【解答】ビルを超える最小速度
【問題】→ ビルを越える最小速度

たとえば,(0,h)を通過し(2b,h)の上空を通るような軌道を考えるとき,さらに放物線を平行移動により下におろした軌道を選べば,より小さい初速で越えることができる。したがって,題意を満たす軌道は(0,h),(2b,h)の両方を通過するものとなる。

軌道の式を,

y = -a(x-b)^2 + c\quad,\quad a = \frac{g}{2{v_0}^2\cos^2\theta}

とおけば,(0,h),(2b,h)を通ることから,

h = -ab^2 + c

\therefore c = h + ab^2

(-L,0)を通ることから,

0 = -a(L+b)^2 + h + ab^2

\therefore L = -b + \sqrt{b^2+h/a}

また,必要最小の速さで打ち上げられたとき,(0,h)における速さも他のどんな場合より小さくなるべきである。最小限の速さでぎりぎり屋上を越えるためには,(0,h)での方向が仰角45°となるような速度を持つべきである(なぜなら,もしそれ以外の角度であれば仰角45°になるようにすればさらに小さい速さで越えることができるはずであるから)。すると,

\left\frac{dy}{dx}\right|_{x=0} = 2ab = 1

\therefore L = -b+\sqrt{b^2+2bh}

これでLが決定した。また,初速度の仰角を\thetaとしたから,

\tan\theta = \left\frac{dy}{dx}\right|_{x=-L} = \frac{L+b}{b} = \sqrt{1+2h/b}

これで\thetaが得られた。さらに,

a = \frac{1}{2b} = \frac{g}{2{v_0}^2\cos^2\theta}

において,

\frac{1}{\cos^2\theta} = 1+\tan^2\theta = 2+2h/b

\therefore v_0 = \sqrt{2g(b+h)}

を得る。

Algodooの設定は,

h=50{\rm [m]},b=10{\rm [m]}

である。下図は,題意にそう軌道と,もうひとつの軌道。


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最終更新:2011年10月24日 22:29
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