#90 - (2009/12/11 (金) 09:14:28) の1つ前との変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
*#90 破壊と再生の
「で?抜けるの?」
京子は対戦相手に頭を下げた後、俺を振り返る。
後ろで見ていた俺は、一歩下がりながら「どうすっかな…」とため息をついた。
京子は赤黒相手に抜群の引きだったな…対して俺、藤野武志は3回戦も事故で瞬殺。京子の観戦にまわってたわけでして…。
「抜けてもガンスリ行く気ないんだよなぁ~」
「…なんでよ?」
京子は見上げる格好で「いつもは景品景品言ってるクセに」と言った。
「やっぱさ…最後までやりたいじゃん」
「それもそうね。”入賞だけが狙い!”ってんなら、あたしらとっくに抜けてるしね」
京子は肩をすくめる。
「だな。お互い頑張ろうぜ」
×××
4回戦は定時に始まり、俺はテーブルの一番端の席に腰を下ろしていた。
対戦相手は俺と同じくらいか少し上の青年で、対戦開始時に礼儀正しく「よろしくお願いします」と言った。
スイスドローは勝敗ごとに次の対戦相手が決まるから、俺の相手も0勝3負の俺と似たような成績ということだけどな。
俺が先攻でゲームスタートだ!
「配備フェイズ、青基本Gをプレイ。ターン終了です」
「今日は赤の日ですかね。ここまで3回戦青絡みのデッキ引いてますよ」
相手は苦笑しながらカードを引いた。
「配備フェイズ、特殊Gカード・月面民間企業を配備して、ターン終了です」
「はい」
相手はそう言って手をサッと横に切る。
ターン終了の合図だな。
「配備フェイズ、赤基本Gをプレイ」
相手さんは「青赤かぁ」と言って唸った。
月面1枚の相手の場からは何も読み取れないが、ミラーかなにかなのか?
「ターン終了です」
「…はい。では俺のターンを開始します」
「黒基本Gを配備」
「黒…?」
黒系混色デッキとなると…高いユニットパワーに加えて黒の破壊力が加わる厄介なデッキ。
「そして月面民間企業を起動、赤を発生させよう。Oガンダムのカードを配備」
「了解です」
思案顔の俺に相手さんはターン終了を継げた。
赤黒…?
剣治が作った00Pが脳裏をよぎる。ともかくさっさと対処しねーと、00系のカードは奪われただけで使われちまうってことなんだ…。
「ドロー…」
俺は、またも期待していたものと違うカードに内心ため息をつきつつも、「青基本Gをプレイ」と言った。
「内部調査をプレイ。ターン終了です」
「ドロー、こっちも順調です。配備フェイズ、茶基本Gを配備して戦闘フェイズ」
…茶?
基本Gを見るだけじゃ、今度は黒茶デッキだが…?
「Oガンダムを宇宙に」
「いいんすか?迂闊に」
「いいんです。来訪者をOガンダムに使ってくれるならそれはそれで」
相手はそう言って歯を見せた。
「…3点通しです。」
俺はそう言いながら、捨て山にしたカードを相手にだけ見えるように表にした。
相手は悩むまでもなく、「これで」と言い、ハンガーにガンダムエクシリペアを移した。
やべ。よりによって指定が払いやすくて、さらにブーストまで付いてるユニットパクられたよ…。
「帰還して…何もなければ、ターン終了です」
俺は「じゃあ帰還に内部調査を起動」と言って内部調査をロールする。
よし!ちょうど来た!
「上で。ターンもらいます」
「あ、では…内部調査解決後」
相手は手札を1枚出してそう言った。
「月面民間企業で緑を発生、世界の再編をX4でプレイします」
「…?」
内部調査で上を宣言したから…俺が今何を手札に加えたかったかを見る気か…!
