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ひめの秘め事

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kawauson

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hime0209|ひめの秘め事

@bg file="genkan.jpg" time=700
[cm]
@bgm file="n01.ogg"
@texton
 いつもと変わらず学校から帰り、玄関にて靴を脱いで居間に向かう。[pcm]

@bg file="ribing.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

「ただいまー」[lr]
 きっとソファに座ってテレビを見て居るであろう姉さんの返事を期待してそう言ったのだが、今日は珍しく居間に姉さんの姿が無かった。[lr]
「……あれ?」[lr]
 たまに下校が一緒になるとき以外、それどころか一緒に帰ってきても、家に着くと大急ぎで手洗いと着替えを済まし、ソファにちょこんと鎮座してお気に入りの海外製テレビ番組を見ているのだが、今日はなんだか肩すかしを食らった気分だ。[lr]
 部屋に籠もって何かしているのかな、などと思いつつ洗面所に向かい手を洗って、冷蔵庫からお茶を取り出し一杯。喉を潤わせる。[pcm]

@bg file="genkan.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 そうして部屋に戻ろうと思い階段の手前に差し掛かったところで、地下室に電気がついていることに気づいた。[lr]
 我が家の地下室は、両親の趣味でワインセラー兼各種お酒置き場になっていて、最近では気温と湿度が安定しているからといって、姉さんが薬品庫としてその一部を間借りしていたりする。[lr]
 姉さんが薬品庫に置いているような敏感な薬品とは何なのか。怖いのであまり知りたくない。[lr]
 そしてその地下室は、仮に電気を消し忘れたりすると困るので、一階から地下に繋がる階段脇にある電気のスイッチで、電気がついているかどうかが一目で分かる仕組みになっているのだ。[pcm]
 朝までは消えていたのに、今は電気がついている。どうやら、姉さんが地下に入って何かやっているらしい。[lr]
 姉さんが地下室に潜るのは決して珍しいわけではないが、そこまで頻繁に出入りしているわけでもない。珍しい以上、たまに以下というところだろうか、とても微妙な頻度なのである。[lr]
 また何かに触発されて、危険な薬品を使った実験に興じようという気でも起こったのだろうか。姉さんの個人的な趣味にとやかく言う気は全くないが、やはりあの姉さんの綺麗な顔や手が、万が一何らかの事故で怪我を負ったらと思うと心配で仕方ない。[pcm]
 いや、もちろん普通に生活していても、事故というのは一定の確率で起こるものであるから、心配するだけ無駄だという考えもあるが、やはり自分から危険なことに手を伸ばす方が事故に遭う確率は高いだろう。頼むから、姉さんに怪我なんてして欲しくはない。[lr]

;;選択肢
;;なんだか、急激に心配になってきた。
;;まあ、姉さんだから多分平気だろう

[nowait]
[r]
[link target="*sinpai"]1.なんだか、急激に心配になってきた。[endlink][r]
[link target="*heiki"]2.まあ、姉さんだから多分平気だろう。[endlink]
[endnowait]
[s]
;選択肢は後で変更予定。



sinpai|

[cm]
;;なんだか、急激に心配になってきたの場合
 ……なんだか、急激に心配になってきた。[lr]
 とりあえず、早く部屋に戻って服を着替えよう。[pcm]

@bg2 file="heya_m.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 階段を昇り、部屋のドアを開ける。隣の姉さんの部屋から特に気配を感じないので、やはり電気の消し忘れなどではなく、現在も地下室にいるようだ。[lr]
 シャツだけはそのままで、ブレザーとズボンを脱ぎ、ニットとジーンズに手早く着替えると、制服のポケット類から財布と携帯だけを取り出して机の上に放り投げ、ちゃっちゃと部屋を出る。[pcm]

@bg2 file="genkan.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@wait time=300
@bg file="ribing.jpg" rule="左下から右上へ"
@wait time=500
@bg file="genkan.jpg" rule="右上から左下へ"

 階段を降りてきて、一応サッと居間を覗くが、姉さんは居ない。階段脇のスイッチも、未だ地下室に電気が灯っていることを示している。[pcm]

@bg file="kaidan3.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 地下室への階段を降りる。そういえば、最後に地下室を掃除してから二週間ほどが経っている。誰も使っていないとはいえ、そろそろ掃除をしなくてはいけないだろう。[lr]

@bg file="tika3.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 階段を降り、ドアを開けてすぐのスペースは、父さん達がお酒を楽しむために作った、第二のリビングのような作りになっている。この部屋は外のドライエリアに面していて、地下にもかかわらず日中なら太陽光も豊富だし、夜になるとそれなりにムードのある空間だ。[lr]
 この部屋には姉さんの姿が見えない。ということはやはり、この部屋から扉を隔てて繋がるワインセラー兼お酒置き場兼薬品庫に居るのだろう。[lr]
 ワインセラー以下略は、今居る第二のリビングとは異なり、基本的に外面とは接していない、完全な地下室だ。だからこそ、専用の機材を運び込んで気温と室温を一定に保ち、ワインセラーとしての能力を発揮している。[pcm]

