;;背景『廊下』
@playse storage="DoorOpenF@11.ogg"
@wait time=1000
@bg file="rouka1_mizu_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=700
@playse storage="DoorOpenF@11.ogg"
@wait time=1000
@bg file="rouka1_mizu_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=700
つやめいた光沢を放つ廊下へ出ると、鐘は大きくなった。[lr]
何なのだろうか。[lr]
胸に手を添え、深呼吸。冬夜の冷気が胸の感覚を研ぎ澄ましてゆく。ますます警鐘めいたものが大きく響く。[lr]
;;SE『足音』。ぎしっと床板が軋む感じ。BGM『雨ノ/降ル/街』。
@playse storage="f11_5.ogg"
@ws
@bgm file="amemati.ogg"
これか!?[lr]
警鐘はこれを告げていたのだろうか。そっと角から廊下を盗み見る。[pcm]
何なのだろうか。[lr]
胸に手を添え、深呼吸。冬夜の冷気が胸の感覚を研ぎ澄ましてゆく。ますます警鐘めいたものが大きく響く。[lr]
;;SE『足音』。ぎしっと床板が軋む感じ。BGM『雨ノ/降ル/街』。
@playse storage="f11_5.ogg"
@ws
@bgm file="amemati.ogg"
これか!?[lr]
警鐘はこれを告げていたのだろうか。そっと角から廊下を盗み見る。[pcm]
@bg file="rouka2_mizu_y.jpg" rule="左下から右上へ" time=700
;;みずき(私服 01,6B,09,00,00,00,M 片手胸に)← 目を 6B > 7B > 6B と変化 次の場面まで病み目で統一
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=6a m=9 y=b]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=7a m=9 y=b]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=6a m=9 y=b]
ほっと緊張がほどけた。なんのことはない、みずきが廊下を歩いていただけのことだった。[lr]
何故か電気は点けない。懐中電灯を両手で抱きながら、そろりそろりと歩を進めている。何者かに気づかれることを恐れているような慎重さだった。[pcm]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=6a m=9 y=b]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=7a m=9 y=b]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=6a m=9 y=b]
ほっと緊張がほどけた。なんのことはない、みずきが廊下を歩いていただけのことだった。[lr]
何故か電気は点けない。懐中電灯を両手で抱きながら、そろりそろりと歩を進めている。何者かに気づかれることを恐れているような慎重さだった。[pcm]
@cl
@bg file="rouka1_mizu_y.jpg" rule="右上から左下へ" time=500
@bg file="rouka1_mizu_y.jpg" rule="右上から左下へ" time=500
部屋に引き返そうとして、それには襖を開けなければならないことに気づく。この無音だ。バレてしまう。[lr]
トイレにでも出てきたとよそおった方がいいだろう。胸騒ぎで目を覚ましたなどとは言えない。みずきのことだ、夜通し付き添うとでも言い出しかねない。[lr]
わざと眠たげに口元に手を当てて、欠伸を噛み殺しているフリをする。目を細めながら、みずきの前へと歩み出た。[pcm]
トイレにでも出てきたとよそおった方がいいだろう。胸騒ぎで目を覚ましたなどとは言えない。みずきのことだ、夜通し付き添うとでも言い出しかねない。[lr]
わざと眠たげに口元に手を当てて、欠伸を噛み殺しているフリをする。目を細めながら、みずきの前へと歩み出た。[pcm]
@bg file="rouka2_mizu_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=700
;;みずき(私服 06,9B,11,00,00,00,M 片手胸に)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=6 e=9a m=11 y=b]