「…了解。キビシイっすね」
「ですよね。再編の自由度には正直驚きます」
相手はそう言い、――俺がまた相手に見えるように表にした――本国のカード5枚を見る。
今度は少し考えるそぶりで「赤Gが欲しかったわけですか…」と口に手をあてる。
そうだ。俺は今、赤Gが欲しい。
場には青2枚と赤1枚…手札に赤Gはない…だからこのターンで赤Gを何とかして手札に寄せないと、事実上の色事故。
ここまでの試合では、このパターンがスゲー多い。いつもはこんなに事故るはずじゃないんだがな…。
「では、この4枚のカードを廃棄。さて残り1枚は上か下ですが…どうします?」
相手が選んで廃棄したのは、彼方からの来訪者、赤基本G、雲散霧消、ダブルオーガンダム《22》…赤G2枚も落とされたか~。
「無論、下で」
「はい。…あ、ちなみに今の1枚赤基本Gでしたよ」
「…マジすか」
「なんてね」
相手はクスリと笑い「ターンどうぞ」と言った。
「リロール、内部調査。そしてドロー」
やっぱりだめだ…。
「ホワイトベース隊をプレイ…ターン終了です」
「はい」
俺はがっくり肩を落としてそう言った。
これでこっちの場は青Gが3枚、赤Gが1枚。
「ドロー…では来訪者の可能性も薄いですし、もう1枚くらいカードをもらいましょう」
2枚目の黒Gを場におきながら、相手はそう言った。
「…の前にこれでした。月面民間企業で茶国力を発生して、ニュータイプの排除」
「了解です」
相手は配備したオペレーションを使うことなく、戦闘フェイズを宣言する。
Oガンダムが宇宙に出撃だ。
「…防御ステップ」
「ありましたか…来訪者」
「ガンダムナドレをプレイします」
相手はたいして驚いた様子もなく、「そっちですか」と言った。
リペアと同じく、低い指定をもつアンチ00のユニット!これならOガンダムをテキストが起動する前に落とせる。
「防御に出撃。何もなければ…」
「効果で破壊ですね」
1コストを払った俺に、相手はそう頷いてOガンダムをジャンクに送った。
「ターン終了です」
「ドロー…」
俺は内部調査で見たカードを上に移して、そのままドローした。
今度こそ引き寄せてやるぜ。
「配備フェイズ、自分に密約《1》」
相手は許可を出す。
「ヴァリアブル宣言…ガンダム力を場に」
「了解です」
もったいないとかは考えてない。
それに…
「さらにガンダムヴァーチェ《20》をプレイ…青が3Gなので戦闘配備です」
「なるほど…1ターン色事故のようにも見えましたが…」
相手と1色も色が被っていないこの状況、さっき赤Gを引いてヴァーチェを出したとしてもロールイン。
結果的にはそこまで遅れてないってわけだ!
「戦闘フェイズ!」
俺は勢いよく宣言する。
宇宙にヴァーチェ、地球にナドレの布陣。
「防御はありません」
「じゃあ9点で」
相手が本国を9枚捨て山に送るのを見て、俺はターン終了を宣言した。
「ドロー。さすがに毎ターン、9点をマトモに受ける気はありませんよ…こっちもね」
相手はそう言ってニュータイプの排除を起動、黒Gを切った。
マトモに受けないということは黒の破壊カードか茶のディアナ帰還か?それくらいしか思いつかない。
「ハンガーに移ったのは…茶基本G。いいでしょう。茶基本Gを配備、ターン終了です」
相手はハンガーにあるリペアの隣に移したGをすぐに場に出す。
何もナシか…いや、エクシア《19》みたいなブロッカーを用意したって線もあるよな。
「ドロー。何もなければ、戦闘フェイズにそのまま入りたいですが」
「どうぞ」
「じゃあ遠慮なく。宇宙にヴァーチェ、地球にナドレを!」
このターンも9点を出せれば、完全に流れはこっちのものだ!
