校舎内に入って生き残りはいないか探して歩く。
ザザッと無線の入る音がした。
「水上、そちらの様子はどうだ?」
「先程、屋上にて残党一匹を駆逐。
現在は校舎内を見回っています」
「そうか、ご苦労…と言いたいところだが
お前、また派手に散らかしてくれたな」
「…申し訳ありません」
「まぁ慣れっこだがな。後で掃除しに来る奴らの
身にもなってみろと毎回のように言っているだろう
…まぁいい。俺も叱り疲れた。
水上、お前は一旦引き返して体育館の見張りを頼む。
あそこは怪我人が多い。
今攻められると厄介だからな」
「了解」
俺は向きを変え、駆け足で体育館に向かった。
体育館には無数の怪我人とその付添い人がいた。
怪我の酷い者から順に救急車で運ばれていっているらしい。
酷いといってもせいぜい骨折程度らしく
死人は出なかったらしい。
流石は専門教育校の生徒たちである。
手を握って怪我人となにやら話をしている生徒、
包帯などを持って忙しく動き回る生徒、
笑顔で別の
オフィシャルメンバーに話しかける生徒、
シンボルを枕代わりに眠る生徒…。
ちらほらと教師達の姿も見える。
俺は体育館内を歩きながらある人物を探す。
「…木村さん」
反対側の出入り口の近くに木村さんの姿を確認する。
急いで接触しようと早足で歩き出したが
不意に誰かの声で止められる。
「あの、失礼ですがさっき真っ先に校庭に入って
次々とエネミー退治していったのってあなたですよね?」
肩に鳥のようなシンボルを乗せた見知らぬ男子生徒が
目を輝かせてこちらを見上げている。
「…そうだけど、何かようですか?」
男子生徒は興奮抑えきれないといった態度で
再び喋りだす。
「うわーやっぱりですかー!
いや、さっきの戦闘が凄くかっこよくて…
あ、俺将来はオフィシャルに入りたいんです!」
男子生徒は止め処なく話しかける。
俺はそれを遮って言う。
「悪いんだけど、今はゆっくり話ししていられないんだ」
男子生徒は酷くしょげこんだ。
「…そう、ですか…」
何となく罪悪感がしたので付け加えて話す。
「…今度オフィシャルがこの学校に来て
交流会のようなものを催すから、その時にな」
男子生徒は再び目を輝かせる。
「え、本当ですか!?初耳だな~!」
「本当は教えちゃいけないことなんだけどな。
他の生徒には口外するなよ?」
「ハイッ!約束します!」
こちらはこそこそ話していたのに
男子生徒はハッキリと大声で返事をした。
鼓膜が破れるかと思った。
「それじゃ、またな」
男子生徒は腰を90゚曲げてお辞儀をしていた。
肝心の木村さんは、どこかへ姿を消していた。
最終更新:2006年09月03日 22:39