mizuki2|
[cm]
;;選択肢D『みずきを愛している』。BGMフェードアウト。
@fadeoutbgm time=2000
「本当に……」[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=6 y=b m=9 t=1
最初の雨粒が地を叩くように、ぽつり、と。[lr]
「本当に、殺せるのか?」[lr]
;;みずき(困惑)
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=6 y=b m=10 t=1
「……え?」[lr]
@bgm file="c4u.ogg"
「本当に殺せるのかっ!?」[lr]
;;BGM『crazeforyou』
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=9 y=b m=10 t=1
口から迸っていたのは、豪雨のような怒鳴り声だった。[pcm]
;;みずき(怯え)
「殺せるんだよな? さっき自分でそう言ったよな? そうだろうな。殺してるもんな! 姉さんも! 委員長も! 先輩も!」[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=9 y=b m=5 t=1
一句一句を区切りながら、言葉を叩きつける。[lr]
「お前は俺のことを愛しているのか? 答えろ、みずき!」[lr]
言い放つと、そのままギッと睨みつけた。[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=7 y=b m=9 t=2
「…………」[lr]
;;みずき(泣き)
みずきはうろたえて俯くのみだった。胸元でぎゅっと握りしめられた拳は血の気がなく、そしてかすかに震えていた。[pcm]
静謐が二人の間を占める。ついには耐えかねた俺が足を前へ進めた。[lr]
;;みずき(笑み)
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=6 y=b m=6 t=1
「あ……」[lr]
ぱっと花咲いた笑顔。その傍らをすり抜ける。[lr]
;;みずき(ショック)
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=9 y=b m=5 t=1
「ぁ……」[lr]
みずきの茫然とした声を背に、なるべくそれを見ないようにしながら膝をついた。[lr]
血が乾いて張りついたチェーンソー。鋭い無数の刃は、さながら鮫の歯のようだ。これが肌に沈み、肉を骨をずたずたに引き裂いたのだろうか。[lr]
機械鋸を拾い上げ、みずきの手へと押しつけた。[pcm]
;;みずき(困惑)
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=6 y=b m=7 t=1
「え……?」[lr]
「殺せるんだろ? 殺したんだろ? これで」[lr]
;;みずき(目を逸らす)
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=7 y=b m=9 t=1
「…………」[lr]
「お前は俺のことを愛してるのか?」[lr]
;;みずき(必死)
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=6 y=b m=11 t=1
「それはっ!」[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=7 y=b m=9 t=1
反射的に叫ぼうとしたみずきは、しかし言葉に窮して黙りこんだ。[lr]
「なら、お前は伊万里を殺せるか?」[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=6 y=b m=11 t=1
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=7 y=b m=10 t=1
「…………」[lr]
みずきは握らされたチェーンソーに視線を落とすだけだった。だが、間違いなくその瞳は揺れた。[pcm]
「どうなんだ? もう一度聞く。お前は俺のことを愛してるのか?」[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=7 y=b m=9 t=2
みずきは黙りこむのみだった。小屋の外で風が吹く。尾を引くように冷ややか風音が響き、そしてそれが止み、やがて訪れた夜の無音が耳になじんだ頃、[lr]
;;SE『チェーンソー駆動音』、みずき(怯え)
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=6 y=b m=11 t=2
「あたしは……」[lr]
瞳を潤ませてみずきは顔を上げた。チェーンソーを振り上げた。[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=3 y=b m=5 t=2
「ごめんなさいっ……!」[lr]
;;SE『がっしゃーん的な破砕音』
伊万里へと刃が振り下ろされた。[pcm]
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=7 e=3 y=b m=11 t=2
「ごめんなさいごめんなさい……!」[lr]
無数の小さな刃が猛り、繊維をボロへ変える。[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=3 y=b m=11 t=2
「愛してる! みのるのこと愛してる!」[lr]
苦渋に顔を歪めながら、みずきはけたたましく泣き叫んだ。[lr]
@fadeoutbgm time=1500
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=1 y=a m=10 t=2
「愛してるけど……」[lr]
嗚咽が混じった後半は、エンジンの唸りに紛れて届かなかった。[lr]
;;BGM『13と1の誓い』
高速で動く刃は伊万里を縛るロープをズタズタにしていた。エンジンを停止させると、すぐさまチェーンソーをかなぐり捨て、みずきは伊万里の傍らへ跪いた。目隠しや猿轡を外し、子が親を起こすように揺さぶった。[pcm]
@bgm file="13_1.ogg"
;;伊万里(驚き)
「ぅ……ん……」[lr]
@cl
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=3 e=5 y=a m=4
@mizu pos=rc wear=u pose=3 b=5 e=1 y=a m=11 t=2
「伊万里っ! 起きて、伊万里ぃ! 起きてぇ!」[lr]
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=3 e=5 y=a m=5 s=1
「ぃ……うーん……痛たたたた」[lr]
