フォンタニエ辺境伯国

国名 フォンタニエ辺境伯国
首都 シンシュウ
国家元首 ミシェル・フォンタニエ辺境伯
通貨 フロン
国旗
北方大陸では珍しい、亜人種ブロンフォン族による単一民族国家。しかし地理的要因による外部との連絡手段の乏しさと内向的な民族的性格により、外部の探検家による「再発見」までは忘れられた国であった。

地理

北方大陸の北方の巨大山岳地帯、フェヌボンシュ山地(ヤード語名極北ニェーヴァ山地)の一部を領土として保有している。
国土の全てが山岳地帯と言う特殊な環境のため、一番標高の低いところでも2000~3000mもある。首都のシンシュウは標高3400~3600mのところにあり、「天空の隠れ里」と称される。
そのシンシュウに隣接するように標高4000m前後の広い平地があり、「リューテ」と呼ばれる。リューテではジャガイモとライ麦を中心とした農耕と羊やリャマ、山馬鳥、飛行馬鳥の放牧が行われている。
南部には「ミラ・ドゥシー(ブロンフォン語で"天空の鏡"を意味する)」と呼ばれる広大な塩原が広がる。"天空の鏡"と呼ばれる所以は塩原が非常に平らな場所で雨が降ると波も立たない程薄く広がり、鏡の如く空を映すことからである。
N6 ミノチ 羊毛・畜牛
N7 サーク 鉄・貴金属
N11 イナ 石炭・硫黄

政治

立憲君主制・議会制民主主義を採用しているとしてが、君主たる辺境伯は「国家が存亡の危機に瀕した時に国政を総攬する権利」を持つと規定され、更に選挙の出馬に身分などの制限がない(年齢規定程度)ため、辺境伯自身が選挙に出て当選→議員として政治に関与するが暗黙の了解と化している。尚、代々辺境伯は特定の政党に所属したことはない。
議会は首都シンシュウ・北方区・南方区の三区から一定の人数を選出する大選挙区制と比例区の計101名で構成される。現在は穏健保守政党である、立憲自由党を中心とした政権となっている。有力な野党としては急進革新政党である社会民主戦線とそこから分離した穏健革新政党である民主党が挙げられる。

軍事

ブロンフォン族は非力な民族である上に貧しい為、武力は非常に小さいものとなっている。辺境伯親衛隊と山馬鳥を利用した騎鳥兵隊、近年設立された飛行馬鳥を利用した航空隊が主力となっている。これらは辺境伯軍として纏められ、その長である総司令官は5年任期制で政府により指名される。ただし任期中に退任ないしは死亡した場合、混乱を防ぐために政府による決定を待たずに辺境伯親衛隊隊長が自動的に総司令官として残りの任期を務める。再任制限はない。

外交関係

近年まで存在を忘れられていた国であったため、外交関係は皆無な状態であったが国際社会への進出以降、少しづつ外交関係を形成しようとしている。
  • ディヴィーカ

歴史

ブロンフォン族の言い伝えや僅かに残された歴史書によると、女性しかいないという特性と美貌を兼ね備える月兎族は他種族から常に狙われる存在であり、離散を続ける一方であった。ただ、ヤード帝国(=古代ヤード)の栄えた時代はその美貌に魅了された歴代の皇帝の庇護の下で少数の月兎族が北方大陸に渡り、少しずつその数を増やしていった。
しかしその渡ってきた経緯とその容姿から「皇帝の娼婦」と呼ばれ、差別を受けた。帝国の衰退や亜人狩りなどによってそれが激しくなったため、当時族の中心的な存在であったアリエル・フォンタニエは数代に渡る長い時間の中で築き上げた帝国との関係を利用し、未踏の地である北方の辺境地の開発許可を求めた。
帝国側は当時亜人狩りの中心であった円十字教普遍教会との関係の重視や負担の軽減を目的として、アリエルに「辺境伯」という独自の爵位を与え、開発の許可を与えた。これを受けて帝国領内の月兎族は北を目指す旅を始めたのである。が、非力で狙われやすい月兎族は北へと向かえば向かうほどその数を減らしていき、フェヌボンシュ山地に辿り着く頃には当初の4分の1程まで減っていたという。
ともあれ、険しい山々と厳しい気候に守られたこの地を永住地と定めた月兎族はやがてブロンフォン族と称するようになったと言われる。そしてヤード帝国の崩壊によって北へと向かった月兎族の存在は忘れ去られることとなった。
その存在が再び明らかになったのは、ヤーディシア共同体の文化委員会が行った北方調査による。無人の地とされたフェヌボンシュ山地の実態調査を目的としたものであった。その中で辺境伯国の存在が明らかになり、無人とされていた極北地帯に、北方大陸には少ないとされていた亜人種族の自治領域が存在していたという事実は当時の各国に衝撃を与えた。同時に辺境伯国も数百年ぶりに得た外の情報は新鮮であり、特にヤード帝国が既に崩壊して久しいと言う話は驚くべきものであった。そして調査隊に説得される形で辺境伯国はヤード帝国の一領土ではなく、単一の国家として国際社会に姿を現したのである。