「!?」[lr]
;;SE『懐中電灯を落とす音。大きな物音です。その後、転がってゆく様子も含まれているとなおベスト』
@playse storage="noise_05_monooto.ogg"
@ws
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=6 e=9a m=10 s=1 y=b size=S]
懐中電灯が手から滑り落ちて、思ったよりも大きな物音を響かせた。その音に飛び上がりそうになりながら、みずきが弾かれたように後退った。[pcm]
;;みずき(私服 05,5B,03,00,00,00,M 両手胸元)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=5a m=3 y=b size=S]
「みずき?」[lr]
見てはならないものを見てしまったような反応。むしろこちらが驚愕してしまう。どこかの筋肉が突っ張ったような違和感がある。重心がどこかへなくなってしまっている。[lr]
「俺だよ、俺」[lr]
某詐欺みたいだなと思いつつ、懐中電灯を拾い上げて顔を照らしてみせた。[lr]
;;みずき(私服 05,5B,05,00,00,01,M 両手胸元) ←口変化&涙が付きます
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=5a m=5 t=1 y=b size=S]
「――!」[lr]
だが、みずきの瞳はますます翳(かげ)ってゆく一方だった。怯えきった小動物のように小刻みに身を震わせ、ツインテールを乱れさせてゆく。[pcm]
「驚かせてごめんな。トイレはどこだ?」[lr]
もちろん、トイレの場所くらい知っている。昨日、使わせてもらった。[lr]
だが、訊かざるを得なかった。これ以上、みずきを驚かせたくなかった。[lr]
;;みずき(私服 07,7B,05,00,00,01,M 両手胸元)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=7a m=5 t=1 y=b size=S]
「あ、あっちの突き当たり」[lr]
どこか素っ気ない返事。いつもなら手を引いてそのまま案内してくれるだろうところ、みずきは方向を示すだけだった。目を合わせようとさえしない。[lr]
「そうか。ありがとうな」[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=7a m=9 t=1 y=b]
傍らを抜ける際、一瞬だけ足を止めて、[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=6a m=5 t=1 y=b]
「――!」[lr]
声にならない悲鳴。伸ばしかけた手が止まった。[pcm]
「…………」[lr]
沈黙が夜をいっそう静まり返らせた。息づかいの音さえもが聞こえるようになる。[lr]
耐えかねたようにみずきが傍らをすり抜けた。思わず追いかけようとし、しかし背中が放つプレッシャーに阻まれた。[lr]
@cl
我知らず、顔が歪んだ。戦慄が体を衝き動かした。[lr]
;;みずき消し
音もなく、しかし素早く角を折れる。その恐怖から身を隠すように。跳ね上がった鼓動を抑えるように、胸を押さえる。[lr]
立ち上がるのに手を貸そうとしただけだ。だが、手を伸ばそうとした瞬間、みずきの顔に走ったのは、恐怖だった。[lr]
見間違えようがない。あのまま触れていたら、泣き出していたのではないか。そう思えるほどの、紛れもない怯え。[pcm]
俺はどんな顔をしていたのだろう。みずきが目を合わせてくれなかったことが、皮肉にも幸いだった。そんな顔、自分でも見たくはない。[lr]
息を一つつく。ためらった。だが、結局は悟られないようにこっそりと振り返った。もしかしたら、みずきもまた、という思いがあったからだ。[lr]
;;みずき(私服 08,8B,01,00,00,00,M 片手胸に)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=8 e=8a m=1 y=b size=S]
けれど、みずきは……心底から安堵したように、ほっと息をついていた。[pcm]
[nowait][r][r][r][r][r][r][r][endnowait]
[font color="0xFF0000"]
――ああああああああああああああああああああああっ![pcm]
[resetfont]
;;SE『ショッキングな音』、背景をテレビを切ったみたいにしてブラックアウト(ぶん、っていう音もあったら面白いかも)。三秒くらい真っ暗?
