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アマギャル★113~ - (2010/06/16 (水) 13:58:26) の1つ前との変更点
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★その113
「この状況下で最適と思われるルートを示してください。制限時間、5秒です。」
端末のディスプレイに映し出された情報を睨みつける。
地形、天候、時刻、風向き、敵の配置、その他諸々から判断すると―――
「ここの渓谷を通って、ここに出て…こう。」
自分の意図したルートを指でなぞった。
「48点です。渓谷を通るのであればルート526の方がよりベターでしょう。」
「48点か、手厳しいな…」
「甘く評価してもヨウヘイさんの為にはなりません。」
「そうだな。」
「更に戦況を有利に運べるルートがあります。分かりますか?」
「う~ん……………こうか?」
もう一度ディスプレイを指でなぞった。
「正解です。」
「ふぅ…、一歩前進かな?」
強くなろうと決めたあの日から3ヶ月経った。
俺の目指す理想はまだ遠い。進めば進むほど目標の遠さを思い知らされた。
止めてしまおうと思った事も何度かあったが
アイビスが付き合ってくれるおかげもあって今日まで続いている。
初めのうちは血ヘドを吐くぐらいシミュレーターにこもったが
そんなにポンポンと操作技術が向上する筈もなく、体力的にも限界があった。
そこで過去にイレギュラー、ドミナントと呼ばれた傭兵たちから学ぶ事にした。
彼らは純粋に強い。操作技術は勿論、汎用性が高く、思考は柔軟で
状況判断の早さもズバ抜けている。
そして何より、戦場で自分に有利な流れを作るのが上手い。
迂闊な行動をして毎回追い込まれている俺とは正反対。
苦手科目は伸ばしやすいって言うし、こっち方面を猛特訓中だ。
今やっているのも、その1つ。
他にも色々と思いつく限りの事を試している。
大昔のミッションレポートを分析、考察してみたりとかね。
アイビスはそういった過去の記録をネット上から集めてくるのが得意らしく
資料には事欠かなかった。
「そろそろ時間です。今朝はこれくらいにしましょう。」
「そうだな。」
「続きは帰ってからです。」
「うん。」
「朝食の準備をしてきます。」
アイビスは俺の部屋を出て台所に向かった。
最近は彼女の世話になりっぱなしだ。
「アイビスって何をしてあげれば喜ぶんだろう…」
こうも世話になりっぱなしだと、何だかな~
前にそれとなく欲しい物がないか訊いたら、料理に使う調味料が欲しいって言われたし
物欲が無さそうなんだよな。う~ん…もう1回訊いてみるか。
学校に行く支度を済ませて1階に降りた。
★その114
「おおっ、良い匂いだな。」
「今日のお魚は紅鮭です。」
テーブルには脂ののった鮭の切り身や味噌汁が並べられている。
「いただきまーす!」
平日の朝食は1人でする事が多くなった。
姉さんたちが起きてくる前に済ませて、早めに家を出るんだ。
グローランサーの整備を自分でする為にね。
もぐ、もぐ、もぐ、もぐ…
「なあ、アイビス。」
「はい。」
「今欲しい物って何かある?」
「お醤油が欲しいです。そろそろストックが切れそうです。」
また調味料ですか…
「財布預かってるんだから醤油は好きに買ってくれ。そうゆうのじゃなくてさ。」
「?」
「こう…洋服とか、アイビスが個人的に欲しい物はない?」
「ないですね。」
即答されてしまった。だが簡単に引き下がる訳にはいかない。
「どっか行きたいとか、何か俺にしてほしいって事もない?」
「どうしたのですか?」
「いや、その、なんだ…」
「?」
そんなに不思議そうな顔しなくてもいいだろ。
「日頃のお礼がしたいんだよ!」
言わせんな、恥ずかしい。
「その気持ちだけで十分です。」
「そう言わずに考えるだけ考えてみてくれないか?」
「……………」
何事も即時即決のアイビスが悩んでいた。初めて見る姿だった。
「急ぐもんじゃないし、見つかったら教えてよ。」
「分かりました。」
粘ってみるものだな、ミッションコンプリート。
アイビスが何を言ってくるかちょっと楽しみだ。
「おはよう、今日も早いな。」
「セレン様、おはようございます。」