「出撃後、月面民間企業で緑国力…」
「あ~」
俺は一人で納得。黒と茶…それに”このデュアルカード”を持つデッキがあったけ。
「魂の輝き。これで全てのユニットを破壊です」
「ですよね…了解です」
デッキは…黒茶輝きだ。
ガンダムの台頭で「破壊」をデッキの中枢に据えていたこのデッキは衰退した。だが、決して破壊力が衰えたわけではない。
もうしばらく見てなかったから忘れてたぜ。
「ターン終了です」
「了解。言い忘れましたが、3連続でダムを踏みましてね」
相手さんは「すごい悪引きですよね」と笑った。
「そうでしたか…俺も3回戦まで色事故多発で」
と苦笑する。
お互いここからガンダムウォーの始まり!と言ったところか。
「ドロー…面白くなってきました。ニュータイプの排除を起動」
相手はそう言って、手札からGを切る。ハンガーには…2枚目の魂の輝き。
おー怖い怖い。
「ターン終了です」
「内部調査を起動して…ドロー!」
俺は上に移したカードを手札に加える。
「サラサ再臨をプレイ…5枚見て、手札にカードを加えます」
「はい」
終わりなき破壊が特色なら…これはどうだ。
「GNドライヴを配備で、ターン終了までいきたいです」
「無限機関ですか…これは厄介。あれ1枚に全体除去を2回も撃つ気力はありません」
相手は眉をつり上げて、ターンを開始する。
このターンの帰還ステップにGNドライヴでコインを発生、破壊耐性のあるユニットで耐えてやる。
「しかし、そんなこともあろうかと、出し渋っていたカードもあるんです」
「はい…?」
相手は茶基本Gを出しながら、そう言った。
「リグ・シャッコー(カテジナ機)!このカードは戦闘配備し、さらに敵軍キャラかオペを破壊することが可能な”可愛い”ユニット」
「GNドライヴの弱点を突かれた…?」
GNドライヴは戦闘フェイズ中限定の効果だ。コインを発生してすらいない状況で破壊されるなんて…。
「戦闘フェイズ、宇宙にシャッコーを出撃」
「4点通します」
それで相手さんはターンを終える。
カテシャッコーの攻撃力は決して高いわけじゃない…だがこのまま野放しも不味い。
いっそユニットを出して輝きで一緒にリセットしてもらうか?
俺は手札のカードを見て考える。
いや。そんなことをすれば、今度は今の今までハンガーで待機していたリペアが牙を剥く…まずはユニットの絶対数の差を何とかしないと。
「内部調査で、これは下…いや。いやいや上で」
俺は相手の配備エリアをチラっと見て、下に送りかけたカードを慌てて本国の上に戻す。
「戦闘フェイズ、行きます」
「何か打開策が見つかったようですな…?」
「ええ…空白の時をプレイ!」
相手のハンガーにあるリセットカード、魂の輝きはリングエリアも焼け野原にできる抜群の破壊力と、黒1-緑1という軽い指定が評判だ。
それゆえ、黒茶にタッチで緑を発生させることで魂の輝きを受けるこのデッキスタイルが出来上がった。
逆に言えば、緑Gが少ないということは、そのGを封殺してしまえばいいってこと!
「ジャンクヤードにある…ダブルオーガンダムを-1修正で場に!」
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*#90 破壊と再生の
「で?抜けるの?」
京子は対戦相手に頭を下げた後、俺を振り返る。
後ろで見ていた俺は、一歩下がりながら「どうすっかな…」とため息をついた。
京子は赤黒相手に抜群の引きだったな…対して俺、藤野武志は3回戦も事故で瞬殺。京子の観戦にまわってたわけでして…。
「抜けてもガンスリ行く気ないんだよなぁ~」
「…なんでよ?」
京子は見上げる格好で「いつもは景品景品言ってるクセに」と言った。
「やっぱさ…最後までやりたいじゃん」
「それもそうね。”入賞だけが狙い!”ってんなら、あたしらとっくに抜けてるしね」
京子は肩をすくめる。
「だな。お互い頑張ろうぜ」
×××
4回戦は定時に始まり、俺はテーブルの一番端の席に腰を下ろしていた。
対戦相手は俺と同じくらいか少し上の青年で、対戦開始時に礼儀正しく「よろしくお願いします」と言った。
スイスドローは勝敗ごとに次の対戦相手が決まるから、俺の相手も0勝3負の俺と似たような成績ということだけどな。
俺が先攻でゲームスタートだ!
「配備フェイズ、青基本Gをプレイ。ターン終了です」
「今日は青の日ですかね。ここまで3回戦青絡みのデッキ引いてますよ」
相手は苦笑しながらカードを引いた。
「配備フェイズ、特殊Gカード・月面民間企業を配備して、ターン終了です」
「はい」
相手はそう言って手をサッと横に切る。
ターン終了の合図だな。
「配備フェイズ、赤基本Gをプレイ」
相手さんは「青赤かぁ」と言って唸った。
月面1枚の相手の場からは何も読み取れないが、ミラーかなにかなのか?
「ターン終了です」
「…はい。では俺のターンを開始します」
「黒基本Gを配備」
「黒…?」
黒系混色デッキとなると…高いユニットパワーに加えて黒の破壊力が加わる厄介なデッキ。
「そして月面民間企業を起動、赤を発生させよう。Oガンダムのカードを配備」
「了解です」
思案顔の俺に相手さんはターン終了を継げた。
赤黒…?