頭をさすりながら、ゆっくりと上体を起こした伊万里にすぐさますがりつくみずき。[lr]
;;みずき(泣き)
@mizu pos=rc wear=u pose=3 b=5 e=6 y=a m=11 t=2
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」[lr]
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=2 e=2 y=a m=5 s=1
「ほえ……み、みずきちっ!? ……あれ、みのりんっ!?」[lr]
@mizu pos=rc wear=u pose=3 b=5 e=3 y=a m=10 t=2
「お願い、許して。許して……」[lr]
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=3 e=4 y=a m=4 s=1
戸惑ったようにこちらへ向けられる伊万里の視線。俺は何も言わずに見返し、かすかに頷いた。[pcm]
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=3 e=5 y=a m=2
やがて伊万里はふっと笑みをこぼすと、みずきの頭を撫で始めた。[lr]
;;伊万里(笑み)
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=3 e=3 y=a m=2
「どうしたのさ、みずきち。可愛い顔が台無しだよ?」[lr]
@mizu pos=rc wear=u pose=4 b=5 e=4 y=a m=10 t=2
嗚咽の中に何度も何度も『ごめんなさい』を繰り返して泣きじゃくるみずきを、伊万里はあやすように宥め続けた。[lr]
それを確かめると、俺は身をひるがえして、そっと小屋を出た。[pcm]
;;選択肢D『みずきを愛している』。BGMフェードアウト。
@fadeoutbgm time=2000
「本当に……」[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=6 y=b m=9 t=1
最初の雨粒が地を叩くように、ぽつり、と。[lr]
「本当に、殺せるのか?」[lr]
;;みずき(困惑)
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=6 y=b m=10 t=1
「……え?」[lr]
@bgm file="c4u.ogg"
「本当に殺せるのかっ!?」[lr]
;;BGM『crazeforyou』
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=9 y=b m=10 t=1
口から迸っていたのは、豪雨のような怒鳴り声だった。[pcm]
;;みずき(怯え)
「殺せるんだよな? さっき自分でそう言ったよな? そうだろうな。殺してるもんな! 姉さんも! 委員長も! 先輩も!」[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=9 y=b m=5 t=1
一句一句を区切りながら、言葉を叩きつける。[lr]
「お前は俺のことを愛しているのか? 答えろ、みずき!」[lr]
言い放つと、そのままギッと睨みつけた。[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=7 y=b m=9 t=2
「…………」[lr]
;;みずき(泣き)
みずきはうろたえて俯くのみだった。胸元でぎゅっと握りしめられた拳は血の気がなく、そしてかすかに震えていた。[pcm]
静謐が二人の間を占める。ついには耐えかねた俺が足を前へ進めた。[lr]
;;みずき(笑み)
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=6 y=b m=6 t=1
「あ……」[lr]
ぱっと花咲いた笑顔。その傍らをすり抜ける。[lr]
;;みずき(ショック)
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=9 y=b m=5 t=1
「ぁ……」[lr]
みずきの茫然とした声を背に、なるべくそれを見ないようにしながら膝をついた。[lr]
血が乾いて張りついたチェーンソー。鋭い無数の刃は、さながら鮫の歯のようだ。これが肌に沈み、肉を骨をずたずたに引き裂いたのだろうか。[lr]
機械鋸を拾い上げ、みずきの手へと押しつけた。[pcm]
;;みずき(困惑)
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=6 y=b m=7 t=1
「え……?」[lr]
「殺せるんだろ? 殺したんだろ? これで」[lr]
;;みずき(目を逸らす)
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=7 y=b m=9 t=1
「…………」[lr]
「お前は俺のことを愛してるのか?」[lr]
;;みずき(必死)
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=6 y=b m=11 t=1
「それはっ!」[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=7 y=b m=9 t=1
反射的に叫ぼうとしたみずきは、しかし言葉に窮して黙りこんだ。[lr]
「なら、お前は伊万里を殺せるか?」[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=6 y=b m=11 t=1
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=7 y=b m=10 t=1
「…………」[lr]
みずきは握らされたチェーンソーに視線を落とすだけだった。だが、間違いなくその瞳は揺れた。[pcm]
「どうなんだ? もう一度聞く。お前は俺のことを愛してるのか?」[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=7 y=b m=9 t=2
みずきは黙りこむのみだった。小屋の外で風が吹く。尾を引くように冷ややか風音が響き、そしてそれが止み、やがて訪れた夜の無音が耳になじんだ頃、[lr]
;;SE『チェーンソー駆動音』、みずき(怯え)
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=6 y=b m=11 t=2
「あたしは……」[lr]
瞳を潤ませてみずきは顔を上げた。チェーンソーを振り上げた。[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=5 e=3 y=b m=5 t=2
「ごめんなさいっ……!」[lr]
;;SE『がっしゃーん的な破砕音』