@bg file="wain_doa.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 ドアノブに手を掛けて、[lr]
「姉さん? 居るの?」[lr]
 声を掛けながらドアを開ける。[pcm]

@bg file="wain.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

「ひゃぁ!?」[lr]
 俺の呼びかけに対し、ワインセラー以下略の中から返ってきたのは、姉さんの素っ頓狂な叫び声だった。[lr]
「ちょっ、姉さん! 大丈夫!?」[lr]
 しまった。もし姉さんが薬品をいじっている最中だったら、俺が吃驚させてしまうことで手元を狂わして大惨事になっていたかも知れない。[lr]
 幸い、声は奥の薬品庫からの方ではなく、手前の酒蔵の方から聞こえてきたようだ。良かった。[lr]
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「み、稔くん!? お、おかえり!」[lr]
 何やらガサゴソと音がしたかと思うと、棚の隙間から姉さんがひょこっと姿を現した。[lr]
 どうやら無事だったようだ。[pcm]
「ごめんね、姉さん。おどかして」[lr]
 そう言うと、姉さんはぶんぶんと首を横に振って、[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=1a m=1 c=1]
「大丈夫だよ、稔くん。ありがとう」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=1 c=1]
 と言い、笑った。[lr]
 姉さんの笑顔を見て安心すると、少し気持ちに余裕が出来て、そしてようやく現状の不可解さに気付いた。[lr]
「ところで姉さん、何やってるの?」[lr]
 姉さん謹製の薬品庫をいじり回しているわけでも無さそうだし、現在いる場所はワインを保管している棚ではなく、蒸留酒などの比較的保存の利くお酒が置いてある棚の場所だ。[pcm]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=6 e=6a m=7 c=1]
「ひょぇっ!?」[lr]
 またもや素っ頓狂な返事。どうやら相当やましいところがあるみたいだ。[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=9 e=7a m=1 c=1]
「えっ、えっと、久しぶりに硫酸銅の結晶が見たくなって……」[lr]
「そこ、姉さんの薬品庫じゃないでしょ?」[lr]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=9 e=3a m=1 c=1]
「やっ、違うの、稔くん! もう硫酸銅は見終わった後でね? そう! 私と稔くんのお誕生会の時に空けるワインの品定めをね!」[lr]
「姉さん、そこワインの棚じゃないよ。それに俺たち未成年だし、誕生日はまだ先じゃ……」[pcm]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=5 c=1]
「うん、えと、そうだ! 実験中に消毒用のアルコールが無くなっちゃってね? スピリタスを」[lr]
「姉さん、いくらなんでも『そうだ!』は無いでしょ」[lr]
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 そこはかとなく両手をもてあまし気味にぱたぱたしつつ、やや目を泳がせて必死に言い訳を考えている感のある姉さんの図であることは見え見えである。[lr]
 しどろもどろな姉さんも意外に新鮮だが、勝手に父さん達のお酒を漁るのは良くないだろう。[lr]
「姉さん、何やってたの? その歳でアルコールに依存し始めたら、弟として父さん達に何て言って良いか解らないよ」[lr]
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「ち、違うの稔くん! その……本当はお菓子を作ろうと思って、風味付けのブランデーを探してたの」[pcm]
 姉さんは両手を前でもじもじさせながら、やや不満そうに唇を突き出しつつもしゅんとした顔で下を向いている。[lr]
 姉さんが無意識にこの格好をとるときは、嘘の後に本当のことを言っている場合が多い。[lr]
 姉さんは頭が回るくせに、事前に計画していない不測の事態に弱かったりするのだ。二、三度の言い訳の後、観念しつも悔しそうに本当の理由を話すのは、良くあることである。[lr]
 それにしても。[lr]
「お菓子?」[lr]
 何でまた急に、ブランデーなどを使う本格派に目覚めたのだろうか。[pcm]
「姉さん、また何かに触発された?」[lr]
 姉さんはとてもミーハーだ。何か面白い小説や漫画を読んだりゲームをしたりすると、その登場人物の真似をしたがる。[r]
 突然一週間の食事が姉のリクエストによりスパゲッティのみになったり、大量のハーゲンダッツと共に帰宅したり、マカロンを作ってくれとねだり始めたり、ポーカーの勝負を一晩中挑んできたり、謎の呼吸法を始めたり、何かと色々と大変だ。[lr]
「というか姉さん、俺が作ろうか?」[lr]
 急に姉さんが調理をしたがるのもおかしな感じだ。今までは俺が作っていたのに。[pcm]
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「いいの! 稔くんの作ったお菓子は食べたいけど今回はいいの! 調理は化学なの!」[lr]
 意外な答えが返ってくる。いつもなら、俺に作らせようとするはずだが。[lr]
 まあ確かに、何かの漫画で錬金術は台所で産まれたという説もあるって事を言っていた気がするが、それにしても一体どんな風の吹き回しなのだろうか。[lr]
 もしかしたら、実験器具で料理をするマッドサイエンティストでも出てくる漫画を読んだのかも知れない。[lr]
「でも、一応父さん達の許可はとった方が良いんじゃない? お酒の封をお菓子のために開けても、そんなに量使わないでしょ?」[lr]
 というか、全体の量に対して全然使わないだろう。[pcm]
[ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=1 c=1]
「うん、さっきお父さん達にメールしたら、栓が開いてる奴は自由に使って良いって。だから大丈夫だよ、稔くん」[lr]
 成る程、流石準備の良い姉さんだ。[lr]
 しかし、何で父さん達には聞いていたのに、俺に対しては誤魔化そうとしていたのだろうか疑問だが、まあそんなことはどうでも良いか。きっとまた俺に、ミーハーだとからかわれるのが嫌だったのだろう。[lr]
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「それじゃあ、お姉ちゃんはもう少し探すから、稔くんは気にしないで。ね?」[lr]
 姉さんはそう言って、俺を地下室から追いやろうとする。[pcm]
 まあ、父さんの許可を取ってるのなら、俺がとやかく言うことでも無いだろう。[lr]
「うん、分かったよ、姉さん」[lr]
 そう言って、大人しく地上に退散することにした。[lr]
「それじゃあ、気を付けてね、姉さん」[lr]
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「うん。ありがとう、稔くん」[lr]
 姉さんの笑顔に見送られ、ワインセラー以下略のドアを閉める。[pcm]

