反対称テンソルからのベクトルの取り出し
反対称2階テンソルからベクトルを取り出す表式に思い当ったので,ベクトル演算の行列化(1)に多少の進展あり?

ベクトルを双対テンソルに置き換えて,ベクトル積を行列積として表記する方法についてベクトル演算の行列化(1)以下に紹介したが,反対称2階テンソルからベクトルを取り出す逆計算の表記に思い当ったので,かゆいところに手が届いて,多少の進展があるかもしれない。

ベクトル\boldsymbol{B}に対して,双対をなす反対称テンソル

^*\!\boldsymbol{B} = \left(\begin{matrix}\quad 0\qquad B_z\quad-B_y\\-B_z\qquad 0\qquad B_x\\\,\,B_y\,\,-B_x\qquad 0\end{matrix}\right)\qquad{\rm or}\qquad ^*\!B_{ij} = \varepsilon_{ijk}B_k

を定義する。このテンソルから逆にベクトル成分を取り出すには,

\boldsymbol{B} = ^*\!(^*\!\boldsymbol{B})\qquad {\rm or} \qquad B_i = \frac{1}{2}{\varepsilon_{ijk}}^*\!B_{jk}

とすればよい。つまり双対をとる演算は,レビ・チビタ記号との積をとって縮約し,重複があればのぞくというものに当たる。ベクトルのテンソル化では重複はないが,テンソルのベクトル化では反対称成分の重複カウントが生じるために,係数1/2を要する。

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最終更新:2010年11月18日 16:44