;;みずき消し
;;みずき(私服 06,9B,11,00,00,00,M 片手胸に)
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「!?」[lr]
;;SE『懐中電灯を落とす音。大きな物音です。その後、転がってゆく様子も含まれているとなおベスト』
@playse storage="noise_05_monooto.ogg"
@ws
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=6 e=9a m=10 s=1 y=b size=S]
懐中電灯が手から滑り落ちて、思ったよりも大きな物音を響かせた。その音に飛び上がりそうになりながら、みずきが弾かれたように後退った。[pcm]
;;みずき(私服 05,5B,03,00,00,00,M 両手胸元)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=5a m=3 y=b size=S]
「みずき?」[lr]
見てはならないものを見てしまったような反応。むしろこちらが驚愕してしまう。どこかの筋肉が突っ張ったような違和感がある。重心がどこかへなくなってしまっている。[lr]
「俺だよ、俺」[lr]
某詐欺みたいだなと思いつつ、懐中電灯を拾い上げて顔を照らしてみせた。[lr]
;;みずき(私服 05,5B,05,00,00,01,M 両手胸元) ←口変化&涙が付きます
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=5a m=5 t=1 y=b size=S]
「――!」[lr]
だが、みずきの瞳はますます翳(かげ)ってゆく一方だった。怯えきった小動物のように小刻みに身を震わせ、ツインテールを乱れさせてゆく。[pcm]
「驚かせてごめんな。トイレはどこだ?」[lr]
もちろん、トイレの場所くらい知っている。昨日、使わせてもらった。[lr]
だが、訊かざるを得なかった。これ以上、みずきを驚かせたくなかった。[lr]
;;みずき(私服 07,7B,05,00,00,01,M 両手胸元)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=7a m=5 t=1 y=b size=S]
「あ、あっちの突き当たり」[lr]
どこか素っ気ない返事。いつもなら手を引いてそのまま案内してくれるだろうところ、みずきは方向を示すだけだった。目を合わせようとさえしない。[lr]
「そうか。ありがとうな」[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=7a m=9 t=1 y=b]
傍らを抜ける際、一瞬だけ足を止めて、[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=6a m=5 t=1 y=b]
「――!」[lr]
声にならない悲鳴。伸ばしかけた手が止まった。[pcm]
「…………」[lr]
沈黙が夜をいっそう静まり返らせた。息づかいの音さえもが聞こえるようになる。[lr]
耐えかねたようにみずきが傍らをすり抜けた。思わず追いかけようとし、しかし背中が放つプレッシャーに阻まれた。[lr]
@cl
我知らず、顔が歪んだ。戦慄が体を衝き動かした。[lr]
;;みずき消し
音もなく、しかし素早く角を折れる。その恐怖から身を隠すように。跳ね上がった鼓動を抑えるように、胸を押さえる。[lr]
立ち上がるのに手を貸そうとしただけだ。だが、手を伸ばそうとした瞬間、みずきの顔に走ったのは、恐怖だった。[lr]
見間違えようがない。あのまま触れていたら、泣き出していたのではないか。そう思えるほどの、紛れもない怯え。[pcm]
俺はどんな顔をしていたのだろう。みずきが目を合わせてくれなかったことが、皮肉にも幸いだった。そんな顔、自分でも見たくはない。[lr]
息を一つつく。ためらった。だが、結局は悟られないようにこっそりと振り返った。もしかしたら、みずきもまた、という思いがあったからだ。[lr]
;;みずき(私服 08,8B,01,00,00,00,M 片手胸に)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=8 e=8a m=1 y=b size=S]
けれど、みずきは……心底から安堵したように、ほっと息をついていた。[pcm]
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――ああああああああああああああああああああああっ![pcm]
[resetfont]
;;SE『ショッキングな音』、背景をテレビを切ったみたいにしてブラックアウト(ぶん、っていう音もあったら面白いかも)。三秒くらい真っ暗?
;;みずき消し
;;背景『階段』。BGM『ある日のこと』
@fadeoutbgm time=1000
@cl
@playse storage="others_07_putu.ogg"
@bg file="black.jpg" rule="上下から中央へ" time=100
@wb
@wait time=1500
@bg file="kaidan2.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500
@bgm file="gakkou1.ogg"
@fadeoutbgm time=1000
@cl
@playse storage="others_07_putu.ogg"
@bg file="black.jpg" rule="上下から中央へ" time=100
