BR Class 43(イギリス国鉄 クラス43)は、イギリスの高速列車『インターシティー125』(Class 253・Class 254)の牽引機として、ブリティッシュレールエンジニアリング(BREL:British Rail Engineering Limited)のクルー工場で1975年から1983年にかけて197両もの車両が製造された。HSTとも呼ばれ、イギリス全国で見ることが出来た。現在でも第一線で活躍している。
また公式記録では世界最速のディーゼル機関車であり、その記録は148mph(238km/h)を誇る。
基本情報 |
運用者 |
現行 イーストミッドランドトレインズ クロスカントリー ネットワークレール グレートウエスタン鉄道 ロンドンアンドノースイースタン鉄道 過去 イギリス国鉄 GNER イーストコースト ヴァージンクロスカントリー ヴァージントレインズイーストコースト ヴァージントレインズ(ウェストコースト) グランドセントラル ナショナルエクスプレスイーストコースト ミッドランドメインライン
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製造所 |
ブリティッシュレールエンジニアリング クルー工場 |
形式 |
Class 43 |
車両番号 |
43002~43198 43001,43000(試作車からの編入) |
製造年 |
1975年~1982年 1972年(試作車) |
製造数 |
197両 (ほか試作車から2両編入) |
愛称 |
HST |
性能諸元 |
軸配置 |
Bo-Bo |
軌間 |
1,435mm |
全長 |
58.4ft(17.79m) |
全幅 |
9.0ft(2.74m) |
機関車重量 |
70.25t |
台車 |
BP10 |
固定軸距 |
3ft 4in(1.016m) |
燃料搭載量 |
990ガロン(4,500L) |
動力伝達方式 |
電気式 |
機関 |
79000cc V型12気筒ターボ パックスマン12RP200L |
機関出力 |
2,250hp(1,500r.p.m) |
発電機 |
CVP185: Brush Traction BA1001B MTU: Brush Traction BA1001 |
主電動機 |
Brush Traction TMH68-46 GEC G417AZ (43124-43152) |
制動装置 |
空気ブレーキ |
暖房装置 |
ETS |
保安装置 |
AWS |
最高速度 |
営業:125mph(201km/h) 記録148mph(238km/h) |
出力 |
1,320KW(1,770ph) |
引張力 |
連続:10,340lbf(46.0kN) 64.5mph(104km/h)時 |
最大引張力 |
17,980lbf(80.0kN) |
登場までの経緯
1970年代初頭、英国鉄道委員会(BRB:the British Railways Board)は、本線で使われていた
ディーゼル機関車牽引の客車列車を新型の高速列車にすることを計画していた。しかしながら赤字体質のイギリス国鉄では大規模な電化工事は難しく、高速列車運行の為には新型の高速ディーゼル列車が必要であった。それには、当時活躍していた高速列車用
ディーゼル機関車Class 55による経験から、高速走行時の軌道への影響を抑える為には軽軸重であることが必須であり、そのために出来るだけ小さいパワーウエイトレシオ(重量出力比)をもつディーゼル機関が必要であった。そのような背景で営業最高速度125mph(200km/h)を目指した高速列車(HST)計画が開始され、前述の要件を満たすべく出力2,250bhp(2,281PS/1,680kW)のV型12気筒・Paxman Valentaエンジンを開発し、試作車であるClass 41
ディーゼル機関車を完成させた。目論見通り車重70t・軸重17.5tのRA 5クラスに収めることに成功し、HST計画は量産化へと移行した。
構造
車体
車両外観
車体は全長58.4 ft(1779mm)。台枠の上にそれぞれの鋼鉄製の車体ブロックを乗せていく方式で組み立てられており流線形の先頭部はグラスファイバー製である。Class 41の構造を踏襲するが、先頭部は他の機関車でのけん引時にはドローバーを使用するものとすることでバッファを不要とし、車体下部が覆われたより滑らかな流線形となった。ヘッドライトは正面下部のケースに纏められヘッドライト間にはホーンを設置している。車体中心部に主要機器を置く。前位側には電気機器と空制機器、中心部にはエンジン、後位側には冷却機器を備える。床下には右側にはコンプレッサーとバッテリーが、左側には燃料タンクが装備される。2位側には単には車掌台が、そして冷却装置との間には積載容量1tの荷物室が設置された。荷物室へのアクセス用にプラグ式のスライドドアも設置されている。2位側は貫通式とされ客車とは幌で連結され相互に行き来できる構造となっている。客車側との連結面にあたる2位側も連結にはバッファを使用しない自動密着連結器(バックアイカプラー)によるものとし、Class 41では連結面側に設置されていた回送用の簡易運転台は廃されている。
