「LRT」とは?
「LRT」は、軽量軌道交通(ライトレール、Light Rail Transit)の略です。今まで都市内交通が中心であった路面電車を、郊外へ延びる地域基幹交通として位置付けています。日本国内ではLRTは「次世代型路面電車」の意とされ、当事業もLRTを次世代型路面電車としています。
軽量軌道交通とは、一般の鉄道(在来線など、ヘビーレールなどとも言われる)より、小さな規格や輸送力の鉄道であることを意味します。
今までの路面電車との違いは?
LRT(次世代型路面電車)は、今までの路面電車では次のような違いがあります。
今までの路面電車は、停留場から乗車する際に、ステップを登る必要がありましたが、
LRTでは超低床車両(LRV)を導入しステップを無くしました。車椅子やベビーカーも、スロープなしで簡単に自力で乗降できます。
今までの路面電車は、道路上に「安全地帯」という区画を設け、簡単なプラットホームを設置しているだけという形態が殆どでした。
LRTではプラットホームと雨風を凌げるシェルターを前停留場に完備し、各種案内やベンチ、接近表示なども実施し快適に電車を待てるようにしました。
今までの路面電車は、道路上に軌道を設置する併用軌道(センターリザベーション)が多く、軌道内に自動車が侵入し定時通り運転できないことが多く全国の各都市から路面電車が消える原因となりました。
LRTではセンターリザベーション式の併用軌道のほか、車道から独立した道路端に軌道を建設する「サイドリザベーション」方式の採用、電車のみ走行する専用軌道、道路との立体交差、橋梁の設置などで自動車交通と分離させる区間を設け、自動車交通との共存を図り定時性を確保しています。
宇都宮市はなぜLRTを導入するのか?
宇都宮市では1980年代後半以降、モータリゼーションの進行により、田畑や山林が広がっていた郊外部が道路建設と共に急速に開発されていき、市街地の衰退や激しい交通渋滞の発生、公共交通の利用者減少による相次ぐ廃止、交通弱者の増加が社会問題化していました。
宇都宮市では1993年度、基幹公共交通が少なかった市の東西を結ぶ新しい交通システムを検討するため「新交通システム研究会」を発足。2001年度の「新交通システム導入基本計画策定調査」によってLRT導入を検討し、2012年度に策定された「東西基幹公共交通の実現に向けた基本方針」でLRT導入を正式に決定しました。
宇都宮市はLRTや鉄道、バスなどの基幹交通機関を軸とした
ネットワーク型コンパクトシティの街づくりを推進しており、LRTは「クルマなしでも暮らせる街」の実現へ向けての一翼を担う存在です。
関連項目
最終更新:2021年10月22日 17:57