@wb
@wait time=1500
@bg file="kaidan2.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500
@bgm file="gakkou1.ogg"
先輩にお礼くらい言っておくべきだろう。あとは姉さんが迷惑かけていなかったか確かめてこなければ。[lr]
足取りは軽やか。何なのだろう、この満たされたような充足感は。とても身近で馴染み深い感覚のような気がする。[lr]
踊り場まで上がり、角を曲がろうとして、[lr]
;;背景『廊下』。一瞬だけ、伊万里(制服 03,3A,09,00,00,00,M)とみずき(制服 04,8A,09,00,00,00,M 片手肩に)を表示。明滅みたいな。BGM『兆候』
@fadeoutbgm time=1000
@bg file="rouka1.jpg" rule="左下から右上へ" time=500
[ld pos=rc name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=9]
「ク、見ちゃ……だ!」[lr]
[ld pos=lc name="mizu" wear=u pose=1 b=4 e=8a m=9]
「れは……の、違……」[lr]
@cl
@bg file="kaidan2.jpg" rule="右上から左下へ" time=500
角に引っこんだ。[lr]
また、だった。伊万里は瞳を伏せ、みずきは身を縮めながら震わせている。[lr]
だから、どうしてこんなに鉢合わせるんだ! 運命の振るダイスはイカサマとしか思えない。会う頻度が高すぎる……。[pcm]
;;SE『ショッキングな音』
@playse storage="tm2_power000.ogg"
@ws
脳裏を冷ややかな閃光が掠めた。[lr]
愕然と眼を見張った。『今まで通り』だ。伊万里とはいつも一度や二度は何かしら顔を合わせてきた。[r]
足取りは軽やか。何なのだろう、この満たされたような充足感は。とても身近で馴染み深い感覚のような気がする。[lr]
踊り場まで上がり、角を曲がろうとして、[lr]
;;背景『廊下』。一瞬だけ、伊万里(制服 03,3A,09,00,00,00,M)とみずき(制服 04,8A,09,00,00,00,M 片手肩に)を表示。明滅みたいな。BGM『兆候』
@fadeoutbgm time=1000
@bg file="rouka1.jpg" rule="左下から右上へ" time=500
[ld pos=rc name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=9]
「ク、見ちゃ……だ!」[lr]
[ld pos=lc name="mizu" wear=u pose=1 b=4 e=8a m=9]
「れは……の、違……」[lr]
@cl
@bg file="kaidan2.jpg" rule="右上から左下へ" time=500
角に引っこんだ。[lr]
また、だった。伊万里は瞳を伏せ、みずきは身を縮めながら震わせている。[lr]
だから、どうしてこんなに鉢合わせるんだ! 運命の振るダイスはイカサマとしか思えない。会う頻度が高すぎる……。[pcm]
;;SE『ショッキングな音』
@playse storage="tm2_power000.ogg"
@ws
脳裏を冷ややかな閃光が掠めた。[lr]
愕然と眼を見張った。『今まで通り』だ。伊万里とはいつも一度や二度は何かしら顔を合わせてきた。[r]
ただ、今まで気づきもしなければ、あらためて考えもしなかったというだけに過ぎない。[lr]
まさか伊万里がこんなにも俺の日常の中で、いや俺の中で大きな存在だったなんて。驚愕が脳に浸透してゆくにつれて警鐘が鳴り響いた。[lr]
伊万里とみずきが会話。危険だ。とても危険だ。伊万里はみずきに『嫉妬』しているのかもしれないのだから。[pcm]
「……昨日……じ、どこに……の?」[lr]
「……して……」[lr]
「だっ……のバイ……きちのだっ……んだけど」[lr]
角度が悪いのか、上手く聞こえない。単語さえ断片しか聞き取れなかった。[lr]
「……っ!」[lr]
何か癇癪めいた叫びが響き渡った。あまりに押し殺されていて全く聞こえはしない。だが、それゆえに込められた激情のほどを悟らされた。[lr]
叩くような足音がこちらに向かってきた。[lr]
@fadeoutbgm time=1000
一呼吸。ためらいの息だった。足はすくんでいる。だが、次の瞬間には角から躍り出て、駆け出してきた人影の前に立ちふさがっていた。[pcm]
;;SE『衝撃音』。みずき(制服 07,8B,09,00,00,00,M 片手胸に)。BGM『雪景色』
@playse storage="ClothE@16.ogg"
@ws
@bgm file="yuki.ogg"
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=8a m=9 y=b]
胸にぶつかったのは、ツインテールだった。[lr]
「危ないぞ、みずき」[lr]
ハッとしたときには、何も知らないフリをしていた。[lr]
「…………」[lr]
鳶色の瞳が揺れ、足元をさまよう。やはり俺を恐れているのだろうか。[lr]
瞳を覗きこむ勇気はなかった。重苦しい空気に口は一向に開かなかった。[lr]
;原文 口はいっかな開かなかった
本当は訊きたかった。何を話していたんだ、と。[lr]
;;みずき(制服 07,8B,09,00,00,01,M 片手胸に)← +涙