また製造途中からの差異として、車掌台は客車側に搭載することになり43 153からは従前後位側に設置されていた車掌台の設置が省略された。それに伴い荷物室用のドアの後位の車掌室用の窓および妻窓の設置が省略され外観上の差異となっている。
主要機器
エンジン・電装品はClass 41と同じくPaxman 'Valenta' 12RP200Lとブラシ製電装機器とされた。
主電動機は出力330kWのものが1両あたり4機搭載された。43123までと43153以降はブラシ製TMH68-46、43124~43152にはGEC製G417AZが搭載されている。主電動機は台車内に装荷され、モーター軸と
リンクで接続された中空状の小歯車を介し大歯車を回転させ動軸を駆動している。
ブレーキには在来の
ディーゼル機関車とも互換性のあるEPブレーキ(Electro-pneumatic brake)と呼ばれる日本の電磁直通空気ブレーキのようなブレーキシステムが採用されていて、他には列車分離用には自動空気ブレーキを備える。ブレーキ装置は台車中央部には片押し式の踏面ブレーキが、台車の両端には各車輪に沿うように設置された制動用ディスクを制輪子ではさみこむ方法のディスクブレーキが装備されている。特筆すべき点として、ブレーキ力の80%を客車側で賄う設計となっており、その為125mphでの運転には客車が5両以上の連結が必要であり、機関車単体や短編成では営業最高速度の125mphでの運転は行えない。
台車はBP10型。台車間間隔は10300mm。ボルスタレス方式で、枕ばねはコイルばねであるものの複数使用することにより復元力を発生させコイルばねであってもボルスタを廃することに成功している。軸箱支持方式はウイングばねを用いたアルストム
リンク式。
その他客車用に電源出力(
ETH)を備えている。これは在来の
ETH車とは異なり3相交流440Vとなっており、牽引する客車もそれに対応したHST専用の客車となる。重連総括制御も
Class 43同士でのみ総括可能な専用設計のもので在来の
ディーゼル機関車と互換性はない。
附番
当初はDMUのClass 253・Class 254のうちの1両として作られたため、各車の附番方法もDMU同様客車の附番方式に順じてつけられた。HSTは40000番台とされパワーカーに当たる車両には43000番台が割り当てられた。パワーカーには既にClass 252にClass 41として登場した車両43000・43001が在籍していたため、その続番から附番された。初号機が43002となっているのはこのためである。
エンジン換装
ファンから熱い支持とは裏腹に、Paxman Valenta 12RP200Lは信頼性が低く、オーバーヒートやエンジンオイルの消費の速さ、燃費、騒音、排気の煤煙等が問題視されていた。冷却機構改善前のウェスタンリージョンにおいては、発熱が顕著になる夏季に定格2,250bhpである出力を2,000bhpに落として運用するほど事態は深刻なものであった為、エンジンの換装が計画された。
Mirrlees Blackstone MB-190
1987年よりValentaに代わるエンジンとして、試験的にウェスタンリージョンを走る43167~43170の4両にミレーズブラックストーン社(Mirrlees Blackstone)製MB-190エンジンへと交換を行った。しかしながら結果は思わしくなく1996年に通常のValentaへと戻された。
Paxman VP185シリーズ
同じく1987年より、Paxman VP185シリーズの開発が開始された。
イギリス国鉄は1991年1月にその試験を行う方針を決定、翌々年の1993年5月には正式に決定した。同年12月から翌1994年の2月にかけて、実際の運用を想定した4分間3500bphの最大出力で運転し6分間のアイドリング運転をするという試験運転を実に3000回も繰り返す耐久性の試験が行われ良好な結果を残した。その後VP185は車上試験に移り43170に搭載され、1994年9月22日より運用を開始した。1990年代後半にはさらに25両の機関が更新され、オーストリアで走る同型のXPTについては全車が機関を更新した。この改造では燃費と排出ガスの削減には成功したものの信頼性の向上には至らなかった。
イーストミッドランドトレインズ