剣治が作った00Pが脳裏をよぎる。ともかくさっさと対処しねーと、00系のカードは奪われただけで使われちまうってことなんだ…。
「ドロー…」
俺は、またも期待していたものと違うカードに内心ため息をつきつつも、「青基本Gをプレイ」と言った。
「内部調査をプレイ。ターン終了です」
「ドロー、こっちも順調です。配備フェイズ、茶基本Gを配備して戦闘フェイズ」
…茶?
基本Gを見るだけじゃ、今度は黒茶デッキだが…?
「Oガンダムを宇宙に」
「いいんすか?迂闊に」
「いいんです。来訪者をOガンダムに使ってくれるならそれはそれで」
相手はそう言って歯を見せた。
「…3点通しです。」
俺はそう言いながら、捨て山にしたカードを相手にだけ見えるように表にした。
相手は悩むまでもなく、「これで」と言い、ハンガーにガンダムエクシリペアを移した。
やべ。よりによって指定が払いやすくて、さらにブーストまで付いてるユニットパクられたよ…。
「帰還して…何もなければ、ターン終了です」
俺は「じゃあ帰還に内部調査を起動」と言って内部調査をロールする。
よし!ちょうど来た!
「上で。ターンもらいます」
「あ、では…内部調査解決後」
相手は手札を1枚出してそう言った。
「月面民間企業で緑を発生、世界の再編をX4でプレイします」
「…?」
内部調査で上を宣言したから…俺が今何を手札に加えたかったかを見る気か…!
「…了解。キビシイっすね」
「ですよね。再編の自由度には正直驚きます」
相手はそう言い、――俺がまた相手に見えるように表にした――本国のカード5枚を見る。
今度は少し考えるそぶりで「赤Gが欲しかったわけですか…」と口に手をあてる。
そうだ。俺は今、赤Gが欲しい。
場には青2枚と赤1枚…手札に赤Gはない…だからこのターンで赤Gを何とかして手札に寄せないと、事実上の色事故。
ここまでの試合では、このパターンがスゲー多い。いつもはこんなに事故るはずじゃないんだがな…。
「では、この4枚のカードを廃棄。さて残り1枚は上か下ですが…どうします?」
相手が選んで廃棄したのは、彼方からの来訪者、赤基本G、雲散霧消、ダブルオーガンダム《22》…赤G2枚も落とされたか~。
「無論、下で」
「はい。…あ、ちなみに今の1枚赤基本Gでしたよ」
「…マジすか」
「なんてね」
相手はクスリと笑い「ターンどうぞ」と言った。
「リロール、内部調査。そしてドロー」
やっぱりだめだ…。
「ホワイトベース隊をプレイ…ターン終了です」
「はい」
俺はがっくり肩を落としてそう言った。
これでこっちの場は青Gが3枚、赤Gが1枚。
「ドロー…では来訪者の可能性も薄いですし、もう1枚くらいカードをもらいましょう」
2枚目の黒Gを場におきながら、相手はそう言った。
「…の前にこれでした。月面民間企業で茶国力を発生して、ニュータイプの排除」
「了解です」
相手は配備したオペレーションを使うことなく、戦闘フェイズを宣言する。
Oガンダムが宇宙に出撃だ。
「…防御ステップ」
「ありましたか…来訪者」
「ガンダムナドレをプレイします」
相手はたいして驚いた様子もなく、「そっちですか」と言った。
リペアと同じく、低い指定をもつアンチ00のユニット!これならOガンダムをテキストが起動する前に落とせる。
「防御に出撃。何もなければ…」
「効果で破壊ですね」
1コストを払った俺に、相手はそう頷いてOガンダムをジャンクに送った。
「ターン終了です」
「ドロー…」
俺は内部調査で見たカードを上に移して、そのままドローした。
今度こそ引き寄せてやるぜ。
「配備フェイズ、自分に密約《1》」
相手は許可を出す。
「ヴァリアブル宣言…ガンダム力を場に」
「了解です」
もったいないとかは考えてない。
それに…
「さらにガンダムヴァーチェ《20》をプレイ…青が3Gなので戦闘配備です」
「なるほど…1ターン色事故のようにも見えましたが…」
相手と1色も色が被っていないこの状況、さっき赤Gを引いてヴァーチェを出したとしてもロールイン。
結果的にはそこまで遅れてないってわけだ!
