揺れるトラックの中で再び情報を確認してみる。
場所は○○にあるコントローラーの専門教育学校。
敵対象の数は約10。
形態は全長50cm、体高30cm大の蜘蛛のような姿。
しかし、その学校の生徒や教師が攻撃する度に
その数と戦闘能力を高めているとの情報あり。
既にその数は60を超え、全長は1m50~2mはあり、
皮膚の変化した頑丈な装甲板と元の数倍の筋力を
有しているとの情報も確認。
単純に考えれば非常に厄介なエネミーである。
しかし水上は全く心配していなかった。
オフィシャルメンバーとして常に第一線で
あらゆるエネミーを葬り去った水上にとって
今から向かうところにいるであろうエネミーも
ただ「駆除」するだけの対象であり
自身の敗北などはまず公算にいれる必要な無いのだ。
「ついたぞ。総員リボルブし次第各個対象を駆逐開始」
水上はもうとっくにリボルブしていた。
そして真っ先にエネミーの中へ突っ込んでいく。
隊列を組み、まとまって戦うばかりが能ではないと
水上は考えている。
校門の外に数匹のエネミーが見える。
最初に聞いた敵対象の情報に近い形態。
「…情報の真偽を確かめさせてもらおう」
そう水上は呟いき、いつも通り水でエネミーを
一刀両断した。
エネミーはすぐに沈黙してしまった。
他のエネミーが水上に気づいて近づいてくる。
水上はそれらも次々と切断していく。
数体のエネミーを駆除し終えたのち、
ふと最初に切断したエネミーを見ると
再生を終え、より屈強な姿に変わっていた。
「情報は確かに真だったか。
これならそうやすやすと切断するわけにもいかないな」
そう言いつつも、水上に焦りの表情はない。
水上は一旦全神経を回避行動に集中させ
どう戦うべきか考えていた。
おそらく、単に分断するだけでは即座に復活する。
となれば、核となる部分を破壊するしかない。
しかし、それは一体どこなのか?
もし自在にその位置を変えられるのならば
無闇矢鱈と切り裂くのは得策ではない。
ではどうするべきか。
「仕方ない。あまりいいものじゃないが、アレをやるか」
水上は素早く一匹のエネミーに近づき、
すれ違いざまに一瞬そのエネミーに触れた。
エネミーは自分の後方へ回った水上を追いかけようとするが
どうも様子がおかしい。
体勢をガクンと崩し、そのまま地面に倒れこんでしまった。
そして次の瞬間、エネミーの体が突如膨らんだかと思うと
爆発して四方八方に肉片が飛散した。
水上は水の壁で飛んできた肉片を避け、
バラバラになったエネミーの残骸を見た。
エネミーはいっこうに再生しない。
水上はエネミーが完全に沈黙したことを確認し、
同様の手法で次々とエネミーを駆逐していった。
水上はまず水分子が激しく振動する光景を想像し、
そのイメージを維持したまま片手に力を集中した。
次に、エネミーに一瞬触れた際にその力を体内に送り込む。
送り込まれた力はエネミーの体内にある水分子を激しく振動させる。
体内の水はすぐさま沸騰して水蒸気となり、その熱で
行動不能になったエネミーに追い討ちをかけるかの如く
水蒸気による内部の圧力に耐え切れなくなった体を爆発させる。
非常に強力な戦闘術だが
それに比例して後片付けが面倒ではある。
水上はエネミーの駆逐に集中すると、後始末のことなど
頭から完全に抜けてしまう悪い癖があった。
校庭では教師・生徒・エネミーが入り乱れて戦っている。
オフィシャルメンバーの一人が学校のスピーカーを
シンボルの力で拝借して呼びかける。
「校内で戦闘中の皆さん!只今オフィシャルメンバーが到着しました!
これより駆逐作業に入ります!教師・生徒の皆さんは
校舎内に避難し出入り口にてエネミーの進入を防ぎ
これ以上負傷者を出さないことにだけ集中してください!」
入ります、というか既に入っている。
水上はかれこれ15匹は爆砕している。
今の放送で校内に逃げ込む人が多くなり
それを追いかけるエネミーも数を増す。
途中で数名がエネミーの攻撃により地面に倒れる。
近くに助けてくれる仲間がいない生徒3名を
水上は水で縛って引き連れる。
生徒を玄関に降ろした後、水上は玄関前にて
最後の仕上げにとりかかった。
最終更新:2006年09月02日 12:43