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MISSION:4
◇某所
「何故目標を確保せずに殺した?」
「あの……その……」
「殺さずに制する術など、幾つも教えた筈だが」
「と、途中まではとってもスマートだったんですよ?
でも日頃の訓練のタマモノといいますか、その……。
ゴメンなさい、反射でつい殺っちゃいました……」
ミドルスクールの教師と生徒のような構図。
実際、庵野 雲とエリーア・大葉の関係はそれに近い。
随分と物騒なやり取りをする教師と生徒ではあるが。
「お前は力をつけた。私が教えられる事はもう無い」
「そんなぁ~、見捨てないでください……」
エリーアはまるで捨てられた子犬のようにしゅんとなって瞳を潤ませた。
その様子を気にもとめずに雲は続ける。
「私は期待しているのだぞ。お前は軽率な行動さえしなければ
既にアークで頂点を狙う事も可能な筈だ」
「できればアタシは雲さまのところに永久就職したいので――」
「なにが永久就職や、先に自分がミスった分の損失を心配せんかい!」
「ガイルにぃ!? い、いつから聞いてたの!?」
「お前が『見捨てないでぇ、あうあうあう~』ってなってたところからや。
オヤジはしょ~もないミスで足引っ張るなら、出て行け言うとんのやぞ」
「あうぅ……」
「せっかくの一石二鳥プランを台無しにしよってからに」
ガイルと呼ばれた不思議な訛りで話す男は、エリーアに容赦ない追撃をかけた。
「お前が殺ったゴールドスミス博士は稀代の天才言われる研究者でな
キサラギにでも連れて行ったら、言い値で買うてもらえたんやぞ。
うちは扶養家族が多いから、しっかり稼がなあかんの知っとるやろ?」
「そこまでにしておけ、ガイル。それで成果はあったのか?」
「直接金になりそうなモンは無かったんやけど、面白いネタは見つけたで」
「ほう」
「これなんやけど、オヤジの意見聞かせてや」
「オヤジはやめろ」と言いながら雲はガイルから手帳を受け取った。
古く使い込まれているが特に珍しいところはない、普通の手帳だった。
「…………日記か?」
「まあ、じっくり読んでみてや」
ガイルに促されて雲は手帳に目を通す。
「…………」
1ページ、2ページと手帳をめくる度に雲の表情が僅かながら変わった。
その様子を見たガイルは自信を確信に変えて、ニヤリと笑う。
「どやろ?」
「ゴールドスミス――金細工職人というのは面白い姓だな」
MISSION:4
◇某所
「何故目標を確保せずに殺した?」
「あの……その……」
「殺さずに制する術など、幾つも教えた筈だが」
「と、途中まではとってもスマートだったんですよ?
でも日頃の訓練のタマモノといいますか、その……。
ゴメンなさい、反射でつい殺っちゃいました……」
ミドルスクールの教師と生徒のような構図。
実際、庵野 雲とエリーア・大葉の関係はそれに近い。
随分と物騒なやり取りをする教師と生徒ではあるが。
「お前は力をつけた。私が教えられる事はもう無い」
「そんなぁ~、見捨てないでください……」
エリーアはまるで捨てられた子犬のようにしゅんとなって瞳を潤ませた。
その様子を気にもとめずに雲は続ける。
「私は期待しているのだぞ。お前は軽率な行動さえしなければ
既にアークで頂点を狙う事も可能な筈だ」
「できればアタシは雲さまのところに永久就職したいので――」
「なにが永久就職や、先に自分がミスった分の損失を心配せんかい!」
「ガイルにぃ!? い、いつから聞いてたの!?」
「お前が『見捨てないでぇ、あうあうあう~』ってなってたところからや。
オヤジはしょ~もないミスで足引っ張るなら、出て行け言うとんのやぞ」
「あうぅ……」
「せっかくの一石二鳥プランを台無しにしよってからに」
ガイルと呼ばれた不思議な訛りで話す男は、エリーアに容赦ない追撃をかけた。
「お前が殺ったゴールドスミス博士は稀代の天才言われる研究者でな
キサラギにでも連れて行ったら、言い値で買うてもらえたんやぞ。
うちは扶養家族が多いから、しっかり稼がなあかんの知っとるやろ?」
「そこまでにしておけ、ガイル。それで成果はあったのか?」
「直接金になりそうなモンは無かったんやけど、面白いネタは見つけたで」
「ほう」
「これなんやけど、オヤジの意見聞かせてや」
「オヤジはやめろ」と言いながら雲はガイルから手帳を受け取った。
古く使い込まれているが特に珍しいところはない、普通の手帳だった。
「…………日記か?」
「まあ、じっくり読んでみてや」
ガイルに促されて雲は手帳に目を通す。
「…………」
1ページ、2ページと手帳をめくる度に雲の表情が僅かながら変化した。
その様子を見たガイルは自信を確信に変えて、ニヤリと笑う。
「どやろ?」
「ゴールドスミス――金細工職人というのは面白い姓だな」
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