運動方程式から軌道方程式まで(3)
軌道の微分方程式を積分して,軌道方程式を得る。

(3) 軌道方程式を導出する

軌道u=u(\phi)が満たすべき微分方程式として,

\frac{d^2u}{d\phi^2}+u = \frac{GM}{h^2}

を得た。簡単のため,右辺を \alpha とおくと,

\frac{d^2}{d\phi^2}(u-\alpha) = -(u-\alpha)

となるから,ただちに

u - \alpha = C\cos\phi

を得る。余弦の中にもうひとつの積分定数である初期位相をとるべきだが,近日点(r最小の位置)を \phi=0 にとることで省略することに不都合はないだろう。座標変数を r にもどせば,

r(\phi) = \frac{l}{1+e\cos\phi}

という形に整理できる。これは,円錐曲線(円錐を平面で切ったときの切り口の形)とよばれる2次曲線群を表しており,

0\leq e<1:楕円
e=1   :放物線
e > 1   :双曲線

に相当して,初期条件の違いによって,それぞれ実現可能な軌道となる。なお,

l=r\left(\frac{\pi}{2}\right) = \frac{h^2}{GM}\quad,\quad e=\frac{h^2C}{GM}

はいわゆる半直弦および離心率である。l=1e=0.5,1,1.5の場合を図に示す。


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最終更新:2010年03月16日 23:14
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