イーストミッドランドトレインズ(East Midland Trains)では2009年よりValentaの換装を開始したが、その置き換えの際にVP185に換装した。
MTU 16V4000R41
独MTU社の16V4000R41型エンジンは2005年のファーストグレートウェスタン(FGW,First Great Western)ではじめて導入され以降各線区に波及した。
グレートウエスタン系統
運行会社(TOC)であるFGWと車両リース会社のエンジェルトレインズ(Angel Trains)は新規導入したClass 180気動車のトラブルが続出しており、また利用客の増加も相まってHSTの置き換えの見込みが立たない状況であった。エンジンに信頼性の問題を抱えていたものの車両そのものは堅牢かつ輸送力もあることからClass 43にエンジンの交換を施し、信頼性の向上、燃費の改善、排出ガスの削減を図ることとした。その改造に際し白羽の矢が立ったのがMTU 4000エンジンである。2004年より1年に渡り試験を行い、良好な結果が得られたことから2005年より現車試験を実施、同年12月にFGWのすべてのClass 43をMTU製に置き換えることが発表された。この更新工事はラフラバのブラシ社(Brush Traction)で実施され、2009年までに全車に施工されている。
イーストコースト系統
2005年、FGWの成功を見たGNER側もそれに習い、MTUエンジンへの換装を決定、開始した。しかしながら親会社であるシーコンテナーズ(Sea Containers)の経営破綻によりGNERは運行権を喪失、GNERでは換装は完了しなかった。2007年11月より、運行権を得たナショナルエクスプレス(National Express East Coast)でも換装工事は継続して実施され、2009年11月に負担金の問題で運行権を剥奪され、運行が国営企業のDirected Operated Railwaysに移ってからも換装工事は継続、2009年末に全車換装が完了した。この換装工事もラフラバのブラシ社(Brush Traction)で実施されている。またイーストコースト系統のClass 43では後に換装工事施工車に対して番号を原番号+200することで200番台・300番台とした。[例)43102→43302等]サブクラスの設定はない。
クロスカントリー系統
前身の運行会社であるヴァージントレインズは2003年、同区間からHSTを撤退させ、ボイジャーおよびスーパーボイジャーへと置き換えた。しかし新型車両は騒音や居住性の悪さ、乗り心地の悪さなどから乗客からの人気はいま一つであった。また、従来より短編成であることから定員が減少しており、新型のボイジャーでは混雑が激しくなっており問題視されていた。そこで後任の運行会社となったアリヴァ(Arriva)は、2007年より再度HSTを運行することを決定。2008年にMTUエンジンへの換装・更新工事を施したHST5編成を導入、運行を開始した。
ネットワークレール系統
"フライング・バナナ"と呼ばれる、主要な各線を13日周期で検測運転をするHSTを用いた検測車運行するネットワークレールも追従し2008年に所有の
Class 43をMTUエンジンへと換装した。
グランドセントラル
2009年よりグランドセントラルで走る
Class 43もMTUへの換装を決定、同換装に伴い側面腰部にClass 180に合わせたオレンジ色の太帯が追加されたうえで400番台に再度整理されている。2010年、最後のPaxman Valenta搭載車であった43084と43123が特別運転を行なった後Burshへ入場、これをもって30余年活躍し続けたPaxman Valentaの活躍に終止符が打たれた。
サブクラス
本来
Class 43にはサブクラスとして区分されたものはない。しかし現在、動態保存車として残るClass 41 "43000"が
Class 43の
サブクラス43/9として登録されている。
Class 41は登場後、HST系統はDMUとして扱われ、Class 41はその編成全体が"Class 252"とされた。機関車ではClass 41を表していた41000番台はDMUではすでにHST用のMk3客車"TF"に割り当てられていたため、Class 41はHST系統の動力車を表す43000番台の番号、"43000"へと改番された。その後Class 41は一度引退したのち、動態保存として本線復帰を果たしたが、その際新たにTOPS番号が必要となったものの、すでにHSTは全て機関車と客車としての扱いに変更されていた。1両しか現存していない車両に、再びDMUとして新規形式を立ち上げるのは合理的でないことから、他のHSTの動力車と同様に番号をそのままに
Class 43の1両とすることで半ば無理やりTOPS番号を設定したのである。その際に