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=8a m=9 t=1 y=b]
けれど、それはみずきを、もう充分に傷ついたみずきを、さらに傷つけることになる。[pcm]
「…………」[lr]
泣きたければ、泣いてもいいぞ。[lr]
迷った挙句、唇を震わせながら囁くと、みずきはうさぎのように眼を赤くしてそっと見つめてきた。[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=2a m=9 size=L]
そして胸に顔をうずめると、何も言わない。俺にできたのは、ツインテールを撫でてやることだけだった。慰めの言葉一つ囁けなかった。[lr]
――こんなことでいいのだろうか。漠然とそう思う。[lr]
伊万里を泣かせたのは、アイツの想いに気づいてやれなかったこの俺自身だ。そしてみずきを泣かせたのは、俺に狂わされた伊万里だ。[pcm]
解決を先延ばしにしているだけだ。こうやって慰めているフリをしているうのも、俺自身が癒されているだけの、自己保身でしかない。[lr]
ただの罪滅ぼし。これ以上、みずきの泣き顔を見たくないというだけの。[lr]
;;SE『チャイム音』
@playse storage="se3.ogg"
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=7a m=9 t=1 y=b size=L]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=9a m=10 t=1 y=b size=L]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=2a m=9 size=L]
終焉の鐘が鳴る。みずきがハッとして身を離そうとした。しかし、それをぎゅっと力を込めて抱きとめる。[lr]
放したくなかった。独りは恐かった。[lr]
;;みずき(制服 07,1B,10,00,00,00,M 片手胸に)
@fadeoutse time=1000
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=1a m=10 y=b size=L]
「……みのる?」[lr]
戸惑ったようにみずきが上目遣いに俺を盗み見る。まだ涙の跡も消えていない赤い目。内面を覗かれているような気がした。[pcm]
反射的に体がこわばった。[lr]
;;みずき(制服 02,2B,08,01,00,00,M 両手胸元)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=2 e=2a m=8 c=1 size=L]
けれど、みずきは微笑むと、抗うのをやめて身をゆだねた。抱きしめているのに、抱きしめられているような安らぎを感じた。[lr]
視界に映るみずきがぼやけてゆく。……泣いていたのは、俺の方だった。[pcm]
;;みずき消し
伊万里とみずきが会話。危険だ。とても危険だ。伊万里はみずきに『嫉妬』しているのかもしれないのだから。[pcm]
「……昨日……じ、どこに……の?」[lr]
「……して……」[lr]
「だっ……のバイ……きちのだっ……んだけど」[lr]
角度が悪いのか、上手く聞こえない。単語さえ断片しか聞き取れなかった。[lr]
「……っ!」[lr]
何か癇癪めいた叫びが響き渡った。あまりに押し殺されていて全く聞こえはしない。だが、それゆえに込められた激情のほどを悟らされた。[lr]
叩くような足音がこちらに向かってきた。[lr]
@fadeoutbgm time=1000
一呼吸。ためらいの息だった。足はすくんでいる。だが、次の瞬間には角から躍り出て、駆け出してきた人影の前に立ちふさがっていた。[pcm]
;;SE『衝撃音』。みずき(制服 07,8B,09,00,00,00,M 片手胸に)。BGM『雪景色』
@playse storage="ClothE@16.ogg"
@ws
@bgm file="yuki.ogg"
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=8a m=9 y=b]
胸にぶつかったのは、ツインテールだった。[lr]
「危ないぞ、みずき」[lr]
ハッとしたときには、何も知らないフリをしていた。[lr]
「…………」[lr]
鳶色の瞳が揺れ、足元をさまよう。やはり俺を恐れているのだろうか。[lr]
瞳を覗きこむ勇気はなかった。重苦しい空気に口は一向に開かなかった。[lr]
;原文 口はいっかな開かなかった
本当は訊きたかった。何を話していたんだ、と。[lr]
;;みずき(制服 07,8B,09,00,00,01,M 片手胸に)← +涙
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=8a m=9 t=1 y=b]
けれど、それはみずきを、もう充分に傷ついたみずきを、さらに傷つけることになる。[pcm]
「…………」[lr]
泣きたければ、泣いてもいいぞ。[lr]
迷った挙句、唇を震わせながら囁くと、みずきはうさぎのように眼を赤くしてそっと見つめてきた。[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=2a m=9 size=L]
そして胸に顔をうずめると、何も言わない。俺にできたのは、ツインテールを撫でてやることだけだった。慰めの言葉一つ囁けなかった。[lr]
――こんなことでいいのだろうか。漠然とそう思う。[lr]
伊万里を泣かせたのは、アイツの想いに気づいてやれなかったこの俺自身だ。そしてみずきを泣かせたのは、俺に狂わされた伊万里だ。[pcm]
