったのであった。
そして学校に行くと、太一は、
「俺はあの量の宿題をやって来たんだぞ。勉強が出来る奴がどうしたのか
な?」
な?」
(こいつ、意外と根に持つタイプだな…。）
リョウはそう思いつつ、辺りを見回すと、武士の姿がない事に気づいた。
（今日は休みなのかな…）
そして授業が始まって２０分後、戸がガラガラと開いた。
するとそこには武士の姿が。
「遅れてすみませんでした。」と言い、席に着いた。
しかし、１時間目の国語のＴ先生は、怖い先生なので、そうはいかない。
｢授業の後職員室に来なさい。」と呼び出しをくらってしまった。
リョウは、近くの席の武士に、遅れた理由を聞いてみた。すると、
｢昨日のとこ自分で考えてたら、寝るのが遅くなっちゃって、寝坊したんだ。｣
｢結局わかったのか?｣｢いいや、ぜんぜんわからなかった。｣
｢そこ、何しゃべってるんだ。」
と、先生に言われたので、話すのをやめた。
そして、休み時間になった。武士はＴ先生に職員室に連れて行かれてしまった。
次の授業は、リョウの嫌いな数学である。宿題もやってきていないので、怒られそうだ。
武士が戻ってきて、授業が始まった。案の定、武も宿題を忘れていたので、一緒に怒られた。
そして今日もドタバタした一日が過ぎていった。