伊万里へと刃が振り下ろされた。[pcm]
@mizu pos=c wear=u pose=4 b=7 e=3 y=b m=11 t=2
「ごめんなさいごめんなさい……!」[lr]
無数の小さな刃が猛り、繊維をボロへ変える。[lr]
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=3 y=b m=11 t=2
「愛してる! みのるのこと愛してる!」[lr]
苦渋に顔を歪めながら、みずきはけたたましく泣き叫んだ。[lr]
@fadeoutbgm time=1500
@mizu pos=c wear=u pose=3 b=5 e=1 y=a m=10 t=2
「愛してるけど……」[lr]
嗚咽が混じった後半は、エンジンの唸りに紛れて届かなかった。[lr]
;;BGM『13と1の誓い』
高速で動く刃は伊万里を縛るロープをズタズタにしていた。エンジンを停止させると、すぐさまチェーンソーをかなぐり捨て、みずきは伊万里の傍らへ跪いた。目隠しや猿轡を外し、子が親を起こすように揺さぶった。[pcm]
@bgm file="13_1.ogg"
;;伊万里(驚き)
「ぅ……ん……」[lr]
@cl
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=3 e=5 y=a m=4
@mizu pos=rc wear=u pose=3 b=5 e=1 y=a m=11 t=2
「伊万里っ! 起きて、伊万里ぃ! 起きてぇ!」[lr]
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=3 e=5 y=a m=5 s=1
「ぃ……うーん……痛たたたた」[lr]
頭をさすりながら、ゆっくりと上体を起こした伊万里にすぐさますがりつくみずき。[lr]
;;みずき(泣き)
@mizu pos=rc wear=u pose=3 b=5 e=6 y=a m=11 t=2
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」[lr]
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=2 e=2 y=a m=5 s=1
「ほえ……み、みずきちっ!? ……あれ、みのりんっ!?」[lr]
@mizu pos=rc wear=u pose=3 b=5 e=3 y=a m=10 t=2
「お願い、許して。許して……」[lr]
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=3 e=4 y=a m=4 s=1
戸惑ったようにこちらへ向けられる伊万里の視線。俺は何も言わずに見返し、かすかに頷いた。[pcm]
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=3 e=5 y=a m=2
やがて伊万里はふっと笑みをこぼすと、みずきの頭を撫で始めた。[lr]
;;伊万里(笑み)
@imar pos=lc wear=u pose=1 b=3 e=3 y=a m=2
「どうしたのさ、みずきち。可愛い顔が台無しだよ?」[lr]
@mizu pos=rc wear=u pose=4 b=5 e=4 y=a m=10 t=2
嗚咽の中に何度も何度も『ごめんなさい』を繰り返して泣きじゃくるみずきを、伊万里はあやすように宥め続けた。[lr]
それを確かめると、俺は身をひるがえして、そっと小屋を出た。[pcm]
;;背景『夜明け』
@cl
@bg file="Lodge_ev2.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=700
@cl
@bg file="Lodge_ev2.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=700
外に出ると冷え切った朝風が体を包んだ。[lr]
だが、俺はもうそれには屈しなかった。[pcm]
だが、俺はもうそれには屈しなかった。[pcm]
@bg file="sky_ev2.jpg" rule="上から下へ" time=700
「夜明け、か……」[lr]
[nowait][r][endnowait]
思わず白い息をこぼすと、目を細めて遠く見やった。[lr]
[nowait][r][endnowait]
地平線の下から真っ白い光の円が覗き始めている。夜の闇がことごとく駆逐され、空は明るく晴れていく。[pcm]
俺はみずきのことを愛している。だからその過ちを放っておくわけにはいかなかった。[lr]
[nowait][r][endnowait]
――あのとき、みずきが伊万里を殺したら。あるいは伊万里がみずきを許さなかったら。[lr]
[nowait][r][endnowait]
俺は隠し携えていたウィッグを投げ捨てた。草むらのグリーンにペールグリーンが溶け込んで消える。[lr]
[nowait][r][endnowait]
後ろから締め上げ、その後、俺も……。[pcm]
[nowait][r][r][r][r][r][r][endnowait]
願わくば、伊万里にも、そしてみずきにもこの夜明けが訪れてくれるように。[pcm]
;↑原文 願わくは 正しいけど ば のが身近かなと
;スタッフロール
@fadeoutbgm time=3000
@bg file="black.jpg" time=2000
@wait time=1000
[jump storage="main.ks" target="*staffroll"]
[nowait][r][endnowait]
思わず白い息をこぼすと、目を細めて遠く見やった。[lr]
[nowait][r][endnowait]
地平線の下から真っ白い光の円が覗き始めている。夜の闇がことごとく駆逐され、空は明るく晴れていく。[pcm]
俺はみずきのことを愛している。だからその過ちを放っておくわけにはいかなかった。[lr]
[nowait][r][endnowait]
――あのとき、みずきが伊万里を殺したら。あるいは伊万里がみずきを許さなかったら。[lr]
[nowait][r][endnowait]
俺は隠し携えていたウィッグを投げ捨てた。草むらのグリーンにペールグリーンが溶け込んで消える。[lr]
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後ろから締め上げ、その後、俺も……。[pcm]
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願わくば、伊万里にも、そしてみずきにもこの夜明けが訪れてくれるように。[pcm]
;↑原文 願わくは 正しいけど ば のが身近かなと
;スタッフロール
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[s]