解決を先延ばしにしているだけだ。こうやって慰めているフリをしているうのも、俺自身が癒されているだけの、自己保身でしかない。[lr]
ただの罪滅ぼし。これ以上、みずきの泣き顔を見たくないというだけの。[lr]
;;SE『チャイム音』
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終焉の鐘が鳴る。みずきがハッとして身を離そうとした。しかし、それをぎゅっと力を込めて抱きとめる。[lr]
放したくなかった。独りは恐かった。[lr]
;;みずき(制服 07,1B,10,00,00,00,M 片手胸に)
@fadeoutse time=1000
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=1a m=10 y=b size=L]
「……みのる?」[lr]
戸惑ったようにみずきが上目遣いに俺を盗み見る。まだ涙の跡も消えていない赤い目。内面を覗かれているような気がした。[pcm]
反射的に体がこわばった。[lr]
;;みずき(制服 02,2B,08,01,00,00,M 両手胸元)
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けれど、みずきは微笑むと、抗うのをやめて身をゆだねた。抱きしめているのに、抱きしめられているような安らぎを感じた。[lr]
視界に映るみずきがぼやけてゆく。……泣いていたのは、俺の方だった。[pcm]
;;みずき消し
;;背景『帰路』。BGM『Lunatic Lovers~X-X』。みずき(制服 04,4A,12,00,00,00,M 片手肩に)
@fadeoutbgm time=2000
@cl
@bg2 file="mizuki_miti_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500
@bgm file="llxx.ogg"
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@cl
@bg2 file="mizuki_miti_y.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500
@bgm file="llxx.ogg"
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=6 e=1a m=8]
今日はみずきと一緒に帰っていた。[lr]
;;背景『携帯のズーム』。SE『携帯のバイブレーション』
@playse storage="Vibes08.ogg"
@ws
携帯を開くと受信メールが一件。『今日も早紀のところに泊まるから』と素っ気ない一文が姉さんから送られてきていた。[lr]
目の奥が熱くなり、そっと眦に手を添える。[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=5 e=1a m=9]
どうして泣いたのだろう。自分のことなのに信じられなかった。[lr]
伊万里とは対等なつもりだった。同じ高さを歩み、同じ目線で物事を見ていると思っていた。[lr]
昨日までそう信じてきた。全くのまやかしを盲信していた。[pcm]
けれど、違った。バレンタインのときに思い知らされた。あの返事はいつまでに出さなければならないのだろう。[r]
今日はみずきと一緒に帰っていた。[lr]
;;背景『携帯のズーム』。SE『携帯のバイブレーション』
@playse storage="Vibes08.ogg"
@ws
携帯を開くと受信メールが一件。『今日も早紀のところに泊まるから』と素っ気ない一文が姉さんから送られてきていた。[lr]
目の奥が熱くなり、そっと眦に手を添える。[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=5 e=1a m=9]
どうして泣いたのだろう。自分のことなのに信じられなかった。[lr]
伊万里とは対等なつもりだった。同じ高さを歩み、同じ目線で物事を見ていると思っていた。[lr]
昨日までそう信じてきた。全くのまやかしを盲信していた。[pcm]
けれど、違った。バレンタインのときに思い知らされた。あの返事はいつまでに出さなければならないのだろう。[r]
今すぐではなくてもいい。けれど、先延ばしは永久にできたりはしない。[lr]
もし、その期限が今だったとしたら。涙腺が緩みそうになり、口元を引き締める。[lr]
泣き出して伊万里を傷つける。それだけは絶対に避けなければ。[lr]
――泣く、か。[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=6 e=1a m=10]
乾いた自嘲の笑みがこぼれた。高校生になって、大人になったつもりだった。だというのに涙とは、なんとも子どもじみている。結局、俺は背伸びした子どもに過ぎなかった。[pcm]
伊万里はもう大人だった。俺と真正面から向かい合うだけの覚悟を積んでいた。だというのに、俺はどうだろう。いつ、置いて行かれてしまったのだろうか。[lr]
寂寥にさいなまれる。孤独の寒さが芯まで身を侵蝕してゆく。伊万里を追いかけなければ。なのに凍りついた足は動かない。[lr]
――独りにしないでくれ。[lr]
;;みずき(制服 05,7A,10,00,00,00,M 片手胸に)
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「だいじょうぶ?」[lr]
