ATAGUN@Wiki
#37
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#37 決戦には俺が立つ
「6点でいいか?」
「ああ」
「ああ」
ゲルググは専用機セットが成立しているので敵軍本国にダメージを与えた時点で、俺の配備エリアに戻った。
これで攻撃・防御両方に使うことができる!
これで攻撃・防御両方に使うことができる!
「ドロー…Gを出してターン終了だ」
菊池は静かにターンを進めた。
これで4G…フルバーニアン《8》は来なかった…?
これで4G…フルバーニアン《8》は来なかった…?
「俺のターン、配備フェイズに緑基本Gを出してゲルググで攻撃!」
「6点受ける」
「ターン終了」
「6点受ける」
「ターン終了」
順調だろうか。
いつもここでそう思う。俺のゲルググは確かに強い。フルバーニアンに匹敵するといっていい。
しかし、その後に出てくる”あのユニット”には到底及ばないのだ。
いつもここでそう思う。俺のゲルググは確かに強い。フルバーニアンに匹敵するといっていい。
しかし、その後に出てくる”あのユニット”には到底及ばないのだ。
「配備フェイズ、青Gを出して政治特権」
菊池は手札からカードを出す。
2ドローして即座に1枚カードを廃棄する。Gだ。
2ドローして即座に1枚カードを廃棄する。Gだ。
「ガンダム試作1号機フルバーニアンをプレイ!」
「来たか…!」
「来たか…!」
リロールすることで、高機動、4/0/1のスペックになる青のエース。
専用機をそろえてやっとゲルググで対抗できるレベル。
専用機をそろえてやっとゲルググで対抗できるレベル。
「リロール効果を使用し、宇宙に出撃する!」
「…ロングビームサーベルが出る前に場をきれいにしようと言う訳か…だが!」
「…ロングビームサーベルが出る前に場をきれいにしようと言う訳か…だが!」
俺は迷わずゲルググを防御に出撃させる。
相打ち狙いではない…策はある!
相打ち狙いではない…策はある!
「…今日は来る。策があるということか」
「あぁダメージ判定ステップ…」
「あぁダメージ判定ステップ…」
戦士の運命のカード…これでゲルググに速攻を得させ、交戦で一方的に勝利できる。
格闘力が高いこのカードには有効な一手だ!
格闘力が高いこのカードには有効な一手だ!
「いや、防御ステップ!武力制圧をプレイ!ゲルググはロールだ!」
「っ!くそっ…」
「っ!くそっ…」
速攻を得させても意味はない…。
俺は手札にかけた手を離す。
「いいのか?その手札」
「っ…無視してくれて結構」
「つまりは…そういうカードだったわけか」
「かもな」
俺は手札にかけた手を離す。
「いいのか?その手札」
「っ…無視してくれて結構」
「つまりは…そういうカードだったわけか」
「かもな」
俺はゲルググを廃棄しながら含み笑いをした。
しかし、手札にたいした策はなく。ロングビームサーベルどころか、フルバーニアン1枚に本国を削りきられる可能性も出てきた。
しかし、手札にたいした策はなく。ロングビームサーベルどころか、フルバーニアン1枚に本国を削りきられる可能性も出てきた。
「ターン終了」
「ドロー…」
「ドロー…」
俺は本国の上のカードを手札に加えた。
…これは。手札が見える位置にいた煉のほうを見る。彼女はニッと笑う。
勝てる。まだこの勝負は勝てる芽が残ってた。混色の真価を見せてやるさ!
…これは。手札が見える位置にいた煉のほうを見る。彼女はニッと笑う。
勝てる。まだこの勝負は勝てる芽が残ってた。混色の真価を見せてやるさ!
「ターン終了」
「ん?」
「ん?」
拍子抜けしたように菊池が言った。
俺たちの表情を見て、何か引いたと感づいたのだろう…。だが、こちらはまだ“指定国力を満たせていない”
俺たちの表情を見て、何か引いたと感づいたのだろう…。だが、こちらはまだ“指定国力を満たせていない”
「ドロー…青基本Gを出して密約をプレイ」
菊池はドローカードを使う。
「公旗…確かにお前はすごい引きだ。だが、俺だってドローカードでその差を埋めることはできる」
「ほう…」
「ほう…」
珍しく饒舌な菊池。
確かに菊池は引きがいいという印象はない。ドローカードをバシバシ使ってデッキを回してる感じだ。
確かに菊池は引きがいいという印象はない。ドローカードをバシバシ使ってデッキを回してる感じだ。
「…最後に残るのは何だと思う?カードパワーだっ!」
「…来る」
「…来る」
煉がつぶやいた。
俺は本国を目算した。
…!
俺は本国を目算した。
…!
「Zガンダム(ロングビームサーベル)を配備!」
菊池は手札からユニットを出す。
高機動とパンプアップ、大気圏突入を併せ持つ青…いや、今のガンダムウォー界の中心であるかのようなユニット!
高機動とパンプアップ、大気圏突入を併せ持つ青…いや、今のガンダムウォー界の中心であるかのようなユニット!
