ヒロインがヤンデレのギャルゲみんなで作ろうぜ!

振り替え休日

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mizu0212|振り替え休日

@bg file="genkan.jpg" time=700
[cm]
@texton
;;BGM あえて無音?  ←稔の心境考えて、このep明るめな曲はなし 英字ー数字の曲は素材表リンク先からお借りしました
;;背景『自宅玄関』
 月曜日。それは魔物の曜日。休日という夢から平日という現実へ引きずりだす悪魔。[lr]
 ご多分に漏れず、誰もがそうであるように俺も月曜日の朝は遅い。慌てて朝食をつくると、姉さんの分も用意して鞄片手に玄関を飛び出した。[r]
 海外出張で親がいないと、こういうとき大変だ。[lr]
 家を出た時点で既に遅刻気味。まさに脱兎の如くダッシュした。[pcm]

;;BGM  k-04『雪景色』フリーの方です
;;背景『教室扉』
@bgm file="k04.ogg"
@bg2 file="rouka1.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 なんか変だと思っていた。閑散として学生服が見当たらない通学路。そして人気のない校庭。誰一人としていない昇降口。極めつけは鍵のかかった教室。[lr]
 考えられることはひとつ。……そういえば今日は振り替え休日だったっけ。[lr]
 ぽんぽんと肩が叩かれた。――振り向けなかった。[lr]
;;伊万里(制服 03,7A,00,00,02,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=7a m=11 t=2]
「ええええっ!? ひどいよ、みのりん。ボクは振り向く価値すらないのっ!?」[lr]
;;←原文が「もいのりん」修正お願いします
――この声は。[lr]
 弾かれたように振り替えると、ふぇぇぇと泣き真似をする伊万里がいた。[pcm]
「……伊万里か」[lr]
「反応遅いよ! ボクってそんなに影薄い!?」[lr]
「…………」[lr]
「ひどいやっ!」[lr]
 ぎゃーすかと喚く伊万里に、何かが込み上げてきた。[lr]
「くふっ……はっ」[lr]
;;伊万里(制服 04,4A,07,00,00,00,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=7]
「ああああっ! なんで笑うのさ!」[lr]
 答えられようか。顔を背けるのが俺の精一杯だった。[lr]
;;伊万里(制服 02,2A,05,00,01,00,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=2 e=2a m=5 s=1]
「……みのりん?」[lr]
 気づかぬうちに手は伊万里の腕を掴んでいた。だが伊万里はそれにも気づかずに目を大きく見張っていた。[pcm]
「泣いてる、の?」[lr]
「うるさい」[lr]
 袖で目元を擦りながら、顔を背けて離れようとする。[lr]
;;伊万里(制服 01,1A,04,00,00,00,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=4]
「ちょっとこっち来て」[lr]
 だが、強く腕を掴むなり、伊万里は俺を引き出した。[lr]
「おい、なんのつもりだ。止めろって」[lr]
「じゃ、どうして泣いてるのか教えてよ」[lr]
「…………」[lr]
「はい、じゃボクの言うとおりにして」[lr]
 抗えない俺の体を伊万里は引きずっていく。[pcm]
;;伊万里消し

;;BGM 『ある日のこと
;;背景『喫茶店』
@fadeoutbgm time=1500
@cl
@bg2 file="kissatenn2.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@playse storage="BellG@11.ogg"
@wait time=1000
@bgm file="aruhiA.ogg"

