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近寄らないで、その一言のショックは大きかった
よって、俺はとぼとぼと肩を落として学校に向かうわけだ
見られたショックも大きかった
妄想を垣間見られたショックが激しく、何もやる気がおきないまま、今まで寝ていた
出席日数などのこともあり、仕方なしに登校することにしたわけだが

「……………何が起こってるんだ?」

俺の通う学校は、コントローラーの養成を行っているはずだ
未熟とは言え、かなりのコントローラーがいて
さらに実習の教師などはシンボルの扱いに長けている
そんなところにエネミーが入り込めば、たちまちに駆除されるだろう
それなのに、目の前の状況はなんだ?
校門から少し離れた校庭をびっしりと埋め尽くし、うごめく存在、エネミー
反射的に周りを見回す
俺の周りにはエネミーはいないらしい
まだ、逃げることができる
しかし、逃げる足を止める思考が頭の中にあった
もし、学校の中にまで進入していたら、中の生徒は無事なのだろうか?
臆病者の足は止まった、しかし、恐怖に立ち向かうには、勇気が足りない
震えんなよ、逃げんなよ、前を見ろ、胸を張れ、拳を振り上げろ
藤城雄哉、お前は何をするべきだ?

自問に顔を歪め、俺は足早に学校から遠ざかった





ゴォォォオォォ!!!
体全てで受ける風の抵抗に、自転車を漕ぐ足を緩めそうになる
俺、押し戻されてるんじゃないか?ってくらいの風圧だ
きっと自動車と並走できるに違いない、人間の本気とは恐ろしいものだ
近くの商店街で盗んできたチャリで向かう先は、安全地帯ではない、危険地帯だ
このまま、何もせずにそこいらの喫茶店で優雅にお茶を飲んでいたとしても、みんなは無事かもしれない
己を負け犬と認め、うずくまっていても、大半の人間は無事であろう
でも、それではダメなのだ
親友がいる
性別こそ違うが、そんなものが関係ないほど親しい友だ
友人間でからかわれることはあっても、ずっと共に居続ける
深山、奏
アイツを見つけて安心するまでは、絶対に人任せになどできない
俺は、自転車を漕ぐ足に、更に力を込め、校門を突き抜けた





グラウンドの、エネミーの中を掻き分けていく
何人か、戦っているものもいるらしい
そいつらが敵の注意をひきつけてくれるおかげで、幾分進みやすかった
が、世の中とは上手くいかないのが決まりなのだ
後ろからエネミーの殴打を受け、自転車もろとも地面を転がった
まだ、グラウンドの半分を越えたあたりだ
痛む身体に力を込め、立ち上がると同時に走り出す
リボルブでもして、身体能力を上げたいところだが、昨日からRoiが見当たらない
役にたたねぇなぁおい!
必死に走って、ついにエネミーの群れを抜けた
が、一緒に集団登校しちゃってるエネミーさんもいた
「皆さん学校違いますよォオォォォオオオォォォオォオオ!!!!???」
走りながら、思いっきり叫んだ
エネミーに学校があるかどうかは分かりきってることだが、叫ばずにはいられない
もうエネミーの豪腕は俺の身体をかすり始めている
俺は自滅覚悟で前方へと思い切り跳躍した





ガッシャァアァァァァアアン!!!!

窓ガラスに体当たりして、校舎内に侵入する
窓枠程度の広さでは、あの大きなエネミーは入ってこれないだろう

ドガッシャァッ!!!

ガラガラと崩れ落ちる校舎の白い壁

エネミーは普通に校舎に入ってきた
むしろ俺が招きいれたような感じだ
とりあえず俺は、全力で逃げることにした
俺、何でここに戻ってきちゃったんだろ……
逃げながら、己の馬鹿さ加減を呪うことしか、俺にはできなかった

同じような風景が通り過ぎる
校舎内の全力疾走に、ゼヒューゼヒューと呼吸が乱れる
足をもつれさせながらも、エネミーとは何とか距離をとっている
と、前方に、人影を見つけた
ダークグレーのスーツにミッドナイトブルーのネクタイ
その顔は、記憶に新しいものだった

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最終更新:2006年09月04日 01:40