「おはよう。」
姉さんが起きてきたという事は結構な時間だ、急がなきゃな。
残りの朝食を平らげて家を出た。
★その113
「この状況下で最適と思われるルートを示してください。制限時間、5秒です。」
端末のディスプレイに映し出された情報を睨みつける。
地形、天候、時刻、風向き、敵の配置、その他諸々から判断すると―――
「ここの渓谷を通って、ここに出て…こう。」
自分の意図したルートを指でなぞった。
「48点です。渓谷を通るのであればルート526の方がよりベターでしょう。」
「48点か、手厳しいな…」
「甘く評価してもヨウヘイさんの為にはなりません。」
「そうだな。」
「更に戦況を有利に運べるルートがあります。分かりますか?」
「う~ん……………こうか?」
もう一度ディスプレイを指でなぞった。
「正解です。」
「ふぅ…、一歩前進かな?」
強くなろうと決めたあの日から3ヶ月経った。
俺の目指す理想はまだ遠い。進めば進むほど目標の遠さを思い知らされた。
止めてしまおうと思った事も何度かあったが
アイビスが付き合ってくれるおかげもあって今日まで続いている。
初めのうちは血ヘドを吐くぐらいシミュレーターにこもったが
そんなにポンポンと操作技術が向上する筈もなく、体力的にも限界があった。
そこで過去にイレギュラー、ドミナントと呼ばれた傭兵たちから学ぶ事にした。
彼らは純粋に強い。操作技術は勿論、汎用性が高く、思考は柔軟で
状況判断の早さもズバ抜けている。
そして何より、戦場で自分に有利な流れを作るのが上手い。
迂闊な行動をして毎回追い込まれている俺とは正反対。
苦手科目は伸ばしやすいって言うし、こっち方面を猛特訓中だ。
今やっているのも、その1つ。
他にも色々と思いつく限りの事を試している。
大昔のミッションレポートを分析、考察してみたりとかね。
アイビスはそういった過去の記録をネット上から集めてくるのが得意らしく
資料には事欠かなかった。
「そろそろ時間です。今朝はこれくらいにしましょう。」
「そうだな。」
「続きは帰ってからです。」
「うん。」
「朝食の準備をしてきます。」
アイビスは俺の部屋を出て台所に向かった。
最近は彼女の世話になりっぱなしだ。
「アイビスって何をしてあげれば喜ぶんだろう…」
こうも世話になりっぱなしだと、何だかな~
前にそれとなく欲しい物がないか訊いたら、料理に使う調味料が欲しいって言われたし
物欲が無さそうなんだよな。う~ん…もう1回訊いてみるか。
学校に行く支度を済ませて1階に降りた。
★その114
「おおっ、良い匂いだな。」
「今日のお魚は紅鮭です。」
テーブルには脂ののった鮭の切り身や味噌汁が並べられている。
「いただきまーす!」
平日の朝食は1人でする事が多くなった。
姉さんたちが起きてくる前に済ませて、早めに家を出るんだ。
グローランサーの整備を自分でする為にね。
もぐ、もぐ、もぐ、もぐ…
「なあ、アイビス。」
「はい。」
「今欲しい物って何かある?」
「お醤油が欲しいです。そろそろストックが切れそうです。」
また調味料ですか…
「財布預かってるんだから醤油は好きに買ってくれ。そうゆうのじゃなくてさ。」
「?」
「こう…洋服とか、アイビスが個人的に欲しい物はない?」
「ないですね。」
即答されてしまった。だが簡単に引き下がる訳にはいかない。
「どっか行きたいとか、何か俺にしてほしいって事もない?」
「どうしたのですか?」
「いや、その、なんだ…」
「?」
そんなに不思議そうな顔しなくてもいいだろ。
「日頃のお礼がしたいんだよ!」
言わせんな、恥ずかしい。
「その気持ちだけで十分です。」
「そう言わずに考えるだけ考えてみてくれないか?」
「……………」
何事も即時即決のアイビスが悩んでいた。初めて見る姿だった。
「急ぐもんじゃないし、見つかったら教えてよ。」
「分かりました。」
粘ってみるものだな、ミッションコンプリート。
アイビスが何を言ってくるかちょっと楽しみだ。
「おはよう、今日も早いな。」
「セレン様、おはようございます。」
「おはよう。」
姉さんが起きてきたという事は結構な時間だ、急がなきゃな。
残りの朝食を平らげて家を出た。
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