Class 43/9に区分され
サブクラスが誕生している。
バッファ付き
Class 43 DVT代用
1980年代後半、イーストコースト本線の電化の北進が開始されたことにより、エディンバラまでの全線電化を見込み新型の新型の電気機関車とMk4客車により新しいインターシティー(
InterCity 225)の開発が進められていた。電気機関車の開発、電化工事は順調に進捗し、1986年にはプロトタイプとしてClass 89が登場、量産型の
Class 91もいよいよ完成まで秒読みとなっていた。しかし新型列車に必要なMk4客車は開発が遅れており、Mk4客車が登場するまでの間、在来のHSTを一時的に新型電気機関車で牽引するための客車及びDVTとして使用することとなった。そのために1987年にイースタンリージョンに所属する8両のClass 43に対しTDM遠隔制御装置の設置及び下部スカートの撤去・バッファの設置、パンタグラフの上昇・下降スイッチの設置、塗装を前面がほとんど黄色のものへと変更を実施したのがこのバッファ付きのClass 43である。このバッファと連結器が設置された理由は、この列車は機関車1両の運用であることから障害発生時は救援が想定され、その際従前のドローバーであると連結に時間を要し主要な幹線であるイーストコースト本線を長時間に渡り支障してしまうことから迅速な救援が出来るように考慮された為である。
改造は先に43 014・43 123の2両がダービー技術開発班(
Derby Engineering Development Unit)において施工され、ウエストコースト本線でのMk2客車と合わせTDM遠隔制御装置の試験が行われた。この2両ペアで在来のHSTとして運用されることもあった。その後、イーストコースト本線に移り、Class 91と合わせて試験が行われた。続けて43 013・43 065・43 067・43 068・43 080・43 084の6両がスタッドフォードの機関区で改造され、総計8両となった。先に施工された2両はInterCity Executive塗装であったのに対し、同じ警戒色を拡大した前面であったもののこれら6両は同年発表された新しいINTERCITY SWALLOW塗装となっていた。1988年3月3日よりHST用のMk3客車とともに営業運転を開始したが、その活躍はMk4客車の登場する1989年までのほんの1年の出来事であった。またClass 91の走行試験用にもたびたび使用されMk3A寝台車を主に連結して行われた。これはMk3Aは寝台列車の相次ぐ廃止により余剰車が多く居りまとまった両数の確保用意だったことに加え、制御引き通しのシールド線を持っていたことによる。
Class 43ではそれぞれ専用の総括制御となっており、HST用Mk3も同じく専用の引き通し線のみを有しており、他の客車で使われるRCHと呼ばれる電灯の制御線も持たず、またETHの電源方式も先述の通り専用の3相交流のものとなり、高圧2線を用いる通常の客車列車用のものとは異なり互換性がなかった。しかし今回の列車では一時的なものであることから、改造が最小限で済むよう、特に両数の多い客車へはそのまま使用できるようにするため特異な方法が取られた。まず
Class 43の総括制御は専用の回路と専用の引き通し線を使用しており、これらは他の機関車と互換性はない。もちろん今回連結を行う、Class 89・91においても同じである。これを解決するために
Class 43側にDBSOなどにより既に一般的となっておりClass 91を始め多くの機関車で採用されていたTDM遠隔制御の制御装置を設置した。TDM遠隔制御装置の通信にはビッグ4時代より設置されている先述のRCHジャンパあるいは専用の通信用シールド線を用いることでほぼどんな客車でも通信ができるようになっていたが、そのどちらも今回使用するHST用のMk3には装備がない。そこでHSTが元来制御線として使っていた引き通し線がTDM化で空くことから、ここに変換ケーブルで接続し電気機関車側のTDM接続部にも同様に変換ケーブルで接続すること改造なしに使用できるようにした。またETHもClass 89・91では汎用の高圧2線で出力することからMk3用の客車では受電ができない。これは電気機関車からの受電をあきらめ、
Class 43のエンジンを電源車の如く使うことで解決するという方法をとることで解決していた。
運用開始後、電源供給の為の長時間にわたるアイドリングの影響でマフラー周辺に余剰な油分が蓄積、火災が発生することが発覚した。そこでTDM制御の方式を変更、HSTのエンジンを走行用として使うという奇策を用いることで、常にアイドリング運転という状況の打開を図った。しかしそれは編成出力8,000bhp(8111PS,6000kW)という史上類を見ない強力編成の誕生を意味するのであった。その猛烈な加速は「椅子に身体を押し付けられるようだった」と言われている。