「さらに、具現化する力《BB2》を出す!」
「っ…」
「だから言っただろ…?お前はゲルググ以降が繋がらないんだ!」
「っ…」
「だから言っただろ…?お前はゲルググ以降が繋がらないんだ!」
フルバーニアンを出撃させながら菊池は言った。
具現化する力はGを維持コストとしながらユニットを敵軍効果から守るオペレーションだ。いつも菊池はこのカードを“ゲームを決める直前”に置く。
つまり、次のロングビームサーベルの一撃が決め手。場にあるカードではあるが手が出せない…!
具現化する力はGを維持コストとしながらユニットを敵軍効果から守るオペレーションだ。いつも菊池はこのカードを“ゲームを決める直前”に置く。
つまり、次のロングビームサーベルの一撃が決め手。場にあるカードではあるが手が出せない…!
「4点受けるさ…」
俺は本国のカードを捨て山に移す。厚いように見えて、ロングビームサーベルの前には一撃だ。
次のドローで黒Gを引けなければ…負け、か。
次のドローで黒Gを引けなければ…負け、か。
「信じろ、一」
煉が俺の名前を呼ぶ。
ああ。信じるさ。お前とこのカード…そして俺の引きを!!
本国の上のカードは…黒基本G!!!
ああ。信じるさ。お前とこのカード…そして俺の引きを!!
本国の上のカードは…黒基本G!!!
「菊池…お前がパワーカードが正義だというなら、”俺たち”もパワーカードでお前を倒させてもらう!配備フェイズ、ゴトラタン(MBC)《11》!!」
俺は黒指定3の大型ユニットを出す。
手札全てと引き換えにリロールでき、攻撃に出撃する度に相手のカードを破壊する!
手札全てと引き換えにリロールでき、攻撃に出撃する度に相手のカードを破壊する!
「逆襲のシャア!このカードでカウンターさせてもらう。お前たちの表情で、切り札は黒のカード…そう、ゴトラタンであることは想像がついた。それにはプリベントがないわけだ」
「いいや、お前がそれを読んだように…俺たちも逆襲のシャア程度は予測できた!抵抗する意思!これでプレイ状態のゴトラタンは敵軍効果の対象にならない!」
「いいや、お前がそれを読んだように…俺たちも逆襲のシャア程度は予測できた!抵抗する意思!これでプレイ状態のゴトラタンは敵軍効果の対象にならない!」
菊池は「しょうがない」と言いつつ、了解した。
「リロールはしない。手札がいいからな!」
「…?」
「…?」
俺は手札からカードを出した。こちらも次のターンにゲームを決めるために動かなければならない。
「黒い覇道!具現化する力を破壊だ」
「…了解だ。カットインでZを守る」
「…了解だ。カットインでZを守る」
具現化する力を破壊するということは、次のターン何かしらのアクションをこちらが取るという証拠。
それをカウンターしなかったということは、逆にカウンターがない証拠か?
それをカウンターしなかったということは、逆にカウンターがない証拠か?
「ターン終了」
「ドロー…どんな対抗策を持っているか知らないが、俺はこの攻撃を通すさ!」
「ドロー…どんな対抗策を持っているか知らないが、俺はこの攻撃を通すさ!」
宇宙にフルバーニアン、地上にロングビームサーベルを出撃させる菊池。
回復カードはなし…つまり言葉の通り、このターンのダメージで俺の本国を削り取るわけか…。そのための捨て山。
回復カードはなし…つまり言葉の通り、このターンのダメージで俺の本国を削り取るわけか…。そのための捨て山。
「ダメージ判定ステップ、ロングビームサーベルの効果を使用!手札と捨て山を除外で格闘力は+9…合計13だ」
「お前はゴトラタンを恐れて無謀な攻撃に出た…結果はそういうことになるさ!ダメージ判定ステップ、見え透いた嘘をZにプレイ!このカードで、サイズが大きくなったロングビームサーベルをジャンクに送る!」
俺は高らかにそのカードを出した。
このカードならばロングビームサーベルを受け流して、さらにターン終了時に配備に戻ったところを次のターンゴトラタンで破壊できる。
このカードならばロングビームサーベルを受け流して、さらにターン終了時に配備に戻ったところを次のターンゴトラタンで破壊できる。
「…作戦の看破!この攻撃は是が非でも通させてもらう!」
「持ってたか…あぁ。通させてやるぜ…だがその前にお前の本国にダメージを与える!大きな損失!」
「!?…見え透いた嘘は囮!」
「持ってたか…あぁ。通させてやるぜ…だがその前にお前の本国にダメージを与える!大きな損失!」
「!?…見え透いた嘘は囮!」
どうやら通しのようだ。
これで菊池の本国は回復しなかったために大打撃だ!
菊池は本国に手をかける。13点のダメージで削り切れるか…?
音を立てながら菊地は一枚一枚捨て山にカードを移す…。
これで菊池の本国は回復しなかったために大打撃だ!
菊池は本国に手をかける。13点のダメージで削り切れるか…?
音を立てながら菊地は一枚一枚捨て山にカードを移す…。
「足りないな」
菊池が口を開き、投了を宣言した。
妙にすがすがしい言い方だった。
妙にすがすがしい言い方だった。
「やった!やったよ!一!」
「だな」
「だな」
最後の一言を聴いた瞬間、煉は俺の肩に抱きついた。
全てが輝いていた。彼女の笑顔も、冬の寒空さえも。
つづく
txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:08.09.02
更新日:10.04.14
掲載日:08.09.02
更新日:10.04.14