みずきが身を乗り出して、俯いていた俺を覗きこんでくる。鼻の奥がつんと熱くなり、とっさに顔を逸らした。[pcm]
;;みずき(制服 07,1A,07,00,00,00,M 片手胸に)。BGM『13と1の誓い』
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ぎゅっ。握りあっている手に力が入った。温もりが伝わってくる。如月の冷気の中にいながら、むしろ体は熱い。傍らに別の体温があるだけで、こうも違うものかと驚きだった。[lr]
昨日、独りで幻の視線に怯えていたときとは大違いだ。もう独りにはなれない。静謐に告げられ、沈黙に語られたくはない。あの寒さを、孤独の冷たさを味わうくらいなら……。[lr]
手の熱が腕を伝って全身を火照らせてゆく。[lr]
「……っ!」[lr]
突如、激しい衝動に襲われた。瞬間、視界が何重にも増えてよろめく。[pcm]
;;みずき(制服 05,7A,10,00,00,00,M 片手胸に)
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「どうしたのっ!?」[lr]
「…………」[lr]
口を開くものの、返事ができない。意識がはっきりしない。凍えきった心と体が、病的なまでに温もりを欲していた。[lr]
脂汗が滲む。空いた手が震え出す。せわしなく吐き出される白い息。[lr]
みずきは何かを言っているようだ。だが、耳を打つ透明な清音としてしか聞こえなかった。[lr]
目に映るのは、薄く紅を引いたような桜色の唇、赤く濡れた舌先、ほんのりと色づいた頬。揺れるツインテールから漂う芳香が、このうえなく情欲を刺激した。[pcm]
「みの、る……?」[lr]
;;みずき(制服 07,4A,03,00,00,00,M 両手胸元)
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[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=1a m=10]
異変を察したのか、みずきの手の力がふっと抜けた。が、結局は再び握りしめた。[lr]
悲鳴をあげそうになる。放してくれていれば。頭の芯が痺れてゆくのが分かる。けれどどうしようもない。理性は拒んでいるのに、本能は望んでいた。[lr]
「みずき――!」[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=6 e=9a m=11]
恐ろしいほどの力で、華奢な体を力任せに抱き寄せていた。[lr]
;;みずき(制服 05,5A,05,00,00,00,M 両手胸元)
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「み、み、み、み、みのっ!?」[lr]
怯えた表情ですら劣情を煽るだけの意味しか持たない。[pcm]
蹂躙しかけたところで、冷水を浴びたように血が落ちた。[lr]
大きく見張られた鳶色の瞳。そこに映っていたのは、『獣』。[lr]
憑かれたような衝動が、潮が引くように鎮まってゆく。みずきの眼に射すくめられていた。[lr]
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それは凍えていた。それは飢えていた。それは……怯えていた。[lr]
この上なくか弱い。小さい小さい牙を精一杯に剥き、虚勢を張って唸っている。[r]
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泣き出して伊万里を傷つける。それだけは絶対に避けなければ。[lr]
――泣く、か。[lr]
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乾いた自嘲の笑みがこぼれた。高校生になって、大人になったつもりだった。だというのに涙とは、なんとも子どもじみている。結局、俺は背伸びした子どもに過ぎなかった。[pcm]
伊万里はもう大人だった。俺と真正面から向かい合うだけの覚悟を積んでいた。だというのに、俺はどうだろう。いつ、置いて行かれてしまったのだろうか。[lr]
寂寥にさいなまれる。孤独の寒さが芯まで身を侵蝕してゆく。伊万里を追いかけなければ。なのに凍りついた足は動かない。[lr]
――独りにしないでくれ。[lr]
;;みずき(制服 05,7A,10,00,00,00,M 片手胸に)
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「だいじょうぶ?」[lr]
みずきが身を乗り出して、俯いていた俺を覗きこんでくる。鼻の奥がつんと熱くなり、とっさに顔を逸らした。[pcm]
;;みずき(制服 07,1A,07,00,00,00,M 片手胸に)。BGM『13と1の誓い』
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ぎゅっ。握りあっている手に力が入った。温もりが伝わってくる。如月の冷気の中にいながら、むしろ体は熱い。傍らに別の体温があるだけで、こうも違うものかと驚きだった。[lr]
昨日、独りで幻の視線に怯えていたときとは大違いだ。もう独りにはなれない。静謐に告げられ、沈黙に語られたくはない。あの寒さを、孤独の冷たさを味わうくらいなら……。[lr]
手の熱が腕を伝って全身を火照らせてゆく。[lr]
「……っ!」[lr]
突如、激しい衝動に襲われた。瞬間、視界が何重にも増えてよろめく。[pcm]
;;みずき(制服 05,7A,10,00,00,00,M 片手胸に)