;;伊万里(制服 01,1A,04,00,00,00,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=4]
「で、どうしたのさ、いったい」[lr]
 ちゅーちゅーとオレンジジュースを吸い上げながら、伊万里が訊いてきた。[lr]
「お前ってばガキのままだな。未だにオレンジジュースとは」[lr]
「そういうみのりんこそ!」[lr]
 憤慨したように伊万里が指差した先には、俺の頼んだコーヒーがあるだけだ。ちょうど五杯目のミルクと砂糖を入れているところだ。[lr]
「それもうコーヒーじゃないよね!? って六杯目入れた!?」[lr]
「失敬な。ブラック以外はコーヒーとして認めないとでも言うのか?」[pcm]
「そ、そうじゃないけど……。でもでも、六杯は多すぎだよ!」[lr]
「ほほう、じゃあ何杯入れるとコーヒーじゃなくなるんだ? 根拠つきで言ってみろ」[lr]
;;原文 何倍
;;伊万里(制服 04,6A,09,00,01,00,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=6a m=9 s=1]
「……むぅ」[lr]
 眉をしかめながら、首を限界まで傾ける伊万里。コイツの扱いは慣れている。話題を逸らすくらいで苦労はしない。[lr]
 お膳立ては整った。訊かれて答えるのではダメだ。これはあくまでこちらから打ち明けなければならないことだ。[lr]
 それにこれはコイツ相手でないとできないことだ。長い付き合いのないような人物に対し、己の弱点と汚点とを進んで晒せるほど俺は大人じゃない。[pcm]
;;BGM OUT 3秒
;;BGM k-05 『あの日の空』
@fadeoutbgm time=3000
「話がある」[lr]
;;伊万里(制服 05,3A,04,00,00,00,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=4]
 切り出した途端、伊万里はキリリと眉を引き締めて無言で頷いた。[lr]
「実は……」[pcm]

@cl
@bg2 file="kissatenn2.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500

@bgm file="k05.ogg"
;[nowait][r][r][r][r][r][r][r][r]         [endnowait]
;~かくかくしかじか~[pcm]
 所々でつかえながらもなんとか一昨日のことを話し終えた頃には、伊万里のオレンジジュースは既に空となり、氷も溶けきっていた。[lr]
「それで、俺は……」[lr]
;;伊万里(制服 04,4A,07,00,00,00,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=7]
「最低だよ、みのりん!」[lr]
 伊万里の瞳はいつになく厳しい光をたたえていた。[lr]
 同情はなく、呵責のみ。けれど、それは俺の望んでいた反応だった。[lr]
「どうしてそんなこと言ったのさ! ボクはそんなこと思ってないのに!」[lr]
 傷の舐めあいなどは求めていない。ただ突き放されることを望んでいた。[pcm]
「みのりんは本当にそう思ってたの!? みずきちは悪くない!」[lr]
 過去のことを思い出す。何でもかんでも引き受けるみずき。それは怪我でさえ例外ではなかったということなのだろう。[lr]
 信号を無視した車に轢かれかけた伊万里を庇い、自分が傷を受けた。一時は生死をさまよい、半年も入院を続けた。その結果、留年する事態に至った。[lr]
 みずきが同級生ではなく、同い年の後輩となった瞬間だ。[lr]
@fadeoutbgm time=3000
「……本当に、そうなのか?」[lr]
;;伊万里(制服 02,2A,10,00,00,00,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=2 e=2a m=10]
「……え?」[lr]
 伊万里がきょとんとして言葉を呑んだ。[pcm]
「本当に、思ってないのか?」[lr]
;;伊万里(制服 03,3A,04,00,00,00,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=4]
「そ、それは……」[lr]
「お前、庇われたことを気に病んでないか?」[lr]
「…………」[lr]
;;BGM OUT 3秒
;;BGM k-06『宵』
@bgm file="k06.ogg"
「いや、悪い。この話はやめにしよう」[lr]
 伊万里はみずきに庇われたことを気に病んでいないのか。[lr]
――気に病んでいないはずがないじゃないか。[lr]
 親友が代わりに犠牲になって、気に掛けない親友がどこにいるのか。[lr]
 愚問を恥じた俺は、伝票を手に取って立ち上がった。[pcm]
;;伊万里(制服 03,4A,05,00,01,00,M)
[ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=5 s=1]
「ど、どこ行くのさ?」[lr]
「決まってるだろ、みずきのところ。謝って砕けてくる」[lr]
「……そっか」[lr]
 伊万里は目も合わせずに呟いた。[lr]
;;伊万里消し
@cl
 一年経ってまだ癒えていない古傷を呼び覚ましてしまったのは俺だ。せめて一人にしてじっと見つめなおす時間を与えてやるのが、最低限の礼儀というものだろう。[r]
 黙ってそのまま離れ、会計を済ませた。[pcm]

