等質量の弾性斜衝突
Yahoo!知恵袋より。等質量の質点A,Bがあり,静止したBにAが弾性衝突をすると,衝突後の相互の運動方向が直交することの証明。

【問題】
質量の同じ2つの質点A,Bがあり,静止したBにAを完全弾性衝突させる。衝突後の2つの質点の運動方向が互いに直交することを示せ。



【解答】知恵袋の回答はともかくとして,成分を用いずになるべくエレガントにいきたい。

(1) 実験室系に徹する考察

衝突前の質点Aの速度を\boldsymbol{v}_0,衝突後のAの速度を \boldsymbol{U},Bの速度を \boldsymbol{V}とすると,運動量保存により

\boldsymbol{v}_0 = \boldsymbol{U} + \boldsymbol{V}

エネルギー保存により,

{v_0}^2 = U^2 + V^2

上の式を2乗して下の式を考慮すると,

\boldsymbol{U}\cdot\boldsymbol{V} = 0\qquad\therefore \boldsymbol{U}\bot\boldsymbol{V}

※運動量保存は3つのベクトルが三角形をなすこと,エネルギー保存はそれが直角三角形であること(三平方の定理)を示しているので,実は立式の時点で証明は終わっている。

(2) 質量中心系を用いる考察

衝突前の質点Aの速度を\boldsymbol{v}_0とすれば,質量中心系では衝突前のAの速度は\boldsymbol{v}_0/2,Bの速度は-\boldsymbol{v}_0/2である。また,衝突後のAの速度を\boldsymbol{W}とおくと,運動量保存によりBの速度は-\boldsymbol{W}となる。

エネルギー保存により,

\left(\frac{v_0}{2}\right)^2 = W^2

実験室系での衝突後のAの速度を \boldsymbol{U},Bの速度を \boldsymbol{V}とすれば,

\boldsymbol{U} = \boldsymbol{W} + \frac{\boldsymbol{v}_0}{2}
\boldsymbol{V} = -\boldsymbol{W} + \frac{\boldsymbol{v}_0}{2}

\therefore \boldsymbol{U}\cdot\boldsymbol{V} = -W^2 + \frac{{v_0}^2}{4} = 0\qquad\therefore \boldsymbol{U}\bot\boldsymbol{V}

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最終更新:2010年11月09日 16:01
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