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「どうしたのっ!?」[lr]
「…………」[lr]
口を開くものの、返事ができない。意識がはっきりしない。凍えきった心と体が、病的なまでに温もりを欲していた。[lr]
脂汗が滲む。空いた手が震え出す。せわしなく吐き出される白い息。[lr]
みずきは何かを言っているようだ。だが、耳を打つ透明な清音としてしか聞こえなかった。[lr]
目に映るのは、薄く紅を引いたような桜色の唇、赤く濡れた舌先、ほんのりと色づいた頬。揺れるツインテールから漂う芳香が、このうえなく情欲を刺激した。[pcm]
「みの、る……?」[lr]
;;みずき(制服 07,4A,03,00,00,00,M 両手胸元)
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異変を察したのか、みずきの手の力がふっと抜けた。が、結局は再び握りしめた。[lr]
悲鳴をあげそうになる。放してくれていれば。頭の芯が痺れてゆくのが分かる。けれどどうしようもない。理性は拒んでいるのに、本能は望んでいた。[lr]
「みずき――!」[lr]
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恐ろしいほどの力で、華奢な体を力任せに抱き寄せていた。[lr]
;;みずき(制服 05,5A,05,00,00,00,M 両手胸元)
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「み、み、み、み、みのっ!?」[lr]
怯えた表情ですら劣情を煽るだけの意味しか持たない。[pcm]
蹂躙しかけたところで、冷水を浴びたように血が落ちた。[lr]
大きく見張られた鳶色の瞳。そこに映っていたのは、『獣』。[lr]
憑かれたような衝動が、潮が引くように鎮まってゆく。みずきの眼に射すくめられていた。[lr]
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それは凍えていた。それは飢えていた。それは……怯えていた。[lr]
この上なくか弱い。小さい小さい牙を精一杯に剥き、虚勢を張って唸っている。[r]
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誰かに身をすり寄せたくてたまらないのにも関わらず、まっすぐに近づかれると吼えて追い払ってしまう。[lr]
愛されたいのに、愛されそうになると逃げてしまう。[pcm]
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「みのる」[lr]
首を振るしかできない。[lr]
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「みのる?」[lr]
首を振る。[lr]
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「あたしを見て」[lr]
首を振る。[lr]
;;みずき(制服 07,8B,07,00,00,02,M 片手胸に)
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「どうして!?」[lr]
張り詰めた糸が切れたように、みずきが叫んだ。俺は……首を振った。[lr]
みずきは優しい。優しすぎる。苦しむ俺を見ては放っておけない。手を差し伸べてしまう。今もぎゅっと手に力が入った。[pcm]
けれど、俺は踏み出すわけにはいかない。誰にも身をすり寄せてはダメなのだ。――伊万里への返答が、まだだから。[lr]
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=5a m=10 t=2 y=b]
もう一度だけ、首を振ると、そっと手をポケットに入れて歩みを再開する。今さらのように手を振り払われたたことに気づいたみずきが『あ……』と茫然と呟いた。[r]
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「みのる」[lr]
首を振るしかできない。[lr]
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「みのる?」[lr]
首を振る。[lr]
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「あたしを見て」[lr]
首を振る。[lr]
;;みずき(制服 07,8B,07,00,00,02,M 片手胸に)
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「どうして!?」[lr]
張り詰めた糸が切れたように、みずきが叫んだ。俺は……首を振った。[lr]
みずきは優しい。優しすぎる。苦しむ俺を見ては放っておけない。手を差し伸べてしまう。今もぎゅっと手に力が入った。[pcm]
けれど、俺は踏み出すわけにはいかない。誰にも身をすり寄せてはダメなのだ。――伊万里への返答が、まだだから。[lr]
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もう一度だけ、首を振ると、そっと手をポケットに入れて歩みを再開する。今さらのように手を振り払われたたことに気づいたみずきが『あ……』と茫然と呟いた。[r]
絡みつくような視線を背に感じたが、俺は振り返らなかった。[lr]
このままうやむやにしたかった。みずきとは今までの関係でいたかった。――伊万里とはそうあれなかったから。[pcm]
;;みずき消し
;;みずき消し