@cl
@bg file="tika3.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 それにしても、姉さんの作るお菓子か。小さい頃に食べたこともあった気がするけれど、ずっと前の話なので覚えていない。[lr]
 姉さんが完成させたら、思い出作りにちょっとだけ貰おう。そんなことを考えていたらなんだか楽しみになってきたので、俺は上機嫌で地下をあとにした。[pcm]



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[s]



heiki|

[cm]
;;まあ、姉さんだから多分平気だろうの場合
 でもまあ、薬品を扱うことに関しては姉さんは慣れたモノだし、姉さんの趣味にうるさく口出しする弟っていうのも、あんまり格好の良いものではあるまい。[lr]
 姉さんのことだから、多分平気だろう。弟として出来ることは、姉さんの趣味を生暖かく見守ることだけだ。[lr]
 そう思うと、地下室まで行って姉さんに何か言おうなんて気は失せてしまった。[lr]
 さて。ちゃっちゃと制服を着替えて、俺は俺のすべき事をしよう。[pcm]

@bg2 file="heya_m.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

 階段を上って、部屋に戻る。隣の姉さんの部屋に何の気配も無い様子を見ると、どうやら姉さんは本当に地下室にいるようだ。[lr]
 シャツだけはそのままに、ブレザーズボンを脱いでニットとジーンズに着替えて、制服のポケットから携帯電話と財布を取り出して机に投げる。[lr]
 と、その瞬間。携帯が鳴った。あまりにも良いタイミングだったので驚いたが、設定してある着信音の種類から、メールの主は父だとすぐに分かった。[lr]
 投げたばかりの携帯を再び取り、メールボックスを覗くと、届いていたメールはやはり父からのものだった。[pcm]
「珍しいな、こんな時間に送ってくるなんて」[lr]
 向こうとの時差の関係で、普段なら送ってくるのは深夜近くかそれ以降なのに、何か急用だろうか?[lr]
 メールを開く。[lr]
「本文……ん? 『稔、ひめのお菓子を独り占めなんてずるいぞ。じゃあ、父さん仕事だから。覚えてろよ。』何だこれ?」[lr]
 頭でもイカレたか親父。仕事の真っ最中だろうに、何つーメールを送ってくるんだ。というか、仕事しろ。サボるな。[lr]
 なんだか、急に何もかもがアホらしくなった。[lr]
「……冷蔵庫の整理でもするか」[lr]
 携帯をベッドの上に放り捨て、部屋を出る。[pcm]

@bg2 file="genkan.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@bg file="ribing.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"

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 一階に下りると、姉さんがいつも通りソファに鎮座してテレビを見ていた。[lr]
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「あ! お帰り、稔くん」[lr]
 どうやら、地下室での用事は済んだようだ。[lr]
「うん、ただいま、姉さん」[lr]
 面倒なので、さっきのメールのことは夕食の時間にでも聞くことにしよう。今は気分が乗ってきたから、冷蔵庫の整理が急務だ。[pcm]



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@cl
@bg file="black.jpg" time=1000

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[s]
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