;;背景『喫茶店の前』。SE『からんころんとベルの音』
@playse storage="BellG@11.ogg"
@bg2 file="mati.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 扉を閉めると、心地の良いベルの音が鳴った。途端、渦巻く冬風が体を包みこみ、俺は服をキツく引きしめてから歩き出した。[lr]
 すぐに赤信号に捕まり、天を仰いで溜め息をつく。曇り空とは、まさに俺の心を映しこんだかのようだ。モヤモヤしていて不愉快極まりない。[lr]
 やがて信号が青になる。ひとつ息をついてから歩みを再開しようとして、[lr]
@fadeoutbgm time=3000
「…………」[lr]
 ぽんぽんと肩を叩かれた。――刹那だけ迷い、振り返った。[pcm]
;;BGM OUT 3秒
;;BGM Y-08『keep on』
@bgm file="y08.ogg"
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=4a m=10]
「みずき……」[lr]
 肌は蒼白、唇は青紫。真冬の冷気に侵されたその姿に、いつもの活発さは欠片もない。血の気のない肌に穿たれた、血走った瞳孔がひたと据えられる。[lr]
 その姿を認めた瞬間、俺は頭を下げていた。[lr]
「この前はすま――」[lr]
;原文 昨日 実際は一昨日
;;みずき(私服 07,4A,10,00,00,00,M 両手胸元に)
「寒いよ、みのる……」[lr]
 か細い悲鳴が上から降ってきた。慌てて見上げると、小さな体が小刻みに震えている。[lr]
「だ、だいじょうぶか!?」[lr]
 とっさに抱きとめたが、およそ人の体温とは思えない。この真冬に何時間外にいたのだろうか。[pcm]

;;背景『コンビニ』
;;みずき(私服 01,1A,09,00,00,00,M 片手胸に)
@cl
@bg2 file="konbini2.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=700
@bg file="konbini.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=700

[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=1a m=9]
 慌てて近くのコンビニへ引っ張り入れた。[lr]
「悪かった、この前は」[lr]
;原文 昨日
 改めて腰を折る。許してくれ。そう言うつもりだった。[lr]
「忘れて、くれ」[lr]
 だが、気がつくと言葉は別のものに化けていた。[lr]
 俺はただ嘘をついて傷つけたのではない。あの事故について伊万里が気に病んでいるというのは事実なのだから。[r]
 気づいてはならないことに気づかせ、癒えない傷を直視させてしまった。それが俺の咎だ。[lr]
「お前が傷つくのは、見たくないんだ」[lr]
;;みずき(私服 05,4A,10,00,00,01,M 両手胸元)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=5 e=4a m=10 t=1]
「……イヤ」[pcm]
 簡潔な返答を放ったみずきの表情は分からない。我知らず、顔を逸らしていたから。目の前にあった壁へ崩れかかり、奥歯を噛む。[lr]
 みずきが腰の裾を掴んできた。[lr]
「あのこと忘れたら、あたしはあたしでいられなくなるもん」[lr]
 底冷えするような声だった。[lr]
「だから忘れないよ。どんなに傷ついても。あたしの居場所のことは知ってるでしょ?」[lr]
 みずきの居場所。人に尽くして、人に尽くすというのが居場所。自分を犠牲にすることも多くて、だから心配で……。[lr]
;;みずき(私服 02,3A,02,00,00,01,M 片手肩に)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=2 e=3a m=2 t=1]
「そんなにあたしのこと心配? えへへ、嬉しいな」[lr]
 みずきは笑みを浮かべたが、すぐに消した。[pcm]
;;みずき(私服 04,8A,09,00,00,00,M 片手胸に)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=4 e=8a m=9]
「でも、それじゃダメ? 忘れないとダメ?」[lr]
「……いや」[lr]
;;みずき(私服 01,2A,02,00,00,00,M 片手肩に)
[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=1 e=2a m=2]
「だよね。みのるのお昼ご飯、あたしが選んだげる。栄養バランスは重要だもんね~」[lr]
 重苦しくなった空気を吹き飛ばすように、みずきはさっと俺から離れていった。[lr]
 まさかこのまま外に出て……いや、考えすぎか。ツインテールは飲み物の棚へかじりつき、野菜ジュースを見繕っている。[lr]
 なら俺は温かい肉まんでも買ってやろう。財布を取り出しながら、レジの横へと向かった。[pcm]
――ありがとう、な。[lr]
 擦れ違う間際の囁き声はみずきに届いただろうか。[pcm]



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@cl
@bg file="black.jpg" time=1000

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