交通

現状交通網は山々に張り付くように作られた僅かな道しかなく、移動手段として山馬鳥や飛行馬鳥が用いられている。そこでヤーディシア共同体を始めとした国際社会の協力により、首都シンシュウと南方の国境地帯を結ぶ登山鉄道の建設が計画されている。

文化

民族

  • ブロンフォン族
兎の亜人種族。他の兎の亜人種と異なる点としては厚い毛で覆われた耳が挙げられる。酸素の薄い環境に適応しており、高原地帯でも走り回ることが出来る。基本的に内向的で引きこもりがちとも言われる。
また月兎族の末裔として美形が多く、老化速度が極端に遅い。性は基本的に女性と両性具有であり、男性はいない。両性具有と言っても見た目は女性である。これは月兎族の特徴である、生殖を他種族の男性に依存する形だったものが他種族のいない環境に適応するために自力で生殖が出来るように進化したものと考えられている。
平均寿命は50~60歳ぐらいとされる。
  • その他
ブロンフォン族の単一民族国家であるが、極北調査や山岳地帯の鉱物資源探査を目的とした一定の北方大陸人が移住している。概ねブロンフォン族との関係は良好である。

食文化

外との繋がりが皆無であった影響で、自国内で生産できるもののみを使った料理が主体である。特にジャガイモ(バレーショと呼ばれる)を使った料理が多彩である。ジャガイモは生では使わず、昼夜の寒暖差を利用してフリーズドライの如く乾燥させて保存食にしてから用いる。ライ麦も黒パンとして食する。
  • コハク茶
コハクノキの葉に湯を注いで作る、ブロンフォン族ではごく一般的な飲料である。花が淡い琥珀色を帯びることからその名が付いた。葉には弱いながらも興奮作用があり、高山病に効果がある。その為各地でコハクノキは栽培され、コハク茶が飲まれている。
これに目を付けた一部の北方大陸人は葉から興奮作用を起こす成分を抽出する技術を開発した。これによって抽出された成分は"ハクイン"と呼ばれる。ハクインは"白淫"とも呼ばれ、それを濃縮したものはアヘンに並ぶ麻薬であり、あらゆるルートから世界各地に輸出されている。しかし、ブロンフォン族は「日々コハク茶を飲んでいるのだから態々色々やって薬にして飲む必要はない」と考えているらしく、手を出すものは殆どいないとされる。

宗教

月兎族は月を崇める信仰で有名であるが、ブロンフォン族は円十字教と融合した形でその信仰を続けている。この信仰は正統教会系列に属し、円十字月兎教会と呼ばれ、そのシンボルたる月兎円十字は国旗にも採用されている。ブロンフォン族の長である辺境伯は辺境伯位と同時に教会の首長の地位を持っている、とされる。

人物

  • ミシェル・フォンタニエ
現在の辺境伯。初代辺境伯アリエルから数えて18代目。聡明ではあるが、生まれつき吃音症を患っていた。矯正によって殆ど目立たない程度になっているが、声に対するコンプレックスは拭えず、非常に小声でマイクや拡声器が必需品。
上記の事情から辺境伯即位には反対の声が挙がったが、先代の急逝と国際社会復帰が重なり、面倒を嫌った他の即位候補たちが即位を拒否したため、なし崩し的に即位せざるを得ない状況になった。
辺境伯という地位のプレッシャーに胃を痛めつつも日々政務に励んでいる。ディヴィーカの黒兎族族長であるミコトと文通していると噂されている。
  • フェリシー・デュ・ベレー
現在軍総司令官を務める軍人。親衛隊に人材を出し続ける名門、ドゥ・ベレー家の若き天才として知られている。
最近まで辺境伯親衛隊隊長であったが、前任の任期中の死により総司令官に任命された。
内向的なブロンフォン族では珍しい、軍人気質な性格である。しかし、生真面目過ぎる事が仇になることも。
  • ローズモンド・ロロット

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最終更新:2019年02月07日 01:13
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