役目を果たしたバッファ付きClass 43はTDM遠隔制御装置こそ撤去されたもののその特徴的なバッファは撤去されず、通常運用に戻されていったが、一般運用に戻ったそれら車両は民営化直後はヴァージンクロスカントリーで全車が活躍したものの、新型のディーゼル気動車ヴォイジャーにその役目をゆずり、2003年に43 013・43 014がネットワークレールの検測列車NMT(
The New Measurement Train)用に引き取られた以外は、無理な改造からきた調子の悪さも相まって引受先もなくロングマートン機関区で保留車として放置されることとなった。その後「プロジェクト・リオ(
Project Rio)」と呼ばれる、ミッドランンドメインライン(
Midland Mainline)によって運行されたウェストコースト本線の迂回輸送列車で予備的に使用されたものの、塗装すらロゴを消去したヴァージンクロスカントリーのままという一時的なもので再び保留車となってしまった。43 067・43 080が予備車としてGNERにリースされるもMTU化による信頼性向上が図られリースを解消、2006年までに再び保留車となっている。
Grand Central
このまま廃車のときを待ち続けるものと思われたが転機が訪れる。2007年、グランドセントラル(Grand Central)は、ロンドンキングスクロス(London Kings Cross)~サンダーランド(Sunderland)までの列車を運行することとなり、ちょうど余剰となっていたバッファ付きClass 43に白羽の矢が立った。NMTにならなかった43 065,43 067,43 068,43 080,43 084,43 123の全車がGrand Centralに買収され再整備を受け、装いも新たにかつての活躍場所であったイーストコースト本線に返り咲いた。先述のとおりエンジン換装も行われ、信頼性の向上も図られていった。とくに43 084と43 123は35年間にもわたってイギリスの鉄路を支え続けてきた最後のPaxman Valentaエンジン搭載車となり多くのファンに見送られ、最後の「咆哮」を轟かせた。英国を支えたエンジンの最後の花道を飾ったのは厄介者扱いすらされたバッファ付きClass 43なのであった。そんなバッファ付き車両はグランドセントラルでも新型気動車られ運用を離脱してしまう。これで最期かと思われたが信頼性の高いMTUエンジンへの換装を受けていたことが功を奏し、全車がイーストミッドランドトレインズ(East Midland Trains,現:EMR)へ移りEMTの運用を支えている。
模型について
NゲージはDapolとGraham Farishから製品化されている。
Dapol製品
動力付きと非動力の機関車、Mk3客車2両のブックセットである。付属の客車は1st・2nd(スタンダード)が1両づつであったが、2018年ごろの製品を境にTGSとケータリング車付属に変更となった。InterCity塗装の場合はExecutive、Swallowどちらを買ってもSwallow塗装のMk3がついてくるので気を付けたい。ブルーグレー、InterCity Executive、InterCity SwallowのほかVirgin、GNER、East Coast、CrossCountry、Grand Central、East Midlands Trains、First Great Western、GWR、Virgin Trains East Coastが発売されている。
Class 43だけの2両セットもありフライングバナナで有名なNetwork Rail塗装が製品化されている。
ライトは白色LEDで明るく光る。モーター車は滑らかとはいい難いが普通に動く。Dapolの製品らしく掛ける電圧に対し速度は低い。
製品に同梱の同社製Mk3客車と使用する場合はMk3側のカプラーポケットが垂下し位置が低くなる為自然開放が多く、客車側の高さ調整、カプラー交換あるいは常にプッシュ運転にするなどの対策が必要である。近年の製品では改善傾向にある。
メーカ名 |
品番 |
製品名 |
軌間 |
縮尺 |
電源 |
Era |
購入場所・サイト |
状態 |
金額 |
Dapol |
2D-019-003 |
Class 43 + 2 Mk3 Bookset Intercity Executive W43126 & W43125 |
9mm |
1/148 |
DC |
8 |
Hattons(個人輸入) |
新品 |
約13000円 |
関連項目
外部リンク
最終更新:2020年03月21日 01:39