「戦闘フェイズ!」
俺は勢いよく宣言する。
宇宙にヴァーチェ、地球にナドレの布陣。
「防御はありません」
「じゃあ9点で」
相手が本国を9枚捨て山に送るのを見て、俺はターン終了を宣言した。
「ドロー。さすがに毎ターン、9点をマトモに受ける気はありませんよ…こっちもね」
相手はそう言ってニュータイプの排除を起動、黒Gを切った。
マトモに受けないということは黒の破壊カードか茶のディアナ帰還か?それくらいしか思いつかない。
「ハンガーに移ったのは…茶基本G。いいでしょう。茶基本Gを配備、ターン終了です」
相手はハンガーにあるリペアの隣に移したGをすぐに場に出す。
何もナシか…いや、エクシア《19》みたいなブロッカーを用意したって線もあるよな。
「ドロー。何もなければ、戦闘フェイズにそのまま入りたいですが」
「どうぞ」
「じゃあ遠慮なく。宇宙にヴァーチェ、地球にナドレを!」
このターンも9点を出せれば、完全に流れはこっちのものだ!
「出撃後、月面民間企業で緑国力…」
「あ~」
俺は一人で納得。黒と茶…それに”このデュアルカード”を持つデッキがあったっけ。
「魂の輝き。これで全てのユニットを破壊です」
「ですよね…了解です」
デッキは…黒茶輝きだ。
ガンダムの台頭で「破壊」をデッキの中枢に据えていたこのデッキは衰退した。だが、決して破壊力が衰えたわけではない。
もうしばらく見てなかったから忘れてたぜ。
「ターン終了です」
「了解。言い忘れましたが、3連続でダムを踏みましてね」
相手さんは「すごい悪引きですよね」と笑った。
「そうでしたか…俺も3回戦まで色事故多発で」
と苦笑する。
お互いここからガンダムウォーの始まり!と言ったところか。
「ドロー…面白くなってきました。ニュータイプの排除を起動」
相手はそう言って、手札からGを切る。ハンガーには…2枚目の魂の輝き。
おー怖い怖い。
「ターン終了です」
「内部調査を起動して…ドロー!」
俺は上に移したカードを手札に加える。
「サラサ再臨をプレイ…5枚見て、手札にカードを加えます」
「はい」
終わりなき破壊が特色なら…これはどうだ。
「GNドライヴを配備で、ターン終了までいきたいです」
「無限機関ですか…これは厄介。あれ1枚に全体除去を2回も撃つ気力はありません」
相手は眉をつり上げて、ターンを開始する。
このターンの帰還ステップにGNドライヴでコインを発生、破壊耐性のあるユニットで耐えてやる。
「しかし、そんなこともあろうかと、出し渋っていたカードもあるんです」
「はい…?」
相手は茶基本Gを出しながら、そう言った。
「リグ・シャッコー(カテジナ機)!このカードは戦闘配備し、さらに敵軍キャラかオペを破壊することが可能な”可愛い”ユニット」
「GNドライヴの弱点を突かれた…?」
GNドライヴは戦闘フェイズ中限定の効果だ。コインを発生してすらいない状況で破壊されるなんて…。
「戦闘フェイズ、宇宙にシャッコーを出撃」
「4点通します」
それで相手さんはターンを終える。
カテシャッコーの攻撃力は決して高いわけじゃない…だがこのまま野放しも不味い。
いっそユニットを出して輝きで一緒にリセットしてもらうか?
俺は手札のカードを見て考える。
いや。そんなことをすれば、今度は今の今までハンガーで待機していたリペアが牙を剥く…まずはユニットの絶対数の差を何とかしないと。
「内部調査で、これは下…いや。いやいや上で」
俺は相手の配備エリアをチラっと見て、下に送りかけたカードを慌てて本国の上に戻す。
「戦闘フェイズ、行きます」
「何か打開策が見つかったようですな…?」
「ええ…空白の時をプレイ!」
相手のハンガーにあるリセットカード、魂の輝きはリングエリアも焼け野原にできる抜群の破壊力と、黒1-緑1という軽い指定が評判だ。
それゆえ、黒茶にタッチで緑を発生させることで魂の輝きを受けるこのデッキスタイルが出来上がった。
逆に言えば、緑Gが少ないということは、そのGを封殺してしまえばいいってこと!
「ジャンクヤードにある…ダブルオーガンダムを-1修正で場に!」
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